暗殺教室〜彼と純情少女〜   作:らふ

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では、のんびりと進めていきまーす。とりあえず1学期。ではすたーと。


Act.1

中学の最後。私は、恋に落ちた。

 

一目惚れ。少女漫画みたいな恋がしたいなって思ってた、まだ幼かった頃。彼をみて唐突に胸の高鳴りを感じたんだ。

 

そして、枯葉が辺りに散らばって、淡い雪解けを感じる日。彼と話した、最後の日。私は彼を手放してしまった。

 

永遠に、続くと思ってた。彼と笑って過ごす日々。あの日、あなたは何を考えていたの?それが、ずっと知りたくて、未練がましく彼の姿を追っていた。

 

人生最後にして、人生最大の、後悔。次、生まれ変わるなら、私はあの人に生まれたい。

 

寂しく光る、数々のビル群の明かり。ビルの屋上は少し冷え、金属製のフェンスがカタカタと揺れる。

 

あたしはぎゅっと目を閉じた。

あの頃は、まだ、青かったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

set 1 春思い

 

空は快晴で、温かくなってきた春風を身体に………と面倒臭い前置きは置いといて。あたし、矢田桃花の朝はこんな感じ。

 

眠い。猛烈に眠い。羊数える暇もないくらい眠い。

 

「うー、ひなの〜」

 

「ちょっ、重い!重いよ!!桃花ちゃん!どいてぇ……」

 

何やら、ひなのが騒いでいるみたい。でも、昨日は夜通し撮りためたドラマを見ていたから眠いのだ。ひなのには悪いけど肩に乗せて貰おう。……あと重くないからね。

 

「うぅ、このまま山登りはきついよ……お願いだからど……ってもう寝てるっ?!わわっ、ヨダレ垂らさないでっ」

 

「ぐー…」

 

こんな事になるなら弟に早い内からテレビの順番変わって貰っておけばよかった……

 

ひなのからはいつもだらしないって言われたりするけど、朝が弱いから仕方ない。

 

「あっ、そういえばね今日は転入生が来るらしいよ〜」

 

まだ、ちょっと肌寒い。ずっとひなのにくっついていたいな〜とか考えていたらひなのが言った。

 

「?…」

 

抵抗するの諦めたんだね。ありがとう。そして、おやすみなさい。

 

「なんでも、比企谷八幡?君って言って………まぁ、あんまりいい噂は聞かないんだけどね」

 

「うわさ?」

 

噂ってなんだろう。私は何も知らない。

 

「うーん、なんでも、女子生徒泣かせたり、理事長に喧嘩売ったり、購買部の人を脅したり……」

 

「むにゃ……それくらい私だって……*」

 

やばい、睡魔がっ、睡魔がそこにっ……

 

「もうー、起きてっ、桃花ちゃん!ほら、校舎着いたよ」

 

枕、まくら……柔らかい………

 

「せ、セクハラだよっ、どこ触ってんの?!早くいく………っ」

 

なんだろう。物凄く涼しい風が吹いた。いや、風じゃない。風じゃないならこれは……

 

次の瞬間にどっと、胸が押された。誰かにじゃない。人ではなく、"衝撃"に。

 

私は押される衝撃に負けて、ひなのから離れた。

 

「って………………ん?」

 

目を見開いた先には…白髪の少年がいた。大事そうに杖をついて、首に何かつけて、何よりも、腐った紅い瞳で。此方を見据えて。

 

「(綺麗」

 

やばい……口に出ていた?綺麗と思わず呟く位に、かっこよかったし、思わず見惚れていた。

 

先程まであった眠気も、徹夜明けの気だるさも、頬に染まる熱さにやられて吹き飛んだ。

 

「っと、なんだこりゃ、オンボロな校舎だなぁ。あのくそ理事長めまだ殺り足りねぇのか?っと、それよりも、」

 

…………お宅色々台無しですよ?セリフ間違えてません?

 

と、思ったのもつかの間。私に近づいて来たので、思わず身構えた。

 

耳元まで、接近して……

 

「ありがとな」ボソ

 

掠れ声だった。男の子って感じがする低い声で、甘ったらしい声。それだけ言うと彼は校舎に入っていった。

 

ひなのが両手で顔を隠して目線をあたふたさせている。………絶対見えてるよねそれ。

 

「き、き、き……」

 

こ、言葉がっ………

 

「「「き?」」」

 

「キュウ///」

 

熱い、熱い、熱い。体が熱くなって心臓がドキドキと音を立てる。い、イケメンだよぉ……

 

「「「矢田っ?!!」」」

 

だめ……徹夜明けにこれはキツイって。ほんと、まじで……

 

私はこのまま、2時限目までの間保健室で寝たっきりだったらしい……

 

.*°

 

教室に戻ったら、比企谷君に質問ムードだった。

 

例えば「彼氏はいるのか」「年収は?」「今までヤった数は」

 

………………このクラス馬鹿ばっか……因みに最後のは男子が聞いたらしいが、正しくは「殺った」数らしい。紛らわしい……最初のは突っ込まないよ?

 

私とひなのは朝の事もあって話しかけられずにいる。

 

今更だけど、オレンジがかった茶髪の少女、倉橋陽菜乃ちゃん。私のクラスメイトで、席は私のまんまえ。席が近いのもあっていつも一緒にいる、天真爛漫で、とっても可愛い私のお友達。

 

「ねーねー桃花ちゃん!何か質問してこようか?」

 

私が比企谷君の所に行けないのを見越して気をつかってくる。

 

「い、いいよそんな……聞きたいなら私が……」

 

と、言ったものの、足が動かない。緊張してるのか、ちょっと汗も滲んでる。あはは、まじか……

 

「あはは。桃花ちゃんがそんな反応するって珍しいね。かーわいいー」

 

「ちょっ、からかわないでよ!私は………」

 

「まぁまぁ、話す機会なんて幾らでもでもあるんだしさ。慌てないでいいと思うよ」

 

慌ててないし。ひなのの分かってるよーって顔がムカムカする。

 

「でもさー、ぶっちゃけどうなのかなーあの噂」

 

「クラスにも普通に馴染んでるし、噂になるようなことをする人には見えないな」

 

女子は本当に噂好きだ。特に色恋は中学生にとって格好の甘い蜜。多分それは歳が変わろうと変わりない。

 

彼の噂がどんなものかは知らないが、ありえないと思う。………購買の件は事実らしいね。

 

「比企谷君てさ、烏丸先生よりもかっこいいよね?デートとか誘ったら来てくれるかな?」

 

「ひなのっ!!」

 

大声を出してしまった……でも、転入初日からデートに誘うのはどうかと思う。もっと、こう、仲良くなってからで……

 

「ご、ごめん。冗談だって。どうどうー。落ち着いて〜怖くないよ〜怖くないよ〜」

 

「わ、私は動物じゃないのっ」

 

「分かったから、分かったから。あっ、じゃあさ〜私好きなタイプについて聞いてくるね?」

 

好きなタイプ?聞いてどうするの?好きなタイプなんて聞いても……

 

「べ、別に勝手にすれば」

 

「ふふーん、そんな態度だと桃花ちゃんに教えてあげないよ〜?」

 

「是非とも聞いて来てくださいませ、お嬢様……」

 

「変わり身早っ?!そんなに聞いて欲しいの?しょうがないなーどうしてもって言うなら聞いてきてあげなくもないよ〜」

 

ちっ、こいつどうしてくれようか……ムカつくけど、知りたい。じゃあ自分で行けばいいじゃんて思うけど、勇気が出ないし……

 

「………お願いします…」

 

胸の前でぱちんっと手を合わせた。かみさまーほとけさまー

 

「はいっ任されました〜」

 

ひなのが今日1番の笑顔で頷いた。この子こんなに性格悪かったっけ??

 

とことこと比企谷君の所に駆けていき、比企谷君に聞いてる。

 

周囲の音がうるさすぎて、何を言ってるのか分からない。

 

「 ………だ……よ」

 

あれ?こっち向いてる。ひなのは反対側だから気づいてないけど、比企谷君は明らかにこっち向いてる。

 

あ、目が合った………や、やばい、どうしよ………とりあえず目はそらそう。

 

もう一度彼の方をみると口パクで何か言っている。口パクでは、分からない。けど、口の動きが少し大雑把で何か私に伝えようとしてくれてる。

 

だから口の動きを真似してみた。

 

お・と・な・し・い・こ

 

えっ………これ、私に言ってる??自意識過剰かな……

 

すると、彼は微笑んで小さく礼をした。話は終わったのか、ひなのが帰って来る。

 

「え、えとね……マッ缶って美味しいよね」

 

「は?」

 

何を言ってるんだこいつ………しめころそうかな…

 

「ち、違うんだよ桃花ちゃん。ご、ごめんね、授業始まるから…」

 

「あっ、どうしたの?!ひなのっ!…」

 

さっきのひなのは少し頬が紅かった。私と目を合わせようともしなかったし。怪しい……授業が終わったら絶対問い詰めてやるっ

 

***

 

昼食

 

『椚ヶ丘中学校の皆、こんにちは。私は理事長の浅野です。このた……比企谷君。何故ここに?』

 

久々に昼食の放送があったと思えば、なんだろう。あと、聞き覚えがある名前が出たような……

 

それよりもまずは、ひなのだ。授業が終わったかと思えば、直ぐに比企谷君のとこに逃げるから、今の今まで何も聞けなかった。(あれから、比企谷君とは目を合わせずらい)

 

「さて、ひなの〜!さっきのこと洗いざらい吐いてもらおうか」

 

「ひぇっ、怖いっ!!悪役顔だよっ」

 

思わず声を張り上げた。我慢の限界。朝のことちゃんと聞かないと。

 

「熱くなりすぎだよ、桃花ちゃん!冷静にー冷静にー。お昼の放送もあるんだしさ静かにしてよ?うるさいとーかちゃんなんて悪役令嬢にでも転生すればっ」

 

確かに迷惑になるとか考えてなかった。クラスの大半の目が此方に向いている。………ごめんなさい。そこまで言わなくたっていいじゃん。

 

ひなのをとっちめたい!!

 

「わかったよ。もう」

 

『あん?てめぇは自分で考えるって事ができねぇのかよ。ついでに、一言言わせてもらうがなぁ』

 

何を言うつもりなのだろうか………って比企谷君??何でそこにいるの???さっきまで教室に居たよね?!

 

見れば比企谷君の席は空いていた。本当に居なくなっている。

 

『あー、この学校は、私達テロリストが占拠した』

 

ーーー私達クラスメイト全員がポカンとした。多分皆が思っているはず。何言ってんだこいつは……と

 

『あ、ごめんごめん。1度は言ってみたかったんだよ。怒るな怒るな。俺は理事長1人で放送するのが寂しいだろうから来てやったんだ。有難く思え』

 

え、偉そう。理事長相手にE組生徒が物凄く偉そう……

 

『ジョークがすぎるよ。その言葉の前に私に土下座して一緒に放送させてくださいと言ったことを思い出したらどうだい。ふふっ、そういえば靴も舐めてたね』

 

な、舐めたの?比企谷君……私は比企谷君への認識を改めないといけないみたいだ。

 

これから比企谷君を見る度「その舌で理事長の靴を舐めたんだね……」とか思っちゃう……の?

 

「ひ、比企谷君?なめたの?あの理事長を??」

 

流石のひなのも動揺してる。やっぱり衝撃だったようだ。あと、その言い方だと誤解を生むよ?

 

『ありもしない事を捏造すんなよ。まぁなんだ?ついでだよ、ついで。購買も勝てたしな』

 

『ほう、確か君はお昼の購買商品を荒らしている昼の5英傑の1人だったね。気づけば何十ものパンとジュースが消えている。と私の生徒も何人か言っていたよ』

 

昼の5英傑って何?昼の購買にもトップ5がいるの??

 

『大袈裟過ぎんだろ。昼の購買程度で騒げるお前が羨ましいよ』

 

『ほう?その手にある焼きそばパンとカツサンドは誰が指示して作ってるのか忘れたのかな?』

 

『はいっ、すみませんっ。私が悪かったですっ』

 

『分かって貰えたようで何より』

 

やり取りを聞く限り比企谷君と、理事長ってなんだか仲がいいような。殺せんせーとも噛み合ってたし、何かあるのかな

 

『このままもっと話したいのだが長引くのも良くない。私の仕事に支障が出るのでね。さて唐突だが比企谷くん。日々の美容のため今日も昼食を抑えた私の健気な生徒達に一言どうぞ』

 

『明日の君は、今日の君より綺麗だ。君は、今日も誰かを惹き付けるだろう。それが…俺だったら……いい…かな』

 

ぐっ…………死ぬ…………

 

「だ……め……」バタ

 

今日の昼は小さな弁当箱と真っ赤な血で彩られた。らしい。

 

『80点。君にしては高得点だな。だが、まだ分かってないこともあるようだね。後で理事長室で………』

 

ひゃ、100点だよぉ…………

 

***

 

昼食後は、男子達が何故か比企谷君を恨めしそうに見つめていたのが印象的だった。

 

今日は2回も倒れてしまった。不甲斐ない。うち1回はひなのも倒れてたからいいとしてもだ。

 

比企谷君を直視出来ない。あんなことを全校生徒に言えちゃうって、やっぱりたらしなのかな?取っかえ引っ変えだったりして……

 

「おーい、どうしたお前〜」

 

でもでも、ぼっちだって言ってたし、そんなわけ……

 

「大丈夫か?」

 

「ひゃっ…!?」

 

比企谷君が横に居た。近い近い近い……僅かな吐息が耳に当たってこそばゆい。

 

「だ、大丈夫れす……って、なんで比企谷君がここにっ?!」

 

「あー、俺、目悪いから竹林君に席変わってもらったんだよな。」

 

殺せんせーは何故か納得して首を縦に振っている。なんで?

 

「た、竹林君は?」

 

竹林君はいいのかな。目が悪そうだけど。

 

「あぁ、彼奴?話してみたら気が合う奴でな、今度お気にのメイド喫茶奢るって言ったらそれでいいってさ」

 

「そ、そうなんだ。何気にクラスに馴染むの早いね」

 

「まだまだだよ。まだ、君とは仲良くなれてないしね」

 

ん?ど、小首を傾げて言った。ね、狙ってやってる?この人……

 

「へっ?!わ、私っ?そ、そ、それよりさ、目が悪いんだったら眼鏡とかつけないの?」

 

テンパリ過ぎだ。落ち着け私…

 

「眼鏡?危ないから付けるなって言われてんだけど…」

 

「へー。よ、良かったらだけどさ、つけてみてよ」

 

比企谷君の眼鏡姿……気になる。めっちゃかっこよかったりして。ってか、あたし何お願いしてるのっ?!

 

「え?いいの?しょうがねぇな」

 

比企谷君は眼鏡を取り出して、掛けようとした。が、殺せんせーの触手に止められた。

 

「ひ、比企谷君!ダメです!!それはかけてはダメです!!」

 

「あ?なんだよ殺せんせー、俺の邪魔すんのか?」

 

彼の目が紅く光り殺せんせーを睨みつけた。ちょっと怖い。

 

「ぐっ………分かりました。但し1分だけです!それ以上は先生許しませんからね」

 

「へーい」

 

静かだった生徒達の殆どが此方をみてコソコソ話してる。殺せんせーが止める程のことだから気になっているのかもしれない。

 

「これでいいか?矢田」

 

眼鏡姿の比企谷君がニコッと微笑んだ。綺麗な白髪と眼鏡によって隠れた紅い瞳が優しく光り、

 

「ま、……まぶ……しい」ガタ

 

眩しすぎる。やめてっ、その目で私を見ないで……私は今日3回目の噴出沙汰を起こした。

 

.*・゚°・.*

 

放課後

 

空は蒼白の色から紅に染まり、1に……面倒な導入はいらんっ。

 

今日はちょっと貧血気味。猛烈に鉄分が欲しい。

 

「ねぇねぇ桃花ちゃん、今日、比企谷君と帰らない?」

 

「急にどしたの?」

 

「いやー、桃花ちゃんがそうしたいかなって」

 

比企谷君と?いっしょに?そんなの……

 

「う、うん……」

 

「じゃ、きーまりー。比企谷君聞いてたよねっ?」

 

「へいへい。ぼっちは耳がいいからな。さてと、今日は歩きで帰りますかね」

 

「あ、比企谷君飛べるんだったね。悪いことしちゃったかな?」

 

そう、比企谷君は超人だ。多分別次元から来た人間だよね。

 

「いいや、たまには運動も悪くないしな。それにお前らのこともっと知りたいし」

 

彼は席を立ち、鞄をもって、教室を出た。歩く度に揺れる彼の髪が煌びやかに見えて、彼を直視出来ない。

 

「あ、あはは。じゃ行こっか桃花ちゃん」

 

ひなのは準備を終えたのかいち早く彼について行った。

 

「あっ、ずるい、待ってひなの」

 

声には応じず、何処か足取り悪いひなのは教室を出た。

 

私も準備を終えると、教室を出た。私が教室を出た後、教室から叫び声が聞こえたが多分気の所為だろう。

 

「ーーーーーいの?」

 

「あぁ、趣味な。昔からやってるのはお菓子作りだけど、最近始めたのはアクセ作りかな。」

 

ひなのは趣味について聞いてたらしい。それにしても、アクセか……ひょっとしてネックレスとか作れちゃったりするのかな

 

「ネックレスも作れるよ。ちまちました作業が妙に型にはまってね。宝石とか水晶はめるのが難しくって。」

 

あれ?心読まれた?何も喋ってないのに……

 

「顔にでてんだよ。つか、そんなに気になんなら今度作ってきてやるよ」

 

「えっ?いいの?じゃー私はねーーーーーーー

 

なんだろう熱い。比企谷君を見るとドキドキするし、ひなのと喋っているのを見るとイライラする。

 

なんなんだろう。この気持ち。まだ出会って僅かなのに…

 

「とーかちゃん!桃花ちゃん!」

 

「わっ、ど、どうしたの??」

 

驚いて、仰け反った。一瞬呆けちゃったけど変な顔してないよね?か、鏡見たいっ

 

「どうしたのはこっちだよ。さっきから意識飛んでるみたいだけど大丈夫?」

 

「へ?大丈夫だよ?」

 

別に私は変じゃない。比企谷君がかっこよすぎるのが悪い。よって、悪いのは比企谷君だ。

 

「ふーん。ほんとかな~。こしょこしょこしょこしょ〜」

 

「わっ、ひゃ、や、やめっ、やめてっ」

 

ひなのにこしょこしょされて体温があがり、比企谷君に見られていることもあって声も出せない。

 

「ひ、ひぅ、も、もうダメ!!」

 

これ以上は恥ずかしいのでひなのを突き放した。人目を偲んでっ

 

「ちぇー、あれ?比企谷君どうしたの?」

 

「ん?あぁ、ちょっと……な」

 

私達が必死の攻防をしている間比企谷君は目を背けていた。心無しか、耳が赤い。ひよっとして……

 

「照れて……ます?」

 

「や、照れ……てねぇし。矢田が色っぽい声だすから、いち男子として目を背けただけだし」

 

ひなのちゃんはその反応をみて悪戯っぽくクスリと笑った。それよりも……

 

「可愛い…」

 

「へぇー、桃花ちゃんの事そんな目で見てたんだ〜…………エッチ」

 

「ち、ちが、つか、元凶お前だろ!何面白そうにみてんだよ」

 

あたふたしながら否定する比企谷君の真っ赤に染まった顔が、やっぱり可愛かった。

 

「「可愛い……」」

 

「お、お前らぁ」

 

「あっ、比企谷君が怒った」

 

「くっ、てめぇ、待てゴラァ、さらし首にしてやる!」

 

比企谷君とひなのが追いかけっこしているのを背景にチラチラと見える一番星、紫に生え変わった外の暗がりに、私は一言呟やいた。

 

「これから楽しくなりそう!」

 

この先、何があるのかも知らずに、無邪気に笑ってたんだ。この頃は。

 

 

 

 

╋補足説明

 

理事長からの放送ーー殺せんせークエストで話の間にあった超絶毒舌放送。

 

「明日の君は、今日の君より綺麗だよ」ーー気づいた方は居ないと思うがあっちこっちのネタ。正直眩しい。是非とも実写で拝みたい。

 

購買部お菓子生き埋め事件ーー正確な名称は出してないけど、比企谷八幡が起こした事件。閑古鳥が鳴いていた購買部に数多のアドバイスときょうは……提案を行い購買の人気を取り戻した。購買のおばちゃんは後にこう語る「あぁ、いや、その話はやめてくれ。思い出したくないんだ。もう、お菓子はみたく……ない。君は見たことがあるかい?数メートルに積まれたお菓子の箱を。その全てが手作りなんだ。それを見た時私は悟ったよ。地獄ってほんとにあるんだなって……」

 

Q&A

Q1 「いままで彼氏いた事は?」

「…………ある。1人だけ」

 

Q2「年収は?」

「ざっと2000」

 

Q3「いままでヤった数は?」

 

「てめぇはよぉいままで踏んだ蟻の数を覚えてんのか?あァ?てめぇは結局何が知りてぇんだよ。こっちこい。人の目につかねぇとこでびっちりと男の何たるかを教えてやるよ。ほらさっさとあるけぇ!!「や、やめて!引っ張らないでぇー!!潰れる!潰れるからぁ!!!」」

 

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