チートウマ娘になったので他が霞むくらいのヒールする。 作:カレンチャンの元おに
やぁ。(ケフカのテーマ)
俺の名前はワーストビトレイヤ。直訳で【最悪な裏切り者】を意味する名前を冠するウマ娘だ。
前世は普通の学生。死因は病気だ。難病になったこと以外に目立った山場のない人生だったが、まさかこうして転生なんてものをできるとは思いもしなかった。ウマ娘と言えば前世で俺がぽっくりする直前くらいに爆発的に流行って、俺自身もハマったスマホのソシャゲに出てくる種族で、なんだかレースが大好きな危なっかしい種族という印象がある。
ガラスに例えられるその脚と命で見るものを魅了し、魂を燃やしてレースに没頭することに憧れがあり、ある種破滅願望のようなものが備わってるのでは?と俺は思う。そんな俺もかなりハマっていたのだが。まぁどうせ俺は死ぬのだしこれくらい贅沢してもええやろ!!とか考えて結構お金を使った。
そんなウマ娘に転生してはや15年。何とか中央トレセンに合格を果たし、高等部に入学することになった。ここまでウマ娘とそのレースをディスっぽく説明してきた私がなぜわざわざ日本のウマ娘レースの総本山に入学しているかというと、とある目的のためだ。
少し話が変わるが、ライスシャワーというウマ娘を皆さんご存知だろうか。小柄で気弱。だが弱気ながら決して諦めない健気な姿勢や心優しい性格は、プレイヤーの多くを魅了してきた大人気ウマ娘。そういったキャラデザインも人気の1つだが、なんと言っても一番の理由はシナリオだ。
アニメでのライスシャワーは、無敗の三冠が目前のミホノブルボンを見事打ち破り、初の重賞、それもG1での勝利を手に入れる。しかし待っていたのは声援ではなく罵倒。観客が見たかったのは、三冠を成し遂げる強いウマ娘のミホノブルボンであり、観客の目から見ればポっと出のライスシャワーがその栄冠を奪い去った悪役に映ったのだ。それを理由に、ミホノブルボンと似た状況であるメジロマックイーンの盾3連覇がかかった次のレースである天皇賞・春を辞退しようとするも、色々なウマ娘からの説得もあり、山奥で鬼のようなトレーニングの末に「鬼」と表現されるほどの迫力を手にレースに挑み、これまた見事メジロマックイーンを撃破、天皇賞・春を征した。その連覇阻止を狙ったかのようなライスシャワーの姿に「刺客」や「悪役(ヒール)」と言葉をあびせてお通夜ムードの競技場。それからライスシャワーは、みんなのヒーローを目指して走り続けることを誓う。こういった背景から、ライスシャワーはウマ娘の看板の1人にまで大きな存在となった。
長々と解説したが、俺はふと思ったのだ。
──ヒール、ではないよな。
アニメの中ではいざ知らず、視聴者から見れば悪い子なんて1人も居ない。ただ努力して、ただ戦って、その結果が出ただけ。誰も責められるいわれはない。そんな状況でもヒール扱いをされるのであれば....。
───本当に、本物のヒールに値するウマ娘が出たらどうなるのか。
俺はふと、そう考えたのだ。
まぁ考えたからと言って何かすることはなく、少ししたらそれも忘れてウマ娘をやってそのままぽっくりしたわけだが。まさかそれを試す機会が訪れるとは思わなんだ。なので、俺はこれから全力でヒールを実行する!!
《とあるウマ娘》
このレースで、トレーナーが決まる。
正確には、トレーナーに選んで貰えるかもしれない。
このレースで順位や走り方を見に来ているトレーナー達に判断してもらい、そこでトレーナーにスカウトをしてもらう、というのが基本の形らしい。
まぁ、それに囚われない形も結構あるらしいけど....。
さて、ゲート入りをしよう....。
「今日はよろしく」
隣のゲートのウマ娘が声をかけてきた。
「うん!!よろしくね!!」
さっきまで少し滅入っていた自分を奮い立たせるように、元気な声を出しておく。
「うん....。よろしくね」
───私の"引き立て役"。
「え......?」
ガコンッ!!と、ゲートが開いた。
初投稿でした。
なんだかんだこういうのってゴミクズみたいなキャラ書いてる時が1番楽しい気がする