第1話 森の家
ミトside
2026年 1月6日
私達は、今日はアスナとキリトの家で勉強会を開いていた。
外は、雪が降っていて、とても出る気が起きなかった。
何せ、アインクラッドは今、アルヴヘイムの最北の、ノーム領上空を飛行しているのだ。
そうなっても仕方ない。
勉強会には、私、アスナ、シリカ、ヒロミ、リズベット、ラット、リーファ、ハヤト、フィリア、レインが参加している。
シノンとチェイスは、既に冬休みの課題を終わらせていて、シノンはチェイスの挨拶も兼ねて、実家に帰省している。
ハヤト曰く、少し気が早いんじゃないのからしい。
さて、さっさと終わらせますか。
そんな風に考えていると、横に誰かの頭が倒れてくる。
それは、フィリアだった。
苦笑しつつ、フィリアを起こす。
ミト「ちょっと、フィリア。今寝たら後で眠れなくなるわよ。」
フィリア「あ………。そうだった………。」
ヒロミ「シリカも。」
シリカ「ふわぁぁ………。」
アスナ「ちょっと、暖かすぎるかしら?温度、少し下げようか?」
アスナがそう言うと、リーファとハヤトとレインが笑いを含んだ声で言った。
リーファ「いえ、そうじゃなくて。」
ハヤト「多分、アレらのせいだと思うぜ。」
レイン「そうだと思うよ。」
アスナ「アレ………?」
ミト「………ああ、なるほど………。」
指差した先には、暖炉があって、そこには、椅子に座ってるキリトとカルムとパラドが寝ていた。
しかも、キリトの腹の上には、ピナとユイちゃんが、カルムの腹の上には、カナが気持ちよく寝ているのだ。
パラドも、時折、変な事を口にしながら寝ていた。
例えば。
パラド「よっしゃあ。俺の勝ちだ………。」
そんな口調から、夢の中でもカルムとゲームをして勝ったのだろう。
すると、アスナが口を開く。
アスナ「2人とも、GGOから戻ってきてから、ずっと頑張ってるみたい。」
ミト「そうね。」
リズベット「アレでしょ。こないだ、エギルの店で見せた………。」
ラット「ああ。ユイやカナ、パラドの……。」
リーファ「何とかニクス!」
「「「「「メカトロニクス。」」」」」
リーファのボケに、私、アスナ、ヒロミ、リズベット、ラットの声が重なる。
リーファ「でも、2人とも、本当に気持ちよく寝ますよね。」
ハヤト「おかげで、こっちまで眠くなってくるぜ。」
ラット「全くだ。」
レイン「本当にそうですよね。」
そんな事を聞きながら、私は、とある事を思い出していた。
それは、去年の12月20日、ダブルデートと称して、アスナとキリト、私とカルムでダイシーカフェを訪れた時だ。
エギルが人数分のコーヒーを出すと。
エギル「しっかしお前らも、こんな煤けた所でデートしなくても、もっとオシャレな場所があるんじゃねぇのか?」
和人「アルゲードのエギルの店と比べたら、ここも十分オシャレだよ。」
冬馬「なんだかんだで、足がこっちに向くんだよな。」
すると、エギルの顔が気難しくなり、青筋が立つ。
明日奈「私は、結構好きだったけどなぁ。」
深澄「私も。」
私と明日奈のフォローで、エギルの顔はニヤけた顔になる。
和人「あのぼったくり商店のどこがよかったんだ?」
冬馬「おい!確かに、ぼったくりな所はあるかもしれないけど、良い店だったぞ。」
冬馬、それはフォローになってない。
エギルが冬馬を睨む。
明日奈「キリト君にカルム君だって、居候してたくせに。」
深澄「そうね。」
「「それはそれ。」」
冬馬と和人の声が重なり、エギルがこちらをニヤニヤしながら見てくる。
冬馬「…………何ニヤニヤしてんすか?」
エギル「いやぁ、こうして見てると、とてもあの茅場晶彦を打ち破った英雄には見えねぇなって。」
和人「それはお互い様だ。」
明日奈「エギルさんって、MMOを長くやってるんですよね?」
深澄「確か、エギルの奥さんともゲームのなかで出会ったんですよね?」
エギル「おう。そんな感じだ。嫁さんはアメリカ在住だったのに、その1年後には、ここで店を開く事になったんだ。人生、何が起こるか分からねぇな。」
「「へぇぇ………!!」」
和人「その話、クラインが聞いてたら、どんな反応をしたのかな?」
冬馬「多分、血の涙を流すんじゃないのか?」
まあ、クラインもいい人ではあるけど、女好きな所がなぁ。
だからモテないのよ。
エギル曰く、ナーヴギアも2人分予約するつもりだったけど、一つしか予約出来ず、対戦で決めたらしい。
その結果、エギルはSAOに囚われた。
その二年間の間は、嫁さんが必死に守ってきたそうだ。
和人「確かに、俺も、家族の元に帰りたいって気持ちに、何度も助けられたしな。」
冬馬「俺も。家に帰りたいって気持ちで助けられたし。」
エギル「きっと攻略組の………。いや、アインクラッドに居たプレイヤー全員がそう思っていたんじゃないのかな。アスナやミトにも、そういうモチベーションがあったんじゃないのか?」
明日奈「私は、あまり自分の家が好きじゃなかったから………。戦う意味を見いだせなかった。」
深澄「私は、どちらかというと、アスナとまた一緒にショッピングをしたいって思ってたから。」
そういえば、アスナのお母さんって、とても厳しい人だったわね。
まあ、その理由もあるが、途中から、カルムと一緒に生きて帰りたいっていう思いも出てきたからね。
そんな風に思ってると、カルムが手を乗せてきて、笑った。
キリトとアスナもそんな風だろう。
すると、エギルに遮られた。
エギル「お前らって、隙あらばイチャイチャしだすよな。」
冬馬「別にいいだろ。」
エギル「開き直りやがった。………まあ、その件なんだが。ついさっき、アップデートの内容が判明した。」
それは、新たな武器にソードスキル、アインクラッドの、21層から30層までの解禁だ。
つまり、あの森の家にまた行ける。
そう思っていると、またカルムと手を繋ぐ。
エギル曰く、アップデートがクリスマスイブだそうだ。
2025年 12月24日
私達は、大規模レイドパーティーを組み、迷宮区を高速でクリアしていく。
そして、21層を死守するボス〈The Lost Technology Golem〉に戦いを挑んでいた。
近接攻撃部隊は、中々近づけなかったけど、メイジ隊のおかげで近づけて、私達はそれぞれのソードスキルを叩き込む。
すると、アスナがいつの間にかワンドからレイピアに持ち替えて、特攻していた。
攻撃が当たるけど、硬直で動けないアスナにボスが攻撃しようとする。
すると、後方から、エクスプロード・アローと、ギリギリクリティカルフィニッシュが飛んできて、攻撃をブロックする。
シノン「アスナ!ミト!もう少しよ!」
チェイス「行け!」
キリト「アスナ!行くぞ!」
カルム「ミトも行くぞ!」
ユイ「殴り攻撃、来ます!」
カナ「一、今!」
キリトとカルムがソードスキルを放ち、腕を弾く。
「「スイッチ!」」
「「ハァァァァ!!」」
キリトとカルムと変わったアスナと私は、それぞれの最上位ソードスキルを放ち、ボスを撃破する。
後にクラインは、SAOの時よりも凄かったと語っている。
そして、キリトとアスナ、カルムと私は、それぞれのログハウスに向かうべく、羽を動かす。
そして、私達のログハウスが見つかった。
ミト「カルム!!」
カルム「ああ!」
カナ「久しぶりに見た……!」
パラド「アレがカルム達が住んでたログハウスかぁ!」
そっか。
パラドはALOで会ったから。
そして、ログハウスの前に着き、購入ボタンをカルムにカナ、パラドも手にかけ、一緒に購入した。
家の中に入った時には、感動のあまり、泣いてしまった。
そんな事を夢に見ていたからか。
リーファ「ああ!アスナさんにミトさんまで寝てますよ!」
ハヤト「ラットにリズも起きろ!」
ラット「寝てしまったか。」
リズベット「しっかし、何であの2人を見ていると、眠くなるのかしら?」
アスナ「じゃあ、一旦休憩しましょうか。」
そう言うとアスナは、とあるマグカップを取り出す。
それは、つい最近受けたクエストで手に入れた、《タップするだけで、九十九種類の味のお茶がランダムに湧き出す》魔法のマグカップだ。
リーファとハヤト、シリカとヒロミが外に出ていく。
そこからお茶を飲んでいると、リズベットが話し出す。
リズベット「そういやさ、アスナは知ってる?《ゼッケン》の話。」
アスナ「ゼッケン?運動会でもするの?」
ミト「違う違う。絶に剣って書いて絶剣。」
アスナ「新実装の武器?」
ラット「いや、通り名だ。キャラネームは知らんが、余りにも強すぎるからそんな二つ名がついたんだ。」
そんな事を話しているうちに、年末にという単語で、アスナが顔を顰める。
無理もない。
アスナは年末には結城家の本家の方に行っていたのだ。
アスナからその手の愚痴を聞いている私からしたら、とても不安になる。
須郷みたいな奴がお見合い相手になる可能性があるのだ。
そんな思いを抱きつつ、話は、絶剣に挑んだのかと聞いた話になる。
アスナ「ミトは、その絶剣に挑んだの?」
ミト「うん。挑んだけど、負けちゃった。」
アスナ「ミトを倒した……!?」
リーファ「私やハヤト君、リズさんも挑んだんですが、負けちゃいました。」
ハヤト「アレは強すぎるぜ。」
アスナ「そういえば、そこの暖炉で寝ているあの3人は?そんな話を聞くと、真っ先に挑みそうだけど。」
それを聞くと、私達は吹き出してしまう。
呆気に取られているアスナに対して、フィリアが口を開く。
フィリア「もうキリトもカルムもパラドも挑んだんですよ。それはもう格好良く負けましたよ。」
アスナ「え………?」
それを聞いて、アスナは呆然とした。
まあ、無理もない。
アスナ視点からキリトが負けたのを見たのは、あのヒースクリフだけだ。
アスナ「キリト君達は、本気だったの?」
ミト「まあ、普通のゲームとしては、本気だったと思う。」
アスナ「え?」
ミト「私、思うんだ。あの2人が本当の意味で本気になるのは、ゲームがゲームじゃなくなった時だけ。だから、これで良いんじゃないかなって。」
リズベット「確かに、巻き込まれ体質だしね、あの2人は。」
ラット「そうだな。これ以上、厄介事を持ち込まないでほしいが。」
その言葉に、アスナも頷いた。
そんなこんなで、時間の都合上、お開きになる。
すると、アスナがとある事を聞いてくる。
アスナ「ねえ、リズ、ミト。」
ミト「ん?」
リズベット「どうしたの?」
アスナ「さっき、絶剣はコンバートプレイヤーだって言ったけどさ、それだけ強いなら、SAOプレイヤーだったって言う線もあるんじゃないの?」
リズベット「それなんだけど。」
ミト「あの2人曰く、その可能性は、まずないだろうってさ。」
アスナ「何で?」
ミト「もし絶剣があの世界に居たら、二刀流やエボリューションキングは、俺たちじゃなく、絶剣に与えられていた筈だってさ。」
今回はここまでです。
ミトの家族に関しては、高い成績をキープしてるから、ゲームをやってて良いという対応を取っている事にします。
次回、アスナと絶剣………ユウキが戦います。
アリシゼーションでの、富加宮賢人モチーフのキャラの先輩のキャラは、刃唯阿がモチーフのキャラにする予定です。