第2話
前話の後、熊らしき動物を背負い引きずり
煉獄は助けた女性の後を着いていく…
少し日が傾いて来ただろうか…
村らしきものが見えてくる
「もう少しで村に着きます。 ほんとに大丈夫ですか?」
若い女性は後ろを着いてくる煉獄の姿に
まだ引き気味なままで話しかける
「あれか…あぁ大丈夫だ! 思っていたより重くてきつくはなってきたが村までもつだろう。 俺もまだまだだな…不甲斐ない」
そう言って少し笑いながら煉獄は片手の頭部を持ち直し、もう片方の手で身体に巻き付けた動物の腕を押さえ直して引きずって歩き続ける
「私は先に村へ行き助けてもらった事を伝えて食べ物の準備をしますね! そう言えば助けてもらったのに名前も名乗らずごめんなさい。 私はユーリです。 あなたのお名前は?」
煉獄の言葉に若い女性はそう返してハッと気づいたように聞いてくる
「気にするなと言っただろう。 俺は煉獄! 煉獄杏寿郎だ」
ユーリと名乗る女性の慌てた態度と言葉に少し笑みを浮かべながら煉獄は大きな声で名乗り返す
「わっ!…はいレンゴク? 不思議な名前…じゃあ先に行ってみんなに伝えますね」
ユーリは煉獄の名前と声量に驚きポカンとしながらも
笑顔で答えて小走りに村へと向かって行く
「うむっ! 元気な女性だ」
煉獄はその姿を見ながら呟き、村へと歩みを進めた
煉獄が村の入り口に到着する前には既に人だかりが出来ていた
村の仲間を救ってくれた者への感謝もあるだろうが
それよりも興味だったり、悪さをしに来たのではないかという疑いの者も居る
色々な視線が煉獄へと注がれる中で
一人の老婆が前へと歩み出る
「あなたがユーリをベアードから救ってくださった方ですか?」
村の入り口まであと僅かと近づいてくる煉獄へ老婆が話しかける
「救ったなどと大層な事はしていません! 俺の名は煉獄杏寿郎と申します。 熊みたいな動物はベアードと言うのか…ふむ」
そう言うと煉獄は持っていたベアードの頭部や引きずって来た胴体を村の入り口で降ろす
もちろん誰もが自分より倍以上はあるベアードを一人で持ち引きずってきた煉獄の力と体力に驚いたが、それより名乗り部分までの声の大きさに誰もが驚いたり耳を塞いだりとざわつきが起きる
「うるせぇ」 「凄い声」 「びっくりした」
「耳が痛い」 「なんて力持ちだ」
「見たことがない格好と剣だな」
などと苦情が多いが色々な言葉が飛び交う
ざわつく村人たちを宥めるように老婆が手をあげる
「レンゴク…聞いたことない名前じゃな。ユーリを救ってくれたあなたに感謝します! じゃがあなたはここへ何しに来なさった?」
老婆は煉獄へと御辞儀をしながら頭をあげて真面目な顔で問いかける
「…うむっ…」
煉獄は老婆の問いかけを聞いて腕を組んで呟く
「考えたがわかりません! 俺は戦いで死んだはずなのに気づいたら森の中で寝ていた。 俺自身が何故いまここに居るのかもわからない。 だから答えようにもどうにもできません! はーっはっはっは」
少し考えるもすぐに煉獄は素直に話して終いには笑ってしまう
どうしようもない
さっきまで死んだと思っていたし
ここは死後の世界かとも考えていたくらいだ
熱く真っ直ぐな煉獄らしい返答
また煉獄の大きな声や笑っている様に村人がざわつく
しかし聞いていた老婆はその煉獄の言葉を聞いて
真面目な顔が少し緩んだような顔つきになる
「よくはわかりませぬがあなたは記憶を無くされたのでしょうか? 死人がはっきり話せるとは聞いたことがないから死んではおらんでしょう。まあユーリを救ってもらったお礼もありますし…ささっ…我が家へ!」
老婆はそう言うと村人の数人にベアードの処理などを任せ、煉獄を我が家へと案内するため歩き出す
「死人は話さない? その辺を歩いているとでも言わんばかりだな。 よもやよもやだ…まったく理解が出来ん! …しかし記憶が無くなっている…か…まあいい! 今はご飯を御馳走になろう」
まるで死人が存在しているような話しや、死んだはずだと思っていたのに記憶が無くなっているのではないかと言われ煉獄でさえ呆気にとられる
更に謎は深まるも答えが出ないものを悩んでも仕方ないとお礼のご飯への招きを楽しみに煉獄は老婆の後に着いていく
この時もう既に世界の異変は始まっていた
そしてこの村へと災厄は確実に迫って来ているのであった
今回のお話しに出てくる老婆
次話に続いて出てきますがなかなか興味をそそる
キーワードをたくさん煉獄へと話してくれます!
そして新たな仲間との出会い
お楽しみにお待ちくださいm(_ _)m