もう1度貴方に……そして今度こそ……   作:タク-F

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昨年の秋に投稿してから3ヶ月近く更新してませんでしたが、時折高評価や感想が届いていたので驚きました!

ここまで期待されていて嬉しかったのでモチベーションがすごく保てたので投稿します!


微睡みと自爆

 それはとある昼下りに起こった出来事だった。

 

「ヌルフフフ……それでは短歌の小テストを……」

 

 そう言って殺せんせーは私達にお題を示して解答用紙を配り、私達は自分達の為にも考える。だけどただそれだけの時間さえもチャンスにするのがこの暗殺教室だ。

 

(ありがたいな……前(・)の(・)時(・)に(・)解(・)い(・)た(・)問(・)題(・)だから……)

 

 そうして生まれた僅かな……私だけが所持している武器による余裕のおかけで少しだけこの微睡みを享受していたその瞬間だった。

 

「薄い……ピンク色だ……。ねぇ殺せんせー……解答例とかあるの〜?」

 

「………………ふむ。おっといけませんよ茅野さん。こういう問題は自分で考えるモノなのですから……」

 

「はぁ〜い。まっ……期待してませんけどぉ〜〜」

 

 実際に期待している訳じゃない。そしてこのやり取りの間に……ほら……

 

「おや渚君……早いですねぇ。もう完成しましたか……」

 

 殺せんせーは今薄いピンク色の微睡みの時間だ。そして私が投げた質問(ではなく最早カンニングだけど……)への対応が僅かに遅れた。そして渚はそ(・)の(・)瞬(・)間(・)を(・)見(・)逃(・)さ(・)な(・)い(・)。だからこそ……

 

「ッ!」

 

 渚の首元には寺(・)坂(・)お(・)手(・)製(・)の(・)手(・)榴(・)弾(・)が下げられている。そして寺坂はリモコンへ手を伸ばしている。もちろん私は息をのみこむ。

 

「やっぱ堪えるなぁ……渚が今から傷つくってわかっちゃうと……」

 

「へへっ……死ねよタコ……」

 

 微睡む殺せんせーにナイフを振り上げる渚、一瞬反応が遅れるも冷静に対処する殺せんせー……そして初撃を防いだ後に襲い来る本命の……

 

ドガアァン! 

 

 轟音と盛大な煙をたてる手榴弾。そしてその中心部にいる2人への恐怖に教室が硬直した。次いで炸裂した対殺せんせー仕様のBB弾が黒板や壁、そして床を撃ち抜いていく。

 

「ぎゃあああ!! 」

 

「渚あぁぁ!! 」

 

 微睡みの時間が一瞬にして恐怖と下卑たる笑みに包まれた。もちろん私も声を出せない。まぁ私の場合は……

 

「耐えなきゃ……私の計画の為にも……ここは……演技しないと……」

 

答(・)え(・)を(・)識(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)か(・)ら(・)こ(・)そ(・)悟られ無いようにしないとね……? 

 

「ギャハハハ!! 見たかよこのターコ! それに渚もバカだよなぁ! 利用されるだけ利用されて自爆させられるんだからよぉ! 」

 

「言えてるわ〜!」

 

「だなぁ〜〜!!」

 

 吉田と村松も便乗して馬鹿笑いしてる。あぁ……許せないなぁ。渚を利用するのは私だけで良いのに。だから私は気配を消して寺坂の後ろへと回り込む。

 

「ねぇ寺坂……うるさいからその馬鹿笑いを今すぐ止めてくれない? 」

 

 手に持っているのは対せんせー用のナイフだからといって人間に実害はほぼない。そんなナイフを背後から寺坂の喉元へと突き立てる。だけど自分でも驚く程低い声を出せた。

 

「ッ!? 茅野ォ……テメェ……」

 

「は……はは……ビビらせたって無駄だろ……」

 

「だ……だよな〜〜」

 

 3人がそれぞれの反応を示す中で磯貝君がポツリと呟いた。

 

「おい……そう言えば殺せんせーは何処に……?」

 

「見ろよ磯貝! よく見ると渚が!」

 

 続いて前原君が渚に被せられた殺せんせーの脱皮した後の皮に気づいて全員の視線が教室を彷徨う。そして片岡さんが殺せんせーを発見した。

 

「みんな! 上だよ!」

 

「ッ!」

 

 クラスの全員がその言葉に釣られて天井を見る。そして殺せんせーの表情は見るまでもなく……

 

「真っ黒……完全に怒髪天だ……」

 

 自身の状態を把握した渚が呟いた言葉を銃爪にクラス全員が凍りついた。

 

「寺坂……村松……吉田……首謀者はお前らだな……? 」

 

 その言葉の後に殺せんせーは私達の眼の前から一瞬にして姿を消す。もちろん私はその行き先を識っている。

 

「あのタコ……何処へ……ッ!」

 

 数分と経たずに戻って来た殺せんせーは私達の家の表札を抱えていた。まぁこの後の殺せんせーの言葉は私達に正しい恐怖を教えてくれた。だけど私は殺せんせーの言葉を聞き入る間も寺坂の喉元にナイフを突きつけているわけで……

 

「茅野……そろそろ離せや。あのタコも渚も何も無かった。それで良いじゃねぇか……」

 

「………………良いよ。でもその耳障りな馬鹿笑いは反吐が出るほど嫌いだから目の前でされると次があるかもね?」

 

「ハッ! テメェみてぇなちんちくりんに不意打ちを決められるのは1度目だけだ。もうこんな偶然は起きねぇよ……」

 

 私は素直に寺坂からナイフを離すと予想通りに悪態をつかれた。まぁわかっていた話ではあるけど……今(・)日(・)の(・)本(・)命(・)は(・)渚(・)な(・)の(・)だ(・)か(・)ら(・)

 

「大丈夫……渚? あんな爆薬を持たされてケガとか……恐怖とか……無かったの……?」

 

「う……うん。殺せんせーの皮のおかげでどうやら無傷みたいだから僕は平気だよカエデ。ありがとうね……心配してくれて……」

 

「気にしないでよ。でも……うん。私……ど(・)う(・)や(・)ら(・)渚(・)を(・)放(・)っ(・)て(・)お(・)け(・)な(・)い(・)み(・)た(・)い(・)……なのかな……? こんなに危なっかしい人間は目が離せないからね……」

 

「おぉ!? 何だよ渚〜お前もう茅野と下の名前で呼び合ってるのか? お前も隅におけねぇなぁ〜〜」

 

「ちっ……違うよ前原君! カ(・)エ(・)デ(・)が(・)優(・)し(・)い(・)から僕を名前で呼んでくれるだけだよ〜〜」

 

 半ば照れてる渚だけど……悲しいなぁ。

 

「カエデが優しいから……か。それが今の渚が私に感じてる距離……ね。業よりも遠いって言われるの……案外堪えるなぁ……」

 

 目的を達すると同時に感じるターゲット(潮田渚)と茅野カエデ(私)との距離が虚しくて……悲しい。だけど不思議と頑張ろうと思えるのは……私の渚に対する愛を証明する要素だから。

 

『貴女は……その愛が報われ無いとしても頑張れるの? その愛が消えたら何も貴女には残らないのに……? 』

 

「報(・)わ(・)れ(・)な(・)い(・)……か。そうなると思うとたしかに苦しいよ? でもね……茅(・)野(・)カ(・)エ(・)デ(・)な(・)ら(・)諦(・)め(・)ら(・)れ(・)る(・)事(・)だとしても雪村あかりは諦めないよ? 例えどんな未来が待ち受けようとも自分の精神(ココロ)に嘘をつくのは……もう嫌だから。一歩を踏み出せずに後悔する私は……もういないよ?」

 

「………………どうしたのカエデ? 1人言なんて……?」

 

「大丈夫だよ渚! ていうか渚にその心配をされたくは無いなぁ〜〜雰囲気だけならよっぽど渚の方が不気味なんだからぁ〜〜」

 

 そう言って私は渚の背を叩く。うん……渚(・)は(・)私(・)の(・)タ(・)ー(・)ゲ(・)ッ(・)ト(・)なんだから誰にも渡さない。だから私は…………渚の唇を奪った。

 

「か…………かかかか……カエデ!? 」

 

「ウオオォォォ!? 」

 

「誤解は訂正しておくよ渚……私(・)の(・)言(・)葉(・)は(・)冗(・)談(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)からね?」

 

 渚が殺せんせーに不意打ち対処と動揺をさせたこの日……私は計画を少しだけ前倒す事にした。だってしばらく後とはいえ……イリーナ・イェラビッチ(ビッチ先生)が渚のファーストキスを奪う事を思い出したんだから……ね?

 

 




カエデの不意打ちキスが早すぎる?

自爆攻撃を見せつけられた事や触手に唆された要素で今回我慢できなくなってしまいました。コレがクラスでどう見られていたのかは……次回以降に解説します!

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