ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、アリスが光の巫女だとハッタリをかます所までです。
あと、すいません、前回の話で重くなると言いましたが、重くありません。



第63話 血と命

カルムside

 

ベルクーリ「各員、準備はいいな?」

 

 ベルクーリさんがそう言ってくる。

 俺たちは頷く。

 この場に居るのは、俺、ユージオ、アリス、ケント、イーディス、レンリ、シェータ、ベルクーリ、リョウガ、ユーリだ。

 ちなみに、ファナティオ、デュソルバート、レイカは大反対した。

 だが、ファナティオはベルクーリに、レイカはリョウガに何かを囁かれ引き下がり、デュソルバートは矢切れの事を指摘されて、引き下がるを得なかった。

 キリトは、高速馬車に乗り、その中には、ロニエ達とアスナとミトも搭乗している。

 カーディナルは、違う馬車に乗っている。

 俺はケントの飛竜、ユーリはリョウガの飛竜に乗せて貰っている。

 作戦としては、俺たち遊撃部隊の目的は敵の分断と各個撃破…………東の大門を抜け、敵に奇襲を仕掛けることで、本命である敵指揮官、もしくは暗黒十侯の何人かを誘き寄せることが狙いだ。

 そして、俺たちが陽動を掛けている間に、フォナティオとレイカが指揮を執る残りの部隊も南方向へと進軍し、有利な地形を見つけたところで陣を再度展開、体勢を整え、奇襲と進軍を一度に行うのが、この作戦の真の目的だった。

 これで、どうにかなるのは、あまりそうは思えないが…………。

 レンリも来てくれるそうだ。

 ただ、一つ気になる事が。

 それは、シェータという整合騎士だ。

 『無音』という通り名で通っていて、特技は斬る事らしい。

 イーディス曰く、「あの子、何考えてるのか分からないのよねぇ。セントラル・カセドラルを斬りたいとか言ってたし。」らしい。

 カセドラルを斬りたいなんて、物騒すぎにも程があるだろ。

 まあ、右目が痛くなったので断念したらしいが。

 という事は、シェータも右目の封印に関しては気付いてる可能性がある。

 

ベルクーリ「よし、出発するぞ!」

リョウガ「遅れるな!」

 

 2人の掛け声と共に、飛竜が動き出す。

 8体の飛竜が動き出し、高速馬車も動き出す。

 敵が何もしてこなければ良いんだけどな。

 そんな事を考えたのがフラグになったのか、嫌な気配がする。

 ユージオも感じていたようだ。

 

ユージオ「………何か変だ………!」

アリス「何が………?」

ケント「………声が聞こえる。これは、術式の多重詠唱か…………?」

イーディス「何で!?ここら辺一帯は、もう神聖術が使えないくらいに神聖力が不足してるのよ!?」

ベルクーリ「………奴ら、何てことを……!」

リョウガ「まさか、この様な手に出るとはな………!」

カルム「どういう事だ!?」

ユーリ「恐らく、敵は足りない神聖力を補うために、自分たちの兵を生贄にしたんだ!」

「「「「「「…………っ!?」」」」」」

 

 それは、まさに悪魔の所業だ。

 到底人間がしていい行いじゃない。

 どうやら、襲撃者側は、人の命を軽く見ているな。

 許せない………!

 そんな怒りの感情が込み上げてくる中、大規模神聖術が飛んでくる。

 よく目を凝らすと、どうやら、闇素の集合体らしい。

 

ベルクーリ「くっ………!接近してこちらに引き付ける!何が何でもついてこい!!」

 

 ベルクーリの声が響く。

 俺は、振り落とされない様に、ケントの腰に掴まる。

 

リョウガ「よし………!上昇だ!!」

 

 リョウガの掛け声と共に、飛竜達は上昇姿勢へと入る。

 俺は、御雷に指示を出しているケントの代わりに、敵の神聖術を見る。

 すると、半分はこちらに来ているが、もう半分は地上へと向かっていた。

 不味い、地上にはキリト達が居る……!

 すると、ケント達もそれに気付いた様で、飛竜に降下の指示を出す。

 

ベルクーリ「………っ!いかん!」

リョウガ「待て、ケント、ユージオ、アリス、イーディス!お前達の武器では、あの術は打ち消せん!」

ユーリ「俺も行こう!」

 

 ユーリは、自らの体を光剛剣最光と一体化させて、こちらに向かう。

 だが、俺たちが闇素術に追いつく前に、地上部隊を薙ぎ払うだろう。

 このままじゃ、ミトが………!

 すると、地上部隊の上を、一体の飛竜が飛んでいた。

 

カルム「飛竜………!?」

ユージオ「あれって………!?」

アリス「エルドリエ!?」

イーディス「何で!?」

ケント「まさか………!」

 

 エルドリエの姿が見えて、俺たちは驚いた。

 ファナティオ達と一緒に待機してたはずなのに………。

 

アリス「ダメ、エルドリエ!!」

エルドリエ「蛇よ!古の神蛇よ!お前も蛇の王ならば、あれら如き長虫の群れなど、喰らい尽くしてみせろッ!!」

カルム「まさか…………ッ!」

 

 エルドリエは、地上部隊を守る為に、囮になるつもりなのだ。

 エルドリエは、上昇する際に、こちらを見て、呟いた。

 

エルドリエ「後は、頼みます。」

カルム「アイツ………!」

 

 そして、エルドリエの術式が聞こえた。

 

エルドリエ「リリース・リコレクション!」

 

 霜鱗鞭の記憶解放術は、元となった蛇を顕現させる物だ。

 そして、闇素術は、ベルクーリ達を追っていたのも、地上部隊を狙っていた物も、エルドリエへと集中していく。

 どうやら、高い天命を持つ者を優先して襲うタイプらしい。

 俺は、エルドリエを援護するべく、光剛剣最光の力を宿した刃王剣十聖刃で、闇素術を斬っていく。

 だが、数が多すぎて、捌ききれない………!

 すると、ユーリがエルドリエの飛竜の鞍の部分に乗っていた。

 

エルドリエ「ユーリ!?何をする!?」

ユーリ「今、お前がここで死ねば、アリスは悲しむんだぞ!それをなぜ分からない!!」

エルドリエ「だが、どうすれば………!」

ユーリ「俺がどうにかしよう。お前の霜鱗鞭でも対処が出来るくらいには減らす。」

エルドリエ「分かった。」

ユーリ「光あれ!エンハンス・アーマメント!!」

 

 ユーリは、光剛剣最光の武装完全支配術を発動して、闇素術を打ち消していく。

 かなりの量が減った様で、残りは霜鱗鞭で消されていく。

 やっぱり、ユーリすげぇな………。

 武装完全支配術だけで、あの闇素術を打ち消した。

 アリスのホッとした様な表情が目に入る。

 だが、その表情は、すぐに引き締められる。

 さて、どうやら、皆考えている事は同じみたいだな。

 

カルム「アリス、ユージオ、ケント、イーディス。」

アリス「分かっています。」

ユージオ「あの暗黒術師達を倒す!」

ケント「これ以上の犠牲を出さない為にも!」

イーディス「行くわよ!」

 

 アリス達は、飛竜を暗黒術師達が居るであろう場所へと飛ばしていく。

 こんな暗黒術は、放置しておいたら、更なる犠牲が生まれてしまう。

 それだけは絶対に阻止する!

 俺とケント、ユージオが先行して行き、ケントとユージオが飛竜に光線を放つ様に指示を出して、俺たちは飛び降りる。

 飛び降りると同時に、アバランシュを放ち、暗黒術師達を吹っ飛ばす。

 

暗黒術師「て、敵襲!」

暗黒術師「きゃああああぁぁ!?」

暗黒術師「た、退避!」

ユージオ「逃がさない!」

ケント「ハァァァァ!!」

カルム「フッ!」

 

 俺たちは、それぞれの得物を持って、暗黒術師達を斬り伏せていく。

 暗黒術師達は、接近戦には慣れていないのか、逃げ惑っていた。

 俺としては、暗黒術師達にはあまり罪は無いと思う。

 ただ、それを指示した襲撃者側と、暗黒術師達の長は許せないが。

 すると。

 

???「おのれ……!何を狼狽えている!敵はたかが3人だ!遠方から狙い撃て!」

カルム「正気かよ………!?」

 

 正気の沙汰とは思えない指示だな。

 つまり、味方を巻き込もうとしている。

 それには、流石の部下達も、動揺しているのか、動かなかった。

 それを見て、更に苛立った様子の長が叫ぶ。

 

???「この王になるこの私が、こんな所で終わってたまるかァァァ!!バースト・エレメント!」

カルム「危な!」

 

 敵は、暗素術を放ってきて、俺たちは躱す。

 だが、暗黒術師に当たった途端、その術師は溶けた。

 本当に容赦ねぇな…………!

 

???「そうだ!この私が、世界の王となるこの私が、失敗続きでたまるかァァァ!!」

カルム「何…………?」

ケント「アイツ………!」

ユージオ「許さない…………!」

 

 アイツ、部下の事を気にせず、自分の事しか考えていない。

 俺たちは、剣を握る手に力を込める。

 すると、敵が神聖術を放ってくる。

 だが、そんな状況の中、俺たちはやけに冷静だった。

 

「「「リリース・リコレクション!」」」

 

 俺たちは、それぞれの武器の記憶解放術を発動する。

 すると、ユージオの鎧が変化していく。

 これまでは、整合騎士にされた時と同じデザインだったが、形状が一部変わって、一部に金色の差し色が入る。

 青薔薇の剣も、金色の差し色が入る。

 ユージオが変化した青薔薇の剣を地面に突き立てて、瞬時に凍結する。

 ケントも、雷鳴剣黄雷を突き立てて、鎖を出現させて、拘束していく。

 火炎剣烈火の力を使い、火災旋風を起こし、暗黒術師達を吹き飛ばす。

 暗黒術師長は、部下を盾にした様で、無事だった。

 

暗黒術師長「なっ………なっ…………!?」

アリス「放て、飛竜達!」

イーディス「霧舞もお願い!」

『『『『『ゴオオオオォォォ!!!』』』』』

暗黒術師長「しまっ……きゃあぁあああ!?」

 

 暗黒術師長が動転している中、アリスとイーディスが飛竜達にブレスを吐くように指示を出す。

 凍りついていたり、鎖で動けない暗黒術師達はなす術もなく倒れていく。

 

「「エンハンス・アーマメント。」」

 

 アリスとイーディスの武装完全支配術が発動して、金色の花が敵を屠り、イーディスの影ノ傀儡が、暗黒術師達の影から現れて、倒していく。

 

暗黒術師長「ちくしょぉぉ!!何だ、コイツらは…………!ッ!?」

カルム「ハァァァァ!!」

 

 俺は何かを喚いている暗黒術師長に迫り、火炎剣烈火と刃王剣十聖刃を振るう。

 暗黒術師長はギリギリで気付いた様で、躱そうとするが、俺に左腕を切断される。

 

暗黒術師長「ちくしょがああぁぁぁ!?クソ!!こんな場所で死んでなるものかぁ!?世界の王になるであろうこの私がぁ………こんなところで死んでいいものかぁぁぁ!?」

カルム「お前はこの世界の王なんかじゃない。この世界の膿だ。」

 

 俺はそう言って止めを刺そうとするが、暗黒術師長は咄嗟に神聖術を発動して、俺の目を眩ます。

 アリスとイーディスも追撃しようとするが、逃げられたらしい。

 俺たちはアイツの追撃を断念して、暗黒術師団を全滅させる事にした。

 

ガブリエルside

 

 暗黒術師団が壊滅したか。

 まあ、使える駒が一つ減ってしまっただけだ。

 さて、どうするべきか…………。

 すると。

 

アリス「我が名はアリス!」

ガブリエル「っ…………!?」

 

 次の一手をどうするべきかと考えていたが、通信機越しに、声が聞こえてくる。

 

アリス「我は整合騎士アリス・シンセシス・サーティ!!人界を守護する三神の代行者………光の巫女である!我が前に立つ者は、悉く聖なる威光に打ち砕かれ、永久の凍土、深淵の闇、聖なる雷、聖なる炎に全てを奪われることとなることを覚悟するがいい!!」

ガブリエル「…………おぉぉ………アリ、ス……?フフッ………アリシア…………!」

 

 その声がしてきて、私は目を凝らすと、遥か彼方の夜空に、ドラゴンの背に立ち、黄金に光り輝く鎧を見に纏った若い女騎士の姿が見えた。

 あの姿は、あのアリシアが美しく成長した姿と重なった。

 あの時、アリシアの魂を捕獲し損ねたが、アリシアの魂が、この仮想世界に再び現れたのだ。

 今度こそ、今度こそこの手に捕らえねば。

 あの娘のフラクトライトが保存されたライトキューブを手に入れ、心ゆくまで味わい尽くさなければ。

 私は、遠ざかる彼女の姿を見ながら、伝令骸骨に低く、熱く囁く。

 

ガブリエル「全軍、移動準備。拳闘士団を先頭に、暗黒騎士団、亜人隊、補給隊の順に隊列を組み、南へ向かえ。あの騎士を、光の巫女を無傷で捕らえるのだ。捕らえた部隊の指揮官には、人界全土の支配権を与える。」




今回はここまでです。
ユーリのおかげで、エルドリエ生存!
次回は、一旦PoHことヴァサゴが退場する所までは行きたいと考えています。
少し影が薄めのミトとアスナにも活躍をさせたいと考えています。
ユージオに起こった変化としては、青薔薇の剣がユージオの心意に答えた結果発生した変化です。
鎧のモチーフとしては、アリブレの《結氷の整合騎士 ユージオ》の鎧がベースになっています。
青薔薇の剣は、星霧氷の剣に変化しています。
この小説は、色々と展開を考える都合上、少し更新頻度を下げたいと考えています。
アリブレも、整合騎士となったロニエが実装されました。
そして、松岡禎丞さんの悪ふざけが生んだ、魔法少女キリトも実装されましたね。
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