摩訶不思議ハイスクール・ライフ エヴァンゲリオン 杜宮学園物語   作:朝陽晴空

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第二話 夜の異変、《異界化》発生

 杜宮学園の2年生、時坂コウは夜の喫茶店のアルバイトを終えて家に帰ろうとしていた。

 その夜は冷たい雨が降っていた。

 

「おかしいな、バイト前は雲一つ無い晴天だったのに」

 

 春の天気は変わりやすいと言っても、アイドルグループ《SPIKA》のメンバーが日替わりでやっているTVの天気予報では、今夜も雨は降らないと言っていたので、コウは傘を持って来なかった。

 

「仕方ねえ、また店に戻って雨宿りするとタダ働きさせられそうだしな……」

 

 コウは濡れネズミになって帰るのを覚悟した。

 再婚したばかりの両親は息子を置いて海外旅行に行ってしまうし、残された俺はこうしてバイトをして食いつないでいくしかない。

 

「はい、コウくん」

「おい、何でこんな所に居るんだよ!」

 

下の方から猫の模様の入った傘が自分に差し出されると、コウは傘を持った人物が隣に住む同級生で幼馴染の倉敷シオリだと気が付いた。

 

「コウくんがなかなかお家に帰って来ないから、またバイトしているんだと思って、レンガ小路のお店の人に聞いたの」

「おいおい、お前は俺の母さんかよ」

「うん、お母さんからコウくんを任されたんだから、今は私がお母さんだよ。さあ、帰って一緒にご飯を食べよう」

 

 このままではシオリにずっと背伸びをさせてしまう。

 コウはシオリから傘を受け取ってなるべくシオリを濡らさないように差した。

 

「悪ぃ、喫茶店でバイトのついでに食べた」

 

 頭をかきながらコウがそう言うと、シオリは頬を膨れさせた。

 

「ひどい、せっかくコウくんのために作ってあげたのに、トワさんにバイトしていたって言い付けるからね!」

「それだけは勘弁してくれ、祖父ちゃんにバイトの事がバレたらまたしごかれる。ああ、まだ喫茶店で食べたりなかった、シオリの作った飯が食いたいな」

「じゃあ、早く帰ろう!」

 

 相合傘でシオリと帰ろうとしたコウは、夜の公園に柊明日香とシンジとアスカ、レイが集まっているのに気が付いた。

 春だとは言え、夜の激しい雨は冷たい。

 

「あれは……柊? 下級生を集めて何をしているんだ?」

「あの子達、風邪を引いちゃうよ! 傘がこの1本じゃ足りないよ」

 

 いつも教室でにこやかな表情を見せている明日香が、3人の下級生に対して凍り付くような瞳で何か話しているようだ。

 明日香が下級生を雨の中呼び出していじめているのだとしたら放っては置けないと、コウとシオリは夜の公園へと足を踏み入れ、4人へと近づいた。

 すると2人の前で信じられない事が起こった。

 何もない空間に裂け目が生じて、門のような物が出現したのだ。

 明日香を先頭に、シンジとアスカ、レイの3人は門の中へと入って行った。

 どうしたものかとコウとシオリが立ち尽くしていると、門の向こうからドタバタと争うような音が聞こえ、シンジやアスカ、レイの悲鳴のような声が聞こえた。

 

「コウくん、お巡りさんを呼ぼうよ」

「そ、そうだな」

 

 シオリの言う事ももっともだとコウは携帯電話を取り出したが、このような状況を警察に話しても来てくれるかどうか疑問だった。

 何よりも、今すぐに助け出さなければ明日香達が危険な目に遭っているかもしれない。

 

「シオリ、お前は先に家に帰ってろ!」

「あっ、コウくん!」

 

 コウが不気味な門に近づくと、身体が門に吸い込まれた。

 

「コウくんっ!」

「シオリっ!」

 

 コウはシオリに向かって手を伸ばすが、シオリに手が届かない。

 2人を飲み込んだ門は姿を消し、異界への裂け目は消えて静かな夜の公園へと戻った。

 その直後に公園に現れたのが、杜宮学園の学生2人。

 傘を差したハルヒとキョンだった。

 

「……何だ、誰も居ないじゃないか」

「このバカキョン、あんたがモタモタしているせいで、みんなどっかに行っちゃったのよ!」

 

 ハルヒはそう言ってキョンに八つ当たりをした。

 明日香が夜の公園で、とシンジ達に話しているのをシンジ達の家の前で盗み聞きして、ハルヒは学校で自分の前の席に座っていたキョンを自宅まで押しかけて連れて来たのだ。

 

「だいたい、何でお前が俺の家を知っている」

「だって、あんたの苗字からして珍しいじゃない。今度ヘマをやらかしたら、全校生徒にあんたの本名を言いふらしてやるからね」

「それだけは後生だから勘弁してくれ」

 

 キョンは拝むような仕草でハルヒに頼み込んだ。

 クラスの自己紹介でキョンは自分の名前を言うのが恥ずかしく、担任のミサトの理解もあって、クラス全員で「キョン」か「涼宮の前の席のヤツ」と呼んであげようと言う空気になったのをぶち壊されてはたまらない。

 

「涼宮、何も無い夜の公園に居たって時間の無駄だ。あのゲームだってレイドバトルの時間が過ぎたら次の日まで終わりだろ?」

「分かった、帰る。でも夕飯はあんたのおごりよ」

「どうしてそうなる!?」

 

 その翌日、ハルヒは昨日のお返しだと言って、キョンに手作り弁当を渡した。

 母親の味覚が変だから、自分で弁当を作るようになったのだとハルヒは話していた。

 それはさておき、明日香を含めた6人は何処へ行ってしまったのか。

 それぞれのクラスの担任教師は、翌日のホームルームの出欠確認の時は、平然とした態度で欠席扱いにしていた。

 昨日の冷たい雨のせいで風邪が流行っているらしいとの言葉で、不思議に思った友人達も落ち着いたようだった。

 

 

 

この作品で足りない部分は外伝で補完して行きます。足りないと思う部分を教えて下さい。

  • 新世紀エヴァンゲリオン(LAS)
  • 涼宮ハルヒの憂鬱(日常)
  • 東京ザナドゥ(バトル)
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