暗殺教室〜彼と死神〜   作:らふ

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久々の投稿ですっ。ほかタイトルもこれから始めますので、気長にお待ちください。あと、必ず設定を見てから読むように……


では、すたーと


act.1

この世界には業界の者なら誰でも知る暗殺者がいる。彼は全てにおいて秀でて、完璧と謳われる才人。

 

笑顔は優しく、言葉使いは丁寧で、とても殺し屋とは思えない。が、力が強いものは知識で殺し、頭が良い者は力と技で殺し、両方とも強い者は人間的魅力で闇に葬る。

 

1000人を殺す頃には彼『死神』と呼ばれるようになった。

 

しかし、死神のような完璧超人でも殺せない人間がいた。正確に言えば殺す事を諦めた人間だが、兎に角、1件の暗殺依頼だけ成功しなかった。

 

今まで殺せなかった暗殺依頼は0だった彼は物珍しさからか、『彼』に近ずいた。

 

『彼』は持ち前の能力からか周りに人が寄って来なかったらしい。来るとすれば妬み嫉妬等の感情に身を任せた敵のみ。『彼』にとっての人間は彼の持つ肩書き欲しさに集まった下衆な集団という認識だった。そんな『彼』と死神は最初は衝突こそあったもののすぐに仲良くなった。

 

だが、彼らの接触は2年前に途切れている。いや、2人ともの消息をも途切れている。

 

とある監視カメラに『彼』が写りこんだとの情報が1年前に開示された。

 

場所は一ーー椚ヶ丘中学校

これは、『死神』と呼ばれる1人の暗殺者と、『彼』の交差する時、始まる物語である。

 

****

 

set1 彼女

color.White

 

AM 8:00

 

小鳥の囀りが耳に入り、漸く朝が来たのだと知った。目が開き、見たくもない現実を見た。ボロボロになった部屋の壁には大きくスプレーで着色され、テレビやタンスなどの家具等の破片が部屋に飛び散らかって廃虚のような部屋になっていた。

 

しかし、いつもの事なので、動じない。

 

このままシャツ1枚で外に出るのは寒いから上着を羽織り寝室からキッチンの方へと向かう。

 

見たところ取り敢えず冷蔵庫は生きているから、昨日のうちに作って置いた弁当箱をとり少しレンジで温めてから鞄に詰めた。

 

今日は1ヶ月の停学明け。

 

俺のクラスは3年E組だ。

 

 

 

 

 

俺は部屋の中にいる数匹の害虫にトドメを刺しゴミ捨て場に棄ててから学校へ向かった。

 

「よし。今日からが楽しみだな」

 

俺の白髪が風に靡いて鋭利な刃が姿を見せた。

 

今から学校へ行けば完全に遅刻だが、その時は殺せばいいよね。

 

***

 

color.Black

 

今日は停学明けの生徒が来ると聞いた。名前は比企谷八幡。性別は男。E組へ転入理由は素行不良。

 

どんな生徒か楽しみだ。

 

転入理由からして赤羽君のような生徒かもしれないから用心しておこう。もし赤羽君のような生徒だった時は先生としてしっかりと手入れしよう。

 

然し、彼は何者なのだろうか。2年以前のデータが全くない。それに加え成績は全て平均点ピッタリで、担任からの評価も普通で、自然過ぎて、逆に不自然だ。

 

聞くところに寄ると雪ノ下という生徒に傷を負わせた事が原因でE組へ転入したらしい。

 

「殺せんせー、今日来る生徒について何か知ってることないんですか?」

 

磯貝君が先生の様子に気になったのか尋ねた。

 

「すいません。先生も何も聞かされてなくて…」

 

「………」ニュルニュル

 

「こ、殺せんせー?名前はなんて言うんですか?」

 

潮田君が気になったのかおずおずと尋ねる。比企谷君の教科担任である平塚先生によると捻くれた性格と問題のある人格により奉仕部という部活に入れられたらしい。

 

魚をとるのではなくとり方を教え自立を促す……

 

数秒程潮田君への反応が遅れた。

 

「にゅや?!おっとすみません。比企谷八幡君です。誰か何か知っていますか?」ニュルニュル

 

「「「………」」」ニュルニュル

 

「「「先生がソワソワしてる?!」」」

 

「ソワソワしてませんっ!ニュルニュルしてるのですっ!」

 

全く。私の生徒達は元気だな。先生がちょっとニュルニュルしたくらいで。

 

「そんなに楽しみなのかねぇ。新しい生徒に会うのが」

 

とカルマくん。

 

「でも私達、その比企谷君?について何も知らないよね」

 

「比企谷…………あっ!多分僕知ってるよ」

 

潮田君は何か知ってるようです。彼の資料から『中学校生活を振り返って』という作文が出てきたので読んでみたのですが、彼は国語力があるようですね。内容は兎も角、文が凄く綺麗だ。

 

「確か文化祭で何かやらかしちゃったみたいで、悪い噂が絶えないんだけど……」

 

文化祭では、揉め事を起こした様です。然し、平塚先生からの評価は、悪くない。備考欄に『彼は傷つき慣れているせいか、自分の事を無碍に扱う癖がついています。然し、彼の人となりは周囲がしている評価より随分高いと見ています。学校としては悪評によりE組転入も考えられますが、彼の成長を期待し保留に』と書かれている。

 

「去年、僕がいじめられているところを助けてくれた人なんだ。髪が白くて、ちょっとかっこ良かったかも…」

 

「へぇー、渚もしかして惚れちゃったとか?!」

 

「な、中村さんっ!僕男だよっ?!」

 

「男女間の友情なんてないっ。」

 

「だから男の子だって!!」

 

なんでしょう。むずむずしますねぇ……彼の悪い所も書いてあるのですが、平塚先生に拠れば随分好評だ。然し、最後の資料には……

 

『雪ノ下雪乃への傷害事件により、E組転入とする。付随し第一責任者である平塚静の評価を下げることとする。』

 

ふむ………恐らく文化祭後の資料が抜け落ちている。文化祭以前の最初の依頼から千葉村での出来事までの詳細があるのに文化祭後、9月からの記録がない。

 

去年の9月から今年の3月までの彼に何が……そして、本当に雪ノ下という生徒へ何かしたのか…….

 

謎深い生徒ですねぇ

 

「殺せんせーっ!!!!」

 

「ぶわっ!?な、なんですか潮田君」

 

「先生今日はどうしたの?鳩が豆鉄砲っ言うか、友達に嫁を奪われたみたいな顔してるよ?」

 

「にゅなっ、どんな顔ですか!」

 

「いや、そのまんまだけど……あっ、HR始まるよ」

 

「で、では、始めてください。」

 

彼の事は登校してから考えよう。

 

 

1番後ろの窓から風が差し込んだ。春風のような生暖かく憂いのあるような風じゃない。

 

暴風が差し込んだ。

 

「うわぁあっ」

 

後ろの席の、菅谷君が驚いて叫んだ。何もただの風に対して、そんな…と思ったのはつかの間。

 

いや。思う頃には多分。

 

私は1粒の涙を流していた。

 

side out

 

 

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遅刻寸前だったので、全速力で学校に向かった。何分山だったので面倒だから"空"を渡って学校に行った。

 

風を反射し、風を纏わせ、空高く飛翔して。時には屋根を飛び跳ねて、気配を消して。

 

学校につけば、俺のフルぼっちコースが堪能できると思ったのだが………

 

(めっちゃ注目されてんですけど……)

 

「え、えと、比企谷……くん?」

 

俺の前に座っている眼鏡少女が呟いた。額には汗を、目には戸惑いを写して。

 

「な、何?この沈黙。あ、机を倒しちゃったから怒ってるんだな。なら、さっさとそういえばいいものを」

 

よいしょと、声を出して机を直した。早くこの沈黙を何とかしたい。

 

「「「(そっちじゃないっ!!)」」」

 

「え、えっと、頭に葉っぱついてるよ」

 

「「「(そっちでもないっ!)」」」

 

俺が反応してないにも関わらず俺の頭から葉っぱをとってくれた。優しい奴だな。

 

まぁ、厳密には"ついて"ないけど。

 

 

「あ、俺は今日からE組に転入した比企谷八幡です。なんの取り柄もない普通系ぼっちです。よろしくしないでください」

 

「「「(流れるように自己紹介したっ?!空から飛んで来たのはスルーっ?)」」」

 

「比企谷くん、私が担任の先生です。殺せんせーとでもお呼びください」

 

「へぇ、あんたが……楽しい学校生活になる事を祈ってるよ」

 

「ヌフフフフ。それは私のセリフですよ。さぁ、席に座ってください。ホームルームを始めますよ。比企谷さんの席は赤羽くんの隣です」

 

赤羽……は多分この赤髪の生徒だろう。確か去年はA組の生徒だったはずだ。やんちゃしたな

 

「へーい」

 

「ねぇねぇ、もう空から来たのはどうでもいいからさ、さっきの自己紹介を説明してよ。俺はよろしくしたいんだけど」

 

「へっ?俺の様なぼっちと?物好きだな」

 

赤髪は何故か俺に興味があるらしい。変わったもんだな。この学校に来た時は不良どもとしか関わらないと思っていたのだが……雪ノ下等といい珍しい…

 

「ぼっち、ぼっちって言ってるけどさ、口癖?俺は君に興味津々というか……クラス全員が興味あると思うんだけど」

 

「ふーんそうなの?取り敢えず眠いから寝るね?」

 

「えっ?」

 

空飛んで疲れたからか眠気が襲ってきたのだ。眠気には勝てんっおやすみなさいっ。

 

その後、周りがギャーギャーうるさかったので音を"反射"した。

 

side out

**

 

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危なかった。 最初に出てきた言葉はそれだ。生徒の興味が比企谷くんに集中していたからか私が涙を流していたことには誰も気づかなかった。

 

多分彼以外は誰も。

 

久しぶりに会った彼の印象は悪くなかった。然し、彼自身は気づいてない、目が少し濁っていることに。

 

それが気がかりだが、自分から関わりに行こうとしない彼の性格や、自らを卑下する性格等は変わっていないかった。

 

然し、私の知っている当時の"名前"と年齢は変わった。当たり前だ。

 

「さて、比企谷くんについては私が答えましょう。なんでも質問してください!先生なんでも答えちゃいますよっ」

 

「いや、あんた何も知らないって言ってたじゃん」

 

杉野君がなんだか呆れたように此方に向いた。

 

「せ、先生!質問がありますっ!」

 

「はい矢田さん。どうぞ」

 

素早く職員室に向かいマイクを含む音響設備をもって、教室に設置した。

 

「え?マイクっ?え、えと……比企谷くんは何故空から飛んで来たのですか?」

 

皆さんはずっとそれが気がかりだったようですね……甘いですねぇ。

 

「いい質問です。彼は私同様の国家機密。それも最重要中の最重要トップシークレット。

 

彼は、科学都市である、学園都市第1位『一方通行』と呼ばれる能力者だからです」

 

「………?」

 

反応が薄いようですね。確かに私よりはインパクトが低いでしょう。ヌルフフフフフ、比企谷君はキャラが薄いですからねぇ……

 

「「「はぁあああああぁああ??」」」

 

あれ?思いの外驚いている?

 

「学園都市ってあの」

 

「俺らの住んでいるとこよりも」

 

「科学が数十年進んでるって言う」

 

「学園都市ぃぃい??!」

 

ヌル……何故セリフが被らないのでしょうか。先生不思議でなりません。生徒は皆彼の方に目を向けます。ぐっすりと眠っている彼へ。

 

「そんなに驚く程のことでしょうか。先生だって科学の産物です。あっ……今のは忘れてください」

 

口を滑らせたもののカルマくん以外は此方に向きません。せ、生徒の興味がっ!

 

「ねぇー殺せんせー今なんて言ったー?ねぇねぇー」

 

「カルマくん煩いですよ。それと、質問は終わりですか?」

 

「はいはーい。その、学園都市第1位?の一方通行って、彼のことなんだよね?何の超能力が使えるんですか?」

 

「ええと……私もじつは……詳しくは知らなくて…で、でも、彼の能力の全てに共通するのは"反射"です。

 

例えば、私達が話してる声などの"音"

例えば、私達が常に触っている"空気"

例えば、ナイフ、銃等の全てに分類される物質。

 

それら全ては彼が触ると同時に反射します。彼は設定していると言ってい……なんでもないです」

 

「じゃあ僕が比企谷君に触ったらどうなるの?」

 

「彼が反射するように設定していた場合吹き飛びます」

 

「えっ?ちなみに…何が?」

 

「貴方がです。体が1m以上か、強い場合はもっと、吹き飛びます」

 

「「「ひっ」」」

 

その言葉を聞いてか、怯えたように比企谷君の方をみている。悪戯でもしようと思っていたのだろうか。中村さんなんかはちぇーと呟き頬ずえをついた。

 

「彼は悪意ない人間に害を与えるような生徒ではありません。心配する必要はありませんよ」

 

「でもさー殺せんせー、なんでそんなに比企谷君に着いて詳しいのー?比企谷君が来る前は知らない素振りだったよねぇ?」

 

カルマくんは相変わらずの鋭さですねぇ。然し、答える義理はありません。私を殺せば自ずと答えは出るのですから

 

「ヌルフフフフフフ。それは私を殺せば分かることですよ」

 

「それって…」

 

渚くんの言葉を遮り教室のドアが開いて烏丸先生が教室に入る。

 

「比企谷君は………来ているようだね。連絡がなかったので何処にいるか探していたのだが。皆既に知っている様だが、紹介する。あのふてぶてしくもいびきをかいてぐっすりと眠っているのが比企谷八幡君だ。仲良くするように」

 

何か苛立っている??のか烏丸先生はそれだけを説明して満足したのか教室を出ていった。

 

「こ、殺せんせー!」

 

渚君が冷や汗をかいている。健康に悪いですねぇ……

 

「なんですか?」

 

「取り敢えず授業を始めましょう」

 

「はい」

 

生徒達はまだ聞きたいことも多いようだが授業を勧めた。若干疲れているように見えたのは気の所為だろう。

 

side out

***

 

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昼休み

 

「お昼ですねぇ、比企谷君…はっ!?」

 

ん?殺せんせーが何か言っていたようだが知らん。お昼の購買は戦争なのだ。

 

ここから購買部に行くと約5分掛かる。それまでにカツサンドと焼きそばパンが手に入るかどうか……くっ。それは難しいな。

 

なんせ 人気商品第1位であるカツサンド、焼きそばパンは真っ先に売れる商品だ。

 

「比企谷君〜!!空は飛ばなーーーい!!めーっ!!」

 

「五月蝿い先生ですね。誰が相手だろうとカツサンドと焼きそばパンは譲りませんよ。かにぱんでも食ってろ三下」

 

先生がマッハ20で追いかけてくる。流石に俺でもマッハ20は出せない。それに、何度か地面に足をつけなければならないので先生より移動距離が長い。

 

「ニュにゃ?!それが先生に対する口調ですかっ?いいもんねー先生はフランスに言ってフォアグラでも買ってきますから」

 

「ちっ、これだから超生物は。」

 

せこい奴だ。てゆかフォアグラとか1丁前に高級品を買うなよ。絶対食わないだろ。

 

「ヌルフフフフ……なんならマッ缶でも買ってきましょうか?」

 

「…………狙いはなんだ?」

 

マッ缶を奢ってくれる奴は必ず何か狙いがある。校舎裏に連れ出してリンチしかり、荷物持ち然り、暗部の依頼然り。

 

「購買人気ランキング2位!無駄に豪華なメロンパン!マッ缶味をお頼みします!」

 

「………2個」

 

「いいえ5個ですっ!」

 

「3個」

 

「いいえ5個ですっ」

 

「……はぁ……4個。これ以上は譲れん」

 

「分かりました。私はマッ缶を6本買ってきますね」

 

分かってるじゃねぇか。マッ缶味のメロンパン片手にマッ缶を啜る……考えるだけで舌が蕩けそうだ。

 

「んっ?……何故俺がマッ缶を頼むと知ってんだ?」

 

「………内3本は私が飲みますよ?」

 

「あぁ?!」

 

苛立ったのかナイフが飛んだようだ。俺も手癖が悪いな。

 

「ひぇっ?ふふっ、スピードでは私が勝っているのです。さらば」

 

俺に合わせていたのか、持ち前の超スピードで別方向へ曲がった。

 

「くっ……まぁいい」

 

さぁ、さっさと戦争を切り抜けよう。

 

 

15分後

 

「はぁ………今日の戦利品はカツサンド4、焼きそばパン2、普通すぎるメロンパン2、無駄に豪華すぎるメロンパンマッ缶味9、あんぱん3、チョココロネ5、無駄に甘いたまごサンド6、無駄に可愛い兎パン1、マッ缶2本に抹茶ソーダ1本。カシスオレンジが3本だな。……すくねぇ」

 

「「「(あれだけの量あってすくないのっ??)」」」

 

教室内の雰囲気がちょっと可笑しいが熟練のぼっちたる俺はそのような些事は気にしない。

 

「フフフ、買ってきてくれましたね。はい、お約束のマッ缶です。」

 

「これでいいんだな。つかそんなに食べんのかよ、太るぞ?」

 

「「「(お前が言うな!!)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

side Karasma

 

先週

 

「こ、ここが学生の住む場所なのか?」

 

私が夢でも見ているのだろうか……目の前には廃墟のように荒れ果てた部屋が見える。壁一面に描かれたペイント、コンクリートの砕け骨組が顕になった壁。ボロボロになった家具。ドアの意味を為していないボコボコに凹んだドア。

 

部屋を間違えたか

 

「あんた誰だ?」

 

「っ……」

 

背後を取られた。不味い。俺とした事が不覚だ。刺客か?だとしたら……

 

「あぁ、勘違いしないでくれよ。俺はあんたの事なんて何とも思っちゃいねぇ。出会って5秒で虐殺だ。」

 

「だとしたら、今殺らなかったのは失敗だったなっ!!」

 

背後にいる奴の腕をとり背負い投げをと考えたが、失敗した。

 

「っ?」

 

「遅せぇよ。てめぇの行動1つに時間をかけすぎだ。これだから3流はあメェんだよ。見た所その制服は防衛省の物だな。何が目的だ?吐け」

 

気づいた頃にはドレス姿になっていた。?何を言ってるんだ俺は??

 

「ぐっ…そう簡単にっ!?」

 

またも背後に移動した奴を殴る。が、躱された上にネイルをつけられた。

 

速い。速すぎる。『奴』と同レベルの素早さだ。いや、俺でも見える位の速さだ。『奴』には劣る。だから視界の先の先を読めばっ!

 

「ぐあっ?!」

 

「はーい。今日はこれで過ごしてくださいねー。ぷっくくっ」

 

何をされた?顔に何か感触がある。

 

「で、早く話せよ。これ以上人間として何か失う前になっ…くくっ」

 

「わ、わかった。話す。俺は今日比企谷八幡という生徒に用があってここに来たんだ。だが、どうやら住所を間違えたようだ。だから…」

 

「え?比企谷は俺ですけど?」

 

「は?」

 

言っては悪いが、ごみ溜めのようなこの部屋に誰かが住んでるとは思えない。

 

俺はやっとの思いで振り向いて彼の顔を見た。白髪の髪が揺れ、紅く腐った瞳が俺の姿を映す。

 

「何か用です?まさか、暗部の…」

 

「っ、こほん。君には依頼があって来たんだ。私は君の敵ではない」

 

反応が遅れた。隠す必要もないだろう。俺は多分、彼に見惚れていた。男であるにも関わらずだ。どうかしてる。

 

「最初にそれを言えっての」

 

彼はその言葉に安心したようで、部屋に入るよう勧めた。

 

 

俺はこの時既に彼を人間として見る事を諦めていたのだろう。

 

 

 

 

 

 

3時間後

 

「で、俺はこのタコを殺せばいいんだな」

 

「……………その前に、俺はもう食べんぞ。何だこの量の菓子はっ!?」

 

彼に振る舞われた大量の洋菓子や、自前で作ったという和菓子に押し倒されていた。

 

や、やめてくれ。もう食えな……い

 

「馬鹿言うなよ。勘違いして敵だと認識した俺のミスだ。さっさと食ってくれよ」

 

こいつ、悪気はないんだよな??目視できるだけでもテーブルにはあと20はあるぞ。

 

「持ち帰って食べるのは……」

 

「だーめ」

 

「……………」

 

この時既に、彼を人間だと思う事は諦めていた(2度目)

 

因みにこの後防衛省に向かったのだが、社員数名に笑われ、顔に「私は負け犬です」と落書きされていたことを知った。

 

……………殺意を抱いたのは2回目だ。

 

 

 

 

 

 

 

╋説明

 

学園都市 ーー「とある魔術の禁書目録」の舞台である科学都市。科学技術が数十年程進んでいる。主な科学技術である能力開発は学園都市内の能力者を産出している。能力者のレベルは0~5に別けられており『一方通行』は学園都市内でも7人しかいないレベル5。謎に暗部が深く今作でもちょろっと出てくる可能性あり。

原作禁書目録のアクセラレータと今作のアクセラレータは同一人物では無い。原作の不良口調からは大分穏和されている。

 

『一方通行』ーー学園都市内レベル5。学園都市第1位。主な能力はベクトル操作。

 

購買人気ランキング(完全に蛇足)

 

1位カツサンド 焼きそばパン

 

2位無駄に豪華すぎるメロンパンマッ缶味

 

3位チョココロネ

 

無駄に豪華すぎるメロンパン、マッ缶味ーーとある生徒にぼこ………脅迫されて購買の事務員が無理矢理作らされた一品。トッピングにいちご、キウイ、パイン等のフルーツとチョコを乗せて更にその上に生クリームを載せてあり、更にその上にカスタードを載せた超高カロリーパン。だが、日々を勉強におわれた生徒達にとってその甘さは寧ろ天国。マッ缶味の他に幾つか味があるらしい。気になるお値段は600円。実際に食べてみると普通に美味い。

 

無駄にーーー購買部では皮肉に「無駄に」をよく使用するらしい。それが、誰に向けた皮肉なのか1部の関係者のみに知られた学園の闇である。

普通すぎるメロンパンーー普通すぎて逆に人気がない。かにぱんに並び人気ランキング最下位のパン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




では、また来週〜
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