ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、ハヤトがリーファと出会い、カルムとミトが愛娘と再会する所までです。


第4話 それぞれの邂逅

ハヤトside

 

 俺はシルフを選択して、目を開けると、そこには妖精の都が広がっていた。

 

ハヤト「すげぇ!SAOとは違うな!」

???「お待たせ!」

ハヤト「ん?」

 

 俺が周囲を見渡していると、金髪でポニーテールの1人の女の子が近づいてきた。

 

ハヤト「あの、誰ですかね?」

リーファ「あ、私、リーファ。」

ハヤト「リーファ?ああ!スグか!」

リーファ「そうそう!あ、でも、ここではリーファだから。」

ハヤト「悪いな。」

リーファ「でも、侑斗君は、リアルに殆ど似てるね!」

ハヤト「え?」

 

 気になった俺は、そこら辺の窓で見てみると本当にリアルに近かった。

 違いは、目が濃い緑で、髪が黄緑色で、耳が妖精みたいになっている事だけだ。

 ステータスも見てみると、初期値然とした物だった。

 しかし、スキル一覧を見て、驚いた。

 どれもこれも、SAOで習得したスキルだ。

 熟練度も全く同じ。

 これは、どういうわけか分かるまでは黙っておくべきだな。

 そう思い、リーファに声をかける。

 

ハヤト「悪い、心配かけたな。」

リーファ「大丈夫だよ。さて、早速で悪いんだけど、武器屋行こ!」

ハヤト「おう!」

 

 そこで、色々と武器を物色して、SAOのタイタンソードよりは軽いが、両刃の片手直剣をセレクトした。

 防具も、色々と着けた。

 そうして、リーファと共に出かけた。

 

カルムside

 

 初期設定も終えて、目を開けると、そこには街が広がっていた。

 インプの首都に着いていた。

 

カルム「へぇぇ。結構凄いな。」

 

 そうやって周囲を見渡していると、1人の女性が声をかけた。

 

???「すいません、もしかして、カルム?」

カルム「ん?」

 

 そこに居たのは、ポニーテールにした女性で俺はその人を見間違う筈がない。

 

カルム「ミトか?」

ミト「良かった!カルムだった!」

 

 何とかミトと合流して、俺達は少し離れた裏路地に向かった。

 

ミト「どう思う?」

カルム「もしかして、見た目か?」

ミト「それもあるんだけど、ステータスを見てみて。」

カルム「え?」

 

 ステータスを見ると、初期値そのものだったのだが、スキルを見て、驚愕した。

 それは、SAOで習得した熟練度そのものだったのだ。

 流石に、《フュージョンジャック》や《エボリューションキング》といったスキルは無くなっていたが、それらはSAOとは共通ではないという事だ。

 

カルム「何で、SAOでのスキルが。」

ミト「少し、アイテム一覧も見てみて。」

カルム「おう。………うわ。」

 

 アイテム欄も見てみると、殆どのアイテムが文字化けしていた。

 つまり、これではブレイラウザーが使えるかどうか分からない。

 しかし、あの2つのスキルが使えない以上、ブレイラウザーやラウズアブソーバーが使えない事は確かだ。

 

カルム「あっ……。」

ミト「どうしたの?」

カルム「待てよ……。まさか。」

 

 俺はアイテム欄をスクロールしていくと、とあるアイテムを見つけた。

 《MHCP003》。

 それをミトにも見せると、ミトの顔に驚愕の表情が浮かんだ。

 実体化させて、クリスタルを2回叩くと、光が迸った。

 

カルム「あっ……!?」

ミト「クリスタルが……!?」

 

 俺達がそれを見守っていると、光から1人の少女が出てきた。

 白いワンピースを着ていて、黒い髪だった。

 俺達は、その子を知っている。

 少女が目を少しずつ開いていく。

 やがて、俺たちをまっすぐ見つめた。

 

カルム「俺だ…‥。カルムだ。」

ミト「私は、ミトよ。分かる……?」

 

 俺達はそう呼びかけたが、今更気づく。

 俺たちの見た目は、SAOとは違う事に。

 だが、それは杞憂だった。

 

カナ「また、会えたね、パパ、ママ。」

 

 俺たちにカナが抱きついた。

 カナ、俺達がアインクラッドで出会った俺たちの愛娘だ。

 暫く抱き合っていて、路地にあった箱に腰掛けた。

 

カルム「さて、どうなってんのやら。」

カナ「………?」

ミト「いや、ここはSAOの中じゃないの。」

 

 俺達は、カナが消滅してからを掻い摘んで説明した。

 

カナ「ちょっと待ってね。」

 

 カナが眼を瞑ったが、すぐに開けた。

 

カナ「ここは、《ソードアート・オンライン》サーバーのコピーだよ。」

カルム「コピー……?」

ミト「どういう事なの?」

カナ「はい。基幹プログラム群やグラフィック形式は完全に同一で、私がこの姿を再現出来るのもそれが理由。でも、カーディナル・システムのバージョンが古いわ。」

ミト「なるほどね。」

カルム「なら、何で俺たちの個人データがここにあるんだ?」

カナ「ちょっと、2人のデータを覗かせてもらうよ。」

 

 カナは再び眼を閉じた。

 

カナ「やっぱり……。これは、SAOでパパとママが使用してたキャラクター・データその物だよ。セーブデータのフォーマットがほぼ同じだから、2つのゲームに共通するスキルの熟練度が引き継がれたんだと思う。所持アイテムは、破損してるから、全て破棄した方が良いと思うよ。」

カルム「そ、そっか。」

ミト「勿体ないけど、しょうがないよね。」

 

 ありがとうな、ブレイラウザー、安らかに眠れよ。

 そう念じながら、破棄した。

 残ったのは、正規の初期装備だけだった。

 まあ、アスナを助ける為には、こんなステータスでも文句は無い。

 

カルム「そう言えば、カナはこの世界ではどういう扱いなんだ?」

ミト「そういえば、そうね。」

カナ「えーと、このアルヴヘイム・オンラインにも、プレイヤーサポート用の擬似人格プログラムがあって、《ナビゲーション・ピクシー》って言うんだけど、私はそこに分類されているね。」

 

 カナは一瞬難しい顔をした。

 その直後、カナが消滅した。

 

カルム「カナ!?」

ミト「どうしたの!?」

 

 膝を見てみると、身長は10センチで、半透明の翅が2枚背中から生えている。

 

カナ「これが、ピクシーとしての姿よ。」

カルム「へぇ……。」

ミト「可愛いわね。」

カナ「2人とも、くすぐったいよ。」

 

 俺達が指先でほっぺたを突いていると、カナは俺の肩に止まった。

 それで、本題を切り出す事に。

 

カルム「カナ。実は、協力して欲しい。」

ミト「実は、この世界に、アスナがいるの。」

カナ「えっ……アスナさんが!?どういう事なんですか?」

 

 須郷の事は伏せつつ、掻い摘んで話した。

 

カナ「そうなの……。ごめん、パパ、ママ。私に権限があれば……!」

カルム「いや、場所の検討は付いている。」

ミト「それで、ここからどうやって世界樹に行けば良いのか教えて欲しいの。」

カナ「それなら、北西方面に飛べばいけると思うよ。」

カルム「そうか。なら、俺たちの装備を整えないとな。」

ミト「そうね。」

 

 俺達は、この街で出来る限りの準備をする事にした。

 俺は、良いバスタードソードを見つけたのでそれと片刃の片手直剣をサブとして買う。

 ミトは、鎌を購入した。

 そして、紫紺色のコートを見つけたので、それも装備する。

 

カルム「それじゃあ、案内頼むな。」

ミト「お願いね。」

カナ「私に任して!」

 

 そうして、俺達は旅立った。

 一応、その前にカナから、展望台に行ってロケーターストーンを使った方が良いと言われたので、戻り位置をセーブした。

 だが、気になる事がある。

 それは、俺がまだ装備を選んでいるミトと合流する前に、何か、変な煙を吸い込んでしまったようで、妙に気怠い。

 だが、そこまで気にならないので、気にせずにいる。

 




今回はここまでです。
カルムが吸い込んだ煙は一体何なのか。
それは、これから明らかになります。
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