ソードアート・オンライン 紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回で、キャリバーは終わりです。


第4話 聖剣の獲得

 トールが止めを刺し、スリュムは徐々に凍りついていく。

 すると。

 

スリュム「ぬっ、ふっふっふっ………。今は勝ち誇るが良い、小虫どもよ。だがな………アース神族に気を許すと痛い目を見るぞ……。彼奴等こそが真の、しん……。」

 

 その先は続かなかった。

 なぜなら、トールのストンプが炸裂し、スリュムが消えたからだ。

 それを呆然と見ていると。

 

トール「………やれやれ、礼を言うぞ、妖精の剣士達よ。これで余も、宝を奪われた恥辱をそそぐ事が出来た。………どれ、褒美をやらねばな。」

 

 トールのハンマーから宝石が一つ取れて、それが本体の縮小版のハンマーとなり、クラインの元へ。

 

トール「《雷槌ミョルニル》、正しき戦の為に使うが良い。では、さらばだ。」

 

 そう言うと、トールは消え、メンバーからも消えた。

 その際に、ピナの毛が膨らんだ。

 

ピナ「キュ?」

シリカ「静電気?」

ヒロミ「そうじゃない?」

 

 俺たちの目の前に、報酬が入る。

 キリトと俺は、息を吐き、クラインの元へ。

 

キリト「クライン。」

カルム「伝説級武器ゲット、おめでとう。」

クライン「………俺、ハンマー系スキル、びたいち上げてねぇし。」

ハヤト「なら、リズかラットのどちらかにでもあげれば?」

チェイス「いや、溶かしてインゴットにしかねないな。」

リズベット「ちょお!いくらアタシでも、そんな勿体ない事しないわよ!」

 

 そう文句を言うリズベット。

 ラットも物凄く頷いていた。

 すると、2人の元に、アスナとミトが近づく。

 

アスナ「でも、リズ、ラット君。」

ミト「伝説級を溶かすと、オリハルコン・インゴットが凄い出来るらしいよ。」

リズベット「え?ホント?」

ラット「そんなのもあるのか。」

クライン「あ……あのなぁ!まだやるなんて言ってねぇぞ!」

 

 それを聞いたクラインがハンマーを抱く。

 すると、リズベットとラットが口を同時に合わせて。

 

「「カナヅチ置いていけェ〜〜!」」

クライン「やめろーっ!」

 

 すると、シノンが笑い出し、俺たちも釣られて笑い出す。

 だが、その笑いも、突然の揺れに中断する。

 

シノン「う………動いてる!?」

チェイス「いや、スリュムヘイム全体が浮いてるんだ……!」

リーファ「お………お兄ちゃん!ハヤト君!クエストまだ続いてる!!」

パラド「はあ!?さっきスリュムを倒したはずだろ!?」

カルム「いや、ウルズさんが言ってただろ!エクスキャリバーを抜かないと終わらない!」

ユイ「皆さん!」

カナ「階段が玉座の裏に生成されてる!」

 

 その声と共に、俺たちは向かう。

 だが、気になる事がある。

 肝心の王のスリュムを失っているのに、スリュムヘイムがアルンに向かう?

 そんな風に気になっていると、ユイとカナが答えてくれた。

 大公スィアチという人物が黄金の林檎を欲しており、依頼したのも、スィアチらしい。

 つまり、後釜は最初から居る。

 俺たちは、加速していき、遂に、エクスキャリバーが刺さっているエリアに着く。

 

カルム「キリト………。」

キリト「ああ………。」

 

 俺とキリトは、とある出来事を思い出していた。

 それは、ALOを己の野望の道具として利用していた須郷伸之が、生成しようとし、俺たちがエクスキャリバーを生成して、投げ渡した。

 アイツのウザい顔が浮かび、青筋が立つ。

 

カルム「キリトに譲るわ。」

キリト「ああ………。」

 

 キリトがエクスキャリバーを抜こうとする。

 しかし、全然ビクともしない。

 まあ、その手の聖剣は、簡単には抜けないのがお約束なのだが。

 何故、俺が抜かないのかと言うと、俺は、筋力と敏捷さを丁度良く取っているため、そこはキリトが適任だと思ったからだ。

 つまり、キリトでビクとしないなら、手伝うのは無理だ。

 その代わりに、応援をする。

 応援の末、キリトが遂にエクスキャリバーを抜いたのだ。

 キリトが派手に吹っ飛ばされ、俺達全員で支える。

 

キリト「やっ………た………よな?」

カルム「ああ!」

クライン「おいキリの字!何か変だぜ!」

ヒロミ「台座から、根が!?」

 

 すると、エクスキャリバーが刺さっていた台座から根が現れ、螺旋階段を破壊し、周囲の壁にヒビが入る。

 

クライン「おわっ………!」

ラット「壊れる……!?」

ユイ「スリュムヘイム全体が崩壊します!」

カナ「皆!急いで脱出を!」

カルム「でも、階段が!!」

 

 そう、この玄室に降りる為に使った螺旋階段は、跡形もなく吹っ飛んでいた。

 

チェイス「根っこに掴まるのは………。」

シノン「無理そうね。」

 

 こんな状況下でも、至って冷静なGGOコンビが呟く。

 

リズベット「ちょっと世界樹ぅ!そりゃあんまり薄情ってもんじゃないの!」

シリカ「そーですっ!」

ヒロミ「あの、シリカ、リズさん。」

ラット「樹に文句を言ってもな。」

ミト「飛び降りてもその先は地面かグレードボイドだしね。」

シリカ「死にますっ!」

男性陣「死ぬな。」

 

 シリカの絶叫に、男性陣で突っ込んでいると、クラインが何かを思いついたようだ。

 

クライン「よ……よおォしッ!クライン様のオリンピック級垂直ハイジャンプを、見せるっきゃねェな!」

キリト「あ!バカ!やめ………!」

パラド「待て!」

カルム「やめろ……!」

 

 俺、キリト、パラドが静止する間もなく、華麗な背面跳びを披露。

 記録、推定2メートル15センチ。

 そして、落下して、スリュムヘイムの角っこが、落下する。

 

シリカ「く………クラインさんの、バカァァァ!!」

ヒロミ「シリカ!落ち着いて!!」

 

 シリカの割と本気の罵倒が、周囲に響き渡る。

 これが、某雑誌の、世の中の危険から身を守る術を教える老人の漫画だったら、友達に電話するか、ドリルで穴を掘るという事になるだろう。

 しかし、落ちた先はグレードボイド。

 そんな展開が通じる訳がない。

 

ミト「………あの下って、どうなってるのかしらね?」

カルム「多分、ニブルヘイムに通じてるかもしれないな!」

シノン「寒くないといいなぁ……。」

チェイス「いや、寒いだろう。何せ、霜の巨人達の故郷だからな!」

 

 俺とミト、チェイスとシノンが話していると、ハヤトがハッとした様な表情を浮かべる。

 

ハヤト「そういえば、リーファ!スロータークエストの方はどうなった!?」

リーファ「………!あ………!まだ光が2個だけ残ってる!間に合ったよ!ハヤト君!よかったあ……!」

 

 先ほどまで歓声と思われる声を出していたリーファがハヤトに抱きつく。

 すると、キリトが変な顔になる。

 

カルム「おいキリト。こんな状況下でシスコンぶりを発揮するなよ。」

パラド「キリトはシスコンなのか?」

キリト「いや、シスコンじゃないから。」

アスナ「まあまあ……。」

 

 すると、リーファの耳に何か聞こえたようで、上を向くと、そこには、トンキーとジョンの2体が居た。

 そういえば忘れてたな。

 皆が手を振っていると。

 

クライン「へへっ………。オリャ最初っから信じてたぜ……!アイツが絶対に助けに来てくれるってよぉ………。」

 

 ーーー嘘つけ!

 と、クライン以外全員が思っただろう。

 まあ、忘れてたのは事実だ。

 いつまでも変わらずに健気な2体の邪神は、こちらに近づいてくる。

 それぞれ二手に分かれて、乗る事に。

 行きと同様にトンキーにはキリト、アスナ、リーファ、シノン、リズベット、シリカ、クラインが、ジョンには俺、ミト、パラド、ヒロミ、ラット、ハヤト、チェイスが乗る。

 途中、クラインが落ちるというハプニングはあったが、キリト以外は乗った。

 だが、問題はキリトだ。

 エクスキャリバーが重いらしく、飛び移れずに居た。

 すると。

 

キリト「…………まったく!カーディナルってのは!」

 

 そう言って、エクスキャリバーを捨てて、トンキーに飛び移る。

 キリトは名残惜しそうに見ていた。

 すると、シノンがリトリーブ・アローを発動する。

 

ミト「まさか、エクスキャリバーを回収するつもりなの?」

カルム「出来るのか?」

チェイス「いや、シノンなら出来る。」

 

 ま、シノンを信じるか。

 すると、矢を発射して、エクスキャリバーに命中して、シノンが引き上げる。

 

シノン「うわ、重…………ッ!」

 

 すると、俺たちの声が重なり。

 

『シノンさんマジかっけぇーーー!!!』

ハヤト「すげぇな!」

チェイス「さすが、シノンだ。」

 

 チェイスがドヤ顔なのは、気にしないでおこう。

 すると、シノンがニヤッとする。

 

シノン「はい。この剣を抜く度に、私に感謝しなさいね。」

キリト「分かったよ………。」

 

 シノンなりの仕返しを見ていた。

 多分、GGOでの一件を、未だに根に持ってたんだな。

 すると、スリュムヘイムが崩壊していく。

 更に、グレードボイドから水が溢れてきて、世界樹の根がそこに向かう。

 

ミト「根から、芽が……!」

 

 ミトの言う通り、根から、俺たちからしたら巨大だろうが、小さい芽が生えて、冬から春に変わったようなステージになった。

 すると、トンキーとジョンが遠吠えを響かせると、2体の仲間が出てくる。

 地面を見ると、プレイヤーの一団が呆然としていた。

 まあ、無理もないか。

 

リーファ「………良かった。良かったね、トンキー、ジョン。ほら、友達がいっぱいいるよ。あそこにも………あそこにも、あんなに沢山………!」

 

 リーファの涙混じりの声が聞こえてきて、俺達全員は涙する。

 そういえば、カナは最近、俺に泣き顔を見せるのを嫌がるな。

 誰からそんな学習をしたのか。

 そんな事を思っていると。

 

ウルズ「見事に、成し遂げてくれましたね。」

 

 と、ウルズが現れる。

 レイドリーダーであるキリトに任せるが、俺は考察をしていた。

 それは、スリュムが言いかけた事だ。

 アース神族が真の………と言いかけたところで、トールに止めを刺された。

 何を言おうとしていたのか………。

 まさか、侵略者………?

 その思考は、ウルズの妹達が現れ、報酬が入った事で中断する。

 しかも、2人目が来た時点で、容量の限界値に近づく。

 だが、ウルズからの報酬は、エクスキャリバーをキリトに授ける事だ。

 すると、三姉妹は、声をそろえて言う。

 

「「「ありがとう、妖精達。また会いましょう。」」」

 

 そう言うと、飛び去ろうとする。

 すると。

 

クライン「すっ、すすスクルドさん!連絡先をぉぉ!」

 

 おい!フレイヤはどうした!?

 ていうか、NPCが連絡先なんてくれる訳ないだろ!

 そんな風に俺たちが思っていると。

 何という事でしょう。

 スクルドが、クラインに何か渡したのだ。

 それを呆れながら見てると、キリトから打ち上げ兼忘年会をする事を提案された。

 無論、付き合う。

 だが、ユイ、カナ、パラドが現実だと、参加できないのだ。

 しかし、アスナが明日から京都に行くらしく、今日じゃないとダメだ。

 ユイとカナとパラドが、そこを汲んで、リアルとなった。

 という事は、アレの出番だな。

 キリトに連絡して、とある物を持ち込む。

 電車で行き、和人と直葉、侑斗と合流する。

 ダイシー・カフェには、詩乃と英介が先に着いていた。

 エギルに挨拶をして、俺とキリトは可動式カメラと、PCを立ち上げる。

 

詩乃「………何、それ?」

 

 残りの面子にも手伝ってもらい、カメラを店内の四箇所に設置する。

 色々と準備を終え、俺とキリトは、小型のヘッドセットを装着して、話しかける。

 

和人「どうだ、ユイ?」

冬馬「カナとパラドはどうだ?」

ユイ『はい!ちゃんと聞こえるし、ちゃんと見えます!』

カナ『大丈夫。』

パラド『問題ないぜ。』

和人「じゃあ、3人とも、ゆっくりでいいから動いてくれ。」

『『はい!』』

パラド『おう!』

 

 すると、一番近くのカメラが動く。

 そう、俺とキリトの合同で、これを作った。

 リアルには来れない3人のためのやつだ。

 

詩乃「なるほどね。つまり、あのカメラとマイクは、ユイちゃんとカナちゃんとパラドの端末……感覚器って事ね。」

直葉「ええ。お兄ちゃんにカルムさん、学校でメカ………メカトニ………。」

「「メカトロニクス。」」

侑斗「コイツら、メカトロニクスコースを受講したけどさ、完全に、その3人の為だよな。」

英介「そうだな。コイツらは完全なる親バカという事だ。」

ユイ『がんがん注文出してます!』

カナ『私も!』

パラド『俺もだ!』

 

 ユイ、カナ、パラド、直葉、侑斗、詩乃、英介の7人が笑い合う。

 俺と和人は反論する。

 

和人「そ、それだけじゃないぞ!」

冬馬「そうだぞ!カメラをもっと小型化し、肩とか頭に装着できれば、どこでも自由に連れて行けるんだぞ!」

直葉「それも、ユイちゃん達の仕様でしょ!」

 

 ぐうの音も出ない。

 でも、これはまだ完成形には至ってはいない。

 どっかの企業が、美少女や美青年ロボットを開発してくんないかな………。

 そんな事を考えていると、明日奈、深澄、遼太郎、珪子、壮吾、里香、浩介も到着する。

 料理も完成して、エギルもテーブルに着く。

 

和人「祝、《聖剣エクスキャリバー》とついでに《雷槌ミョルニル》ゲット!お疲れ、2025年!…………乾杯!」

『乾杯!』

 

 俺たちは、エギルが出した料理を美味しく食べていく。

 1時間後。

 

詩乃「それにしても、どうして《エクスキャリバー》なの?」

和人「へ?どうしてって?」

詩乃「普通は………っていうか、他のファンタジー小説や漫画だと、《カリバー》でしょ。《エクスカリバー》。」

英介「そういう事か。」

直葉「へえ、シノンさん、その手の小説とか読むんですか?」

詩乃「中学の頃は、図書室のヌシだったから。」

侑斗「確かに、アーサー王伝説の本も何冊かスグに勧められて読んだけど、訳は全部《カリバー》だったな。」

冬馬「まあ、ALOにあのアイテムを設定したデザイナーの趣味か気紛れだろ。」

和人「そうだろ。」

 

 俺たちがそんな事を言うと、深澄と明日奈が苦笑する。

 

明日奈「まあ、大本の伝説では、もっと色々な名前があるのよね。」

深澄「さっきのクエストでは偽物扱いされてたけど、《カリバーン》もその類じゃないかしら。」

ユイ『主な所では、《カレドヴルフ》、《カリボール》、《コルブランド》、《カリバーン》、《エスカリボール》などがあるそうです。』

カナ『まあ、これらは英語、フランス語、ラテン語、ウェールズ語の発音の違いや写本の表記の揺れで生じた物らしいけど。』

 

 我が娘の博識ぶりに驚きつつ、スペアリブを頬張る。

 詩乃が再び口を開く。

 

詩乃「まあ、別に大した事じゃないけど、《キャリバー》って言うと、私には別の意味に聞こえるから。」

冬馬「別の意味?」

英介「ああ。銃の口径の事を英語で《キャリバー》って言うしな。まあ、エクスキャリバーとはスペルが違うが。」

詩乃「そう。そこから転じて、《人の器》って意味もあるの。《a man of high caliber》で器の大きい人とかの意味になる。」

直葉「へぇーっ。憶えとこ。」

侑斗「いや、試験には出ないだろ。」

 

 すると、里香と浩介の2人がニヤニヤしながら立ち上がる。

 これに、嫌な予感がする。

 

里香「ってー事は。エクスキャリバーの持ち主は、デッカイ器がないとダメって事よね?」

珪子「そうなんですか?」

壮吾「そうなのかな?」

浩介「そういや、どこかの誰かさん達が、短期のアルバイトでドーンと稼いだと聞いたが?」

「「え………。」」

 

 と、皆の視線が俺たちに集まる。

 俺、エクスキャリバーの持ち主じゃないからキリトに押し付けようとするが、深澄がこちらを笑顔で見てくる。

 だが、アレは「払ってくれるよね?」という笑顔だ。

 この際、覚悟を決めるか。

 

和人「も、もちろん最初から、今日の払いは任せろって言うつもりだったぞ。」

冬馬「お、俺も………。」

 

 その宣言に、皆が拍手し、遼太郎が口笛を吹く。

 心の中で、ため息を吐きつつ、笑う。

 




今回はここまでです。
アンケートは終了します。
という事で、アリシゼーションでカルムに持たせる剣は、刃王剣十聖刃に決まりました。

アリシゼーションのカルムに持たせる武器はどれがいいか?

  • 火炎剣烈火
  • 無銘剣虚無
  • 刃王剣十聖刃
  • 闇黒剣月闇
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