潮田 渚……私の
「ふふっ♪ 渚……可愛いなぁ……っといけないいけない。ねぇ潮田君……その髪型を私が似合うようにしてあげようか?」
「ええっと君は……茅野カエデさん……だよね? でも……悪いよ……」
やんわり遠慮するこの頃の渚はまさに小動物の挙動だった。
「良いの良いの♪ なんだかお洒落が似合いそうな男子ってだけでも珍しいよ? というか私からお願いしたいんだよ? 私のコーディネートに身を任せてくれない? 絶対に損はさせないよ?」
「うぅ……でもぉ……」
やっぱり……
「………………自分の意思で道を切り拓いた渚だから……ね? あはは……やっぱり……恥ずかしい?」
「うん。でも……そんな風に言ってくれたのも君が初めてだから……」
渚の見せる戸惑い……やっぱり私は……その仕草でさえも私にとっては愛おしい。だからこそ私は……渚に心の底から惹かれているんだね。
「ならさ……まずはお試しをさせてもらえるかな? ソレを潮田君が気に入れば……」
「どうして僕にそこまでの想いを伝えてくれるかはわからないけど……どうしてかな? 茅野さんの言葉が……
「任せてよ潮田君! 絶対に後悔させないから!」
「これが……僕? 信じられないけど……でもコレは……」
なんとか了承を得た私は嘗て自身が渚へと施した通りに髪型を変えてあげた。
「ね? 髪型1つ気にするだけでも人の印象って変わるでしょ?」
「うん。でも凄いね茅野さん……どこでこんな知識を?」
「その質問の答えは…………
「お願い……? それって……?」
「うん。それは……」
私は呼吸を整えて、そして勇気を振り絞って言葉に変えた。
「私は潮田君の事を[渚]って呼びたいし、私の事を[カエデ]って呼んで欲しいの。ダメ……かな?」
私は渚に対して上目遣いをしてみた。すると渚は……
「えぇ…………っと……僕で……良いなら……よろしくね……カエデ……?」
ドギマギしながらもなんとか渚は私の事を名前で呼んでくれた。名乗った名前が本名じゃないのは……私自身の選択を恨むしかないなぁ……。
「ありがとう渚。これからよろしくね?」
私は渚の手を取ると堅い握手を交わした。コレこそが私と渚の2周目の出会いだ。
潮田渚…………愛しい愛しい私の
「それとも……私が渚を導くってのも良いのかな? …………………………………………………………………………そうだ! その手があった! 」
私の所持しているこの触手を
「見ててよ殺せんせー……
そうなると……渚へのアプローチを強くする為に適切な時期は最短の
こうして渚君を洗脳する事を決めた逆行カエデは[仕込み]を始める。獲物がかかるまで彼女は耐える………のだろうか?
よろしければ感想お願いします!