ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、ケントとイーディスの回です。
ここで、ケントに強化が入ります。


第55話 2人の騎士の想い

ケントside

 

 俺とユージオは、整合騎士になったわけだが、イーディスと共に行動する事が多い。

 どうやら、ベルクーリさんとリョウガさんの采配の結果らしい。

 実力があるとはいえ、半人前の騎士。

 そこで、イーディスが指導するという形で、行動を共にする事になった。

 一度、ベルクーリさんとリョウガさんに呼び出される。

 

イーディス「ケントと一緒に、果ての山脈の警護を?」

ベルクーリ「そうだ。依然として、果ての山脈の警護の必要があるからな。ケントとの連携を深める為にも、一緒に行ってくれ。」

リョウガ「もしかしたら、ゴブリンが潜んでいる可能性がある。心してかかれ。」

ケント「分かりました。」

ベルクーリ「それと、カーディナル殿が、お前たち2人を呼んでいたぞ。」

イーディス「私も?」

ケント「カーディナルさんは、どこにいらっしゃいますか?」

リョウガ「この時間だと、恐らく、大図書室に居るだろうな。」

 

 俺とイーディスは、リョウガさんの言う通りに大図書室に行くと、カーディナルさんとユーリさんが何かを話していた。

 すると、俺たちに気付いたのか、こちらを向いてくる。

 

カーディナル「おお、よく来たな。」

ケント「それで、カーディナルさん。俺たちに用事とは?」

カーディナル「うむ。まずはイーディス。前に出よ。」

イーディス「え?ええ………。」

 

 イーディスが前に出て、カーディナルさんはイーディスに杖を向ける。

 すると、神聖術が発動して、イーディスに温かい光が包まれる。

 イーディスが眼帯を取ると、失われていた右目が回復していた。

 

イーディス「ありがとうございます。」

カーディナル「よい。修復するのが遅れてすまなかったな。」

ケント「それで、俺に用事というのは?」

カーディナル「そうじゃったな。ケント。お主に渡したい物があるのじゃ。」

ケント「渡したい物?」

ユーリ「これだ。」

 

 そう言ってユーリが渡してきたのは、鎧だった。

 

ケント「これは?」

ユーリ「これは、《雷鳴の鎧》だ。」

ケント「雷鳴の鎧?」

イーディス「もしかして、リョウガが使ってる時国の鎧と同系統なの?」

カーディナル「そうじゃ。これを使えば、雷鳴剣黄雷の力を、更に引き出せるかもしれん。」

ケント「………かもしれない?」

ユーリ「引き出せるかどうかは、担い手にもよるからな。」

 

 なるほどな。

 どうにかして、雷鳴剣黄雷の力を引き出せる様にしないとな。

 そうして、用事が終わったので、俺とイーディスは出かける。

 実は、整合騎士に叙任された際に、飛竜も授かられたのだ。

 俺はその飛竜の名前を、御雷という名前にした。

 イーディスの飛竜である霧舞と共に、果ての山脈へと向かう。

 

イーディス「それにしても、まさか、ケントを選ぶなんてねぇ………。」

ケント「どういう事だ?」

イーディス「その子はね、最高司祭様が持て余してた飛竜なのよ。その子、誰にも仕えたりはしなくて。」

ケント「そういう事だったのか………。」

イーディス「だからさ、その子を大事にしてあげてね。」

ケント「ああ。」

 

 果ての山脈へと到着して、俺たちは2体の飛竜に待機命令を出して、洞窟へと調査に入る。

 洞窟の中は暗く、慎重に進んでいくと、何かの話し声が聞こえてくる。

 俺とイーディスは、頷き合って、耳を澄ませる。

 すると。

 

???「もう少しで、白イウムどもの村を攻められるぞ!」

???「ああ!白イウムどもを、食らってやる!」

イーディス「ケント。」

ケント「分かってる。」

 

 俺とイーディスは頷き合って、その声の主の前に現れる。

 そこに居たのは、ゴブリンの一団だった。

 

イーディス「整合騎士よ!」

ケント「諦めろ!」

ゴブリン「なっ!?整合騎士………!?」

ゴブリン「なんで白イウムがもう居るんだ!」

 

 俺たちが急に現れた事に動揺していた。

 周囲を見渡すと、何かを掘っている様な形跡が見られた。

 恐らく、ダークテリトリーから、ここまで掘ってきたのだろう。

 すると、ひと回り大きいゴブリンが洞窟の奥から現れる。

 

カザリ「おらぁ!貴様ら!たかが白イウム2人だけに何を怯えている!無様な姿を晒すなァァァ!!」

イーディス「あれが大将みたいね。」

ケント「そうだな。」

 

 何か、2年前に襲ってきたウガチと雰囲気が似ている。

 2年前に斬られた腹の傷が、少し痛む。

 だが、今の俺は、2年前の俺とは違う!

 

イーディス「ケント、いける?」

ケント「大丈夫だ。俺に迷いはない!」

イーディス「上等よ!」

カザリ「このカザリ様が、貴様らを食らってやるぞ!」

ケント「やれる物なら………!」

イーディス「やってみなさい!」

 

 そうして、俺とイーディスはゴブリンの集団との戦闘が始まる。

 俺とイーディスは、周囲にいるゴブリンを斬り捨てていく。

 すると、カザリが曲刀を振るってくる。

 

カザリ「てめぇら!とにかくコイツらを分断しろ!例え強くても、数で押すぞ!」

ケント「なっ…………!?」

イーディス「まさか…………!?」

 

 そんな手に出てくるとは!

 俺とイーディスは分断されてしまい、カザリは、俺に向かって攻撃を仕掛けてくる。

 何とか捌いてはいるが、このままでは限界になってしまう。

 

イーディスside

 

 このままじゃ、ケントが…………!

 まさか、分断されてしまうなんて………!

 私は、何とかケントの方へ行こうとするけど、手下に阻まれて、中々行けない。

 もう、使うしかないの………!?

 すると、脳裏に、以前、最高司祭様に言われた事が蘇る。

 

アドミニストレータ『イーディス。あなたの記憶解放術は強力すぎる。だから、周囲に味方がいる状況下での記憶解放術の使用は禁止します。』

 

 そう、闇斬剣の記憶解放術を使えば、ケントを助けられるのかもしれない。

 だけど、あの技は、ケントの視界を奪いかねない代物だ。

 でも、ケントなら、どうにかしてくれるよね?

 私の、大好きな人なら。

 

イーディス「リリース・リコレクション!」

 

 その式句と共に、周囲が闇に包まれる。

 私は、混乱しているゴブリン達を斬り伏せていく。

 だけど、ケントは大丈夫かしら………?

 すると、ケントが居るであろう方向に、一筋の雷が現れる。

 そして、目を凝らすと、黄金の鎧を見に纏うケントの姿が入る。

 

ケントside

 

 何だ、この闇は!?

 そういえば、イーディスから、記憶解放術の術式が聞こえた気がするぞ………!

 俺は以前、ベルクーリさんとリョウガさんから、とある事を言われていた。

 

ベルクーリ「ケント。イーディスの嬢ちゃんが、記憶解放術を使わないようにしろよ。」

ケント「どういう事ですか?」

リョウガ「闇斬剣の記憶解放術は、周囲が闇に包まれる。それにより、敵味方関係なく、視界が奪われる。」

ケント「…………ッ!?」

ベルクーリ「だから、出来る事なら、使わせずにやりたいが、ケント。お前さんなら、イーディスの生み出す闇にも対抗出来る気がするんだよ。」

ケント「…………分かりました。」

 

 そう約束したのに、イーディスに記憶解放術を使わせてしまった。

 だが、俺は、とある事を思い出した。

 それは、雷鳴剣黄雷は、『生命に活力を与え、闇に潜む悪を射抜く』剣だという事だ。

 この闇を使えば、例え視界が奪われたとしても、カザリの位置が分かるはずだ………!

 だから、頼む、雷鳴剣黄雷。

 力を貸してくれ。

 イーディスを守って、この世界を守る為に………!

 

ケント「リリース・リコレクション!」

 

 その術式と共に、俺は雷を放つ。

 すると、その雷が雷鳴の鎧に当たり、鎧に意匠が追加されていく。

 右腕には、三つの首の番犬の意匠が、胸の部分には、針鼠の意匠が、左肩には、ランプの意匠が追加されていく。

 これが、雷鳴の鎧の力か………!?

 足の部分を見ると、棘が着いた膝当てが出現する。

 すると、俺はカザリの気配を感じとる。

 どうやらカザリは、どういう状況か全く分からないらしい。

 

カザリ「イウムの男め!どこだ!?」

ケント「行くぞ!」

 

 俺はそう叫んで、上空に向かって飛び上がる。

 そして、雷の如くカザリを斬りつけ、そのままカザリの後ろへ。

 

カザリ「なっ…………!?」

ケント「これで話は終わりだ。」

 

 俺がそう言うと、カザリの右腕と腰が斬れて、カザリは絶命する。

 すると、闇が晴れて、イーディスの姿が目に入る。

 ゴブリン達も、いつの間にか大将がやられた事に気づいた様だ。

 

ゴブリン「なっ…………!?」

ゴブリン「カザリ様が…………!?」

ケント「ここは、お前達の場所じゃない!これ以上来るというのなら、俺は容赦なくお前達を討ち倒す!その覚悟がある奴は、前に出て来い!」

 

 その声と共にゴブリン達は悲鳴を上げながら撤退していく。

 どうやら、俺たちの勝ちだな。

 鎧を見ると、追加された意匠はそのままだった。

 雷鳴剣黄雷を納刀すると、途端にイーディスが抱き寄ってくる。

 

ケント「うわっ!…………イーディス?」

イーディス「………心配かけないでよ、バカ。」

ケント「悪い…………。」

イーディス「…………とにかく、この洞窟を崩落させましょう。」

ケント「ああ。」

 

 俺たちは外へと出て、飛竜達にお願いして、洞窟を崩落させる。

 一応、中は凍素と水素を使って、凍結させておいた。

 これで、そう簡単には入ってこれないだろう。

 

イーディス「ケント。」

ケント「うん?」

イーディス「少し話があるの。カセドラルに戻って、この事を騎士長達に報告したら、私の部屋に来て欲しい。」

ケント「…………分かった。」

 

 俺たちは飛竜に乗り、セントラル・カセドラルへと戻ってくる。

 ベルクーリさんとリョウガさん達に報告すると、驚いた様な表情を浮かべる。

 まさか、穴を掘って人界まで入ってくるとは思わないだろう。

 俺たちの対処を褒めてくれた。

 そして、イーディスの部屋へと入る。

 イーディスは、俺の事を見つめる。

 

イーディス「ケント。」

ケント「な、何だ………?」

イーディス「ありがとう。あの時、私のせいで闇に包まれても、大将を倒してくれて。」

ケント「いや、逆に、イーディスの闇のおかげで、アイツの位置が分かったんだ。礼を言うのはこっちの方だ。」

イーディス「どういう事?」

ケント「雷鳴剣黄雷は、『生命に活力を与え、闇に潜む悪を射抜く』剣だ。だから、闇に包まれたからこそ、アイツの位置が分かって、雷鳴の鎧の力を引き出せたんだ。」

イーディス「そっか………。」

 

 イーディスは、そう呟いて、俺に視線を向けてくる。

 俺は、胸に秘めていたとある想いを、イーディスに打ち明ける。

 

ケント「イーディス、伝えたい事があるんだ。」

イーディス「…………何?」

ケント「俺は、ルーリッドの村で一緒に過ごしていた時から、ずっと、イーディスの事が好きだったんだ。だから、イーディスと一緒に居たいんだ。」

イーディス「………………。」

 

 その言葉を言った俺は、凄く顔が赤くなっている筈だろう。

 イーディスも、顔を赤く染めるが、凄く嬉しそうな表情を浮かべる。

 

イーディス「………私も、ルーリッドの村で一緒に居た時から、ケントの事が気になってた。だから、私も、ケントと一緒に居たいわ。」

ケント「…………ああ。」

イーディス「…………はっきり言って、私の事、どう思ってる?」

ケント「………好きだ。誰よりも、どんな人よりも、イーディスの事が好きだ。」

イーディス「なら、それを証明して。」

 

 イーディスはそう言って、目を閉じる。

 俺は、自分の唇をイーディスの唇へと当てる。

 その時間は、10秒くらいだったのだろうが、今の俺たちからしたら、長く感じた。

 

イーディス「…………ケント、これからよろしくね。」

ケント「ああ。」

 

 俺とイーディスは、お互いの想いが通じ合った喜びを噛み締めつつ、抱きしめ合い、再び唇を重ねる。

 そして、新たな決意を胸に宿す。

 それは、イーディスを絶対に守る事だ。

 8年前、俺は何も出来なかった。

 だからこそ、イーディスを今度こそ守ってみせる。

 




今回はここまでです。
遂に、ケントとイーディスが結ばれました!
ケントの強化のモチーフは、エスパーダのゴールデンアランジーナです。
次は、ユージオとアリスです。
アンケートを取っていますが、闇黒剣月闇が多い事に驚いています。
アラビアーナナイトのSHフィギュアーツが明日から予約が始まります。
アラビアーナナイトって、プリミティブドラゴンの流用とはいえ、デザインが良いですよね。

キリトに持たせる剣は何が良いか

  • 水勢剣流水
  • 闇黒剣月闇
  • 無銘剣虚無
  • その他(その場合は活動報告に入れる事。)
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