ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、チェイス達が動き出すところまでです。


第12話 動き出す4人の戦士

チェイスside

 

 まさか、目の前でやられるとは。

 カルムも、顔面を青くしていた。

 一方のシノンも、呆然としていて、掠れた声を出す。

 

シノン「あいつ……他のプレイヤーをサーバーから落とせるの……?」

カルム「いや、そんな生温い事じゃない。あのボロマントは、殺したんだ。あのペイルライダーの中身を………!」

チェイス「………認めたくはないが……。」

シノン「何言ってんのよ……。そんな事、出来るわけ………!」

カルム「間違いない。アイツが……死銃だ。」

 

 死銃。

 ソイツに撃たれたゼクシードと薄塩たらこがログインしてないという噂があったが、どうやら、本当らしいな。

 

シノン「死銃………。それって、あの、変な噂の………?」

カルム「そうだ。アイツに撃たれたゼクシードと薄塩たらこは、遺体で発見されている……!」

シノン「………!?」

チェイス「…………。」

 

 俺は、親父からそんな変な事件を聞いていたのもあって、驚かない。

 だが、そんな事があるのか?

 それは、本当にSAO事件の再現になってしまう。

 そんな事を考えていると、ボロマントは、ダインを無視して、鉄橋の影へと隠れる。

 不審に思ってる中、キリトとも合流して、3回目のサテライト・スキャンが行われる。

 

シノン「こっちは確認しておくから、皆は、鉄橋の方をお願い。」

チェイス「ああ………。」

 

 俺達が監視している中、シノンが大きな声を出す。

 

シノン「どういう事……!?」

チェイス「どうした?」

シノン「光点が足りない。………どういう事かしら……?」

キリト「もしかしたら、川に潜ってるかもしれない。」

カルム「何でそう言い切れるんだ?」

キリト「俺がそうしたからだ。」

「「「…………え?」」」

 

 キリトからどういう事か聞くと、キリトはペイルライダーに接近する為に、一旦装備をストレージに仕舞い、川を泳いだからだそうだ。

 川に沈んでいれば、サテライト・スキャンにも引っかからないとはな。

 

カルム「………そのアバターのアンダーウェア姿を披露したら、ギャラリーは大歓喜なんじゃないのか?」

キリト「でも、外部中継は戦闘シーン以外は映さないから大丈夫だって。」

カルム「チッ!」

キリト「舌打ち!?」

 

 カルムの皮肉たっぷりの台詞をキリトが受け流し、俺とシノンは呆れ気味にキリトを見ていたが、シノンが何かに気付いたような表情を浮かべる。

 

シノン「………チャンスだわ。」

チェイス「何?」

シノン「つまり、アイツは今、装備を全解除してるはず。そこを攻撃すれば……!」

チェイス「拳銃一丁なら、そこそこのステータスがあれば持ち運べる筈だ。」

シノン「そうだけど……。たかがハンドガン1つなら、楽々押し切れ………。」

チェイス「ダメだ!」

 

 俺は押し殺した声で叫び、シノンの左腕を強く握る。

 

チェイス「シノンも見ただろ!アイツの銃で、ペイルライダーを消したのを!1発でも撃たれたら、死ぬかもしれないんだぞ!」

シノン「………私は、信じたくない。ゲームの中で撃たれただけで、本当に死ぬなんて……。いや、それ以前に、もしその話が本当なら、アイツは自分の意思で人を殺しているって事でしょう?有り得ない………。」

 

 シノンは混乱してるな。

 無理もない。

 SAOで、PoHを中心とする悪意が蔓延っていた事を、知らないからな。

 すると、シノンが呟く。

 

シノン「私は………認めたくない。PKじゃなくて、本物の人殺しをするプレイヤーが居るなんて………。」

カルム「残念だが、あのボロマント………死銃は、昔、俺達がいたVRMMOの中で、多くの人を殺してきた。」

キリト「相手が本当に死ぬと分かっていて剣を振り下ろした。さっき、ペイルライダーを撃った時と同じようにな。」

チェイス「そして………俺達も………。」

 

 かつての罪が蘇り、俺たちは目を伏せる。

 

シノンside

 

 彼らのこれまでの会話から、チェイス達が何者なのか、検討がついた。

 多分、3年前に発生した、あの事件の生還者なのだ。

 これはもう疑いようがない。

 そして、とある事実も。

 つまり、死銃も生還者なのだ。

 それも、自らの意思で人を殺していた。

 それは、私が先程言った、人殺しをするVRMMOプレイヤーそのものだ。

 そこまで理解した途端、全身がすうっと冷たくなるのを意識した。

 これは、発作の前兆だ。

 

チェイス「………ノン。シノン!」

 

 不意にチェイスから名前を呼ばれて、はっと両眼を見開くと、私を気遣うような表情のチェイスが見えた。

 小さく息を吐いて、答える。

 

シノン「………大丈夫。ちょっと驚いただけ。正直………チェイス達の話をすぐには信じられないけど………嘘じゃないのは分かる。」

チェイス「それだけで十分だ。」

「「…………。」」

 

 その後、確認したが、人数が足りない。

 回線切断で消えたペイルライダーに、現在、川で泳いでいる死銃だろう。

 そして、光点が消えた。

 

シノン「………とにかく、私たちも移動した方が良いわね。チェイスと私とキリトとカルムが戦闘中だと思ったプレイヤー達が襲撃してくるかも。」

カルム「そうだな………。」

チェイス「シノン。大会が終わるまで安全な所で隠れて………と言っても無駄か。」

シノン「当たり前でしょ!そんな卑怯な真似はしたくない。それに、安全な所は無いのは、チェイスも分かってるでしょ。」

チェイス「………そうだな。」

キリト「なら、ここでお別れだな。」

シノン「え………。」

カルム「俺たちは、アイツを追う。」

 

 そう言って、3人が飛び出していく。

 チェイスが遠ざかるのを見て、このままチェイスが離れるのを見てられない。

 私は、チェイスの強さを知りたいんだ。

 

シノン「待ちなさいよ!」

チェイス「………?」

シノン「私も行く。」

カルム「………え!?」

 

 3人が驚いたような表情を浮かべると、突然目配せをして、それぞれの武器を取り出す。

 ここでやられるのかと思ったら、3人は、視線を逸らして、それぞれに伸びるバレットラインに向かって、斬っていく。

 そこに居たのは、夏侯惇とエリックとジークというプレイヤーだった。

 古参プレイヤーではあるが、3人の戦闘スタイルを見て、唖然としていた。

 

夏侯惇「うっそぉ!」

エリック「何だアイツら!?」

ジーク「化け物かよ!?」

キリト「まずはアイツからだな。」

カルム「そうだな!」

チェイス「シノン。俺たちが突っ込むから、バックアップ頼む。」

シノン「………了解。」

 

 心の中で、チェイスとの共闘を嬉しく感じたと同時に、カルムとキリトが邪魔だなと少し思った。

 そして、チェイス達は、3人の命中弾だけを斬って、私が狙撃する。

 あっという間に全滅した。

 3人の強さは、VRゲームの技術として片付けられない。

 仮想世界と現実世界の壁を越えた強さ。

 それは、私が求めた境地だ。

 全身全霊を振り絞って、チェイス達を倒せば、私は強くなれる。

 だけど、チェイスに対して、もう一つ、感情が浮かぶ。

 それは、以前から抱いていたチェイスへの想いと同じくらいだ。

 チェイスがどのように生き抜いたのかを知りたい。

 そんな風に思ったのは、彼だけだろう。

 どうしても知りたい。

 チェイスの強さを。




今回はここまでです。
チェイスの強さを知ろうとするシノン。

アリシゼーションのカルムに持たせる武器はどれがいいか?

  • 火炎剣烈火
  • 無銘剣虚無
  • 刃王剣十聖刃
  • 闇黒剣月闇
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