ーーー七月二十八日 上条の病室ーーー
「よーう上条、元気かー? 」
記憶が無いとわかっていながら俺は話しかける
「え?あ、あぁ元気だぞ…」
「おいおい無理しなくていいんだぞ?俺に嘘が通じると思ってんのか? 」
「そうか…ゴメンな。知ってると思うが俺は記憶を失ってしまった」
「いいんだよ気にしなくて、友だちだろ? 」
(嘘だ、この前は悔しがっているフリをしてたが、やっぱりまだ二次元の人間だと、所詮物語の人間だと思い込んでいる。俺も同じ場所に居るのにな…)
「そうだったのか…ゴメン、完全に忘れてしまって」
「もう一度言うけど、いいんだよそんなこと。お前がやりたいようにやってこうなったんだろ? 」
「まあ…そうらしいけど」
「だったらいいんじゃないか?あ、一応言っとくけど、消えてしまった"上条当麻"が今のお前とは違う人とは言わせないぞ?どうせお前のことだから自分を好いてくれてる人は前の自分に好意を抱いているとか思ってるんだろうが、お前も前のお前も記憶の有無という違いしか無いんだからな?どうせ困っている人を見たら体が勝手に動くんだろ? 」
「…そうだな、その通りだよな!ありがとうな、気が楽になったよ、"天上"」
「…お前、なんで俺の名前覚えてんの? 」
「あれ?なんでだろう…?勝手に口が動いたんだけど…やっぱりまだ俺も覚えてるのかな? 」
「"心"…にか? 」
「…ああ、そうだ」
「全くお前らしいな。まあいい、改めてよろしくな、上条。俺は天上薫だ」
「ああ、よろしく」
そうして、二人は"また"友だちになった
ーーー病院 ロビーーーー
(ったく…俺はどうしようもないクズだな)
(どうしてもカッコつけてしまう。嘘の言葉で塗り固めてしまう)
(妹達だって見捨ててしまっているし…まあ俺の考え方も悪いとは思うが、どうも死んでも構わないと思ってしまっている)
(一方通行だって殺したくないに決まってるだろうに…無理矢理人形だと思い込んでいるだろうが、その点では俺の方が残酷だな。人間とわかりつつも見殺しにしている)
(しかし、妹達が一方通行に殺されたいと思っているうちは俺も止めることができないんだよなぁ…)
(まあ上条だったら『友だちなら止めて見せろ!』とか言うんだろうけど)
思い悩んでいると冥土返しが来た
「やあ天上君、上条君の様子はどうだった? 」
「いつもよりちょっとだけしおらしくなってましたよ…ってもう知ってるんじゃないですか?先生」
「まあね、聞いてみただけだよ。それに、君には伝えておかないといけないことがあるしね」
「なんですか? 」
「実はね、君のそのチョーカーなんだけど、実は何の意味も無いんだよ」
「…え? 」
「君は聖人だ、それゆえに巨大な力を持っている。驚異的な身体能力もね。なのに考えなかったのかい?もともと君の反射神経、運動神経は常人を遥かに超えている。」
「じゃああのチョーカーは何の意味が? 」
「一つ目はこの前説明したように聖痕が勝手に開かないようにだ。まあこれはもう必要無いと思うけどね? 」
「そして二つ目は、精神の安定だ。君は自分の体に精神が追いついて居ないんだよ。だからチョーカーをつけたら大丈夫だと思い込ませ、精神が追いつけるようにした」
「実はそのチョーカーにバッテリーの概念なんか無いんだよ、君の電気信号に反応して針を出すだけだからね。だからもう外してくれても構わないよ? 」
「いや、遠慮しておきます。誰かと戦うことになった時にこのチョーカーを弱点だと思わせておけば便利ですから」
「それに、なんだかんだ言ってこれ気に入ってますからね? 」
「ふむ、そういうことなら止めないよ。騙してすまなかったね」
「いえいえ、いいんですよ先生。僕のためを思って騙してくれたんですよね?感謝することはあれ、恨むことなんか一つもありませんよ」
「そう言ってくれるとありがたいんだね?まあ何かあったらすぐに連絡しなさい。死なない限りは助けてあげるからね? 」
「ありがとうございます、先生」
そう言って俺は先生と別れた
(しかしあんなに作るのが早かったのはそういうことだったのか…)
(…そういえば忘れてたけどマジで妹達はどうしよう…)
(…まあいい、一方通行と一緒に罪を背負えばあいつも気が楽になるし、その点はいいか)
(…考えていても仕方ないな、どうせ俺は自分の信念を貫くだけだ)
(昼飯食べに行こう…インデックス誘うか)
俺は上条の部屋から飛び出してくるであろうインデックスを病室の前で待つことにした
ーーー八月八日ーーー
結局、あの日からは平和だった
インデックスと仲良くなったり、神裂とステイルにお礼を言われたり、ローラに目をつけられたりなどしたが、それ以外は特に何もなく、学校に通っていた
土御門からの視線が怖かったが
で、今日、俺は上条、インデックスと共に出かけている
上条は参考書を買いに、俺は暇だったから…というのは表向きな理由で、本当はアウオレルスからインデックスを保護するためだ
竜王の顎(アウオレルスの幻覚かもしれないが)の覚醒のため、俺は迂闊に手を出すことができないので、俺はこうするしかない
まあ上条の知人に会った時のフォロー役でもあるが
「あれーカミやんとかおるんやんか、何しとるん? 」
「しかも女の子シスターさんもつれてにゃー」
「どちら様なのかな? 」
「ああ、こいつらは上条の友達で、そこの青い髪のやつが青髪ピアス、にゃーにゃー言ってるやつが土御門元春だ」
「ちょっ、かおるんひどいにゃー」
「まあボクはそのまんまやからなぁ」
「よろしくなんだよ!あおがみ!もとはる! 」
(ありがとな、天上)
(いいってことよ)
(コイツ、直接脳内に…! )
そんな感じで上条をフォローしながら俺たちは一緒にファストフード店に行くことにした
で、まあ相席になったところに■■、もとい姫神が居たのだが…
「お得すぎだバカ」
とか
「どこの所属なのかな! 」
とか
「百円、ちょうだい」
とか、色々カオスだったので、とりあえず100円渡しといた
が、自称塾の先生の黒服に連れ去られて行った
100円…意味なくね?
で、なんだかんだあって俺と上条はステイルとお話しているわけだ
も、もちろん上条へのフォローは忘れてないんだからね!
あとなんか俺も魔術サイド処理班にされてるらしい
まあいいけどさ…
「これが今回の資料だ」
そう言ってステイルは俺たちに資料を飛ばす
アウオレルスについては知っているので目を通すフリだけしておく
「で?アウオレルスはなんでこんなことをしてるんだ? 」
「それは僕にもわからない」
「そいつってインデックスの先生だったんだよな? 」
「ああ、そうだけど? 」
「ということはインデックスを助けようとしてるんじゃないか?吸血鬼を使って 」
「…そうかもしれないが確証は無い」
「どちらにしてもインデックスを俺たちから遠ざけたのは失敗じゃないか?連れ去られる可能性もあるというのに…」
ステイルはやってしまったという顔をしている
「おいおいしっかりしてくれよ…まあいい、お前たちは行け、俺が保護してくるよ。なんかあったら連絡しろ」
そう言って俺は翼を展開、インデックスが行った方向に向かった
結局、2時間ぐらい探し回ったが、一向に歩く教会の魔力が感じられない…と思ったら上条が破壊してたんだった、失敗失敗
まあこんだけ探しても見つからないってことは連れ去られたんだろうと思い、三沢塾に突撃することにした
と思ったらローマ正教の騎士団がグレゴリオの聖歌隊で聖呪爆撃しようとしてたんでとりあえずふっとばしといた
「テメェら中の人間を潰す気かゴルァ!! 」
俺は翼を展開、騎士団を日本海あたりまで飛ばしておいた。死にはしないだろう、うん
そうしてる間に上条たちがアウオレルスに遭遇したらしく、銃声が聞こえてきた
俺はそのまま飛び上がり、アウオレルスが見えたのでガラスごと『木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン! 』と言わんばかりに突っ込んで行った
「アァウゥオォレェルゥスくゥゥゥゥゥゥゥゥン! 」
と、言いながら突っ込んで行った瞬間、ステイルが肉花火になった
「…あ、すまん」
上条が吐きそうになってたが気にしない
「愕然、このビルの窓ガラスを突き破るとは、一体何者」
「てんめぇー!!よくもステイルを!! 」
「またしても愕然、何を言っているのだ少年」
「うるせー!! 」
そう言って俺は能力で竜王の顎みたいな感じの物を作成、アウオレルスくンにぶち当てる
「うわぁぁぁー! 」
あーやりすぎたかな、まあいいや
「おい上条、そのステイルだった物に触ってみろ元に戻るぞ」
「えー触りたくない…」
とかいいつつも上条が触ると元に戻った
「ふぅ…すまなかったね」
ーーー後日談ーーー
結局、アウオレルスは原作通り、顔を変え、記憶を消されて生きているらしい
またアレイスターにローマ正教からクレームが来たらしい。知ったことじゃないが
え?竜王の顎のこと覚えてる?だって?
…別に今中条さん出さなくても大丈夫だろ。ということで俺がやっちまった
…ホントは一方通行の流れをやりたかっただけなんだ、すまん
次は妹達か…