オリキャラと、名前だけのリズベットも登場します。
フルプレートの男が消滅した時に、少し違和感を感じていた。
カルム(プレイヤーの死亡エフェクトみたいだけど、何かが違うかもしれないな………。)
だが、それをひとまず置いといて、考える。
死亡したのなら、これはデュエルPKの可能性がある。
それを見つければ犯人がすぐに分かる。
だが、ウィナー表示は、30秒すると消えてしまう。
キリト「皆!デュエルのウィナー表示を探してくれ!」
キリトも同じ事に思い至ったのか、周囲に向かって叫ぶ。
だが、発見の声は上がらない。
アスナ「建物の中には誰もいないわ!ミトも他の部屋を探してる!」
キリト「アスナ!ウィナー表示はあるか!?」
その声にアスナも周囲を探すが。
アスナ「ダメ!ウィナー表示もシステムウィンドウもない!」
カルム「………どういう事だ?」
そうして、30秒が過ぎて、キリトは周りのプレイヤーに動かないように指示をして、俺はその見張りにつく。
ミトが近づいてきた。
カルム「どうだった?」
ミト「教会内に居たのは、NPCのシスターと神父だけだった。」
カルム「という事は、事情聴取も無理か……。」
ミト「何がどうなってるのよ。」
カルム「分からん。だけど、放ってはおけない案件だな。」
そう答えると、教会からキリトとアスナが出てきた。
アスナ「しばらくは、迷宮区の攻略は一旦止めるわ。」
キリト「もし、圏内でのPKが可能なら、放ってはおけない。」
ミト「私達も協力するわ。」
カルム「ラフコフの仕業なら、尚更放ってはおけないな。」
キリト「分かった。すまない、さっきの出来事を最初から見てた人がいるなら、話を聞かせて欲しい!」
キリトがそう呼び掛けると、1人の女性プレイヤーが怯えながら出てきた。
そんな女性に、アスナが優しく声を掛ける。
アスナ「ごめんなさい。怖い思いをしたばかりなのに。あなたの名前は?」
ヨルコ「あ……あの、私は『ヨルコ』って言います。」
カルム「そうか。なら、最初の悲鳴も君が?」
ヨルコ「は、はい。……私、さっき、殺された彼とは友人で、彼の名前は『カインズ』。昔、一緒のギルドに所属してたんですけど、一緒にご飯を食べる話だったのに、こんな事に……!」
キリト「その時に、誰かを見なかったか?」
ヨルコ「………一瞬でしたけど、後ろに誰かが……居たような……。」
ミト「その人影に、覚えは?」
その問いに、ヨルコさんは首を横に振った。
キリト「その、嫌な事を聞くかもだけど、心当たりはあるのかな?………彼が、誰かに狙われる理由を。」
その問いにも、首を横に振った。
その後、ヨルコを宿屋まで送り届けて、攻略組をメインにした、20人弱に集まって貰った。
今回の事件の一連の出来事、未知のPKの可能性を伝えた。
情報屋を通じて、頼む事に。
俺も、ジェイクにメッセージを送った。
ジェイクからも、了承のメッセージが届いた。
ひとまず、その場は解散になった。
カルム「さて、これからどうするか。」
ミト「まずは、手持ちの情報を漁りましょう。」
キリト「今、俺達が持つ情報は、このロープとスピアだけど……。」
アスナ「多分全員、鑑定スキルなんて上げてないよね。」
その発言に、俺達は弱った。
アスナ「一応、友達に鍛治師がいるんだけど、多分忙しそうだから無理。」
キリト「なら、エギルにでも頼むか。」
カルム「いや、エギルも今の時間は忙しいだろ。なら、アイツに頼むか。」
キリト「アイツ?アイツは苦手なんだよな。」
ミト「文句を言わない!」
俺はメッセージを送る。
すぐに返信が来た。
カルム「問題無いだと。」
キリト「じゃあ、俺とアスナは、黒鉄宮に行ってカインズの死亡日と原因、時間を確認してくるぜ。」
ミト「なら、私とカルムで、彼のところに行ってくる。」
アスナ「分かったわ。」
そうして、第48層の主街区、リンダースへと向かった。
カルム「圏内でのPKか。」
ミト「気になるの?」
カルム「ああ。それに、違和感があった。」
ミト「違和感?」
カルム「なんて言うか、よく分からん。」
ミト「そう。」
カルム「兎に角、急ぐぞ。」
ミト「えぇ。」
そうして、とある一軒家の前に着いた。
ミト「ここね。」
カルム「あぁ。」
俺はドアをノックする。
すると、1人の男性が出て来た。
カルム「やあ、ラット。」
ラット「キリトと一緒かと思ったが、『紫鎌』の副団長と一緒か。どうした?」
ミト「この人がそうなの?」
カルム「あぁ。」
彼はラット。
リンダースに於ける、最高の2人の鍛治師の内の1人だ。
もう1人は、アスナの親友でもあるリズベットという鍛治師だ。
噂によると、付き合ってるのではと言われている。
そして、俺と同じ様な武装である、ギャレンラウザーというボウガン使いだ。
ラット「何だ?『紫鎌』の副団長と何をしているんだ?デートか?」
カルム「デートでこんな所に来るか。それに、お前はリズベットという鍛治師と付き合ってるのかよ?」
ラット「………ノーコメントで頼む。」
マジか。
アスナに何て言ったら良いんだ?
ミト「用件を言いなさいよ。」
カルム「おっとそうだった。この二つを鑑定してほしい。」
俺は、スピアとロープを取り出した。
ラット「これは?」
カルム「とある事件の証拠品だ。」
ラット「………詳しく話を聞かせろ。」
俺は、ラットに詳細を話した。
ラット「圏内で殺人か。本当にデュエルじゃないんだよな。」
カルム「あぁ。ウィナー表示も無かったしな。」
ラット「なるほどな。まあいい。兎に角見せて貰おう。」
ロープから鑑定し始めた。
ラット「これは、ただの汎用品だな。そこら辺にあるNPCショップで買える。」
ミト「そうなのね。」
カルム「まあ、ロープの方には期待していないからな。それよりも本題はこっちだ。」
スピアを鑑定し始める。
ラットも少し、嫌そうな表情をしたが。
ラット「………これは、プレイヤーメイドだな。」
カルム「本当か!」
ミト「それで、製作者は!?」
ラット「落ち着け。製作者は『グリムロック』。綴りは、『Grimlock』だ。」
カルム「知り合いか?」
ラット「いや、俺も聞いた事が無い。恐らく、そこまで有名じゃないな。まぁ、自分や仲間の為に上げるやつもいるから、その類だろ。」
ラットがそう言ってスピアを俺に返す。
ミト「名前が分かっただけでも、一歩前進ね。あとはグリムロックを探せば……。」
ラット「だが、コイツが何の為に貫通継続を付与したのかは分からん。モンスター相手には何の効果も無いしな。」
確かにそうだ。
モンスターは恐怖しないので、何の意味も持たない。
という事は、十中八九PKの為だ。
カルム「殺しに関する恐れが薄いのか、グリムロック自身がレッドギルドに所属してるのか……。どちらにせよ、危ないのは確かだ。」
ミト「そうね。ところで、その武器の固有名は何なの?」
ラット「名前は『ギルティソーン』……罪のイバラって意味だな。」
カルム「罪のイバラか………。」
何か、見せしめみたいな名前だ。
一体、何のために………。
ミト「カルム?」
カルム「ん?あ、すまん。考え事してた。」
ミト「なら良いけど……。」
カルム「すまん。助かった、ラット。これはほんのお礼だ。」
ラット「あぁ。早く事件を解決しろ。」
俺はラットにコルを渡した。
俺とミトは外に出ようとするが。
ラット「副団長さん、ちょっと話良いか?」
ミト「私?分かった。」
カルム「なら、外で待ってるわ。」
俺は一足先に外へと出た。
ミトside
何か、呼び止められた。
ミト「どうしたの?」
ラット「いや、アイツを頼む。」
ミト「カルムを?」
ラット「アイツはいざとなったら、他者を守る為に自分の命を犠牲にしかねない。」
ミト「………!!」
確かに、第一層のボス戦でも、自分を顧みずにディアベルを助けた。
しばらくは見てないけど、それをする可能性がある訳ね。
ラット「アイツを見張りたいが、俺も仕事があるからな。見張れない。だから、これはアイツの親友としての俺からの依頼だ。アイツの側に居てくれ。」
ミト「………大丈夫よ。カルムは1人には絶対にさせないから。それに、カルムに言いたい事があるのよね。」
ラット「ありがとう。いやぁ、アイツも良い彼女を持ったもんだ。アンタなら信頼できる。」
ミト「そう……。え?」
ラット「いや、アンタ、アイツの彼女じゃないのか?」
ミト「いやいやいや、カルムとはまだそんな関係じゃ無いから!」
この人はいきなり何を言い出すのよ!!
ラット「いや、アンタ、アイツと結構仲良さそうだし……。そうか。まだか。いずれはそうなるってか。」
ミト「!!!とにかく!協力ありがとうね!」
ああ!変にそんな事言われるから、ますます気になっちゃうじゃない!
ラット「………まあ、頑張れよ。未来のアイツの彼女さん?」
そんな事を言った事に気づけなかった。
カルムside
何か、顔を赤く染めたミトが出て来た。
カルム「どうした?何か顔が赤いぞ。」
ミト「これは気にしないで。」
カルム「お、おう………。それと、キリトから連絡が来た。」
ミト「どうだって?」
カルム「カインズは本当に死亡が確認された。全ての要素が一致していた。」
ミト「じゃあ……!」
カルム「ああ。これはれっきとした殺人だ。放ってはおけない!」
ミト「うん……!」
そうして、明日に調査する事にして、俺達は転移門広場に向かうと、多数のプレイヤーに取り囲まれた。
よく見ると、全員『聖竜連合』のギルドメンバーだった。
カルム「聖竜連合の皆さんが、何の御用で?」
???「それは俺が話す。」
リーダー格の男が出て来た。
彼の名前はシュミット。
ボス戦の攻略会議で、何度か見た。
カルム「物騒だけど、何だ?」
シュミット「今日の夕方に起こった事件で、本当にデュエルじゃ無かったのか?」
カルム「あぁ。」
シュミット「殺されたプレイヤーはカインズだと聞いたが、本当か?」
ミト「えぇ。友人の証言やキリトにアスナも黒鉄宮で確認してる。」
シュミットの表情が強張った。
なるほど、シュミットとカインズは知り合いって訳だ。
カルム「知り合いなのか?」
シュミット「………言う必要は無い。」
カルム「おいおい、そっちの質問は答えさせて、こっちの質問には答えないってフェアじゃないだろ。」
シュミット「アンタらには関係ない!そもそも、警察じゃないだろ!」
なるほど、これはシュミット個人の事情という事だな。
シュミット「アンタが持ってるPKに使われた凶器を渡して貰おう。」
ミト「ハァ!?第一、システム上でもカルムの所有物なんだから、タダで寄越せなんて烏滸がましいにも程があるでしょう!」
カルム「良いよ。どうせ、調べ終えた物だし。」
俺はギルティソーンを取り出して、地面に突き刺した。
カルム「ついでに教えてやるよ。その名前はギルティソーン、罪のイバラだ。製作者は、グリムロックだ。」
その言葉に明確に動揺した。
シュミットは、槍を受け取り、乱暴にストレージに入れる。
シュミット「あまりコソコソと嗅ぎ回らない事だな。行くぞ!」
そう言って、撤退していった。
ミト「カルム。あの様子じゃあ……。」
カルム「あぁ。十中八九何かあるな。シュミットとカインズ、そしてグリムロックのこの3人の間には。」
今回はここまでです。
ラットとリズベットは付き合っています。
そして、ラットにミトがカルムに想いを寄せているのがバレます。
ラットは、ギャレンラウザーを所持しています。