ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、ベクタ戦前半と、クライン達が救援に来るまでです。


第71話 仲間達の救援

ケントside

 

 俺たちは、単身でベクタを追いかけるユージオを追いかける。

 ユージオの飛竜が疲れたのか、少し速度が下がった。

 すると。

 

ベルクーリ「ユージオォ!」

ユージオ「…………ッ!」

 

 ベルクーリさんの怒号が聞こえたのか、ユージオは振り返る。

 

リョウガ「一人で飛び出すな!」

ケント「ユージオ、落ち着け!」

イーディス「まあ、気持ちは分かるけど。」

ユージオ「すみません!気付いた時には体が………!」

ベルクーリ「言い訳は良い!今はアリスの嬢ちゃんを取り戻すぞ!!」

リョウガ「だが、俺たちの飛竜では、奴に追いつけないぞ。」

ベルクーリ「仕方ない………。アレを使うぞ。」

リョウガ「アレ………か。」

 

 ベルクーリさんとリョウガさんが言うアレって一体何だ?

 俺とユージオが首を傾げる中、ベルクーリさんは時穿剣を抜刀する。

 

ユージオ「ベルクーリさん………!?」

ケント「空斬を使ったら、アリスにまで被害が………!」

リョウガ「心配ない。」

ベルクーリ「おう。」

イーディス「まあ、見てなさい。」

 

 イーディスは、アレが何かを知ってるのか?

 俺たちは、見守る事にする。

 

ベルクーリ「………よし………奴の飛竜が岩谷の群山に差し掛かった………。これなら……!」

リョウガ「やれ、ベルクーリ!」

 

 確かに、ベクタの飛竜は、いくつもの岩柱が並び立つところへと至ったところが見えた。

 ベルクーリさんが時穿剣を掲げると、武装完全支配術の術図が浮かぶ。

 

ベルクーリ「名も知らぬ飛竜よ、許せ……時穿剣!裏斬!!」

 

 裏斬…………?

 俺が首を傾げていると、ベクタの飛竜の翼が斬られる。

 

ケント「今のは………?」

リョウガ「アレは、時穿剣の記憶解放術、裏斬だ。」

ユージオ「裏……斬………?」

ベルクーリ「そうだ……。空斬が未来を斬る剣に対し、裏斬は過去を斬る剣………。これが時穿剣の記憶開放術だ。いくら天命を操れる皇帝だろうが、流石に時間までは巻き戻せんだろう。」

リョウガ「よし、奴の飛竜は不時着したな。このまま奴を仕留めるぞ!着いてこい!!」

 

 そのまま、ベルクーリさん、リョウガさん、イーディスは飛竜から飛び降りる。

 見た感じ、風素を足の指で発動して滞空している感じだ。

 恐らく、あの元老長チュデルキンが足の指の先に熱素を生成したのと同じ原理だろう。

 俺とユージオは、そんな事を出来ないので、飛竜に送ってもらう。

 その間にも、3人はベクタに斬り掛かっていた。

 

イーディス「でやァァァ!!」

ベルクーリ「ハァァァァ!!」

リョウガ「ハァァァァ!!」

 

 だが、3人の攻撃は当たらなかった。

 ベクタは、3人の攻撃をあっという間に躱してしまったのだ。

 

ベルクーリ「アレを躱すかよ………!?」

リョウガ「イーディス!」

イーディス「分かったわ!」

 

 リョウガさんとイーディスの二人は駆け出して、攻撃していく。

 すると、ベルクーリさんは空斬を発動する。

 

ベルクーリ「取った!時穿剣、空斬!」

 

 だが、驚くべき事が起こる。

 それは、ベルクーリさんの斬撃が、受け止められて、消えてしまったのだ。

 

リョウガ「あいつは、人の心意を喰らうのか!?」

ケント「何だって…………!?」

ユージオ「そんな………!?」

ベクタ「心意………?………なるほど………。「Mind」と「Will」のことか。何匹か小物が追ってきているとは思ったが………まぁ、いい。少しは楽しめそうだ。」

ケント「ハァァァァ!!」

ユージオ「でやァァァ!!」

イーディス「ケント!?ユージオ!?」

 

 俺とユージオは、ベクタに斬り掛かる。

 ベクタは、持っていた剣で、俺の雷鳴剣黄雷とユージオの星霧氷の剣を受け止める。

 

ベクタ「ほう。………かなり重い剣だな。」

ケント「お前には、アリスを渡さない!ユージオの為に!!」

ユージオ「お前に、アリスを渡さない!!」

ベクタ「…………軽やかな風味しか感じないな。まあ、これは悪くない。」

ケント「何の話だ………!?」

ベクタ「お前達の魂を、味わうとしよう。」

 

 すると、星霧氷の剣に纏っていた凍気と雷鳴剣黄雷に纏っていた雷が消え、俺たちの意識が失われる様な感覚がする。

 

ケント(俺は………何を………。)

ベクタ『………やってみるものだな………。これがスーパーアカウントの能力という奴か。意外に使えるものだな。それでは…………。』

 

 男の声が聞こえてくるが、何にも考えられない。

 すると。

 

イーディス「ケント、ユージオ!!」

ベルクーリ「させるか!!」

リョウガ「チッ!」

「「っ!?」」

ベクタ「邪魔を………。」

 

 女性の声が聞こえてきたと思ったら、俺と誰かが引っ張られる。

 我に返ると、イーディスが俺とユージオを引っ張って、ベルクーリさんとリョウガさんがベクタの剣を受け止めていた。

 ベルクーリさんとリョウガさんは、ベクタから一旦距離を取る。

 

ベルクーリ「お前ら、無事か!?」

ユージオ「は、はい………!何とか………!」

ケント「今のは………!?」

リョウガ「恐らく、奴はお前達の剣を介して、心意を吸い取り、意識をも奪ったんだ。」

イーディス「何よそれ、反則じゃない!人の十八番を奪うなんて………!」

 

 確かに、かなり厄介な能力だ。

 まともに剣を交える事が出来ない。

 心意を吸い取られ、意識をも奪われる。

 流石のリョウガさんも冷や汗を流す。

 

ベクタ「ふむ。こんな感じか。なら、こういう使い方も試してみるとしよう。」

 

 ベクタは、俺たちに剣を向けてきた。

 その剣先から、青黒い粘液染みた光がこちらに向かってくる。

 

ベルクーリ「っ………まさか!?遠間からでも、心意を………!」

リョウガ「お前ら!避け………!?」

イーディス「騎士長!リョウガ!!……っ!?」

ケント「また…………!?」

ユージオ「グッ…………!?」

 

 俺は、再び意識を失う。

 目を開けると、そこは虚無の世界だった。

 

ケント「ここは………俺は一体………?」

 

 何も分からない。

 何故、俺がここに居るのかも。

 そして、俺が一体何なのかを………。

 すると。

 

???『ケント。』

ケント「!?」

 

 誰かの声が聞こえてくる。

 それは、誰かは分からないが、懐かしいと感じる声だった。

 

???『もう分かっているはずだ。2人が誰の為にその剣を振るうのか。』

 

 その声は、俺が誰の為に剣を振るうのかを教えてくれた友の声。

 

???『憎しみじゃ、アイツらには勝てないよ、ユージオ、ケント。』

???『2人は、整合騎士が憎いからここまで来たんじゃない。イーディスとアリスを取り戻したいから、2人を愛しているから、ここにいるんだろ?』

 

 その声は、俺とユージオに、憎しみだけでは勝てない事を諭した二人の友の声。

 そして。

 

???『…………ケント、これからよろしくね。』

 

 その愛する人の声が聞こえた時、俺の意識は完全に目覚めた。

 そうだ。

 俺が何の為に剣を振るうのか。

 それは、イーディスの為だ!

 俺は、イーディスの為に剣を振るう!

 だから、こんな場所にいる場合じゃない!

 

ケント「俺は!俺の、想いを貫く!!」

 

 その声と共に、雷鳴剣黄雷を振るい、虚無の世界を斬る。

 世界は斬り裂かれ、光が見えてくる。

 その光に向かって駆け出す。

 再び目を開けると、荒野に戻ってきていて、ユージオもまた目を覚ましていた。

 ベクタは、ベルクーリさんに止めを刺そうとしていた。

 俺とユージオはすぐに駆け出し、ベクタの剣を受け止める。

 

ベクタ「何…………!?」

ケント「これ以上、お前の好きにはさせない!」

ユージオ「アリス達は、僕たちが守る!!」

 

 俺とユージオが動ける事に動揺したベクタ。

 俺たちはすぐに記憶解放術を使い、ベクタを拘束する。

 だが。

 

ベクタ「驚いたな。」

ユージオ「!?」

ケント「やはりか………。」

 

 ベクタは、上半身を覆う氷と鎖を破壊する。

 下半身は、未だに囚われている。

 

ケント(やはり、そう上手くは行かないか。)

ベクタ「これは………!お前達の魂が、味わったことの無い新感覚!良いぞ!もっと楽しませろ!!」

 

 ベクタは、そう言って、俺たちの意識を再び奪おうとする。

 だが、俺たちの意識は、消えていない。

 

ベクタ「何故、作り物であるお前達が……。」

ユージオ「違う!僕たちは!この世界で………今、こうして生きている!!」

ケント「例え、この世界や俺たちが作られた存在であっても、俺たちは生きてる!!この心と魂は、誰のものでもない!!」

ユージオ「お前に、アリスは渡さない!」

ケント「俺は、俺の想いを貫いて、この世界を守ってみせる!!」

 

 俺とユージオは、そう宣言する。

 すると、俺の雷鳴の鎧が変化しだす。

 先ほどまでは、三首の番犬、針を纏う鼠、ランプの魔神の意匠が入っていたが、その鎧の形状が変わっていく。

 その三つの意匠が消え、肩に鎧、右腰にマントが付いたシンプルな物になる。

 胸には、何かの手を思わせるような形状の物がつき、その鎧には、星が意匠されている。

 更に、雷鳴剣黄雷の柄の部分の形状も変わる。

 黄色の部分が紺色になり、月と雷を思わせるような意匠になる。

 

ケント「ハアッ!」

ユージオ「ケント………!?」

ベクタ「これは………!?」

ケント「お前は、俺とユージオ、そして、この月光雷鳴剣黄雷で倒してみせる!!」

 

 月光雷鳴剣黄雷。

 それが、変化した雷鳴剣黄雷の名前だった。

 

カルムside

 

 シノンとチェイスが、ケント達を追いかける中、俺達は、遺跡に入り、防衛戦を行う事に。

 すると、アメリカ人プレイヤーの雄叫びが聞こえてくる。

 

カルム「来たか………。」

 

 アメリカ人プレイヤーは、こちらに押し寄せつつあった。

 アスナとミトは、シオリ達と話していた。

 すると、隣にユーリがやって来る。

 

ユーリ「カルム。」

カルム「ユーリ?」

ユーリ「………絶対に守るぞ。」

カルム「…………ああ。」

 

 いざとなったら、単身で斬り伏せてみせる。

 すると、ミトとアスナと共に、カーディナルもやって来る。

 

カルム「カーディナル、指揮を頼む。」

カーディナル「ああ。お主らには、辛い役割をさせてしまうからの。」

カルム「分かってる。」

アスナ「私たちに任せて。」

ミト「絶対に、誰一人として通さないから。」

 

 カーディナルは、俺たちの決意の言葉を聞いて、後ろに下がる。

 俺は、火炎剣烈火と刃王剣十聖刃を抜刀する。

 もしかしたら、これが最大最期の大規模戦闘になるかもしれない。

 気を引き締めないと。

 だが、心の隅で、若干の胸騒ぎがしているのも事実だった。

 

カルム(ミトとアスナに奈落の底に落とされたあの暗黒騎士。俺たちの事を知っていた。一体、誰なんだ………?)

 

 俺はそう考えていたが、すぐに現実問題へと思考を変える。

 それを考えるのは、こいつら全員を倒してからで良い。

 レンリが合図をして、俺たちは駆け出していく。

 俺は、火炎剣烈火と刃王剣十聖刃の異種二刀流で敵を倒していく。

 ミトとアスナも、アメリカ人プレイヤーを倒していく。

 無論、俺たちに攻撃が集中していくわけだが。

 何とか躱していく。

 

PoH side

 

 俺は、再びアンダーワールドに降り立ち、アイツらを高みの見物で見ている。

 

PoH「くくっ、相変わらず、キレると容赦ねぇな、あいつら。殺す殺す。」

 

 まさか、GGOで見た時には、もう会えないかと思ったが、会えるとはな。

 お前らが居るって事は、あの黒の剣士もいる筈だろう?

 

PoH「さあ、It’s show time.」

 

カルムside

 

 俺は、戦意喪失していたであろうプレイヤーを斬り伏せる。

 だが、俺も、ミトも、アスナも、ユーリも限界だった。

 何せ、相手は幾らでも湧いてくるのに対して、こっちは徐々にではあるが、損耗していく。

 

カルム「ミト、アスナ………大丈夫か?」

ミト「何とか………。」

アスナ「うん…………。」

ユーリ「第二波来るぞ。」

 

 そう、ユーリの言う通りだ。

 まだ、敵はたくさん居るのだ。

 だが、挫けてはいけない。

 

アスナ「まだ、よ………。この身体が倒れるのは、心が折れた時だけ………!」

ミト「私には、キリトたちが守ろうとしたこの世界を……みんなが守ろうとしているこの世界を守りたいという気持ちがある……!」

カルム「だから……俺たちの心が折れない限り、俺たちは負けない!!」

 

 俺たちは改めて決意する。

 すると、ユーリは。

 

ユーリ「…………ふっ。」

カルム「ユーリ?」

ユーリ「いや、お前らしいな、と。」

カルム「そうか?」

 

 そんな軽口を叩いている間も、アメリカ人プレイヤーの第二陣は迫っていた。

 すると。

 

カルム「青い………光…………?」

ミト「まさか………!?」

アスナ「敵の増援………!?」

 

 嘘だろ、勘弁してくれ。

 ただでさえ瀬戸際だってのに。

 心は絶望感が強まった。

 だが、現実は違った。

 一本のラインが、人の姿へと変わる。

 すると、その人影は、高速回転する。

 その竜巻は、アメリカ人プレイヤーを薙ぎ払う。

 アレは、カタナ広範囲重攻撃ソードスキル、《旋車》。

 その人物は、ゆっくりと体を起こし、右肩に刀を担ぐ。

 その人物は、悪趣味なバンダナを着けていた。

 

クライン「おう、待たせたな、アスナ、ミト、カルム。」

アスナ「クラインさん………?」

ミト「何で………!?」

カルム「嘘だろ………!?」

 

 クラインがそう言う中、鮮やかなブルーに輝くようにコードラインが幾千も降りてくる。

 それは、まるで天使の声がするかの様な音だった。




今回はここまでです。
希望が芽生える中、絶望という悪意もまた、芽生えようとしていた。
そして、遂にケントが更に強化されました!
ケントの強化のモチーフは、分かると思いますが、仮面ライダーエスパーダの、アラビアーナナイトです。
やっぱり、富加宮賢人モチーフなので、アラビアーナナイトにはさせたいと思いました。
明日のリバイスは、アルティメットリバイとホーリーライブが激突します。
ちなみに、もしかしたら、カルムの相棒は、富加宮賢人モチーフではなく、五十嵐大二モチーフになってたかもしれません。
まあ、賢人になった訳ですが。
次回は、ケント達とベクタの戦いに決着がつきます。
ケントのALOの種族は、シルフが多いですね。
一応、ユージオはウンディーネ、イーディスはケットシーにするつもりです。
YouTubeにて、エグゼイドのあの伝説の回が配信されましたが、今更ですが、PoHとバガモンって、同じ声優なんですね。

ケントのALOでの種族は何がいいか

  • シルフ
  • インプ
  • スプリガン
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