暗殺教室〜彼と死神〜   作:らふ

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Act .4

set3 忘れたくて

color.light Gray

 

頭がふわふわしてて、気持ちいい。

辺りには、一面の花が咲いていて。

緊張の糸が切れたように、寝転んだ。その拍子に、花弁がふわっと舞い上がって、そのまま花のベットで、優しい陽を浴びる。

 

ここは、何処だろう。自分は、誰だろう。なにも、分からないけど、ずっとここに居たいと思った。

 

風が、伝えてる。誰かここに近づいてるって。寝転んだままで、誰が来たのか知りたくて、顔をあげる。

 

「………また、君か。こんなとこで一体なにを?」

 

綺麗な黒い髪。呟く声は柔らかくて、見せる仕草は、懐かしい。

 

誰だろう。知ってる人?

 

「大方、学校でも休んだんでしょう。いつものことです。べつに注意はしませんよ?」

 

胸の奥で何かが騒いでる。ふつふつと湧いてくる感情が抑え切れない。あったかくて、なんだか切ない気持ち。

 

気づくと、彼に抱きついていた。

「どうしたのですか?」

 

言葉が出ない。出てくるのは僅かな嗚咽だけで、言葉が出せない。

 

「ちゃんと、言葉にしなきゃ分かりませんよ?」

 

嫌われた?でも、彼に何を言えばいいんだろう。そもそも、彼は誰だ?私は、彼の"何"なんだ?

 

「では、私はもう行きます。」

 

「ま、……ま…って」

 

ここで彼を行かせてしまったらだめ。いるはずもない、もう一人の自分がそう言っている気がした。

 

「君、……泣いているのですか?」

 

「え?」

 

目頭が熱くて、視界が潤んでいた。そこで、自分が泣いてるんだと気づく。

 

そこで夢は終わった。

 

遠い昔の忘れてはいけない夢。けれど、夢が終わると徐々に薄れていって、"俺"は手を伸ばしていた。

 

「…………比企谷くん。授業が始まりますよ」

 

せ……ん…せい?あなた、ほんとに、先生ですか?

 

「あの、一つ聞いていいですか?」

 

質問していた。まるで穴埋め問題の当てはめのような。

 

「どうぞ」

 

先生のいつも笑った顔がちょっと鈍ってる。何が先生をそうさせるのか、知りたい。

 

「先生は俺達を手放したりしませんよね?」

 

聴けなかった。貴方は、本当は誰かなんて。きっと、聞いても答えてくれないから。

 

殺せんせーはいつも通りの笑みで言った。そうだ。俺は、多分これが見たかった。

 

「はい!勿論です」

 

胸を占める安堵の心で覆われながら、それだけ聞くと教室へと戻った。

 

きっと俺には殺せない。未だに夢の続きを瞼の裏で追っている、自分自身がそう言っている。

 

あれは、夢も、希望も、未来すらなかった頃の。まだ、名前を持たない昔の夢だ。

 

 

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