ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、クライン達の救援、現実世界での動き、そしてケント達とベクタの戦いです。


第72話 希望の光明と激闘の果て

カルムside

 

 クラインが来た事を皮切りに、大量の青い光が降り注いでいく。

 アメリカ人プレイヤーの1人が、俺たちに迫ってくるが、エギルが斬り捨てる。

 

アスナ「エギルさん!!」

エギル「よぉ。待たせたな、お前ら。」

 

 さらに、近くにリズベット、ラット、シリカ、ヒロミが降り立つ。

 

ミト「リズ!シリカ!」

カルム「ラット!ヒロミ!」

アスナ「来て………くれたのね………。」

リズベット「来るわよ、勿論!」

シリカ「当ったり前じゃないですか!」

ラット「………ったく。こんなに傷だらけになるまで無理をして………。頑張りすぎだ、テメーら。」

ヒロミ「後は任せて下さい。皆、来てくれましたよ!」

カルム「皆………?」

 

 周囲を見渡すと、そこには、幾つかの見知った顔が見えた。

 

レイモンド「フィリップは、アンダーワールド人から、詠唱の確認をしてくれ!」

フィリップ「分かった。すぐに戻る。」

 

 それは、かつてアインクラッドで、探偵事務所を開いていた、あのコンビ。

 

ノーチラス「行こう、ユナ!」

ユナ「うん!ノー君も!!」

 

 それは、色んな世界で名を馳せる歌姫とその相棒。

 

レイン「フィリア、行こう!」

フィリア「レインも気をつけてよ!」

 

 それは、俺が出会った二人組。

 

アリシャ「あの赤いのが敵だ!」

ユージーン「前衛、突撃!押し返せ!!」

サクヤ「後衛はアンダーワールド人部隊と合流して、呪文を確認!」

 

 それは、ALOにて、ケットシー、サラマンダー、シルフの代表格のプレイヤー達。

 

ディアベル「俺たちも負けてられない!SAO生還者の実力を見せるぞ!!」

ケイタ「月夜の黒猫団!行くぞ!!」

サチ「うん!」

『おう!』

 

 それは、アインクラッドで色んな縁が出来たプレイヤー達。

 

アラン「クレハ!俺たちも行くぞ!」

クレハ「ええ!やってやるわよ!!」

ジョー「バザルト・ジョー様の実力を見せてやるぜ!!」

闇風「この世界を守ってみせよう。」

ダイン「やってやるぜ!!」

銃士X「行きましょう。」

 

 それは、シノンのホームグラウンドのGGOのプレイヤー達。

 

ユウキ「皆!アスナやミト、カルムが頑張ってたんだ!僕達も負けてられないよ!!」

『おう!!』

 

 それは、最強ギルド、スリーピング・ナイツの面々達。

 何と、俺たちが紡いできた縁が、アンダーワールドを助けに来てくれたのだ。

 

クライン「てめぇらには個人的な恨みはねぇが、ダチを散々痛めつけてくれた借りは返すぜ。倍返し、いや、三倍返しに……いいや、千倍返しにしてお返してやるからよぉ!!この野郎どもォォ!!」

 

 クラインは、そんな台詞を言いながらクラインは突撃していく。

 だが、この姿は、まさにALOや、それぞれのゲームのアカウントそのもの。

 まさか………!

 

カルム「お前ら、コンバートしたのか!?」

ラット「それは、半分正解で半分外れだな。」

ヒロミ「厳密には、安田博士が作ったアカウントに、僕たちのアカウントデータをコピーして送り出したんです!」

カルム「博士………。」

 

 あの人、本当に何でもありだな。

 だが、気になる事がある。

 それを聞こうとすると、ミトとアスナが声をかける。

 

アスナ「………ねえリズ、シリカちゃん、ラット君、ヒロミ君。」

ミト「皆をアンダーワールドに連れてきてくれたのは、誰なの………?」

リズベット「ちょっとアスナ、ミト!」

ラット「そんなの決まってるだろ?」

シリカ「ユイちゃんとカナちゃんですよ!」

ヒロミ「2人がアンダーワールドの事と、ここで生きてる人たちのことを、一生懸命説明してくれたんです!」

 

 カナとユイちゃんが!?

 2人が動いてくれたのか。

 という事は、安田博士にそのアカウントを作るのを頼んだのは、パラドって事か。

 

アスナ「…………ありがとう、ユイちゃん、カナちゃん。」

ミト「本当に、ありがとう。」

 

 すると、ユーリが来て話しかける。

 

ユーリ「お前ら、あの戦士達は一体……!?」

ヒロミ「誰ですか………?」

ユーリ「俺はユーリだ。………なるほどな。リアルワールドの戦士達か。」

ラット「そんな所だな。」

ユーリ「…………最高だな!!」

ヒロミ「よろしくお願いします、ユーリさん!」

ユーリ「ああ、頼りにしてるぞ。」

 

 二つの世界の人たちが出会い、言葉を交わし、関係を築き始めた。

 これが、俺が追い求めていた光景だ。

 ミトとアスナは、リズベットとラットに尋ねていた。

 

アスナ「リズ、コンバートしてくれた人たちの数は?」

リズベット「あ………うん。三千を少し超えるくらい。」

ラット「すまん。全員が承諾してくれなかった。」

ミト「大丈夫よ。」

カルム「ああ。敵が再コンバートしたり、激痛を受けさせない為にも、消耗戦は避けたいな。」

アスナ「なら、あまり前線を広げないで、ヒールを厚くしよう。リズとシリカちゃんは、二百人くらい後方に下げて支援部隊を作って。」

ミト「皆さんも、不本意でしょうけど、修道士隊と合流して、治癒術を使って。リアルワールドの戦士達は、神聖術に不慣れだから、術式を教えてやって!」

ユーリ「分かった!」

レンリ「聞いての通りだ!援軍の戦士達を支援するぞ!」

 

 レンリが叫ぶと、衛士達も力強い声を返す。

 

ラット「それで、お前らはどうすんだ?」

アスナ「もちろん。」

カルム「前線に出て斬り込む!」

ミト「そうね!」

ヒロミ「分かりました。」

 

 今の俺たちは、負ける気がしないな!

 俺たちは、斬り返していく。

 

安田side

 

安田「間に合った………かな………?」

 

 流石に疲れたな。

 突貫作業でアカウントを作り、彼らが導いてくれたアカウントデータをそれにコピーして、アンダーワールドにコンバートしたからな。

 

凛子「間に合ったわ。必ず。」

比嘉「間に合ったッスよ。」

安田「だと良いな………。」

 

 後は任せたぜ、プレイヤー達。

 さてと、これで、どうにかアメリカ人プレイヤーを抑えられるかな。

 俺は、ふと、思った事を口にする。

 

安田「アリスはもう、ただのUAVコントロールAIなんかじゃない。本物の異世界に生まれた新たな人類だ。お前らは、既に分かっていたんだな、カルム、キリト。」

 

 そう呟く。

 俺に出来ることは、もうここまでだ。

 すると、比嘉が何か気になる事があったようだ。

 

比嘉「ん…………?」

安田「どうした?」

比嘉「安田、凛子先輩、これ、見て下さいッス。」

凛子「この変動は何なの………?」

比嘉「桐ヶ谷君の喪失した筈の意識が一瞬だけ活性を示した………って事になるッス。」

安田「どういう事だ………っていうか、この時間って、どっちもSTLでダイブした頃じゃないか。最初のピークは明日奈さんと深澄さん、次のピークはシノン、チェイス、リーファ、ハヤトがSTLでダイブした頃だ。」

 

 俺がそう指摘すると、比嘉は何かを呟きながら周囲を歩き回る。

 凛子さんは、比嘉の名前を呼ぶ。

 

凛子「ねぇ。………ねぇ、比嘉君。」

比嘉「なんッスか?」

凛子「主体と客体って、そんな簡単に切り分けられる物なの?」

比嘉「………は?」

安田「どういう意味ですか?」

凛子「主体と客体は、あくまで物事の関係を表す哲学的な概念であって、フラクトライトとして可視化された私たち一人ひとりの意識の構造に、そのまま当てはめる事は出来ないと思うの。」

安田「確かに。人間は社会的動物で、唯一の個人として存在してる訳じゃない。自分の中の他人、他人の中の自分。それらは、ある程度、ネットワーク的に接続してる筈…………。」

 

 俺は、そこまで言うと、凛子さんが言おうとした真意を悟る。

 

比嘉「安田………?」

安田「そうか………そうだよ!セルフイメージのバックアップだ!」

比嘉「そういう事ッスか!」

安田「こちら側のSTLに接続しているのは、合計七人。カルム、明日奈さん、深澄さん、リーファ、ハヤト、シノン、チェイス。あの七人なら、桐ヶ谷君の喪失したセルフイメージを修復出来る!」

比嘉「…………あの、菊さん。六本木からダイブしたあの4人は、桐ヶ谷君の関係者………なんスよね?」

菊岡「………ああ。シノン君は、半年前の死銃事件をキリト君、カルム君、チェイス君と一緒に解決した仲で、リーファ君はキリト君の妹で、ハヤト君とチェイス君は、SAOからの仲だよ。」

 

 そう、これならいける筈。

 だが、とある現実が重くのしかかる。

 

安田「だがなぁ、問題が一つある。」

凛子「問題って………?」

比嘉「その操作が出来るのは、メインコントロールルームだけッス………。」

凛子「あ…………。」

 

 それがきっかけで、凛子さんも沈黙する。

 すると、菊岡さんがため息を漏らし、比嘉の肩に手を置く。

 

菊岡「そうしょげるな、2人とも。キリト君の治療に光明が見えただけでも良しとしよう。実際のオペレーションは、状況が終了し、オーシャン・タートルから連中を追い出した後でも………。」

安田「残念ながら、それでは遅いです。」

菊岡「何………?」

比嘉「安田の言う通りッスよ。《あさひ》からコマンド部隊が突入してきて、メインシャフト内で大規模戦闘になれば、サブ電源も落ちるでしょう。そうなれば、彼はアンダーワールドから意識不明のままログアウトする。今の状態では、初期ステージを通過出来ず、二度とSTLに接続出来ません。治療は何としても、彼らがアンダーワールドにダイブしてる間に行わないといけないんス。」

 

 そう、このまま行くと、キリトは意識不明のままログアウトしてしまう。

 何としてもそれは避けないといけない。

 すると、比嘉が決意のこもった表情を浮かべる。

 

比嘉「………僕、行くッスよ、菊さん。」

菊岡「行くとは…………どこにだ?」

安田「行くのは、点検コネクタに、だろ?」

比嘉「お見通しッスか。」

安田「どれくらいの付き合いだと思ってる?」

 

 それを聞いた菊岡さんは、一瞬驚くが、すぐに反駁する。

 

菊岡「確かに、点検コネクタなら、キリト君のSTLを操作出来るだろう。だが、それは隔壁の向こう側だ。隔壁を開いたら、襲撃者達に気づかれるぞ。」

比嘉「そこは、囮作戦で行きましょう。」

菊岡「囮………?」

安田「人間用の階段に、イチエモンを突入させるんです。」

菊岡「なるほどな………。」

 

 すると、今度は凛子さんが反駁する。

 

凛子「ちょっと待って!あれはまだ階段をゆっくり上り下りする事しか出来ないわよ!敵の注意を引いて、すぐに駆け戻ってくるなんて真似は不可能よ!」

比嘉「………イチエモンには悪いですけど、頑張って貰うしかないッス。」

安田「それに、あんな見た目だ。敵もいきなり撃ってはこないだろ。」

凛子「そうね………。」

 

 まあ、実際に言うと、残念で仕方ないんだけど、キリトの回復の為だ。

 後でしっかりと供養してやるからな。

 

比嘉「少なくとも、無視は出来ない筈ッス。敵がイチエモンに対応している間に、僕がケーブルダクト下部に侵入、点検コネクタから桐ヶ谷君のSTLを操作します。」

菊岡「………いっその事こと、ニエモンも投入出来ないか?」

安田「あれは、バランサーを搭載していない上に、人工フラクトライトを搭載する事を前提とした物だ。とてもじゃないが、無理だ。」

菊岡「そうか。」

 

 菊岡さんは黙ったが、凛子さんが尋ねてきた。

 

凛子「でも、比嘉君。隔壁のロック解除はそれで誤魔化せたとしても、君が発見される危険が完全に消滅する訳じゃないわ。やっぱり、ケーブルダクトには護衛してくれる人を連れて行った方が良いんじゃないの?」

比嘉「…………いえ、今となっては、自衛官スタッフは貴重すぎる戦力ッス。それに、あんな狭いダクトを素早く移動出来るのは、ガリチビの僕くらいッスよ。さっと行って、さっと帰ってきますから。」

安田「…………なら、俺も行こう。」

 

 その言葉に、全員が驚いた視線を向けてくる。

 

菊岡「…………大丈夫なのかい?」

安田「俺も、比嘉程ではないけど痩せてるし、防弾チョッキを着ていけば大丈夫だと思う。」

比嘉「…………良いんすか?」

安田「俺たちラースは、キリトとカルムの2人に、大きすぎる借りがある。それを少しでも返したい。」

 

 そう、大きすぎる借りがあるんだ。

 記憶をブロックして、アンダーワールドにログインさせて、《A.L.I.C.E.》が4人も覚醒したのは、間違いなく、あの2人が介在している。

 それなのに、キリトのフラクトライトを傷つけてしまった。

 どんなリスクを冒しても、キリトを回復させてみせる。

 そうでないと、パラドに顔向けできない。

 そう決意する。

 結果、俺と比嘉が行く事になり、準備を始める。

 

ケントside

 

ケント「お前は、俺とユージオ、そして、この月光雷鳴剣黄雷で倒してみせる!!」

 

 俺は、月光雷鳴剣黄雷をベクタに向けて、そう宣言する。

 ベクタは、少し後ずさっていた。

 すると、突然笑い出す。

 

ベクタ「フハハハハハ!!そうか!そういう事か!お前達もまた、《A.L.I.C.E.》なのだな!何という僥倖だ!」

「「……………。」」

 

 突然、そんな事を言い出す。

 だが、そんな事は気にならない。

 すると。

 

イーディス「ごちゃごちゃうるさい!アリスを返せ!!」

ベクタ「!?」

 

 イーディスがベクタに突っ込んでいき、攻撃する。

 ベクタも、急に現れたイーディスには反応し切れず、マントが斬られる。

 ベクタは、イーディスの意識を奪おうとするが、イーディスの意識は奪われていない。

 

ベクタ「なるほど、貴様も《A.L.I.C.E.》か。良いぞ………!一度に三人も………!」

イーディス「アンタなんかにアリスは渡さないわよ!!」

ベルクーリ「ハアッ!」

リョウガ「でやぁ!」

 

 すると、ベルクーリさんとリョウガさんも、ベクタに攻撃を仕掛ける。

 

ベクタ「チッ。時間をかけ過ぎたか。」

ユージオ「ベルクーリさん!リョウガさん!」

ケント「良かった………!」

 

 どうやら、意識を奪うのは、時間制限があるみたいだな。

 俺たちは、すぐにベルクーリさんとリョウガさんの元に向かう。

 

ユージオ「どうします?」

ケント「奴は、そう簡単には倒せない。」

イーディス「それでも、アリスを絶対に助けるわ。」

リョウガ「ベルクーリ。アレを使おう。アレなら、奴でも倒せる筈だ。」

ベルクーリ「そうだな。」

ケント「アレ………?裏斬の事ですか?」

ベルクーリ「そうだ。」

 

 やっぱり、裏斬を使うのか。

 確かに、過去を斬る剣なら、ベクタでも倒せる筈だ。

 

ベルクーリ「…………よし、ユージオ、ケント、イーディス、リョウガ。俺に命を預けてくれるか?」

ユージオ「はい!」

ケント「はい!」

イーディス「この場にいる全員が、同じ考えよ、騎士長。」

リョウガ「問題ない。」

ベルクーリ「………よし!お前らの命、確かに預かった………!全員、耳を貸せ………。時間が惜しいから、一回しか話さんぞ。」

 

 俺たちは、ベルクーリさんから、起死回生の一手を撃つための作戦を聞いた。

 そんな中、ベクタは動いていない。

 

ベルクーリ「………という訳だ。リョウガは、アイツの能力に警戒しろ。意識がなくなったら、終わりだと思え。」

リョウガ「分かった。」

ベルクーリ「ユージオ、ケント、イーディスの三人は、ベクタの能力が効かない。10分。10分で良いから、時間を稼いでくれ。出来るか?」

イーディス「上等よ。」

ケント「大丈夫です。」

ユージオ「やってみせます!」

ベルクーリ「上出来だ!」

 

 作戦会議を終え、ベクタと向き合う。

 

ベクタ「もういいのか?時間はくれてやったが、私を楽しませてくれる策は出来たのかな?」

リョウガ「貴様を楽しませる気はない。剣士たるもの、剣で語るのみだ。」

ベルクーリ「そういうこった。」

ベクタ「………ふっ。剣など、単なる武器でしかあるまい。」

 

 俺は、月光雷鳴剣黄雷を構える。

 頼む、力を貸してくれ。

 アリスを助ける為に!!

 すると、月光雷鳴剣黄雷から、放電が起こる。

 

ベクタ「さあ、君たち三人の魂を味合わせてくれ!」

ケント「剣士ケント。」

ユージオ「剣士ユージオ。」

イーディス「騎士イーディス。」

「「「参る!!」」」

 

 俺たちはそう叫び、ベクタへと向かっていく。

 

ケント「ハァァァァ!!」

ユージオ「でヤァァァ!!」

イーディス「ハァァァァ!!」

ベクタ「そんな物か。」

 

 俺たちの攻撃を、ベクタはあっさりと弾いてしまう。

 やはり、一筋縄ではいかないか。

 

ベクタ「さぁ………!もっと味合わせてくれ!!」

 

 ベクタはそう言って、俺たちに向かって斬りかかる。

 俺たちはすぐに躱すが、ベクタの剣が当たった地面が割れた。

 驚きつつも、すぐにベクタに攻撃する。

 俺は、身軽に動き、ベクタを翻弄しつつ攻撃していく。

 俺たち三人の連携で、ベクタと互角に渡り合う。

 俺達が鍔迫り合いになると、ベクタは笑い出す。

 

ベクタ「ああ………!良いぞ!!」

ケント「何がだ………!?」

ベクタ「お前達の苦痛が、魂の悲鳴が悲鳴をあげる事で、生きている証明になる!そして、それを壊して、その魂を味わう!!それこそが、私の望みだ………!!!」

ユージオ「狂ってる………!」

イーディス「ええ…………!!」

ベクタ「狂ってる?それはお前達の価値観だ。これが私の生き甲斐………人の命を………いや、魂そのものを破壊し、触れるために私は生きているのだ!」

 

 ベクタがそう言うと、ベクタの剣の圧力が強まる。

 だがな…………!

 

ケント「何が生き甲斐だ………!?」

ベクタ「うん?」

ユージオ「誰かを犠牲にしてまで、自分の欲望を満たそうとするなんて………!そんなの、絶対に認めない!!」

イーディス「アンタみたいな最低な奴に、アリスを………この世界に生きる人たちを、傷つけさせない!!」

 

 俺たちはそう叫び、高速で剣裁を繰り広げていく。

 リョウガさんは、動けなかった。

 

リョウガ「こんな戦闘をしていたら、アイツらの体が保たないぞ………!」

 

 リョウガさんは、そう呟いているような気がするが、そんな事を気にしてる余裕はない。

 

ケント(クッ………!腕が………!体が悲鳴を上げてるみたいな………!このままじゃ、危ないかもな………!)

 

 そう、あんなに高速で剣裁をしているのだ。

 体にかかる負担はかなり大きく、時間が長く感じる。

 

ケント「ハァァァァァァァ!!」

ユージオ「ウオオオオオオオオ!!」

イーディス「ハァァァァァァァァァ!!」

ベクタ「チッ………!」

 

 流石のベクタも、俺たちの鬼気迫る剣裁には、対応が遅れつつある。

 すると。

 

ベクタ「終わりにしよう。」

「「「っ!?」」」

 

 ベクタは、そう呟き、俺たちは身構える。

 すると、ベクタは剣を地面に思い切り叩きつけて、衝撃波を放つ。

 俺たちは躱すが、その衝撃波の先には、倒れているアリスが。

 

ユージオ「アリス!?」

ベクタ「さて、どう動く?」

 

 まさか、最初からアリスを巻き込む気で居たのか!?

 俺たちはアリスの方へ行こうとするが。

 

リョウガ「心配ない!アリスは無事だ!!」

ケント「リョウガさん!!」

 

 そう、アリスは、いつの間にか、リョウガさんが抱えて、衝撃波から外れていた。

 そうか、時国剣界時の力か!

 確かに、時国剣界時なら、移動することも可能だ。

 目論見が外れたベクタは、舌打ちする。

 すると。

 

ベルクーリ「ユージオ!ケント!イーディス!」

「「「っ!」」」

ベクタ「何かを狙ってたのか………!?」

 

 ベクタは、すぐにベルクーリさんの元へと向かおうとする。

 だが。

 

リョウガ「させるか!!ディスチャージ!!」

ベクタ「っ!?」

 

 リョウガさんは、予め熱素と水素を生成していて、それを両方ともバーストさせる事で、水煙が発生して、視界を奪う。

 

ユージオ「ケント!」

ケント「ああ!」

「「リリース・リコレクション!!」」

 

 俺とユージオの記憶解放術が発動して、ベクタの動きを少しでも止める。

 

ベルクーリ「助かったぜ。お前達が作ったこの一瞬、決して無駄にはしねぇ!!」

ベクタ「させるか………!」

 

 ベルクーリさんは、既に記憶解放術の準備を終えていた。

 ベクタは、ベルクーリさんに向かおうとする。

 だが。

 

ケント「ハァァァァァァァ!!」

ユージオ「ウオオオオオオオオ!!」

イーディス「ハァァァァァァァァァ!!」

リョウガ「でヤァァァァァァァ!!」

 

 俺たちは、ベクタへと向かっていき、それぞれの武器をベクタに突き刺す。

 そして。

 

ベルクーリ「ウオオオオオオオオ!!!」

 

 ベルクーリさんが虚空を斬る。

 ベクタは、何が起こったのか分からない表情を浮かべていたが、ベクタの体に異変が起こる。

 

ベクタ「なっ…………!?」

ベルクーリ「…………時穿剣・裏斬は、過去を斬る剣。斬ってやったぜ、アンタの過去を………!」

ベクタ「ぬぅおおおおおおおおおおお!!!」

 

 ベクタは、叫びながら消えていった。

 

ベルクーリ「…………これが、この世界に生きる人間の力だ………!」

リョウガ「勝ったな………。」

ケント「はい…………。」

 

 俺は、意識が無くなった。




今回はここまでです。
ケント達は、ベクタに勝利しました。
リョウガも、サポートを頑張っていました。
安田博士と比嘉さんも動き出しました。
いよいよ、紫紺の剣士のアリシゼーションも、クライマックスになってきました。
何とか、更新していきたいです。

ケントのALOでの種族は何がいいか

  • シルフ
  • インプ
  • スプリガン
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