チェイスside
まさか、目の前でやられるとは。
カルムも、顔面を青くしていた。
一方のシノンも、呆然としていて、掠れた声を出す。
シノン「あいつ……他のプレイヤーをサーバーから落とせるの……?」
カルム「いや、そんな生温い事じゃない。あのボロマントは、殺したんだ。あのペイルライダーの中身を………!」
チェイス「………認めたくはないが……。」
シノン「何言ってんのよ……。そんな事、出来るわけ………!」
カルム「間違いない。アイツが……死銃だ。」
死銃。
ソイツに撃たれたゼクシードと薄塩たらこがログインしてないという噂があったが、どうやら、本当らしいな。
シノン「死銃………。それって、あの、変な噂の………?」
カルム「そうだ。アイツに撃たれたゼクシードと薄塩たらこは、遺体で発見されている……!」
シノン「………!?」
チェイス「…………。」
俺は、親父からそんな変な事件を聞いていたのもあって、驚かない。
だが、そんな事があるのか?
それは、本当にSAO事件の再現になってしまう。
そんな事を考えていると、ボロマントは、ダインを無視して、鉄橋の影へと隠れる。
不審に思ってる中、キリトとも合流して、3回目のサテライト・スキャンが行われる。
シノン「こっちは確認しておくから、皆は、鉄橋の方をお願い。」
チェイス「ああ………。」
俺達が監視している中、シノンが大きな声を出す。
シノン「どういう事……!?」
チェイス「どうした?」
シノン「光点が足りない。………どういう事かしら……?」
キリト「もしかしたら、川に潜ってるかもしれない。」
カルム「何でそう言い切れるんだ?」
キリト「俺がそうしたからだ。」
「「「…………え?」」」
キリトからどういう事か聞くと、キリトはペイルライダーに接近する為に、一旦装備をストレージに仕舞い、川を泳いだからだそうだ。
川に沈んでいれば、サテライト・スキャンにも引っかからないとはな。
カルム「………そのアバターのアンダーウェア姿を披露したら、ギャラリーは大歓喜なんじゃないのか?」
キリト「でも、外部中継は戦闘シーン以外は映さないから大丈夫だって。」
カルム「チッ!」
キリト「舌打ち!?」
カルムの皮肉たっぷりの台詞をキリトが受け流し、俺とシノンは呆れ気味にキリトを見ていたが、シノンが何かに気付いたような表情を浮かべる。
シノン「………チャンスだわ。」
チェイス「何?」
シノン「つまり、アイツは今、装備を全解除してるはず。そこを攻撃すれば……!」
チェイス「拳銃一丁なら、そこそこのステータスがあれば持ち運べる筈だ。」
シノン「そうだけど……。たかがハンドガン1つなら、楽々押し切れ………。」
チェイス「ダメだ!」
俺は押し殺した声で叫び、シノンの左腕を強く握る。
チェイス「シノンも見ただろ!アイツの銃で、ペイルライダーを消したのを!1発でも撃たれたら、死ぬかもしれないんだぞ!」
シノン「………私は、信じたくない。ゲームの中で撃たれただけで、本当に死ぬなんて……。いや、それ以前に、もしその話が本当なら、アイツは自分の意思で人を殺しているって事でしょう?有り得ない………。」
シノンは混乱してるな。
無理もない。
SAOで、PoHを中心とする悪意が蔓延っていた事を、知らないからな。
すると、シノンが呟く。
シノン「私は………認めたくない。PKじゃなくて、本物の人殺しをするプレイヤーが居るなんて………。」
カルム「残念だが、あのボロマント………死銃は、昔、俺達がいたVRMMOの中で、多くの人を殺してきた。」
キリト「相手が本当に死ぬと分かっていて剣を振り下ろした。さっき、ペイルライダーを撃った時と同じようにな。」
チェイス「そして………俺達も………。」
かつての罪が蘇り、俺たちは目を伏せる。
シノンside
彼らのこれまでの会話から、チェイス達が何者なのか、検討がついた。
多分、3年前に発生した、あの事件の生還者なのだ。
これはもう疑いようがない。
そして、とある事実も。
つまり、死銃も生還者なのだ。
それも、自らの意思で人を殺していた。
それは、私が先程言った、人殺しをするVRMMOプレイヤーそのものだ。
そこまで理解した途端、全身がすうっと冷たくなるのを意識した。
これは、発作の前兆だ。
チェイス「………ノン。シノン!」
不意にチェイスから名前を呼ばれて、はっと両眼を見開くと、私を気遣うような表情のチェイスが見えた。
小さく息を吐いて、答える。
シノン「………大丈夫。ちょっと驚いただけ。正直………チェイス達の話をすぐには信じられないけど………嘘じゃないのは分かる。」
チェイス「それだけで十分だ。」
「「…………。」」
その後、確認したが、人数が足りない。
回線切断で消えたペイルライダーに、現在、川で泳いでいる死銃だろう。
そして、光点が消えた。
シノン「………とにかく、私たちも移動した方が良いわね。チェイスと私とキリトとカルムが戦闘中だと思ったプレイヤー達が襲撃してくるかも。」
カルム「そうだな………。」
チェイス「シノン。大会が終わるまで安全な所で隠れて………と言っても無駄か。」
シノン「当たり前でしょ!そんな卑怯な真似はしたくない。それに、安全な所は無いのは、チェイスも分かってるでしょ。」
チェイス「………そうだな。」
キリト「なら、ここでお別れだな。」
シノン「え………。」
カルム「俺たちは、アイツを追う。」
そう言って、3人が飛び出していく。
チェイスが遠ざかるのを見て、このままチェイスが離れるのを見てられない。
私は、チェイスの強さを知りたいんだ。
シノン「待ちなさいよ!」
チェイス「………?」
シノン「私も行く。」
カルム「………え!?」
3人が驚いたような表情を浮かべると、突然目配せをして、それぞれの武器を取り出す。
ここでやられるのかと思ったら、3人は、視線を逸らして、それぞれに伸びるバレットラインに向かって、斬っていく。
そこに居たのは、夏侯惇とエリックとジークというプレイヤーだった。
古参プレイヤーではあるが、3人の戦闘スタイルを見て、唖然としていた。
夏侯惇「うっそぉ!」
エリック「何だアイツら!?」
ジーク「化け物かよ!?」
キリト「まずはアイツからだな。」
カルム「そうだな!」
チェイス「シノン。俺たちが突っ込むから、バックアップ頼む。」
シノン「………了解。」
心の中で、チェイスとの共闘を嬉しく感じたと同時に、カルムとキリトが邪魔だなと少し思った。
そして、チェイス達は、3人の命中弾だけを斬って、私が狙撃する。
あっという間に全滅した。
3人の強さは、VRゲームの技術として片付けられない。
仮想世界と現実世界の壁を越えた強さ。
それは、私が求めた境地だ。
全身全霊を振り絞って、チェイス達を倒せば、私は強くなれる。
だけど、チェイスに対して、もう一つ、感情が浮かぶ。
それは、以前から抱いていたチェイスへの想いと同じくらいだ。
チェイスがどのように生き抜いたのかを知りたい。
そんな風に思ったのは、彼だけだろう。
どうしても知りたい。
チェイスの強さを。
今回はここまでです。
チェイスの強さを知ろうとするシノン。
アリシゼーションのカルムに持たせる武器はどれがいいか?
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火炎剣烈火
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無銘剣虚無
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刃王剣十聖刃
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闇黒剣月闇