暗殺教室〜彼と死神〜 作:らふ
set2ー2
「きっと私を応援してくれてるんです。国語なんてわからなくても私の長所を伸ばせばいいって」
すると先生が来たようで教室のドアがガラリと開いた。
「先生これ」
「流石です……では早速いただきます」
躊躇いもせず飲みやがったな……絶対毒じゃないだろ。
「………ヌルフフフフありがとう奥田さん。君の薬のおかげで先生は新たなステージへ進めそうです」
「えっ……それってどういう……」
「グオオオオオオオオオオオオ」
ふにゅ~
溶けたな。つか、同じようなモンスターを某有名ゲーで見たことあるんだが…
「君に作って貰ったのはね先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです」
「液状故にどんなすき間にも入り込むことが可能に!!」
「しかもスピードはそのままに!!さぁ、やってみなさい」
「ちょっ無理無理、床とか天井に潜りこまれちゃ狙いようないって!!」
「なんだこのはぐれ先生!!」
「ん……うるさいっ!!」
「ひ、比企谷?」
教室内に先生の触手……?体液?が飛び散る。ちょっとムカついたので回復には時間が掛かるくらいを目処に殺せんせーを切った。
「や、やりますねぇ比企谷君。触れた風を反射させて加速させかまいたちを発生……皆さんも彼を見習いましょう」
「「「(できるかっ!)」」」
「それよりっ、騙したんですか殺せんせー?!」
「奥田さん。暗殺には人を騙す国語力も必要ですよ。どんなに優れた毒を作れても今回のように馬鹿正直に渡したのではターゲットに利用されて終わりです。渚君君が先生に毒を盛るならどうしますか?」
「……うーん。先生の好きな甘いジュースで毒を割って、特性手作りジュースと言って渡す……とかかな」
「そうに人を騙すには相手の気持ちを知る必要がある。言葉を工夫する必要がある。上手な毒の盛り方それに国語力が必要なのです。君の理科の才能は将来皆の役に立てます。それを多くの人に分かりやすく伝える為に毒を渡す国語力も鍛えてください」
「は……はいっ」
やっぱ、殺せんせーはいい先生だな。それがしれただけでも良かったかもしれない。殺せんせーのように…死ぬ事がない先生は安心して授業を受けられる。
「…………」ジー
誰かに見られているのは多分気の所為だろう。殺意もないし気にすることもない。取り敢えず反射はレベル1にしておこう。
***
COLOR.pail ピンク
教室に課題を忘れたのを思い出して、誰もいない教室に忘れ物を取りに戻った。
私は今ありえない光景を目の前に据えている。今この瞬間も夢の世界にいるのではないかと考えている位だ。
床に転がる数本の触手。驚いている殺せんせーの顔。そして、物怖じせずニタリと笑う比企谷君。
その全ては、1つの事を集約させる為のお膳立てに過ぎなかった。
「ひ、比企谷君………な…にそれ…」
呟いた言葉は喉元で遊ばせるに過ぎなくて、比企谷君達には届かなかった。
隠れる必要もないのに教室のドアに張り付いて偲ぶように見る。
「ひ、比企谷君……だからすみませんとあれ程……」
「ふっ…黙れよ。てめぇは自分の玉ぁ取られて平然と生きていけるのか?」
「玉とは……表現が悪い。源泉でいいでしょう?」
話しながらも目に見えない無限の攻防が続いている。先生の触手が1本落ちて、また1本落ち、そうする頃には先生の触手も回復してを繰り返していた。心無し先生の表情が悪い。
何より………比企谷君に羽が生えている。うん。これは夢だな。天使の輪っかまでみえるよ……
私は試しに頬を抓ってみる。痛っ……つい思い切り抓ったのか頬に鋭い痛みが走る。取り敢えず夢では無いようだ。比企谷君についてはもう普通の人間だと思うことはやめよう。普通の人間は背中に羽なんて生えない。
それにしても、 喧嘩だよねこれ。
「言い方なんざどうでもいいんだよ。問題はてめぇがアレを無断で取った事だ!!」
「にゅや?!だから、何度も謝ったじゃないですかっ!」
「謝罪なんざァ要らねぇ。俺が欲しいのは………マッ缶だあぁああぁああぁあ!!!」
「ふにゃああああぁあ!!ごめんなさいぁああいー!!!もう今月はお金ないんですー!!!」
「までごらぁあああ!!」
すると、気づいた頃には2人は跡形もなく消えていた。マッ缶??
何はともあれ比企谷君のことを少し知れた。マッ缶が好物らしい。取られるとガチギレするぐらいには。
……………早く忘れ物を持って帰ろう。ちょっと頭痛がしてきたんだよね。
この時私は重要な事を見落としていた。比企谷君の背中に羽が生えていたことよりもっと重要な事を。
╋説明
比企谷八幡プロフィールメモ1
甘い物とマッ缶が好物。(職員室の冷蔵庫にマッ缶を1ダースを収めており、冷蔵庫の傍にも5ダース程予備がある。)1つでもマッ缶がなくなっていればガチギレする。最近の悩みはamazonで頼んだマッ缶が届くのが遅い事。
趣味1ーーお菓子作り。世話になった人には際限なくお菓子を詰め込み(無理矢理)これ迄幾千もの人間達を甘党(無理矢理)にしてきた。購買部のおばちゃんはその犠牲者の1人でもある。
仕事ー不明。彼曰く『金は湯水の如く湧いてくる』らしい。収入源は不明。ただ1つ分かることと言えば彼の自宅付近のゴミ捨て場には毎度の如く数名の不良が棄てられている事くらいだ。大の掃除好きらしい。
好きな言葉ーー「普通」「ぼっち」「甘党は皆兄弟」