カルムside
フルグルから、暗黒神ベクタの事を聞いた俺たちは、ベルクーリ達の元へ。
エルドリエは、前線の指揮は自分に任せて欲しいと言って、残った。
その間、俺は考えていた。
まさか、襲撃者側も、こちらと同じ手を使ってくるとはな。
という事は、事態はかなりヤバくなってきたんじゃないか………?
早い所、ユージオ達を説得して、ワールド・エンド・オールターに行かないと。
俺はそんな事を考えながら、アリス達がベクタの存在を伝えるのを見ていた。
ベルクーリ「光の巫女ォ?」
リョウガ「その光の巫女を求めているのが、暗黒神ベクタという事か………。」
アリス「はい。そのような名称、どんな歴史書でも見かけたことはありませんが、敵の司令官がそれを強く求めているのは確かなように思われます。」
ファナティオ「まさか、神の復活だなんて………。」
レイカ「信じられないわね………。」
ユーリ「それはそうだが、気になるのは、仮にアリスがその光の巫女だとして、それが戦況にどの様な影響を及ぼすかだな。」
カルム「…………。」
ユージオ「カルム?」
ケント「どうしたんだ?ずっと黙ってて。」
俺は、考えていたが、ユージオとケントの心配そうな顔が目に入る。
カルム「い、いや、何でもないよ。」
イーディス「…………カルム、一体何を隠しているの?」
カルム「イーディス?」
イーディス「もしかして、光の巫女が何なのかを知ってるんじゃないの?だからアンタはずっと黙ってる。違う?」
カルム「……………。」
カーディナル「図星の様じゃな。」
その言葉に、全員の視線が俺に集中する。
どうやら、もう誤魔化せないな。
カルム「分かった、話すよ。その前に、ミトとアスナも呼んできてくれないか?」
カーディナル「構わんが………。」
カーディナルは、天幕から出て行ってからしばらくして、ミトとアスナを連れてきた。
ミト「どうしたのよ、カルム。」
アスナ「いきなり呼び出すなんて。」
カルム「悪いな。でも、そうこう言ってられる状況じゃなくなったんだ。」
ミト「…………どういう事?」
訝しげな表情を浮かべる2人に、俺はとある事を伝えた。
それは、襲撃者側がダークテリトリー側のスーパーアカウントを使って、アンダーワールドに来ている事をだ。
すると、2人は驚愕の表情を浮かべる。
アスナ「それ本当!?」
カルム「ああ。アスナがステイシア、ミトがルナリアのアカウントを使った様に、襲撃者側もベクタのアカウントを使ったんだな。」
ミト「確かに、そうこう言ってられる状況じゃないわね………。」
カルム「じゃあ、説明するという事で。」
ミト「分かったわ。」
俺たちは、アリス達に説明をする事に。
カルム「暗黒神ベクタは、俺、キリト、ミト、アスナと同じく、リアルワールドの人間なのは間違い無いです。」
ミト「現在、リアルワールドのごく限られた場所で、2つの勢力が、この世界…………アンダーワールドの支配権をかけて争っているんです。」
アスナ「私とミトは、その一方、ラースからの使者で、キリト君を助けるのと同時に、アンダーワールドを守る為に来たんです。」
カーディナル「なるほど、ラースか………。」
リョウガ「それで、そのもう一方の勢力の目的とは、何だ?」
ミト「アンダーワールドから4人の人間を回収して、然る後に世界全てを破壊して、無に帰すことです。」
その言葉に、ファナティオ、レイカは動揺していたが、残りの面子は冷静だった。
ベルクーリ「まあ、俺たちだって、この間まで人界の外にあるダークテリトリーが、何万もの大軍勢が侵攻の時を手ぐすね引いて待っていた、なんて事実を真剣に考えてきた者なんかほとんどいなかったくらいだ。今更一つ世界が増えたぐらい、どうって事はないな。」
リョウガ「それで、敵対する勢力とやらが欲しがっている4人の人間とは、誰だ?」
カルム「それは…………アリス、ユージオ、イーディス、ケントです。」
アリス「えっ………。」
ユージオ「僕も………!?」
イーディス「嘘…………!?」
ケント「何…………!?」
俺の言葉に、4人は立ち上がる。
カーディナルは、合点がいった反応をしていて、ベルクーリは怪訝そうな表情を浮かべる。
ベルクーリ「なるほどな………。だが、アリスの嬢ちゃんやイーディスの嬢ちゃんは兎も角、何でユージオとケントもなんだ?」
カルム「多分、襲撃者側は、アリスしか把握しきれていないんだと思います。」
リョウガ「しかし、その4人の共通点は何なんだ?」
カーディナル「恐らく、右目の封印を破ったから、じゃろうな。」
ミト「そうです。」
ユーリ「つまり、その4人が離れれば、その襲撃者達も手を引くと?」
アスナ「はい。」
アリス「何をッ、戦いを捨てて逃げ去れと言うのですか!?」
アリスが激昂しながら机に手をついて立ち上がる。
だが、ベルクーリさんはアリスを諌める。
ベルクーリ「落ち着け、アリスの嬢ちゃん。」
イーディス「でも、私としても、逃げるなんて納得できないわ。」
ユージオ「うん。」
ケント「ダークテリトリーの侵攻がまだあるのにも関わらず、逃げるなんて、俺たちには出来ない。」
リョウガ「まあ、カルムとしては、この戦争が終わったら、連れ出すつもりだったみたいだがな。」
カーディナル「どうやら、そのつもりだった様じゃな。」
カルム「俺としても、その方が良かっだんだけど、敵がそう簡単に諦めるとは思えないので。」
ベルクーリ「つまり、ベクタは嬢ちゃんを確保するまでは止まらねぇってことか?」
カルム「最悪の場合、アリスが死んでしまったら、他の人たちに被害が及ぶ。」
リョウガ「それは、確かにな。」
ユーリ「それで、アリス、イーディス、ユージオ、ケントはどうなんだ?」
ユーリは、4人に尋ねる。
4人は、少しむくれていた。
アリス「私は、無様に死にはしません。ただ、私がベクタを引きつける事が出来るのなら、その手を利用すべきです。」
ファナティオ「確かに、族長を討ったとはいえ、ゴブリン族とジャイアント族の兵はまだ多い。暗黒騎士、拳闘士と合わせれば人界軍が圧倒的に劣勢な事実は変わりません。」
レイカ「リョウガ様、騎士長。ここで一手を打つべきだと思います。可能なら、挟撃もしておきたい。」
アリスの策に、ファナティオとレイカが同意する。
ベルクーリはニヤリと笑いながらこちらを見てくる。
ベルクーリ「そういうこった。お前さんらは、この作戦には異論はないんだな?」
アスナ「はい。しかし、条件があります。」
リョウガ「それは?」
ミト「その囮作戦に、私、カルム、キリト、アスナも同行させる事と、最終的には4人をリアルワールドへと連れ出す事を了承する事です。」
ユーリ「分かった。なら、俺も同行するとしよう。戦力は多いに越した事はないからな。」
カーディナル「ならば、わしも同行しよう。少しは力になれるじゃろう。」
そうして、アリスが立案した、囮作戦が決行される事に。
その後、ユーリ、アスナ、ミトと共にキリトの事を見に来た。
アスナ「キリト君…………。」
ミト「アスナ…………。」
ユーリ「カルム、話がある。」
カルム「何だ?」
俺はユーリに連れ出される。
何なんだろう?
カルム「話って?」
ユーリ「実は、キリトに対して、聖剣が反応しているんだ。」
カルム「そうなのか。何の聖剣だ?」
ユーリ「ああ、闇黒剣月闇だ。」
カルム「闇黒剣月闇が?」
まあ、キリトって闇属性みたいな奴だから、闇黒剣月闇が反応してもおかしくないな。
カルム「でも、闇黒剣月闇って、ユーリが使ってる聖剣だよな?」
ユーリ「ああ。だが、俺としては、キリトに譲渡しても良いと思っている。」
カルム「分かった。」
ユーリ「それと、ユージオ達がお前に話があるそうだ。」
カルム「ああ…………。」
俺は、内心怯えながら向かう。
やっぱり、さっきの事を黙ってた事を咎められるのかな………。
ちゃんと謝ろう。
俺は、アリスが居る天幕へと向かう。
そこには、アリスだけでなく、ユージオ、イーディス、ケントが勢揃いしていた。
カルム「…………話って?」
アリス「そうですね。」
イーディス「アンタ、さっきの事を黙ってたのね。」
カルム「すまない。」
ユージオ「だ、大丈夫だよ。」
ケント「俺たちは責める気はない。」
カルム「え…………?」
俺が呆気に取られる中、ケントが代表して話をしたいと言う。
ケント「お前やキリト、ミト、アスナが本来住むリアルワールドがどんな場所なのかを知りたいんだ。」
ユージオ「うん。」
イーディス「まあ、一応、聞いてみるだけよ。」
アリス「とにかく、教えて?」
カルム「ああ。」
俺は、4人に時間の許す限り、リアルワールドについて語った。
そこは、決して神や天使が居るのではなく、ケント達と同じ人間がいる事。
リアルワールドとは少し違う世界で、俺は紫紺の剣士と呼ばれていた事。
キリト達と共に、色んな世界を巡った事。
そんな風に話していると、あっという間に出発時間が近づく。
カルム「そろそろだな。」
アリス「あの………。」
カルム「ん?」
イーディス「話してくれてありがとうね。」
ユージオ「少しは決心がついたと思うよ。」
ケント「ああ。」
カルム「そうか…………。」
俺は、複雑な気持ちで準備をする。
まあ、ある意味で了承してくれて良かった。
なら、絶対に4人を守らないとな。
今回はここまでです。
どういう展開にするかを考えていたら、中々纏まらなかったです。
遅れてすいません。
という事で、本編で語られましたが、キリトが持つ聖剣は、闇黒剣月闇に決定しました。
次回は………重くなってしまいます。
キリトに持たせる剣は何が良いか
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水勢剣流水
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闇黒剣月闇
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無銘剣虚無
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その他(その場合は活動報告に入れる事。)