ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、茅場が出る所までです。
ゲムデウスも出てきます。


第14話 神を騙る者

 転送された俺達は、周囲を見渡すと、そこは静寂に包まれていた。

 ピクシー態ではなく、本来の少女の姿になったユイとカナが声をかける。

 

ユイ「大丈夫ですか、パパ?」

キリト「ああ。ここは……?」

カルム「何もないな。」

ミト「とにかく、アスナの元に行きましょう。」

カナ「アスナさんの位置はかなり近いです。」

パラド「気をつけるぞ。」

 

 エレベーターを見つけて、そこに入り、更に進んでいく。

 途中で、奇襲を警戒していたのだが、誰も出てこない。

 ユイとカナがドアを開けると、そこにはまさに世界樹の頂だ。

 だが……。

 

キリト「無いじゃないか……。空中都市なんて……。」

ミト「つまり、アレは中身は大きい嘘だったという事ね。」

カルム「……許されないぞ。」

 

 これは、全てのALOプレイヤーを騙していたに等しい。

 あのサラマンダー達も、世界樹の攻略の為にあんな事をしたのだから。

 俺の脳裏に、サクヤ、アリシャ・ルー、ユージーン、カゲムネ、レコン、そしてリーファがよぎった。

 

キリト「とにかく、行こう。」

カルム「そうだな。後で訴えてやる。」

 

 俺達は、先に進むキリトとユイを追いかけていく。

 ここでも奇襲は無かった。

 しばらく進むと、そこには鳥籠が。

 その中には、アスナが。

 流石にパラドは俺の中に引っ込んだ。

 

キリト「アスナ。」

ミト「アスナ。」

カルム「アスナ。」

ユイ「ママ!」

カナ「アスナさん!」

 

 ユイとカナが閉じられていた扉を開き、鳥籠の中へと駆け込む。

 

アスナ「ユイちゃん!」

 

 アスナとユイの2人は抱き締め合っていた。

 本当に、よかった。

 そして、キリトも抱きしめた。

 

ミト「良かったわね。」

カルム「ああ。本当によかった。」

キリト「アスナ、帰ろう。現実世界に。」

ミト「それで、どうすればアスナを現実世界に帰せるの?」

ユイ「ママは今、複雑なコードによって拘束されています。」

カナ「それを解除するには、システムコンソールが必要。」

 

 という訳で、システムコンソールがある最下層に向かおうとしたが、誰かに見られている気配がする。

 

カルム「皆!警戒!!」

 

 メダジャリバーとガシャコンブレイカーを構え直すと、鳥籠が水没した。

 しかも、体が重い。

 ミトとカナ、キリトとアスナとユイも似た様な状態になっていて、世界は暗闇に包まれた。

 すると、ユイとカナが体を仰け反らせる。

 

ユイ「皆さん、気をつけて!」

カナ「何か、良くないものが……!」

 

 すると、2人は消えてしまった。

 何とかミトの手を取ろうとするが、いきなり重力が強くなった。

 何事かと混乱していると。

 

???「やあ、どうかな、この魔法は?次のアップデートで導入するつもりだったが、ちょっと効果が強すぎるかな?」

 

 その声を忘れる訳がない。

 俺たちを英雄と揶揄したあの声だ。

 

カルム「須郷伸之……!」

キリト「須郷……!!」

オベイロン「おいおい、この世界でその名前はやめてくれ。妖精王、オベイロン陛下と……そう呼べッ!!」

 

 すると、俺とキリトは蹴られた。

 そこに居たのは、姿こそ違うが、あの須郷伸之だと分かる。

 

アスナ「須郷!あなたのした事は、全部この眼で見たわ!!あんな事をして、許される筈がない!絶対に!!」

オベイロン「誰が?この世界に神は、僕だけだよ!」

 

 本当に耳障りだ。

 

オベイロン「それにしても、桐ヶ谷君に、小野君、兎澤君……いや、キリト君にカルム君にミト君だったな。まさか、本当にここまで来るとはねぇ。」

カルム「生憎、俺は執念深くてね。」

オベイロン「フン。そもそもどうやってここまで来たんだい?」

キリト「飛んできたのさ、この翅で。」

オベイロン「まあいい。君達はこれから私の実験台さ!!ああ、考えるだけでゾクゾクするよねぇ!!君達の感情を書き換えるのはさ!」

 

 本当にヤベェ奴だ。

 

オベイロン「君達は性懲りも無くナーヴギアで接続しているのだろう?なら、立場は他の実験台と全く同じだ。」

アスナ「そんな事、許さないわよ!須郷!!」

ミト「……カルム。ログアウトして。」

カルム「分かった。」

 

 メニューウインドウを出そうとするも、出てこない。

 

オベイロン「残念だけどねぇ!この世界からは誰も逃げられないんだよ!!」

 

 そう言うと、4本の鎖が現れて、それをアスナとミトの2人につけて、ぶら下げる。

 重力の影響を受けているのか、2人の顔が歪む。

 

カルム「お前、何する気だ……!」

オベイロン「やれやれ、観客は這いつくばっていろよ!」

 

 立とうとするも、蹴られて叩きつけられる。

 キリトも同様だ。

 

オベイロン「まあ、カルム君にはコイツの相手をしてもらおう!いでよ、ゲムデウス!!」

 

 そう言うと、一体の怪人が現れる。

 

カルム「何だコイツ!?」

オベイロン「あの安田巧からデータを奪って実体化させたものさ!さあ、ゲムデウス!アイツを苦しめろ!!」

 

 マジかよ。

 すると、ゲムデウスが俺に近づいてきて、無理矢理立たせて、叩きつけられる。

 

ゲムデウス「ハアッ!」

カルム「ぐっ!」

ミト「カルム!!」

オベイロン「アハハハハ!!傑作だ!アイツには感謝しないとなぁ!!!」

 

 まったく、安田さんは、とんでもない物を作ってくれたもんだ。

 だが、状況は最悪だ。

 メダジャリバーとガシャコンブレイカーを奪われてしまい、斬りつけられる。

 キリトの方も、背中に剣を刺されていた。

 

パラドside

 

 まずい、巧博士はまだか!?

 カルムの体内に潜んではいるが、このままではカルムが危ない!

 何も出来ない俺が歯噛みしていると。

 

巧「やっと繋がった!」

パラド「おせぇぞ!!」

巧「すまない!やっと対ゲムデウスのプログラムが出来た!」

パラド「そうか!」

巧「おそらく、須郷が居るな。」

パラド「ああ。なら、早くそのプログラムをくれ!!」

巧「………。」

パラド「どうしたんだよ。」

 

 何故かいきなり黙った。

 

巧「いいかパラド。よく聞いて欲しい。この対ゲムデウスプログラムは、武器にインストールして使うけれど、武器はどうなっている?」

パラド「それが、ゲムデウスに奪われてて使えない!」

巧「なら、方法は一つしかない。それは、パラド自身にインストールして、ゲムデウスを道連れにする事だ。」

パラド「なっ!?」

巧「本当ならやりたくないけど、武器を奪われている以上、それしかない……!」

パラド「…………。」

 

 つまり、俺が死ぬって事だ。

 ………。

 悪い、カルム。

 

パラド「分かった、俺がやる。」

巧「何!?何故だ……!?」

パラド「それをやらないと、カルムが助からないんだろ?なら、やるぜ。」

巧「パラド……。本当に良いのか?」

パラド「ああ!アイツの為に、力を貸してくれ博士!!」

巧「…………。カルム君、ありがとう。分かった。すぐにインストールする!!」

パラド「ああ!」

 

カルムside

 

 俺がゲムデウスに痛めつけられていると。

 

パラド「悪いな!お前もろとも道連れだ!」

 

 パラドの声が聞こえて、パラドが現れて、ゲムデウスに張り付く。

 

カルム「パラド!」

オベイロン「何だ、そのプログラムは!?」

パラド「巧博士からの伝言だ。須郷、お前はミスをしたな!!」

オベイロン「何!?」

パラド「ハァァァァ!!」

ゲムデウス「ぬぅォォォ!!」

 

 パラドに張り付かれたゲムデウスは、あっさり消滅した。

 

オベイロン「バカな……!?」

パラド「フッ。一矢報いたぜ。」

 

 そう言うパラドの体も透けている。

 

カルム「パラド……!?」

パラド「悪いな。ここでお別れだ。」

カルム「何で……!?」

パラド「ゲムデウスに消滅プログラムを流し込んだ際に、俺も消えるんだ。」

カルム「そんな……!?」

パラド「カルム……。短い間だったけど、お前と過ごせて、楽しかったぜ。キリト達の運命を変えろよ……!」

 

 そう言うと、パラドは消滅した。

 パラドの手を取ろうとしたが、消えて、パラドの粒子が手に残っただけだった。

 

オベイロン「フン!その程度で勝った気になるなよ。まったく、あんなヘボプログラムに運命を託すとは、アイツも愚かだな。」

カルム「何だと……?」

 

 須郷のヘボプログラムという言葉に、俺の怒りのスイッチが入る。

 それに、ゲムデウスに痛めつけられていて気づかなかったが、アスナとミトの服が破られていて、素肌が顕になっていた。

 

カルム「お前の様なクズが、パラドの事を、笑うんじゃねぇ!!!」

???「よく言った。」

 

 すると、1人の男性が現れた。

 

オベイロン「き、貴様はァァァ!!」

キリト「茅場……。」

カルム「晶彦……。」

茅場「そうだ。システムログイン。IDヒースクリフ。」

 

 すると、俺たちを苦しめていた重力が突如として消えた。

 そうして、俺達は立ち上がる。

 

オベイロン「何!?」

茅場「この世界は返して貰うよ。システムコマンド、スーパーバイザ権限をオベイロンからキリトに変更。IDオベイロンをレベル1に。」

オベイロン「茅場!!」

茅場「後は任せたよ。あと、カルム君。キリト君にこれを渡してくれ。」

 

 そう言って渡してきたのは、一本の剣だった。

 

カルム「これは?」

茅場「私の後輩の1人が作ってくれた物だ。」

カルム「分かった。」

 

 俺は、ライドブッカーという剣をキリトに渡した。

 

キリト「さあ、オベイロン。」

カルム「こっからは、俺達のステージだ。」

オベイロン「貴様らァァァ!!」

 

 こうして、キリトと俺VSオベイロンの最終決戦が始まる。

 




今回はここまでです。
ライドブッカーは、とある能力があります。
それは、次回判明します。
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