頭に浮かんだ妄想を書き殴ったので続きが思いつかないかもしれません。その場合は更新しません、または亀よりも遅い更新になります。
時系列は舞台#2が終わったあたりです。
私のもとに一通の手紙が届いた。
手紙の送り主は中学時代、私に演技のいろはを教えてくれた人だった。
手紙の内容は、久しぶりに私に会いたいから最後に会った場所で待っているとのことだった。
その内容に私はまたあの人に会える嬉しさと共に不安と恐怖が浮かび上がった。
嬉しさの原因は、久しぶりの再会から。
不安の原因は、今の自分があの人と最後に会った時から成長していなかったらという懸念と、私があの人にした失礼なことに対しての謝罪がまだであるという事実に対する罪悪感からくるものである。
そして恐怖の原因は、私が興味本位であの人の本気の演技を見たことだった。
あの人がなんの演技をしたのかはわからない。けどあの人がとある演技を始めた瞬間、ありえない事だが背の高さが大きく変わったのだ。黒髪は金髪オールバックになり、サングラスをかけ、黒いコートを身に纏い冷笑を浮かべる恐ろしい存在に思えたのだ。実際には何も変わっていないのに私の目にはそのように映った。
さらには周りの景色や匂いも変化した。街を歩いていた人たちは体から黒い触手を生やした腐った死体のようになり、周りからは腐敗臭がした。
街の至る所に鮮血がこびりつき、遠くで火事が起きているのか何かが焦げた匂いもした。
私は怖くなってそこから逃げ出した。
必死に走って家に着き、深呼吸をすると周りはいつもの風景に戻っていた。
あの人の前から逃げ出したことを思い出し、先程の場所に戻ってもあの人はいなくて謝ることが出来なかった。
いつもは決まった曜日の決まった場所で放課後に会う約束をしていたので毎週会えたが、あの人が現れなくなったので、その日からパタリと会うことが出来なくなった。
あの人の連絡先も知らないため、これから先あの人に会うことはできないと思っていた。
しかし、あの人からこうして手紙が届いた。私はあの人にある約束をされたのを思い出した。
聖翔に受かるレベルまで君を鍛えると。
あの人は私が聖翔に受かっていると信じてこうして手紙を出したのだと考えると嬉しくなる。
「……なな、どうしたの?さっきから百面相みたいに顔を変えて」
どうやら純那ちゃんは、手紙を見てからうんうん唸っていた私を心配してくれているようだ。
「えっと実はね。中学時代、私に演技のレッスンをしてくれていた恩師から久しぶりに会いませんか?って内容の手紙が来たんだけど…。会おうか迷ってて…」
「え?会ったらいいじゃない!それにしてもななの恩師ね…どんな人なの?」
「優しくて責任感のある人だよ。演技について何も知らない私を聖翔に受かることの出来るレベルにまでちゃんと育ててくれたんだ」
「へぇ、そうなのね。聖翔に受からせるレベルまで持っていく技量があるということは、その人自身の演技力も素晴らしかったのね!私も会ってみたいわ!」
あの人の演技力は凄まじかったが表現の仕方がわからない。
いや、そもそもあれを演技と言ってもいいのだろうか…。
「どうしたの?」
「え?あぁ、うん。先生のする演技はひょっとすると究極、極地と言っても過言じゃないはずだよ」
「なながそこまで言う人だなんて……。余程演技が上手いってことは、その人ってもしかしてよく舞台や映画に出演している人なの?」
「ううん。先生は一度もそういった表舞台には立ったことないって言ってたよ。
それに、演技が上手いといってもあの人の演技は演技のようで演技ではなく、演技の枠に留まらないものなのよ」
「演技の枠に留まらない?どういうこと?」
「えっと、純那ちゃんは演技の極地って聞いたらどんな演技を思い浮かべる?」
「え?うーん、やっぱりその演技を見ただけで情景が浮かぶ…とかかしら」
「やっぱりそう思うよね。でもあの人のは違った。
あの人の演技は情景を思い浮かばせるんじゃなくて、その場面の中に自分たちも入っていると錯覚させるものだったの。
匂いや暑さ、五感で感じることのできる全てに対してまるで本当にその場面に立ち合っているのだと感じさせてしまう演技だったの」
「それは…出来たらすごいとは思うけど…」
「信じられない?」
「…いえ、なながそう言っているんだもの、信じるわ。でもその人はどうしてそれほどすごい能力があるのに舞台をやったりしないの?」
「うーん、詳しくはわかんない。昔聞いてみたら他にやりたいことがあるからの一点張りだったよ」
「そうなのね。
ねぇなな、どうして会おうか迷っているの?
それだけすごい人ならむしろ会いたくなると思うのだけど…。
もしかして昔その人と何かあったの?」
「やっぱり純那ちゃんにはお見通しなんだね…。実はそうなの、最後に先生に会ったときに失礼なことしちゃって…。
それから1回も会ってないからちょっと会いにくくて……」
「そういうことだったのね」
もちろん、会いたい気持ちはある。だがやはり怖いものは怖いのだ。
そういえば純那ちゃんはさっきなんと言っていた?確か会ってみたいと言っていた。
よし、決めた。純那ちゃんについて来てもらおう。
「…純那ちゃん、もしよかったら先生に会うのについて来てくれる?純那ちゃんがいたら多分大丈夫だと思うんだ」
「え!いいけど…。本当にいいの?2人水入らずで会った方がいいんじゃ…」
「いやー、むしろその方が緊張しちゃうんだよね。でも純那ちゃんかいてくれたら安心というか緊張しないというか…」
「….ふふっ 、わかったわ。私も一緒に行くわ!」
「やった!ありがとう純那ちゃん!」
タグにあるオリジナルキャラが、名前すら出ていないこの状況。
原作でばななは中学時代ずっと1人で練習して聖翔に受かる実力を身につけたとのことなので、演技のいろはについて教えてくれる先生を用意しようと思いました。
(もしかしたら演技のスクールに通ってたかもしれないですがね、私はわかりません)