ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、修正したファントムバレット編の第2話です。



第2話 2人の戦い

チェイスside

 

 低く垂れ込める雲を、傾き始めた太陽が薄い黄色に染めている。

 俺は、パーティーメンバーと共に、ターゲットを待ち構えていた。

 その中のギンロウという男が喋り出す。

 

ギンロウ「おいダインよぉ。本当に来るのか?ガセネタじゃねぇだろうな?」

ダイン「奴らはこの3週間、殆ど同じルートで狩りに出てるんだ。文句言うな。」

ギンロウ「でもよお、何かの対策をしていてもおかしくないんじゃないのか?」

ダイン「フィールドMobは単調だからな。そいつらも単調さ。全く、プライドの無い連中だな。」

 

 それを聞いて、イラッと来たが、パーティーメンバーでの諍いはあまり無しにしたい。

 逆に、そんなパーティーばかり襲うダインにプライドはあるのか?

 

ダイン「それに、こっちにはシノンがいるんだぜ。作戦に死角はねぇよ。なあ、シノン?」

 

 シノンと呼ばれた少女が頷く。

 すると、ギンロウがシノンの方に向かっていく。

 

ギンロウ「まあ、そりゃそうか。シノンの遠距離狙撃がありゃあ、優位は変わらねぇや。……そういや、シノっちさぁ、今日、この後時間ある?俺も狙撃スキル上げたいんで相談に乗ってほしいなーなんて。どっかでお茶でもどう?」

シノン「……ごめんなさい、ギンロウさん。今日は、リアルでちょっと用事があるから。」

 

 シノンは、リアルで知り合った女性で、本来なら、筋骨隆々な女兵士のアバターが良かったらしいが、もう1人の知り合いが変更を阻止した結果、後戻り出来ないくらいに強くなったらしい。

 まあ、これも弊害と言える物だろう。

 

ギンロウ「そっかぁ……。シノっちはリアルじゃ学生だっけ?レポートか何か?」

シノン「……ええ、まあ………。」

 

 流石に見てられなくて、ギンロウを止めにかかる。

 

チェイス「おい。シノンが困っているだろう。それに、リアルの話を持ち込むな。」

ギンロウ「何だよチェイス。お前って、本当に頭カチカチなんだから。」

チェイス「言ってろ。」

 

 ギンロウが何かぶつくさ言いながら戻っていく。

 すると、シノンが近寄ってくる。

 

シノン「ありがとう、チェイス。」

チェイス「奴が鬱陶しかっただけだ。気にする必要はない。」

シノン「それでも、嬉しい。」

 

 何か、シノンの顔が赤い気がするが、気のせいだろうな。

 この世界は、ガンゲイル・オンラインと呼ばれていて、略称はGGO。

 文字通り、銃の世界だ。

 俺は、別のアカウントを作成したが、見た目が現実やALOの物とかなり近い。

 すると、標的が来たらしく、ダインが確認している。

 

ダイン「………確かにアイツらだ。7人……先週よりも1人増えてるな。光学系ブラスターの前衛が4人。大口径レーザーライフルが4人。それに……おっと、《ミニミ》持ちが1人。狙うからこいつだな。………あと1人は、マントで武装が見えねぇな。」

 

 マントで武装が見えない。

 本当に不確定要素だな。

 コイツから倒すべきだと思うな。

 死銃ではと何か言っているダイン達に、進言する。

 

チェイス「ダイン。狙撃するなら、あのマント男からの方が良いだろう。」

ダイン「何でだよ?大した武装もないだろ。」

シノン「チェイスに同感。不確定要素は一つでも減らした方が良いわ。」

ダイン「それなら、あのミニミも不確定要素だろ。あれに手間取っている間にブラスターに接近されたら終わりだぜ。」

シノン「………分かった。第一目標はミニミにする。可能だったら次弾でマントの男を狙う。」

 

 そういう結論に落ち着いた。

 ダインの言うことも尤もだ。

 光学系対策として、防護フィールドがあるのだが、近づかれると、意味が無い。

 それに、シノンの狙撃も、初弾は問題ないものの、発射点を認識されると、《弾道予測線》が現れて、容易に回避される。

 

索敵「おい、喋ってる時間はそろそろないぞ。距離二千五百だ。」

ダイン「よし。俺たちは作戦通り、正面のビルの陰まで進んで敵を待つ。………シノン、動き始めたら俺たちには奴らが見えなくなる。状況に変化があったら知らせろ。狙撃タイミングは指示する。」

シノン「了解。」

ダイン「…………よし、行くぞ。」

 

 その一声と共に、俺たちは駆け出していく。

 すると、シノンが声をかけてきた。

 

シノン「頑張ってね、チェイス。」

チェイス「お前の狙撃も期待しているぞ。」

 

 そう声を掛けて俺たちは配置につく。

 シノンが使っているライフルは、《PGM・ウルティマラティオ・ヘカートII》と言う。

 リアルでは、対物ライフルのジャンルに入るらしい。

 手に入れたのは3ヶ月前で、シノンと共に遺跡ダンジョンに潜っていたが、トラップに引っかかってしまい、ゴッズペットというボスモンスターと戦い、ドロップした物だ。

 俺は配置につき、ブレイクガンナーを構える。

 ヘッドセットから連絡が入る。

 

ダイン『配置についた。』

シノン『了解。敵はコース、速度ともに変化無し。そちらとの距離四百。こちらからは千五百。』

ダイン『まだ遠いな。行けるか?』

シノン『問題無い。』

ダイン『………よし、狙撃開始。』

シノン『了解。』

 

 そんなやりとりの後、ミニミを持っていた男が狙撃されて、消滅した。

 アイツの狙撃スキルに関しては、俺もとても驚いている。

 だが、あのマント男はシノンの第二射を躱した。

 アイツ、手練れだな。

 

シノン『第一目標成功。第二目標失敗。』

ダイン『了解。アタック開始。………ゴーゴーゴー!』

 

 ダインの合図と共に、俺も駆け出す。

 防護フィールドのお陰で、ダメージを受ける事なく前進する。

 

シノンside

 

 私は、ミニミ使いを狙撃して、マント男には躱された。

 後は、チェイスやダイン達に任せよう。

 それにしても、チェイスは本当に強い。

 私も………彼みたいに強くなれたら……!

 すると、マント男がマントを取り払う。

 

シノン「あっ………!!」

 

 あの男は、ミニガンを持っていたのだ。

 それなら、ゆっくりなのも納得がいく。

 パーティーは、あの男に合わせて動いていたのだ。

 すると、ミニガンが火を吹き、ギンロウがあっという間に消滅した。

 チェイスは咄嗟に隠れたみたい。

 私は、唇を噛んで立ち上がっていた。

 決して、ダイン達の為じゃない。

 チェイスがこの戦況をどう判断するのかを見極める為だ。

 何回か、ミニガンに撃たれそうになったが、それを躱す。

 そして、チェイス達の元へ。

 

ダイン「………奴ら、用心棒を呼んでやがった。」

シノン「用心棒?」

チェイス「………あのミニガンから察するに、《ベヒモス》だろうな。」

 

 チェイスがどうするかを思案している表情になり、口を開く。

 

チェイス「このままでは全滅だ。ベヒモスの残弾は怪しくなってきたはず。突撃すれば、ベヒモスも掃射は躊躇うはずだ。」

ダイン「無理だ、ブラスターだって3人残ってるんだぞ。突っ込んだら防護フィールドの効果が………!」

シノン「チェイスの言う通りよ。ブラスターの連射は実弾銃ほどじゃない、半分は避けられる。」

ダイン「無理だ!突っ込んでもミニガンにズタズタにされるだけだ。……残念だが、諦めよう。連中に勝ち誇られるくらいなら、ここでログアウトして……。」

 

 私とチェイスが呆然としながらダインを見ていると、喚いてきた。

 

ダイン「何だよ、ゲームでマジになんなよ!どっちでも一緒だろうが、どうせ突っ込んでも無駄死にするだけ……!」

シノン「なら死ね!せめてゲームの中でくらい、銃口に向かって死んで見せろ!」

チェイス「………。俺が先行する。シノンは援護を頼む。」

シノン「分かった。」

 

チェイスside

 

 シノンがあれほど口を荒げて言うのは初めて見た。

 何かあるのだろうと思い、口出しはしなかった。

 俺はブレイクガンナーを手に駆け出す。

 まずは、残りのブラスターを始末する。

 すると、ダインが根性を振り絞ったのか、ブラスターに向かってグレネードを投げて、刺し違えた。

 

チェイス「やるな、アイツ。」

 

『チューン!チェイサースパイダー!』

 

 すぐさまファングスパイディーを展開して、ベヒモスに迫る。

 ベヒモスの視線の先には、片足を失ったシノンが跳躍していた。

 ベヒモスが驚いている中、俺は接近して、奴のミニガンを斬る。

 

ベヒモス「お前……!」

チェイス「お前はもう何も出来ないな!」

シノン「ジ・エンド。」

 

 シノンのヘカートから弾丸が放たれ、ベヒモスの顔と胴体を貫通して、地面にまで当たった。

 そして、ベヒモスは消滅した。

 

チェイス「よくやった、シノン。」

シノン「貴方もね。」

 

 お互いに拳をぶつけ合う。




今回はここまでです。
チェイスとシノンの連携でベヒモスを撃破する。
凄いですよね。

アリシゼーションのカルムに持たせる武器はどれがいいか?

  • 火炎剣烈火
  • 無銘剣虚無
  • 刃王剣十聖刃
  • 闇黒剣月闇
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