もう1度貴方に……そして今度こそ……   作:タク-F

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2周目の彼女は彼と出会い……そして想いを実らせる方法を思案する。果てに見えたイメージとは……?


[潮田渚]観察日記と、未来の為の洗脳(アプローチ)計画

潮田 渚……私の初恋(ココロ)を奪った王子様(恩人)にして未来では恐らく最高の殺し屋(教師)になるのだろう。そして私が目的を果たす為にはしなければならない大きな事が幾つも存在していた。

 

「ふふっ♪ 渚……可愛いなぁ……っといけないいけない。ねぇ潮田君……その髪型を私が似合うようにしてあげようか?」

 

「ええっと君は……茅野カエデさん……だよね? でも……悪いよ……」

 

 やんわり遠慮するこの頃の渚はまさに小動物の挙動だった。()()()()()()()()()()()()だ。

 

「良いの良いの♪ なんだかお洒落が似合いそうな男子ってだけでも珍しいよ? というか私からお願いしたいんだよ? 私のコーディネートに身を任せてくれない? 絶対に損はさせないよ?」

 

「うぅ……でもぉ……」

 

 やっぱり……()()()()()()()何らかの呪縛に捕らわれてる。本当はその呪縛からいち早く解放してあげたい。でも……ソレは私の役割じゃない。だって私が好きになったのは……

 

「………………自分の意思で道を切り拓いた渚だから……ね? あはは……やっぱり……恥ずかしい?」

 

「うん。でも……そんな風に言ってくれたのも君が初めてだから……」

 

 渚の見せる戸惑い……やっぱり私は……その仕草でさえも私にとっては愛おしい。だからこそ私は……渚に心の底から惹かれているんだね。

 

「ならさ……まずはお試しをさせてもらえるかな? ソレを潮田君が気に入れば……」

 

「どうして僕にそこまでの想いを伝えてくれるかはわからないけど……どうしてかな? 茅野さんの言葉が……()()()()()ってのはわかるよ?」

 

「任せてよ潮田君! 絶対に後悔させないから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが……僕? 信じられないけど……でもコレは……」

 

 なんとか了承を得た私は嘗て自身が渚へと施した通りに髪型を変えてあげた。

 

「ね? 髪型1つ気にするだけでも人の印象って変わるでしょ?」

 

「うん。でも凄いね茅野さん……どこでこんな知識を?」

 

「その質問の答えは…………()()()()()()って感じた時に話すよ? だって私達はまだ初対面みたいなモノだからね? 潮田君と私が()()()()()()になれたその時は……。でもその変わりに私からのお願いを聞いてくれる?」

 

「お願い……? それって……?」

 

「うん。それは……」

 

 私は呼吸を整えて、そして勇気を振り絞って言葉に変えた。

 

「私は潮田君の事を[]って呼びたいし、私の事を[カエデ]って呼んで欲しいの。ダメ……かな?」

 

 私は渚に対して上目遣いをしてみた。すると渚は……

 

 

「えぇ…………っと……僕で……良いなら……よろしくね……カエデ……?」

 

 ドギマギしながらもなんとか渚は私の事を名前で呼んでくれた。名乗った名前が本名じゃないのは……私自身の選択を恨むしかないなぁ……。

 

「ありがとう渚。これからよろしくね?」

 

 私は渚の手を取ると堅い握手を交わした。コレこそが私と渚の2周目の出会いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 潮田渚…………愛しい愛しい私の惚れさせたい相手(殺し屋)で私の今度の目的。だけど今は初対面だと言うことを忘れてはいけない。好物はお寿司だった筈。得意な科目は英語だから……頃合いを見計らって勉強を教えて貰うのも有りかな? 

 

「それとも……私が渚を導くってのも良いのかな? …………………………………………………………………………そうだ! その手があった! 

 

 私の所持しているこの触手()()()まで隠して行くかはまだ未定だけど……私の為に渚を洗脳する(導く)なら全ての行動を……経験を用いれば! 

 

「見ててよ殺せんせー……義兄(シロ)……お姉ちゃん……私は今度こそ必ず夢を叶えて見せるから!」

 

 そうなると……渚へのアプローチを強くする為に適切な時期は最短の殺せんせー最初の脱皮(自爆暗殺)の日じゃなくて、鷹岡先生を仕留められた(才能を見せてくれた)日が距離感を見てくれる筈。功を焦ると損をするのはずっと殺せんせーに教えられてきたし、E組で1年かけて学んできた。だからまずは自爆暗殺をする渚に恐怖を覚えて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そうして接点が強くなる鷹岡先生の時に渚に告白をしよう。今度は自分を偽らずに……今度は渚との距離感を徹底的に埋める為に。

 




こうして渚君を洗脳する事を決めた逆行カエデは[仕込み]を始める。獲物がかかるまで彼女は耐える………のだろうか?

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