ゲムデウスも出てきます。
転送された俺達は、周囲を見渡すと、そこは静寂に包まれていた。
ピクシー態ではなく、本来の少女の姿になったユイとカナが声をかける。
ユイ「大丈夫ですか、パパ?」
キリト「ああ。ここは……?」
カルム「何もないな。」
ミト「とにかく、アスナの元に行きましょう。」
カナ「アスナさんの位置はかなり近いです。」
パラド「気をつけるぞ。」
エレベーターを見つけて、そこに入り、更に進んでいく。
途中で、奇襲を警戒していたのだが、誰も出てこない。
ユイとカナがドアを開けると、そこにはまさに世界樹の頂だ。
だが……。
キリト「無いじゃないか……。空中都市なんて……。」
ミト「つまり、アレは中身は大きい嘘だったという事ね。」
カルム「……許されないぞ。」
これは、全てのALOプレイヤーを騙していたに等しい。
あのサラマンダー達も、世界樹の攻略の為にあんな事をしたのだから。
俺の脳裏に、サクヤ、アリシャ・ルー、ユージーン、カゲムネ、レコン、そしてリーファがよぎった。
キリト「とにかく、行こう。」
カルム「そうだな。後で訴えてやる。」
俺達は、先に進むキリトとユイを追いかけていく。
ここでも奇襲は無かった。
しばらく進むと、そこには鳥籠が。
その中には、アスナが。
流石にパラドは俺の中に引っ込んだ。
キリト「アスナ。」
ミト「アスナ。」
カルム「アスナ。」
ユイ「ママ!」
カナ「アスナさん!」
ユイとカナが閉じられていた扉を開き、鳥籠の中へと駆け込む。
アスナ「ユイちゃん!」
アスナとユイの2人は抱き締め合っていた。
本当に、よかった。
そして、キリトも抱きしめた。
ミト「良かったわね。」
カルム「ああ。本当によかった。」
キリト「アスナ、帰ろう。現実世界に。」
ミト「それで、どうすればアスナを現実世界に帰せるの?」
ユイ「ママは今、複雑なコードによって拘束されています。」
カナ「それを解除するには、システムコンソールが必要。」
という訳で、システムコンソールがある最下層に向かおうとしたが、誰かに見られている気配がする。
カルム「皆!警戒!!」
メダジャリバーとガシャコンブレイカーを構え直すと、鳥籠が水没した。
しかも、体が重い。
ミトとカナ、キリトとアスナとユイも似た様な状態になっていて、世界は暗闇に包まれた。
すると、ユイとカナが体を仰け反らせる。
ユイ「皆さん、気をつけて!」
カナ「何か、良くないものが……!」
すると、2人は消えてしまった。
何とかミトの手を取ろうとするが、いきなり重力が強くなった。
何事かと混乱していると。
???「やあ、どうかな、この魔法は?次のアップデートで導入するつもりだったが、ちょっと効果が強すぎるかな?」
その声を忘れる訳がない。
俺たちを英雄と揶揄したあの声だ。
カルム「須郷伸之……!」
キリト「須郷……!!」
オベイロン「おいおい、この世界でその名前はやめてくれ。妖精王、オベイロン陛下と……そう呼べッ!!」
すると、俺とキリトは蹴られた。
そこに居たのは、姿こそ違うが、あの須郷伸之だと分かる。
アスナ「須郷!あなたのした事は、全部この眼で見たわ!!あんな事をして、許される筈がない!絶対に!!」
オベイロン「誰が?この世界に神は、僕だけだよ!」
本当に耳障りだ。
オベイロン「それにしても、桐ヶ谷君に、小野君、兎澤君……いや、キリト君にカルム君にミト君だったな。まさか、本当にここまで来るとはねぇ。」
カルム「生憎、俺は執念深くてね。」
オベイロン「フン。そもそもどうやってここまで来たんだい?」
キリト「飛んできたのさ、この翅で。」
オベイロン「まあいい。君達はこれから私の実験台さ!!ああ、考えるだけでゾクゾクするよねぇ!!君達の感情を書き換えるのはさ!」
本当にヤベェ奴だ。
オベイロン「君達は性懲りも無くナーヴギアで接続しているのだろう?なら、立場は他の実験台と全く同じだ。」
アスナ「そんな事、許さないわよ!須郷!!」
ミト「……カルム。ログアウトして。」
カルム「分かった。」
メニューウインドウを出そうとするも、出てこない。
オベイロン「残念だけどねぇ!この世界からは誰も逃げられないんだよ!!」
そう言うと、4本の鎖が現れて、それをアスナとミトの2人につけて、ぶら下げる。
重力の影響を受けているのか、2人の顔が歪む。
カルム「お前、何する気だ……!」
オベイロン「やれやれ、観客は這いつくばっていろよ!」
立とうとするも、蹴られて叩きつけられる。
キリトも同様だ。
オベイロン「まあ、カルム君にはコイツの相手をしてもらおう!いでよ、ゲムデウス!!」
そう言うと、一体の怪人が現れる。
カルム「何だコイツ!?」
オベイロン「あの安田巧からデータを奪って実体化させたものさ!さあ、ゲムデウス!アイツを苦しめろ!!」
マジかよ。
すると、ゲムデウスが俺に近づいてきて、無理矢理立たせて、叩きつけられる。
ゲムデウス「ハアッ!」
カルム「ぐっ!」
ミト「カルム!!」
オベイロン「アハハハハ!!傑作だ!アイツには感謝しないとなぁ!!!」
まったく、安田さんは、とんでもない物を作ってくれたもんだ。
だが、状況は最悪だ。
メダジャリバーとガシャコンブレイカーを奪われてしまい、斬りつけられる。
キリトの方も、背中に剣を刺されていた。
パラドside
まずい、巧博士はまだか!?
カルムの体内に潜んではいるが、このままではカルムが危ない!
何も出来ない俺が歯噛みしていると。
巧「やっと繋がった!」
パラド「おせぇぞ!!」
巧「すまない!やっと対ゲムデウスのプログラムが出来た!」
パラド「そうか!」
巧「おそらく、須郷が居るな。」
パラド「ああ。なら、早くそのプログラムをくれ!!」
巧「………。」
パラド「どうしたんだよ。」
何故かいきなり黙った。
巧「いいかパラド。よく聞いて欲しい。この対ゲムデウスプログラムは、武器にインストールして使うけれど、武器はどうなっている?」
パラド「それが、ゲムデウスに奪われてて使えない!」
巧「なら、方法は一つしかない。それは、パラド自身にインストールして、ゲムデウスを道連れにする事だ。」
パラド「なっ!?」
巧「本当ならやりたくないけど、武器を奪われている以上、それしかない……!」
パラド「…………。」
つまり、俺が死ぬって事だ。
………。
悪い、カルム。
パラド「分かった、俺がやる。」
巧「何!?何故だ……!?」
パラド「それをやらないと、カルムが助からないんだろ?なら、やるぜ。」
巧「パラド……。本当に良いのか?」
パラド「ああ!アイツの為に、力を貸してくれ博士!!」
巧「…………。カルム君、ありがとう。分かった。すぐにインストールする!!」
パラド「ああ!」
カルムside
俺がゲムデウスに痛めつけられていると。
パラド「悪いな!お前もろとも道連れだ!」
パラドの声が聞こえて、パラドが現れて、ゲムデウスに張り付く。
カルム「パラド!」
オベイロン「何だ、そのプログラムは!?」
パラド「巧博士からの伝言だ。須郷、お前はミスをしたな!!」
オベイロン「何!?」
パラド「ハァァァァ!!」
ゲムデウス「ぬぅォォォ!!」
パラドに張り付かれたゲムデウスは、あっさり消滅した。
オベイロン「バカな……!?」
パラド「フッ。一矢報いたぜ。」
そう言うパラドの体も透けている。
カルム「パラド……!?」
パラド「悪いな。ここでお別れだ。」
カルム「何で……!?」
パラド「ゲムデウスに消滅プログラムを流し込んだ際に、俺も消えるんだ。」
カルム「そんな……!?」
パラド「カルム……。短い間だったけど、お前と過ごせて、楽しかったぜ。キリト達の運命を変えろよ……!」
そう言うと、パラドは消滅した。
パラドの手を取ろうとしたが、消えて、パラドの粒子が手に残っただけだった。
オベイロン「フン!その程度で勝った気になるなよ。まったく、あんなヘボプログラムに運命を託すとは、アイツも愚かだな。」
カルム「何だと……?」
須郷のヘボプログラムという言葉に、俺の怒りのスイッチが入る。
それに、ゲムデウスに痛めつけられていて気づかなかったが、アスナとミトの服が破られていて、素肌が顕になっていた。
カルム「お前の様なクズが、パラドの事を、笑うんじゃねぇ!!!」
???「よく言った。」
すると、1人の男性が現れた。
オベイロン「き、貴様はァァァ!!」
キリト「茅場……。」
カルム「晶彦……。」
茅場「そうだ。システムログイン。IDヒースクリフ。」
すると、俺たちを苦しめていた重力が突如として消えた。
そうして、俺達は立ち上がる。
オベイロン「何!?」
茅場「この世界は返して貰うよ。システムコマンド、スーパーバイザ権限をオベイロンからキリトに変更。IDオベイロンをレベル1に。」
オベイロン「茅場!!」
茅場「後は任せたよ。あと、カルム君。キリト君にこれを渡してくれ。」
そう言って渡してきたのは、一本の剣だった。
カルム「これは?」
茅場「私の後輩の1人が作ってくれた物だ。」
カルム「分かった。」
俺は、ライドブッカーという剣をキリトに渡した。
キリト「さあ、オベイロン。」
カルム「こっからは、俺達のステージだ。」
オベイロン「貴様らァァァ!!」
こうして、キリトと俺VSオベイロンの最終決戦が始まる。
今回はここまでです。
ライドブッカーは、とある能力があります。
それは、次回判明します。