ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、カルムVSユージーンです。
カルムの新たな武器が登場します。


第9話 紫紺の剣士VS猛炎の将

カルムside

 

 アルヴヘイムの中立域、蝶の谷にて、俺達は飛行していた。

 すると、カナとユイが声を上げる。

 

ユイ「プレイヤー反応です!前方に大集団……60人、恐らく、サラマンダーの強襲部隊と思われます!」

カナ「さらに向こう側に14人……。シルフ及びケットシーの会議出席者と予想されます。接触まで、あと50秒!」

ミト「間に合わなかったの……?」

リーファ「間に合わなかったね。キリト君、ハヤト君、カルムさん、ミトさん。あなた達は世界樹に行って。」

 

 ハヤトの悔しそうな顔を見て、どうにかしたいと思う。

 しかし、どうしたものか……。

 悩んでいると、キリトが声をかけて来た。

 

キリト「カルム、話があるんだけど……。」

カルム「うん?」

 

 すると、とんでもない事を言った。

 

カルム「おいおい、本気か?」

キリト「これしか手が無いんだ!リーファとハヤトとミトは、シルフとケットシーの方を頼んだぞ!」

 

 ハァ……。

 覚悟決めるか。

 キリトがミサイルの如く、地面に着地して、俺もその隣に立つ。

 

キリト「双方、剣を引け!!」

 

 リーファが、領主組の説得に苦労していた。

 まあ、腹括るか。

 

キリト「指揮官に話がある!」

 

 そう言うと、1人のサラマンダーが出てきた。

 何か、巨剣を持っているが。

 恐らく、司令官だ。

 

???「……スプリガンとインプがこんな所で何をしている。どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話だけは聞いてやろう。」

キリト「俺の名はキリト。俺の隣に居るのは、カルムだ。俺達はスプリガン=インプ同盟の大使だ。この場を襲うという事は、四種族と全面戦争を望むと解釈して良いんだな?」

 

 うわぁ。

 言いやがったぞ、アイツ。

 キリトが教えた作戦は、スプリガンとインプが同盟を結んでいるというハッタリをかます物だった。

 嘘だってすぐにバレるだろ。

 後で覚えてろ。

 

???「スプリガンとインプが同盟……?護衛の1人も居ないじゃないか。」

カルム「まあ、最近、サラマンダーとインプは不仲ですしね。バレない為に隠密にやるのは当然の事かと。」

???「確かにな。だが、たった2人、それも1人は大した装備だが、貴様らの言葉を信じる訳には行かないな。」

 

 まあ、そりゃそうだ。

 そんな嘘を信じるのは、余程のお人好しだけだろうな。

 

???「………お前らのどちらか1人がオレの攻撃を30秒耐え凌いだら、貴様らを大使と認めてやろう。」

キリト「気前がいいね。」

カルム「俺が行っていいか?」

キリト「いいぜ。」

 

 まあ、あんな強い奴とは一度相手をしたい。

 ミトの方を見ると、呆れ顔だった。

 

???「なるほどな。インプの方か。」

カルム「そう言えば、アンタの名前を聞いても良いか?」

ユージーン「俺の名はユージーン。貴様はカルムだったな。相手をしてもらおう。」

 

 俺とユージーンは、お互いの剣を相手に向けて、しばらくは滞空していたが、お互いに動き出す。

 ユージーンの動きをすぐに見切り、剣で受け流そうとするが、剣がすり抜けた。

 

カルム「……何っ!?」

 

 剣がすり抜けた後、実体化して、襲い掛かってくる。

 すぐに後退して、何とかダメージを減らす事が出来た。

 

カルム「何だよアレ!?」

ユージーン「ほう。アレを躱すか。褒美に教えてやろう。これは魔剣グラム。コイツには《エセリアルシフト》という能力が付与していて、剣や盾で受け止めようとすると、すり抜ける代物だ。」

カルム「うそーん……。」

 

 アレはマジでヤバい。

 ユージーンの剣を受け止めようとすると、やはりすり抜けて、また躱したので、ダメージはそんなに無い。

 

カルム「おい、もうそろ30秒だけど……。」

ユージーン「悪いな、気が変わった。お前の首を斬り落とすまでに変更だ。」

カルム「絶対泣かせてやる……!」

 

 たが、決め手に欠けるのが事実だ。

 そういえば、メダジャリバーには何か、能力が付与してあるような。

 一応、そんな事を考えながら戦闘していて、ヒットアンドアウェイの戦法でジリジリと削っていく。

 

ミトside

 

 カルムが、あのユージーンというプレイヤーに押されている。

 シルフ領主のサクヤとケットシー領主のアリシャ・ルーによると、あの剣には、《エセリアルシフト》という能力があり、それを打ち消すには、《聖剣エクスキャリバー》というのを使わないといけないらしい。

 何よ、あのチート剣。

 カルムも、一応は躱せているが、疲労が見えて、遂にはユージーンの攻撃をその身に食らってしまう。

 

カルム「クッ……!」

 

 カルムが岩壁に激突し、土煙が上がる。

 土煙が晴れると、カルムの姿が無い。

 

ケットシー「アレ、アイツ居ないぞ。」

ケットシー「もしかして、逃げたのか……?」

ミト「そんな筈無い!」

 

 私は、ケットシーのプレイヤーに向かってそう叫ぶ。

 

ミト「彼は、いつだって諦めない!どんな理不尽な環境でも、打開策を見つける!だから、私は彼を信じる!」

ハヤト「ミト……。」

キリト「そうだな。……おっと、見えたぞ。」

ミト「カルム……!」

 

 上空の太陽を背に、カルムが居た。

 

カルムside

 

 確かに、あの剣には驚かされた。

 だが、それが余計に闘志に火がついた。

 本気を出すか!

 

カルム「物語の結末は、俺が決める!!」

ユージーン「なら、一思いに止めを刺してやろう!」

 

 ユージーンがロケットの如く接近してくる。

 だが、俺は右手にメダジャリバー、左手に新たに手に入れていたガシャコンブレイカーを持っている。

 

ユージーン「な!?異種の二刀流だと!?」

カルム「悪いな!これが俺の本気だ!!」

 

 俺は、《エボリューションキング》を使っていた時の感覚で、ユージーンの攻撃を捌き、メダジャリバーとガシャコンブレイカーの固有スキルを放つ。

 

カルム「ハァァァァ!!」

ユージーン「ぬぅゥゥゥゥゥッ!」

 

 俺は、ガシャコンブレイカー固有スキル、マイティクリティカルフィニッシュを発動して、ピンク色の斬撃をユージーンに放ち、止めに、メダジャリバー固有スキル、オーズバッシュを発動する。

 

カルム「これで、とどめだァァ!」

ユージーン「ぬぅゥゥゥゥゥッ!」

 

 ユージーンに斬撃が起こると同時に、世界だけが切れた様な感じがして、そのまま元に戻ったがユージーンは斬られたままで、そのままリメインライトに変わった。

 

サクヤ「見事、見事!」

ルー「すごーい!ナイスファイトだヨ!」

 

 領主2人の賞賛に、シルフとケットシーのプレイヤーも拍手を送る。

 サラマンダーの方にも伝染していった。

 

ミト「凄い!」

リーファ「カルムさんが、あのユージーン将軍を倒した……!」

ハヤト「すげぇぞ!!」

キリト「よくやった!」

カルム「誰か、彼の蘇生を頼む!」

 

 ユージーンの蘇生をシルフ領主が行った。

 

ユージーン「見事だ。俺が見た中で、一番強かったぞ。」

カルム「言っとくと、俺よりも、あのスプリガンの方が強いぞ。」

ユージーン「ほう。一度は彼と相手してみたいな。」

 

 キリトへの嫌がらせとして、俺よりも強い事にしておいた。

 

カルム「それで、話は信じて貰えるか?」

ユージーン「………。」

 

 すると、サラマンダー陣営の中から、1人の男が出てきた。

 

???「ジンさん、ちょっといいか。」

ユージーン「カゲムネか、何だ?」

 

 カゲムネというと、あのサラマンダーのメイジが言っていた、キリトに倒された奴だ。

 

カゲムネ「昨日、俺のパーティーが全滅させられたのはもう知っていると思う。」

ユージーン「それがどうした?」

カゲムネ「その相手が、まさに下にいるスプリガンなんだけど、確かに、そのインプの2人を連れていたよ。」

 

 どういう事だ?

 俺とミトは、その時には合流していなかった筈だ。

 

カゲムネ「それに、エスの情報でメイジ隊が追ってたのもコイツらだ、確か。どうやら撃退されたみたいだけど。」

 

 エス、恐らく、シグルドの事を指しているのだろう。

 

ユージーン「そうか。……そういう事にしておこう。確かに現状でスプリガン、インプと事を構えるつもりは俺にも領主にもない。この場は引こう。……だが、カルム。貴様とはいずれもう一度戦うぞ。そこのスプリガンもな。」

カルム「望むところだ。」

 

 そう言って、ユージーン将軍率いるサラマンダー陣営は、撤退していった。

 

キリト「……サラマンダーにも話の分かる奴がいるじゃ無いか。」

カルム「……キリト、お前、ユージーン将軍がお前と戦いたがってたぞ。」

キリト「……目をつけられたか。」

カルム「諦めろ。」

 

 俺達は、シルフの領主に説明する事に。

 

サクヤ「……なるほどな。」

ルー「サクヤちゃんは、人気者で辛いヨね。」

カルム「本当に、転生目当てとは、陰険すぎないか、このゲーム。」

キリト「デザイナーは嫌な性格だぜ。」

ミト「まったくよ。」

サクヤ「そうだな。……ルー。シグルドに月光鏡を頼む。」

ルー「いいけど、あまり長くは持たないヨ。」

 

 ケットシー領主が、詠唱すると、鏡が現れた。

 そこには、そのシグルドとやらが居た。

 机に両足を投げ出している。

 行儀が悪いな。

 

サクヤ「シグルド。」

シグルド「サ……サクヤ……!?」

サクヤ「ああ、そうだ。」

シグルド「か、会談は……?」

サクヤ「条約の調印はこれからだが、無事に終わりそうだ。そうそう、予期せぬ来客があったぞ。」

シグルド「き、客……?」

サクヤ「ユージーン将軍が君によろしくと言っていた。」

シグルド「な……!?」

 

 シグルドは動揺していたが、リーファとキリト、ハヤトを視線に捉える。

 その後、シグルドはサクヤに追放された。

 まあ、裏切り者の末路としては、ありがちな奴だな。

 

サクヤ「リーファ。私達を助けてくれたありがとう。」

リーファ「良いって。お礼ならキリト君達にお願いします。」

サクヤ「そう言えばそうだな。」

ルー「ねぇ、キミ達、スプリガンとインプの大使……ってほんとなの?」

 

 これは発案者はキリトだから、キリトに任せるとしよう。

 キリトにアイコンタクトすると、キリトは両手を腰に当てて、堂々と言う。

 

キリト「勿論大嘘だ。ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション。」

サクヤ「な……。あのような状況で、そんな大法螺を吹くとはな。」

キリト「手札がショボい時はとりあえず掛け金をレイズする主義なんだ。」

カルム「それに付き合ったこっちの身にもなれやこの野郎!!」

 

 俺はそう言って、キリトにコブラツイストをかける。

 

キリト「ウワッ!ギブ!ギブ!ギブ!」

カルム「……ったく。」

ルー「それにしても、キミ、結構強いね。インプの秘密兵器なの?」

カルム「まさか。しがないプレイヤーです。」

ルー「ニャハハハ!!」

 

 すると、右腕を抱いてきた。

 

ルー「フリーならキミ、ケットシー領で傭兵やらない?3食おやつに昼寝付きだよ。」

カルム「へっ?」

サクヤ「おいおいルー、抜け駆けはよろしくないぞ。」

 

 そう言って、左腕を抱いてきた。

 

サクヤ「カルムと言ったね。どうかな、個人的興味もあるので、礼を兼ねてこの後、スイルベーンで酒でも……。」

ルー「あー!サクヤちゃん、色仕掛けはんたーい!」

サクヤ「人の事言えた義理か!密着しすぎだお前は!」

 

 すいません、アンタら2人とも、人の事言えませんよ。

 すると、キリトとハヤトの2人がニヤニヤしながらこちらを見てくる。

 覚えてろよ……。

 すると、背後から殺気を感じる。

 

ミト「………。」

カルム(ミト……!領主に腕を拘束されてて後ろを振り向けないけど、とんでもない形相でこちらを睨んでいるのが分かる……!)

 

 そう、ミトの殺意に冷や汗が流れる。

 このままでは、殺される……!

 

カルム「あ、あの……。俺達は、世界樹に行かないといけないので……。」

サクヤ「そうか、それは残念だ。」

ルー「それなら仕方ないネ。」

 

 離れてくれて助かったが、ミトの殺意の視線に終始怯える。

 その後、キリトが全部、俺とハヤトは半分のユルドを渡して、シルフとケットシー組は去っていく。

 だが、俺は正座していた。

 ミトに座れと言われたので。

 キリト、ハヤト、パラドの3人は、ニヤニヤしながらこちらを見てくる。

 リーファは唯一、どうしたら良いのかとオロオロしていた。

 

ミト「さて……。何か弁明は?」

カルム「すいませんでした……。」

リーファ「あ、あの、ミトさん!あれは故意では無いので、そこら辺にしたらどうですか?」

ミト「………分かった。」

カナ「パパ、浮気はダメよ!」

カルム「してないよ!」

 

 ハァァァァ、最悪だ。

 その後、ニヤニヤする3人に、プロレス技をかけてやった。

 ミトを暫く宥めて、後でイチャイチャする事を約束した。

 それを聞いた人たちは。

 

キリト「バカップルだな。」

ハヤト「まあ、良いんじゃねえの?」

リーファ「………。」

 

 何か、リーファの顔が赤かった。

 




今回はここまでです。
領主との絡みは、ロストソングのイベントをモチーフにしました。
ガシャコンブレイカーは、カルム本人も、いつの間にか手に入れていた物です。
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