直葉side
まさか、アスナさんがALOに閉じ込められているなんて思わなかった。
だけど、そんな事があるのだろうか?
お兄ちゃんも言っていたが、確かに物的証拠が無い。
警察にも言えない。
気になって、お兄ちゃんの部屋へと向かう。
直葉「お兄ちゃん?」
和人「どうしたスグ?」
直葉「……お兄ちゃんは、アスナさんを助ける為に世界樹に向かいたいのよね。」
和人「ああ。」
直葉「それは分かった。……後、話があるんだけど……。」
和人「うん?」
直葉「何で、相談してくれなかったの!お兄ちゃんと私が血が繋がってないから!?」
和人「知ってたのか……。」
お兄ちゃんは、驚愕の表情を浮かべた。
直葉「うん。お兄ちゃんがSAOに囚われてからお母さんから聞いて……。でも、私は血が繋がってなくても、お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ!だから、妹の私も頼ってよ!」
和人「スグ……。そうだな。頼む。力を貸して欲しいんだ。」
直葉「お安い御用だよ!」
和人「あと、合流する奴があと2人いる。」
直葉「2人?」
和人「その2人とも合流したい。どこかで合流出来そうな地点は無いか?」
直葉「そうね……。世界樹に向かう途中で中立都市があるの。……その2人の種族は?」
和人「2人曰く、両方ともインプだと。」
インプか。
なら、どうにかなるかも。
直葉「ルグルー回廊内に中立の鉱山都市があるから、そこで合流させよう。」
和人「分かった。2人には俺から連絡する。」
直葉「お願い。」
こうして、その2人と合流する手筈が整っていく。
ハヤトside
まさか、SAOのプレイヤー300人が閉じ込められているとはな。
あの後、エギルから連絡が有って、それを聞いて驚いた。
一応、姉ちゃんにも確認を取ったが、その中にアスナがいると言う。
チェイスにも聞いてみたが、エギルから連絡が来たらしい。
翌日、ALOにログインして、キリトとリーファと合流した。
ハヤト「待たせたな。」
キリト「おう。」
リーファ「それじゃあ、行こっか!」
俺達は、昨日、キリトがぶつかった塔の上に向かって行った。
だが、デカい男に阻まれた。
リーファ曰く、シグルドと言うらしい。
何か、怪しい商売をしてそうな名前だなと心の中で思った。
リーファ「こんにちは、シグルド。」
シグルド「パーティーから抜ける気なのか、リーファ。」
リーファ「まあ、貯金も大分出来たし、暫くのんびりしようと思って。」
シグルド「勝手だな。残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか?」
何ともまあ、傲慢な奴だな。
俺にとっては、とっても嫌いな奴だ。
何か、直葉を虐めてた先輩みたいだな。
まあ、俺がコテンパンにしてやったが。
文句を言ってやろうと、キリトと共に前に出た。
キリト「仲間はアイテムじゃないぜ。」
シグルド「何だと……?」
ハヤト「お前さ、リーファの事をアイテムみたいに言ってるけどな、装備欄にはロック出来ないんだぜ。」
シグルド「きッ……貴様らッ……!何故スプリガンが居るのだ!」
ハヤト「別に良いだろ。コイツは俺の親友の1人だ。という訳で、リーファは俺とキリトが借りていくぜ。」
シグルド「なん……だと……リーファ、そしてそこのお前……領地を捨てる気なのか……。」
ハヤト「別に良いだろ。俺はこのゲームを始めたばかりでね。リーファには指導をお願いしたんだよ。」
そう言ったその後、シグルドは退散していった。
その際に捨て台詞を吐いていったが、その際に嫌味で返した。
リーファ「ごめん、2人とも、変な事に巻き込んじゃって。」
ハヤト「気にすんな。俺、アイツの事を嫌いになったわ。」
リーファ「なんで、ああやって、縛ったり縛られたりしたがるのかな……。」
ユイ「フクザツですね、人間は。ヒトを求める心を、あんな風にややこしく表現する心理は理解できません。」
そう言って、キリトのジャケットの大きな襟からユイが出てきた。
その後、キリトにキスするという大胆な真似をしたが、AIだからな。
リーファが顔を赤くしていたが、気のせいだろうな。
出発しようとしたら、1人のプレイヤーが出てきた。
昨日会ったレコンだ。
だが、キリトに対する反応が昨日とは違う。
実は、レコンにはキリトがリーファの兄貴だと言う事を話しており、その結果、レコンはキリトにはそこまで頭が上がらなくなった。
レコンをあしらった後、出発した。
カルムside
昨日、キリトから連絡があり、ルグルー回廊内の中立都市で合流する事になった。
カルム「という訳で、キリト達と一刻も早く合流する為に、出発するぞ。」
ミト「そうね。カナ、案内お願いね。」
カナ「分かった。」
カナ曰く、高山地帯を抜けるには、洞窟を通らなければならないらしい。
だが、インプは暗中飛行と暗視に長けているのだ。
万が一の際には、強行軍として、突破する為に。
キリト達と合流するルグルー回廊は、シルフ沿いにあるので、世界樹に行くよりも先に合流しなければ。
ミト「カルム。」
カルム「ん?」
ミト「本当に大丈夫なの?」
カルム「昨日の件か?」
ミト「うん。」
カナ「一応、調べてみたけど、特に異常は無かったよ。」
カルム「まあ、大丈夫だろ。」
そうは言ったものの、昨日より少し気怠い。
だが、キリト達と合流しなければならない。
出発した時に、少しノイズが走った。
アスナside
オベイロンこと須郷が私の体を触ってくる。
だが、耐えねば。
嫌悪感が凄まじいが、ここで反抗したら、行動が制限されてしまう。
それだけは避けたい。
オベイロン「やれやれ、頑なな女だね、君も。どうせ偽物の体じゃないか。何も傷つきはしないよ。」
アスナ「……あなたには分からないわ。体が生身か、仮想かなんて事は関係ない。少なくとも私にとっては。」
オベイロン「心が汚れると言いたいのかね。今の内に楽しみ方を学びなよ。」
アスナ「興味無いわ。……それに、いつまでもここにいるつもりもない。」
オベイロン「まさか、キリト君に、カルム君、ミト君が助けに来るとでも?」
それを聞いて思わず体を震わせた。
オベイロン「それにしても、現実で会ったけどねぇ。あんなガキ共のあの顔は傑作だったね!思わず大笑いしそうになったよ!!あのガキ共は来ないさ。どうせ、ナーヴギアを被る度胸なんて無いよ!」
アスナ「………。」
全く、頭は良いかもしれないが、実に愚かな男だわ。
キリト君にカルム君、ミトが助けに向かっているはず。
あの3人がそれを聞いて大人しくする筈がない。
その後、オベイロンが、『何故、インプのプレイヤーに、あのAIウイルスが?』と呟きながら出て行った。
その際にパスワードを覚えたので、機会が出来たら脱出してみせる。
AIウイルスとは何か分からないが、気にする話じゃない。
オベイロンside
まさか、あのAIウイルスがインプのプレイヤーに感染するとはね。
だが、良い実験台になるだろう。
オベイロン「ククッ……。誰が感染したのか分からないけど、せいぜい良いデータを出して欲しい物だよ。」
僕は、画面に映っている、バグスターウイルスを見ながらそう呟いた。
今回はここまでです。
カルムに感染しているバグスターウイルス。
それが一体何になるのかは、今後明らかになります。