【 煉獄 奇旅 】 異世界炎聖伝説   作:煉獄杏寿LAW

8 / 11


第8話

自分のために開かれた宴で
村人たちから改めて感謝と歓迎を受け
しばし思い悩む気持ちを忘れ楽しむ煉獄

気がつくと食べ物や、まだ慣れぬ酒も進んで
いつしか眠りに誘われる………






繋がれる絆

 

( むっ…寝てしまっていたか… )

村長サボンの家で寝かされていた煉獄

目を覚まし起き上がると静かに外へと出て行く

 

まだ朝も早く日が昇って来ているほどの時間

 

( あの竜に俺一人じゃ勝てなかった…… )

ゆっくりと歩を進めながら煉獄は考える

 

 

( ゼノの魔法があったからこそ勝てたものだ )

( 奥義 煉獄があればという考えは捨てろ )

( 俺はもっと…もっと強くならなければ! )

 

煉獄は自分を責めて、そして更なる活を入れる

 

 

村の中央まで歩いて来たところで

朝日を浴びて立っている女の子に気がつく

 

( あの鬼の少女? いや違うな )

煉獄は雰囲気からマズルかと思うも

それにしてはかなり成長した感じの後ろ姿に

違う別の少女だと思い直す

 

その少女が人の気配に気付いて

ゆっくりと振り返ると

どこか見たことがある気がする煉獄だった

 

 

「キョウジュロ! おはよう」

少女の言葉に煉獄は言葉を失う

 

明らかに動揺している煉獄へ

その少女はゆっくり近付いて行く

 

 

「こりゃマズル! まだ出歩いちゃいかんと言うたろうが」

少女から少し離れたところから

煉獄が聞いたことのある声が聞こえる

 

その声に少女も振り返ると

話しながら近付いて来たゼノの姿があった

 

 

「ゼノ! …この少女はいったい?」

やっと言葉が出た煉獄は

現れたゼノへと問いかける

 

「わからんのも仕方ないな。 マズルじゃよ!」

少し笑いながらゼノは答える

 

「なんだと! …あんな小さな少女が…」

ゼノの言葉に煉獄は驚き話す

 

「朝っぱらからうるさいのぅ」

煉獄の驚いて話す大きな声にゼノは耳を押さえ答える

 

その二人を交互に見て少女は笑うと

「キョウジュロ!…マズル…」

少女は自分を指差して話す

 

 

「どういうことだ…何故こんなに大きく… 」

マズルの言葉と行動に

煉獄は訳がわからず動揺が止まらない

 

「血じゃよ!」

ゼノの言葉を聞いて煉獄の目つきが変わる

 

( 血だと? やはり鬼だから誰か村人の血を… )

 

鋭くなった煉獄の目つきに

ゼノは何かを察したように笑うと

「おまえじゃよ! レンゴクの血を飲んでマズルは成長したんじゃ」

 

「なんだと! 俺の血? どういうことなんだ?」

ゼノの言葉に煉獄の雰囲気は一気に変わる

まさにキョトンとした感じになっていた

 

 

「おまえの世界ではどうか知らんが、こちらの世界での鬼は神の使いとされている。 鬼人族、別名が鬼神族じゃ! 女ならば巫女みたいなもんだな。 その巫女が認めた者の血を飲むと一晩にしてある程度の成長をし、その相手の能力を自分の能力としても使える用になるんだ」

 

煉獄はゼノの言葉を聞いて理解はするも

やはり驚きは隠せずにいる

 

「鬼神族…神の使い…」

煉獄は改めてマズルを見ながら呟く

 

わかりやすく言うならば

煉獄が出会った時は小学1年生

しかし今の見た目は中学2年生ほど

肩まで無かった短めの黒髪も

今は長く胸の辺りまで延びて

所々に赤色が混じっている

 

目の色も煉獄と同じような赤い目になり

マニキュアを塗ったような赤い爪

そして小さく白かった角が

今は少し大きく赤色に染まっていた

 

その変わり様はまさに誰もが驚くほどであった

 

 

 

「キョウジュロ…マズルも戦える!」

マズルは嬉しそうに煉獄へと話す

 

「レンゴク! おまえはマズルに選ばれたんじゃ」

マズルの言葉に続けてゼノが話しはじめる

 

「マズルはの今は数少ない鬼人族の一人でな。たぶん鬼人族を捕まえようとする悪い輩からマズルを守って力尽きた両親の屍に泣きついていたのをワシが拾って育てていたんじゃ」

ゼノは思い出しながら煉獄へと語り聞かせる

 

その言葉にマズルは俯く

 

          

「鬼人族のことは知っていただけに相手を選ぶのはマズル本人と思っていたが…まさか来訪者のレンゴクを選ぶとはな」

ゼノはそう言いながらマズルを見ると続けて煉獄を見る

 

「鬼人族に…いやマズルに選ばれると言うのはどういうことなんだ?」

ゼノの話しを聞いて煉獄が問いかける

 

「まずおまえが強くなってるはずだ! 力も身体も昨日までの数倍はな。 そしてマズルはレンゴクに似たような力を使えるようになっただろう。 どういったものかは見てみないとわからんが必ずおまえの役に立つものじゃろうな」

ゼノの言葉を聞いて煉獄はハッとする

 

そしてマズルの方を見るとマズルは笑顔で頷いて

「キョウジュロ…もっと強く…言ってた」

マズルは笑顔のまま話し

少し俯くとその頬に涙が流れる

 

「マズルの両親…死んじゃった…マズル…キョウジュロが死ぬはイヤ! だからマズル…キョウジュロと一緒…戦うの」

マズルはぽろぽろと流れる涙をそのままに

笑顔で煉獄へと話しかける

 

 

それを見て煉獄は胸が熱くなる

そして改めて元の世界で共に戦った

鬼の妹を持つ少年を思い出す

 

( 竈門少年…君の気持ちや暖かい思い… )

( 今なら俺もわかる気がするぞ! )

 

 

そんな煉獄を見ながらゼノは

マズルへと近寄り頭を撫でながら

「レンゴク…ワシはおまえがここへ来たのには何か理由があると思っとる。 それもかなり重要なことでな。 そしてそれはおまえの力にも関係していると思うんじゃ! とにかく他の来訪者に会いに行くのじゃろ? ワシもマズルも付き合うぞ」

ゼノは言いながらにやりと笑う

 

それを聞いて泣き止んだマズルも笑顔で頷く

 

二人の言葉や仕草に込み上げるものを感じ

煉獄は涙腺がじんわりとするも

「まったく…俺が知らないところで二人だけで話しを進めているとは! よもやよもやだ。 ならばありがたく付き合ってもらおう」

 

煉獄が笑顔で言い切り歩き出すと

マズルはうんと笑顔で頷き喜んで着いていく

そしてゼノはふっと笑みを浮かべ

二人の後を追って歩き始めた

 

 

 

 







今回の話しでこちらの世界では鬼は
数少ない神の使いとも言われる特別な種族である
ことがゼノの口から判明しました

鬼滅を見られた方ならわかると思いますが
鬼は選ばれし者にしかなれない
そう表現されたり言っている場面があります

それをこちらでは神格化で表現して
血を飲んだ者と力を共有して互いに強くなる
そういった形にしてみました

煉獄が力を欲したのに対して
悪い意味ではなく自分も力になりたい
そしてこの先で死なせたくない
そう思ったマズルの気持ち

この二人と保護者的なゼノが
次話より共に広大な世界へ動き出します

素人作者の妄想話しですが
暖かい目でこれからもよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。