【 煉獄 奇旅 】 異世界炎聖伝説   作:煉獄杏寿LAW

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第11話

サピード城内へと案内された煉獄たち
まずはゼノの知人である宮廷魔術師と
会うために一つの部屋へと通される

豪華絢爛な作りの部屋に
煉獄は興味津々と見回し
マズルは落ち着かないのかそわそわしている

出された紅茶を飲みながら
ゼノはそれを見て見ぬふりでいた






来訪者と鬼人族

 

「王様とは凄いものだな。 こんなに大きな建物の中にとても豪華な部屋がいくつもあるとは… うむっ! これが派手というやつだな」

煉獄はそう言いながら

元の世界の仲間を思い出して笑う

 

「一国の王じゃからな。もっと凄い部屋もあるかもしれんぞ!」

ゼノは紅茶を飲んで煉獄へ悪そうな笑顔で話す

 

「それは是非見てみたいものだ!」

ゼノの言葉に煉獄はすぐに反応して

大きな目を爛々と輝かせている

 

 

バタンッ

 

 

「お待たせしてごめんなさいね! 元気だったゼノ?」

ドアを開けて入ってきたのは黒をベースとして

紫のラインが入った綺麗なローブを着た熟女

その女性が軽い挨拶をしてゼノへと話しかける

 

「久しぶりじゃのイース! 見ての通りよ」

ゼノは笑顔で答えるとイースという女性も笑顔で頷く

 

「それで彼が……」

イースはそのままゼノへと問いかけ煉獄を見る

 

「あぁ来訪者のレンゴクだ。 こいつは凄いぜ! 魔法が使えないのに炎を使って戦える。 何か連想しないか?」

ゼノは話しながら笑みを浮かべて

明らかに楽しそうにイースへと答える

 

「魔法が使えないのに炎を使うなんて魔獣やドラゴンじゃあるまいし……!? もしかして炎の勇者のお話しの事を言ってるの?」

イースはゼノの言葉にハッとするも

少しあきれた感じで答えると

 

「ごめんなさいね二人で話してしまって…私はイース。 ゼノとは昔ながらの仲なのよ。 今はこの国の宮廷魔術師として使えています。 あなた…レンゴクと会うのは初めてだけれど他の来訪者とも会ったことがあるのよ! それでこちらの可愛い女の子は?」

イースは煉獄へと話して、マズルへも微笑みかける

 

イースの言葉に煉獄は座っていた椅子から立ち上がり

しっかりとしたお辞儀をすると

「初めまして煉獄杏寿郎です! 俺以外の来訪者は……」

煉獄が話しを切り出そうとすると

ゼノが待てと言わずの手で合図をして

 

「その子はマズル。 鬼人族じゃよ珍しいだろう。 もう既にこのレンゴクを選んでいて成長途中じゃ」

ゼノは先にマズルの話しをイースへと振る

 

その言葉にマズルはイースへと

恥ずかしそうにしながら煉獄のようにお辞儀をする

 

「この子が鬼人族? そうなの今は探すのも大変なくらいに少なくなってしまったものね。 まさか来訪者を相手に選ぶなんて聞いたこと無いから驚いてしまったわ! となると…未知の力を手に入れているという事ね」

イースはマズルを笑顔で見ながら話すと

ゼノへも笑いながら問いかける

 

 

ゼノはイースの言葉に笑みを浮かべ

フッと笑いがこぼれるも

何か言いたそうなままでいる煉獄の存在を

イースへと目で合図する

 

 

ゼノの仕草にイースは改めて煉獄へと向き直り

「レンゴクが聞きたいのは他の来訪者の事よね? 私が来訪者に会うのはあなたで4人目。 前に男女の二人と女性一人に会った事があってその一人の女性はあなたと同じような服を着ていたわ」

イースは優しく煉獄が聞きたかった事に答える

 

「同じ服? やはり鬼殺隊の者が俺以外にも…その人たちはどこに行けば会えるのですか?」

挨拶をした後にゼノに制され

また椅子へと座り待っていた煉獄

望んでいたイースの言葉に思わず立ち上がり

少し興奮気味に話して問いかける

 

「そうよね気になるわよね! レンゴクと同じことを言っていたわ。 その服は何かの団体の制服なのかしら?」

煉獄の言葉にうんうんとイースは頷き

女性には聞いていなかった共通の服について尋ねる

 

「これは……俺の元居た世界では鬼が人に仇なすため、その鬼を滅するために作られた鬼殺隊と呼ばれる私設団体の隊服です! ですがこちらの世界に居る鬼とはまったく違うとマズルと出会ってわかりました」

煉獄はマズルを気にして話すも

しっかり違うと否定をして言いきる

 

その言葉にマズルは少し笑って煉獄を見る

煉獄はマズルを見て頷くとイースへと視線を戻す

 

 

 

煉獄の言葉を聞くと

イースは少し悲しそうな顔をする

 

そしてマズルを一度見てから

「まあ一概にそうでもないのだけどね」

イースは話しながらゼノを見る

 

ゼノは感じる視線に咳払いをすると

苦笑いのような表情で大きな溜め息を吐く

 

 

「それはどういう事です? 俺がゼノから聞いた話しではマズルたち鬼人族は神の使いと言われるからこそ鬼神族とも呼ばれると……」

イースの言葉に煉獄は少し戸惑い話す

 

その言葉にイースは無言で手をかざし制すと

「やっぱり話してなかったのね」

呟きながらゼノを見て溜め息をする

 

そしてまた煉獄へと視線を戻すと

「それは選ぶ相手にもよるの。 鬼人族本人が善悪の区別なく選ぶのだから…… そして強制的にも出来なくはないからこそ鬼人狩りのようなものも起きてしまった」

イースは話しながらマズルへと近づき

赤い角を触ってから優しく頭を撫でる

 

マズルは少しビクッとするも

暖かいイースの手に撫でられ

少し笑顔になっている

 

煉獄はイースの言葉を聞いてハッとすると

「ふむっ…つまり鬼人族には敵対するものが居ると?」

 

煉獄の言葉にイースは頷くと

「そう! 最悪な形でのね。 仲間を殺された恨みや自分から力を求める鬼人族も居るのよ。 それは力を与えてはいけない者まで強くしてしまう」

 

イースの言葉に煉獄はチラリとゼノを見る

 

ゼノは少し悲しそうな顔で

何かを思い出すように上向きの視線が遠い

 

「でもこの子は…マズルはレンゴクと出会い、そして自ら選んだ。 その選択が正しいか間違いなのかはあなた次第よレンゴク!」

ゼノを見ている煉獄へとイースが話しかける

 

「来訪者たちの事は来ているという事以外まだ何故に他の世界から来たのかも含めてわかっていないのよ。 最初に確認された来訪者からもう数十年も立つというのにね! まさに神様のみぞ知る…かしら」

イースは寂しそうな笑顔で煉獄へと話す

 

 

イースの話しを聞いていた煉獄は

聞きながら考えを巡らせていた

 

そしてイースの話しが途切れてすぐに

「うむっ! やはりゼノが言っていたようにこの世界に俺が連れて来られた意味が何かしらあるのだろう。 それなら元の世界のように俺が出来ることをして誰かの助けやためになるならば、それがきっと俺の居る意味でありこの世界での俺の責務だ! 」

 

煉獄の言葉にマズルが笑顔で近づき

「キョウジュロ…何かするならマズルも手伝う」

 

煉獄はマズルの言葉に笑顔で頷いて

優しく頭を撫でる

 

 

その光景にゼノは嬉しそうに笑みを浮かべ

イースもまた笑顔で見つめるのであった

 

 

 

コンコン……ガチャッ

 

入り口のドアが開き

二人の衛兵が入って来る

「謁見の準備が整いました! 王様がお待ちです」

 

イースは煉獄たちを見て笑顔で頷くと

衛兵たちに続いて先に部屋を出て行く

 

煉獄もゼノやマズルを見て

「さあ王様に会いに行こうっ!」

そう言って部屋を出る煉獄に

ゼノとマズルが続いて出ていく

 

 

 

同じ頃、大きな門をくぐって

煉獄と同じ服装をした女性が城へと向かい歩いていた

 

 

 

 







異世界オールストにある
サピード国の首都、そしてお城へと
来訪者の情報を求めてやって来た煉獄たち


ここで宮廷魔術師イースの口から
来訪者に関してはまだ謎が多いままだが
既に何十年も前から来訪者が来ていたという
事実が明かされました

ゼノが話してくれた鬼人族については
足りなかった話しが少しばかり補足され
鬼人族が選ぶのは正しい者ばかりではない
強制的に力を求められ仕方なくの者や
自らが力を欲して邪な者を選ぶ者も居る
これが今後にどう繋がっていくのか………

全容は今後に判明していくとして
最後に現れた一人の女性
煉獄と同じ服装と言えば………

さて次回はいよいよ戦闘もありますので
新たな煉獄と仲間たちの活躍を
お楽しみにお待ちくださいm(_ _)m



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