ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、カルム達がトリックに気づく話です。


第16話 真相の解明

カルムside

 

 

 俺たちも、ラフコフのプレイヤーを殺した事をシノンに話して、シノンは黙り込む。

 



シノン「死銃は一体どうやって、現実世界のプレイヤーを殺しているのかしら…。」

 



 心を落ち着けたシノンがそう語る。
 

 そう、まずはそれが先だ。



 

チェイス「恐らく、あの骸骨フェイスの奴は、特徴的な喋り方から、ザザだろうな。」



 

 ザザの名前は分かったので、菊岡に伝えればOKで、菊岡が連中の本名と住所を突き止めてくれる。
 

 しかし、大会中なので、ログアウト出来ない。
 

 現状、俺たちがGGO内で、死銃達をどうにかするしかない。



 

チェイス「キリト、カルム。死銃に撃たれた《ゼクシード》と《薄塩たらこ》の2人の死因は何だ?アミュスフィアはナーヴギアみたい脳を破壊することはできないはずだが。」


カルム「ああ。脳損傷じゃなくて、全員、急性心不全で亡くなってる。」


キリト「だけど、殺人の方法はまだ分からないんだよ。仮想世界で撃ったプレイヤーを現実世界でも本当に殺害できる手段なんて……。」



 

 そう、引っかかるのはここだ。
 

 死銃達は、どのようにして、現実の体を殺しているのかが分からない。
 呪いや超能力の類では無いのは確かだが。

 



チェイス「なあ、1つ気になったことだが、本当にゲーム内でプレイヤーを撃つと現実世界でもそのプレイヤーを殺すことができるならどうしてわざわざ拳銃で撃つ必要がある? サイレントアサシンがあるなら、そっちを使った方がすぐに済むはずだ。」


シノン「そういえば、ペイルライダーを殺した時も妙だったわ。あの時は近くに倒れていたダインは無視した。ダインのアバターは残ってたし、まだログアウトもしていなかった。ゲームの枠を超えた力があるなら、HPの有無なんて関係なさそうじゃない?」

 



 確かに。


 という事は、死銃の殺害方法にはトリックがあって、ターゲットとなった面子には、何かしらの共通点があるという事だ。


 そこを洗えば、何かが分かる筈だ。



 

カルム「シノン、チェイス。殺された面子とシノンで共通点とかって何かないか?使う武器とかどんなことでもいいから、思い当たることがあったら教えてくれ。」


シノン「装備は全員バラバラで、共通点となると強引にくくることになるけど、全員《AGI特化型ビルドじゃない》ってことになるかな。でも、STRかVITに偏っていたからちょっと無理はあるかな……。あ、そう言えば、殺された4人の中にいた《薄塩たらこ》とは前の大会の商品で何を貰うかで少し話したことがあるわ。」


チェイス「大会の順位に応じて貰える賞品を選べるやつか。商品は銃、防具、街で売られてない髪染め、服といった外見が目立つだけで高性能じゃないゲーム内のアイテム、あとは銃のモデルガンもあったな。確か現実の商品の場合、国際郵便で送られて来るんだよな。まあ、そのためにはBoB予選にエントリーした時に現実の住所氏名を打ち込まないといけないが……。」

 

 

 なるほどねぇ。


 うん?
 

 現実の住所氏名……?


 それに、メタマテリアル光歪曲迷彩……。


 シノンがダインがゲーム内のアイテム、薄塩たらことシノン、ゼクシードがモデルガンを選んだ事に関して聞いているとその2点が引っかかった。


 だが、一つの仮説に行き着き、解けた。



 

カルム「そうか……。繋がった。」


キリト「何がだよ?」


カルム「俺たちはとんでもない誤解をしていたんだ。」


チェイス「誤解だと?」


カルム「俺たちは死銃の仲間は、ゲームの中にしかいないと思ってた。でも、そこが盲点だった。現実世界にも居るんだよ、仲間が。死銃がターゲットを撃ち、同時に、ターゲットの部屋に侵入した共犯者が無抵抗で横たわるプレイヤーを殺すっていう方法でな。」

 



 これなら辻褄が合う。


 ラフコフは、現実にも居る。


 その推理に、キリトとチェイスが納得していたが、シノンは納得してない。



 

シノン「なら、どうやってプレイヤーのリアル情報を手に入れるの?何処の誰かもわからないのに。」


チェイス「総督府で、大会にエントリーするときに自分のリアル情報を任意で打ち込むだろ。その時に、双眼鏡やスコープを使えば離れていても見ることはできるはずだ。見つかればマナー違反で吊し上げされるが、あのメタマテリアル光歪曲迷彩を使えば、他のプレイヤーに気づかれることはないだろうな。」


シノン「仮に現実世界の住所がわかったとしても忍び込むのに鍵はどうするの?家の人とかは?」


チェイス「前に殺された2人は家が古いアパートだったのなら、ドアの電子錠もセキュリティの甘い初期型だったはずだ。1人暮らしだから侵入しても気付かれる心配はない。そういった解除装置は裏で高額取引されているって俺の親父から聞いたことがあるからな。」


シノン「じゃあ、死因は?心不全って言ったけど、警察とかお医者さんとかにもわからない手段で心臓を止めることなんて出来るの?」


キリト「多分何かの薬品とかだろう。殺された3人は発見が遅れて身体の腐敗が進んでいたんだよ。だから注射の痕とかは発見できなかった。」


カルム「それに、飲まず食わずでログインするのはよくあるからな。それで心臓発作で死んでいるのも少なくはない。部屋も荒らされず、金品も無事なら、自然死として処理される。」

 

 

 そう、これで謎は解けた。
 

 それと同時に、シノンには、危険が迫っている事も事実になるが。



 

シノン「じゃ、じゃあ……。死銃が私を狙ってきたのは……!」


カルム「………言いづらいんだが、恐らく、もう共犯者が待機してるんだろうな。」


シノン「嫌……いや!いやよ!……そんなの!」



 

 まずい、このままじゃ、シノンが緊急ログアウトしてしまう。



 

チェイス「シノン落ち着け!奴らの拳銃で撃たれるまで侵入者はお前に手は出せない!それが奴らが自身で定めた制約だ!だが今自動ログアウトして共犯者の顔を見てしまうと返って危険だ!だから落ち着け!ゆっくり気を落ち着かせるんだ!」


シノン「ど、どうして……どうして……私、殺されなきゃいけないの……?アイツに何か恨まれることをしたから……?強盗を撃ち殺したから……?」

 



 シノンは子供のようにチェイスに縋り付き、涙声で訴える。


 チェイスは、シノンを優しく抱きしめた。

 



チェイス「理由はない。アイツらは自分の快楽のために人の命を簡単に奪う。だから、お前を絶対に殺させない!」


シノン「チェイス……。」



 

 シノンも落ち着きを取り戻しているが、気まずい。


 何せ、今のシノンとチェイスを見てると、俺がミトに、ミトが俺に甘えているのにそっくりだ。
 

 もしかして、シノンはチェイスの事が……。


 でもなぁ、相手はあのチェイスだ。


 チェイスが想いに気づいているのかは分からない。


 まあ、部外者は引っ込むか。



 

カルム「チェイス。俺とキリトは見張に戻るから、シノンと一緒に居てやれ。キリト、行くぞ。」


キリト「ああ………。」

 



 俺達は外に出た。



 

チェイスside

 

 

 カルムとキリトが見張りに戻り、今ここには俺とシノンしか居ない。


 シノンは未だに抱き付いたままで、俺はシノンを落ち着かせようと、頭を撫でていた。



 

チェイス「落ち着いたか?」


シノン「うん、ありがとう。だけど、もう少しこのままで良い?」


チェイス「構わないが、シノン。お前、好きな奴が居るんじゃないのか?」


シノン「……いいのよ、これで……。」

 



 気のせいかシノンの頬が少し赤い感じがした。


 何故なんだと考えていると、上空に浮かぶ見覚えのある奇妙な水色の同心円を見つける。


 実体ではなく、ゲーム的な単色発光オブジェクト。

 



シノン「普段は戦闘中のプレイヤーしか追わないんだけど、残り人数が少なくなってきたからこんなところまで来たのね。」


チェイス「そうみたいだな……。」

 



 特に慌てる必要もない。


 だが、ライブ中継カメラがここまでやって来たということは、シノンが俺に抱きついたり、俺がシノンの頭を撫でているシーンが映されてしまっただろう。


 GGOの男性プレイヤーたちは、間違いなく俺のことを敵意をむき出しにして見ているだろう。


 それに、ハヤト/侑斗がALOで皆と大会のライブ中継を見るって言っていたな。


 大会の後でハヤトとリズからからかわれて、クラインからは裏切り者とか言われる光景を思い浮かべてしまう。
 

 事件を無事に解決できても、この後待ち受けていることを考えていたら頭が痛くなってきたな……。


 恐らく、今もニヤニヤしながら見ているのかもしれないな。



 

 その頃のALO。

 



ハヤト「へっくし!……ん?」


リーファ「ハヤト君、風邪?」


ハヤト「誰か噂したのか?」

 

 

 GGOでは。

 



シノン「どうしたの?……もしかして、この映像を見られると困る人でもいるの?」


チェイス「いや、見られたら困るというより見られたら鬱陶しくてウザいだろうなという奴なら何人かいる。」


シノン「ふふ、何よそれ……。」

 

 

 どうやら、落ち着いたようだな。

 



シノン「どうするの?」


チェイス「奴らを倒すしかない。死銃さえ倒せば、奴らはシノンには手出ししない。」


シノン「でも、黒星抜きでも、あのボロマントは強いわ。」



 

 確かに、シノンの銃撃を躱すのを見ても、強いだろう。


 キリトとカルム、俺の3人の内の、1人でもやられたら、シノンの命は無い。



 

シノン「それに多分、私もこのままここに隠れているわけにはいられない……そろそろ、私たちが砂漠の洞窟に隠れていることに、他のプレイヤーも気付いてる。」


チェイス「………いつ奇襲を受けても、おかしくないってことか。」

 



 作戦を立てるために、カルムとキリトの2人を呼び戻す。

 



カルム「………ここまで来たんだ。4人で、アイツを倒す………と言いたい所だが、アランとクレハはどうするかな。」

キリト「そういえば居たな。」


チェイス「……ああ。だが、シノン。もしお前があの拳銃に撃たれそうになったら……。」


シノン「あんなの………所詮、旧式のシングルアクションだわ………仮に、撃たれそうになっても、あなた達が楽々叩き切ったり、弾いたりしてくれるでしょ?」


チェイス「…………そうだな。そこまで信用してもらえてるのなら、やらせるわけにはいかないよな?キリト、カルム?」


カルム「愚問だろ。」


キリト「ああ。」

 

 その後、作戦を立てた。

 俺が死銃もといザザの相手をして、アランとクレハに関しては、カルムとキリトの2人で対応する事に。

 サテライト・スキャンの結果、2人は共闘しながら生存している。

 闇風に関しては、俺が足止めをして、シノンが倒す手筈になっている。




今回はここまでです。
リバイスも、ヒロミさんが行方不明になり、生存フラグが立ちました。
次回は、ALOでの話です。
この小説も、アリシゼーションまで行きますが、富加宮賢人モチーフのキャラは、雷鳴剣黄雷を持たせます。
そして、あるタイミングで、月光雷鳴剣黄雷に変える予定です。
オルテカがデモンズになって、絶望感が凄まじいですね。

アリシゼーションのカルムに持たせる武器はどれがいいか?

  • 火炎剣烈火
  • 無銘剣虚無
  • 刃王剣十聖刃
  • 闇黒剣月闇
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