ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、レンリが活躍します。
そして、ユージオとレンリの共闘です。


第60話 比翼の騎士

ユージオside

 

 僕は、左翼の部隊の一番後ろに居たが、突然、煙幕に包まれる。

 

ユージオ「煙幕………!?」

 

 僕が突然の事に戸惑っていると、ゴブリンが現れる。

 エルドリエさんが突破されたのか………!?

 いや、煙幕で判断力を奪われたんだ。

 少しずつではあるが、突破してくるゴブリンの量が増えてきた。

 僕は、すぐに突破してきたゴブリンを斬り捨てていくが、いかんせん数が多い。

 第二陣の方にも流れ込んでいき、徐々に突破されて行く。

 この先には、キリトやティーゼ達が………!

 

ユージオ「クッ………!」

 

 僕は歯噛みをして、第二部隊の間を駆け抜けながら、即座にゴブリンを斬り捨てていく。

 すると、三つの人影が僕の周囲に居たゴブリンを斬り捨てる。

 

ユージオ「フィゼルさん!?リネルさん!?カルム!」

フィゼル「ユージオ!?しかもカルムまで!?」

リネル「やっぱり、突破されてしまいましたか!」

カルム「大丈夫か!?」

 

 そこには、あの幼き暗殺者のリネルさんとフィゼルさん、そしてカルムが居た。

 

カルム「嫌な予感がしたから、来てみて正解だったな!第二部隊を指揮してる整合騎士はどこに行ったんだ!?」

リネル「そういう事………レンリっちの腰抜け………!?」

フィゼル「頼りないですね………!」

ユージオ「どういう事………!?」

カルム「時間がない!ユージオは補給部隊の方へ行ってくれ!ここは、俺と暗殺コンビでどうにかする!」

ユージオ「分かった、お願い!」

カルム「おうよ!」

フィゼル「助かるわ!」

リネル「正直、ゼルと私だけじゃ持ち堪えられないから、助かります!」

 

 僕はそう言って、補給部隊の方へと向かって行く。

 道中、ゴブリンを倒して行く。

 急がないと、キリト達が………!

 

レンリside

 

 僕は、天幕の中で震えていた。

 

レンリ「…………立つんだ、レンリ………。持ち場に戻って指揮を執って………戦わないと………。いや、僕なんかがいたって、邪魔になるだけだ。」

 

 僕は、失敗作と言われてしまった。

 なぜなら、僕が持つ神器、《雙翼刃》の武装完全支配術を使えなかった。

 

レンリ「………そうだ………。僕が居なくても、彼らが居る。あの5人が………。」

 

 あの3人とは、ユージオ、ケント、カルム、アスナ、そしてミトの事だ。

 最高司祭様は、アスナとミトを除いたあの4人を迎え撃つべく、僕を目覚めさせようとしたけど、間に合わなかった。

 それに、強い力を持つあの3人なら、僕が居なくてもどうにかなる。

 すると、周囲が騒がしく聞こえる。

 多分、僕が居なくなった後、ゴブリンの集団が突破してるのだろう。

 戦わないと………!

 でも…………!

 

ロニエ「この天幕ならどう………?」

ティーゼ「うん。ここなら身を隠すのも大丈夫そう。」

シオリ「なら、キリト先輩を奥に隠して、私たちは天幕の入り口を守りましょう。」

ルナ「そうね。」

レンリ(誰が…………?)

 

 僕は、入り口から聞こえてくる女の子の声に、思わず身構える。

 少し動いてしまい、気付かれてしまう。

 

ティーゼ「っ……!?そこに誰かいるの!?」

レンリ「………敵じゃないよ。驚かせるつもりはなかったんだ、済まない。」

ルナ「き、騎士様………!?失礼致しました!」

レンリ「いや、驚かせてしまった僕の方が悪い…………本当に済まなかった。」

 

 確か、彼女達は、補給部隊に居たはず………。

 彼女達の、胸元の紋章を見る視線に耐えかねて、目を逸らしてしまう。

 

レンリ「それに………僕はもう整合騎士じゃない。戦場から逃げてきたんだよ…………。今頃、僕が指揮する筈だった前線の部隊は大騒ぎだろう…………。死者だって出ている筈だ…………なのに、ここから動けないでいる僕が騎士なんかであるもんか…………。」

「「「「……………。」」」」

 

 僕の自嘲めいた言葉を聞いても、彼女達は表情を崩さなかった。

 

ティーゼ「申し遅れました…………私たちは補給部隊所属のロニエ・アラベル初等錬士と、ティーゼ・シュトリーネン初等錬士、シオリ・ヒューレット初等錬士、ルナ・カウマン初等錬士で、そして、こちらが…………キリト上級修剣士殿です。」

レンリ「キリトって………あの最高司祭様を倒した、あのユージオとケントとカルムの仲間なのか………?」

ルナ「はい。騎士様、勝手なことを申すようですが、どうか私たちに手を貸してもらえませんか?なんとしても、私たちはキリト先輩をお守りしなければならないのです。」

レンリ「それは…………。」

ロニエ「私たち四人が力を合わせてもゴブリンたった一匹にも適うかどうか分からないんです………。でも、それが今の私たちの任務なんです…………。」

シオリ「私たちに先輩を託してくれたユージオ先輩とケント先輩、カルム先輩に応えるためにも…………この方を絶対に守り抜かないといけないんです。」

レンリ「…………僕は、今戦っているユージオとケントより強くないよ。そんな強さは、僕には無いんだ…………。」

ティーゼ「ユージオ先輩とケント先輩は、そんな人じゃないです!」

 

 僕の自嘲の言葉に、ティーゼは強く否定した。

 ロニエ達も驚いていた。

 

ティーゼ「ユージオ先輩とケント先輩は、これまで接してきた中で、自分を強いとは決して言いませんでした!」

ルナ「あの二人には、守りたい大切な物があるんです!だから、それを守る為に、戦っているんです!」

レンリ「…………ッ!?」

 

 守りたい、大切な物…………?

 その為に、あの二人は戦っているのか……?

 そんな事を考えていると、四人の叫び声が耳に入る。

 

ティーゼ「もうここにまで煙が…ちょっと待って…変な煙の中から沢山の人影が……っ!?皆、剣を抜いて!」

「「「っ…………!?」」」

 

 すると、そこにゴブリンが入ってくる。

 

ゴブリン「ほほぅ!白イウムの娘っ子が四人!俺の獲物として、殺してやるよぉ!」

「「「「っ…!?」」」」

レンリ(不味い、助けないと………!)

 

 だけど、僕の足は動かない。

 すると、あの青年が、震えていた。

 必死に、あの四人を守ろうとしていた。

 君は、動けないのに………。

 更に、ゴブリンの胸に、剣が生える。

 位置から察するに、心臓を貫いている。

 ゴブリンの顔に驚愕の色が出て、そのまま倒れる。

 ゴブリンの背後には、鎧を着た金髪の青年が居た。

 

ユージオ「ティーゼ、ロニエ、シオリ、ルナ。無事かい?」

ティーゼ「はい、無事です!」

ユージオ「良かった………!今、ユーリさんが迎えに来てるから、キリトを連れて避難して。」

ルナ「はい!」

 

 そう言ったユージオさんの鎧は血で汚れていた。

 鎧だけではない。

 その綺麗な金髪にも泥汚れに混じって血が見え、頬には乾いた返り血がこびりついていた。

 明らかに、何人もの敵を倒した後だ。

 やっぱり、強い………。

 僕なんかよりずっと…………。

 ティーゼ達がどこかに行く中、ユージオさんは僕を見つめる。

 

ユージオ「ええっと、レンリさん…………ですよね?」

レンリ「………うん。」

ユージオ「このままじゃ、人界の方に向かってしまうゴブリンが出てしまいます。どうか、剣を執って貰えませんか?」

レンリ「………無理だよ!僕には、彼らを殺すことができないんだ!彼らだって物じゃない、ただの悪魔じゃない!それぞれにそれぞれの家族がいて、人生がある!それを僕が摘んでしまうことなんて……ッ!」

ユージオ「レンリさん…………。」

レンリ「君は、どうしてそんなに平然としていられるんだ!他者の命を奪って、なんで平気なんだ!」

 

 気がつくと、僕はそう叫んでいた。

 僕の叫び声を聞いて、ユージオさんは驚いていたが、苦笑する。

 

ユージオ「僕だって、誰かから何かを奪う戦いをするなんて、出来ないよ。」

レンリ「…………ッ!?」

ユージオ「でも、僕には、守りたい物がある。それを守る為に、僕は剣を執るんだ。例え、その行動が、何かを奪う事になっても。」

 

 ユージオさんの言葉は、僕の心に響いた。

 

ユージオ「レンリさんは、守りたい物があるんじゃないんですか?」

レンリ「…………ッ!!」

 

 そう言われた時に、脳裏に、幼馴染の声が聞こえてくる。

 

幼馴染『レンリ…………。お前は、立派な騎士になれ……………。俺の分まで…………。』

 

 そうだ、僕は、彼の分まで背負って、戦うべき義務があるんだ。

 そんな事を忘れていたなんて………。

 

ユージオ「行こう。」

レンリ「ああ!」

 

 僕は、ユージオさんと共に、天幕から出て、駆け出して行く。

 すると、ゴブリン達が、僕たちに気づいて、迫ってくる。

 

ユージオ「僕は、ユージオ・シンセシス・サーティツー!」

レンリ「僕は、レンリ・シンセシス・トゥエニセブン!この首が欲しければ、命を投げ出す覚悟でかかってこい!」

 

 その言葉と共に、僕は雙翼刃を投げ、ゴブリン達を倒して行く。

 ユージオさんも、剣を振るって、敵を倒していった。

 

ユージオside

 

 何だ、あの神器は…………!?

 見た目は、紙よりも薄いのに、ゴブリンを次々と倒して行く。

 僕も、あの人にああ言ったからには、負けてられない!

 大切な人達を守る為に!

 僕も、青薔薇の剣で、ゴブリン達を倒して行く。

 すると、ひと回り大きいゴブリンが現れる。

 レンリさんは、そのゴブリンに問う。

 

レンリ「…………お前が、大将か?」

コソギ「おう。山ゴブリンの族長、コソギだ。しっかし、こんな後ろに整合騎士が二人も居るなんてなぁ。」

ユージオ「悪いけど、倒させて貰うよ。」

コソギ「やれるもんなら、やって見ろよ!」

 

 僕は、そのコソギと名乗ったゴブリンに向かって駆け出していき、戦う。

 レンリさんは、雙翼刃を投げて、攻撃するが、見抜かれて、弾かれる。

 

コソギ「それにしても、片方は一騎当千と言われると分かるが、緑の坊や。お前さんは違うみたいだな。弱いから、そんな後ろに居たんだろ?」

レンリ「…………ああ、そうさ。だけどね、勘違いするなよ。出来損ないなのは僕であって、こいつじゃない。」

ユージオ「レンリさん………。」

レンリ「ユージオさん、時間を稼いで欲しい。」

ユージオ「………分かりました。」

 

 レンリさんには、どうにかする方法があるという事か。

 なら、僕は、それに賭ける!

 僕は、コソギに攻撃しては、離れる行動をする。

 すると、レンリさんの声が聞こえてくる。

 

レンリ「………飛べ、雙翼!」

 

 その声と共に、雙翼刃は、コソギに襲い掛かるが、弾かれてしまう。

 

コソギ「何度やろうが………無駄だッ!!」

レンリ「リリース………リコレクション!!」

ユージオ「リリース・リコレクション!!」

 

 その式句は、記憶解放術の術式………!

 僕も、合わせて記憶解放術を発動する。

 僕の青薔薇の剣から放たれた氷の蔓が、コソギの動きを止める。

 すると、一つになった雙翼刃は、コソギへと向かって行き、そのまま一刀両断した。

 倒れた事を確認して、記憶解放術を止め、レンリさんの方へと向かう。

 すると。

 

フィゼル「…………少しは騎士っぽくなったじゃない。」

リネル「まさか、倒されてしまうとは。」

カルム「お疲れさん、ユージオ、レンリさん。」

 

 僕たちの元に、フィゼルさん、リネルさん、そしてカルムが来た。

 どうやら、3人で片付けたらしい。

 

「「騎士様、ご命令をお願いします。」」

レンリ「………彼女達は無事?」

フィゼル「うん、さっき、ユーリと合流させてきた。」

ユージオ「侵入して来た敵兵は?」

リネル「私とゼル、カルムの3人で片付けたです。」

カルム「これで、後方は大丈夫だな。」

レンリ「じゃあ、僕は、部隊に戻るから、君たちもそうした方が良いよ。」

フィゼル「はぁい。」

リネル「了解です。」

 

 そう言って、あっという間に立ち去った。

 

カルム「じゃあ、ユージオ、俺たちも持ち場に戻るぞ。」

ユージオ「うん。」

レンリ「あ、あの!」

ユージオ「うん?」

 

 レンリさんが声をかけてきたので、振り返る。

 

レンリ「………ありがとう。」

ユージオ「どういたしまして。」

 

 そう言い残して、僕とカルムは、第一部隊と第二部隊の間へと戻る。

 




今回はここまでです。
レンリは、原作と比べて、闇が深くなっています。
何せ、ユージオ、ケント、カルム、アスナ、ミトの存在が大きいからです。
ちなみに、アスナとミトの行動は書いていませんでしたが、あの二人は、ゴブリンを倒していました。
次回は、アリスとイーディス、ベルクーリ達です。
一応、ベクタは次の話で登場させる予定です。
執筆がなかなか進まない………。
そんな状況ではありますが、何とか頑張ります。

キリトに持たせる剣は何が良いか

  • 水勢剣流水
  • 闇黒剣月闇
  • 無銘剣虚無
  • その他(その場合は活動報告に入れる事。)
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