ヒト>ウマ>ヒト 作:ゼン◯ロブロイ
木曜日
俺って最低だ…。
夢の内容を思い出せないが、そんな事は些細な事だ。 こうして洗濯機の前に居る理由に比べれば。
まさかこの年で暴発するとはなぁ、いやぁ若いな私! どう考えても夢でやらかしてるよファ〇ク! ただの夢なら百歩譲ってまだましだ…万が一、もし万が一にも「彼女」が関わっていた場合は…いや、そちらはもう考えない方がいいか。 考えても無駄だともいうな。
全くもって度し難いが、出ちまったモンは仕方ないか。 ショウセイ達が来る前に(現在午前4時)目が覚めただけよかったとするさ…シャワーも浴びておこう。
さて、どうしたものかな…。 寝なおすのも微妙な時間だし、と…探偵達から連絡?
えぇ…こんな時間に麻雀の面子に誘うのかよ…いや、嫌いじゃないけどさぁ…。 で、ルールは何時ものテンピン25の3万返し、ウマは10-20か。 どうせ探偵がカモられて不貞寝したんだろ? あぁ、やっぱり。
というか、私が探偵の代わりに入るのは良いとして、面子はどうなってるんだ? 喫茶店のマスターとオマエ、あと一人は? …は? いや、は? いやいやいやいや、何処で知り合いになったんだよ…。 あぁ、仕事の関係で協力して知り合ったと。
私が呼ばれなかったという事はケガもしなかったんだろうが…荒事なら、いや、これは余計なお世話か。 まぁ、いい。 非番とはいえ他国の王室関係者のSPと卓を囲む事になるとはなぁ…。
あぁ、何となく断れない事は理解したよ。 コンビニに寄ってからそちらに行くから休憩して待ってろ。 ではな。
急ぎの仕事は無かったし、書置きも残しておいた。 本日休診のプレートも掛けておいたし連絡先もちゃんとプレートの裏に記入してある。 だから問題はなかったし、結果として緊急連絡が入る事も無かったが…。
夜明け前から打って、もう日没なのは…いくらなんでもキツイな。
しかしまぁ、あの女好きがタジタジになってたのは面白かったな。 明らかに狙い撃ちにして、負け分を貸しとしてデートに誘うとは、中々に肉食系だなぁ。 ウマ娘は大概そういうモンだと思わなくもないが。
それにしても王室関係者、ねぇ。
「我が友よ!」とかやかましかったが、なんか嫌いになれないというか…愛嬌があるというか、まぁ、残念でも美人だからなぁ。 本当にやかましかったが。
今頃何処で何をしているやら、レースの世界に本気で取り組みたいからって家出した! って挨拶に来たのはびびったがな。 どっかのトレセンにでも潜り込んでんのかねぇ?
ふと思い出した旧友の馬鹿笑いがどこかで聞こえた気がしたが、まぁ、気のせいだろう。 それにしても、あの女好きは最終的には盛大に凹んでたな。 まさかの箱下アリでサシウマ握るとか思わなかったが…泣く泣くデート券を制作させられてたのは面白い見世物だったな!
喫茶店のマスターもニヤニヤして眺めてたから、お互い同じことを思ったんだろうな。 つまり、「人生の墓場へ出荷されるんだな」と。 どう考えても狙われてるし、独り身だから逃げ切れんだろうなぁ。
半日費やしただけの価値はあった見世物だからね、仕方ないね。 ここで出荷されてくれれば、今後はアイツが逃げ回る事での被害を受けなくて済むからな。 後で友人達にも連絡まわしとこ。
ま、奴を逃がさない為の保険として、私達全員で証拠写真…というかまぁ、奴の負け分を明記して見えるようにして集合写真を撮っただけなんだがな。 御祝儀の用意でもしておくかなぁ?
「随分ご機嫌ねぇ、センセ♡」
「サイト、正座」
「書置き一枚で連絡無し、御機嫌で帰ってきたならアタシたちとオハナシできますよね、師匠♡」
あの、いや、違うんです。
あ、ハイ。 フローリングに正座は…ハイ! 喜んでオハナシさせていただきます!
金曜日
昨夜は酷い目にあった…というか、現在進行形で辛いとです。
帰宅した私を待ち構えていた三人に心配されていたらしい。 というのも、先日野外で襲われかけた事をマルゼンスキーがショウセイと馬鹿弟子にも伝えていたようで、帰りが遅い私にやきもきしていたところに上機嫌な私が帰ってきた、と。
タイミング悪く、普段使いのスマホは「彼女」の悪戯被害で電源が入らなかったのだが、正直に言おう。 持ち出した段階で電源が入らない事に気づいていなかったんだ。 結果として連絡が繋がらないわけで、そりゃあ心配もするか…。
だからといって一緒に眠るのは意味がわからないんだがな!
ショウセイはまぁ、仕方ない面もある。 マルゼンスキーは好意を示してくれたから、まぁ、分からなくはない。 馬鹿弟子は…まぁ、好かれているとは思っていたが、こういう方向だとは思っていなかったんだがなぁ。
だが、それ込みでも皆一緒にというのは意味が分からないというかわかりたくないというか…。
どうにも、誰かが選ばれるじゃなくて全員で私を囲い込む方向に行ってるようだ。 なるほど、素晴らしいな、誰も傷つかない選択肢だ。 だが、それ選んだら私がグランドゲロカス下半神になってしまうんだが??
…まぁ、そういうのを抜きにしても不安だったんだろうな。 これだけガッチリしがみつかれてばそれぐらいは察するとも。
やぁ、危うく騸馬になるところだったサイト君だよ! 今は人だから騸馬なんて言わないしこの世界には存在しない言葉だけどな!
寝返りを打ったマルゼンスキーの膝が私の股間に直撃、泡吹いて気絶していたらしい。 三人揃って青い顔して謝ってきたが、事故だしなぁ。 というか、ベッドからはみ出して、寒さで寝返りをうったと思われるので、ベッドのサイズが足りてないから今後は無しでと、言えればよかったんだが…まぁ、うん。 ベッド買い替えることになりそうだ。
スキンシップの一環で押し切られた辺り、私は弱いな…。
朝からバタバタしたが、揃って朝食を取ってトレセンに向かう彼女らを見送る。 そして入れ替わりに頭の上に降ってくる「彼女」。
ハハハこやつめ、先日の悪戯の結果を聞きに来たと。 うんうん、君は自由だからね、そういうこともあるか。
だが許さん、徹底的にこねまわしてくれるわ!
小動物を構い倒して落ち着く事ってないかな? 例えば猫、例えば子犬、例えばウサギ。 あまり構いすぎるとよくないのは理解出来ていても、手を伸ばすのをやめられないという同志は結構いるのではないかと私は思う。
例えば喫茶店のマスターは猫が大の苦手だが猫には大層好かれている。 奴が居るとどんな気難しい子でも寄ってきてくれるから良く連行されてるんだが、あれは凄いぞ? 身長二メートルはある厳つい大男にびっしり猫が群がって本人は微動だに出来なくなるからな。
因みに女好きは小動物と子供には大人気だがナンパは基本失敗する。 ピンポイントに重たい相手とかやべー相手には好かれるから私達まで巻き込まれるから勘弁してほしいのが本音ではあるが、アイツも捕食間近だから今後は頻度も下がるだろう。 無くなると思えないのは日ごろの行いだな。
探偵達はそこそこ好かれるが、まぁ、普通かねぇ? 意外なのは警察関係の連中が小動物には滅茶苦茶駄々アマな事だな。 日頃の言動は明後日に投げ捨てたかのように甘やかしてるからな…いや、趣味は人それぞれだからいいんだが。
さて、思考が逸れたが…もう3時間も経過していたか。 そろそろ昼時だが、今日は仕事が全く進んでいないなぁ。 「彼女」を延々撫で回してたから仕方ないな。
言い訳をさせてもらうと、「彼女」に体温は無いが、毛艶も手触りも尋常じゃなく宜しいのだ。 更に言うなら抱き心地も大変に宜しい、というかアレは魔性といっても差し支えない抱き心地なのだ。
すっぽりと腕の中に納まって生き物の熱を持たないのにサラサラの髪の毛や尻尾にフワフワとした手触りの耳と来て肌のしっとりというかすべすべとしているのに吸い付く感覚とかこれはもう構い倒しても仕方ないというか「彼女」が悪い私は悪くない。
とまぁ、そういう理由でノンストップで延々撫でまわして構い倒した結果として、なんかツヤツヤしてるけどぐったりして私の膝の上で微動だにしない「彼女」が出来上がった訳だ。
八つ当たりが過ぎる? 知らんなぁ。 私は傷ついた心を癒すために小動物を構い倒しただけだ。 「彼女」が小動物か? 誤差だからセーフセーフ。
幸いと言っていいのか微妙だが、急ぎの仕事は無い。 でなければ先日誘われたからと麻雀に行くわけもないのだが。 強いて言うならば、今日はカルテの整理でもしておくかと思っていたんだが…ま、医者なんて暇してるくらいが平和でよろしいというのが持論なのでね。
そういえば、「彼女」は食事を取れるのだろうか? いや、夢の中では飲食出来るのは知っているんだが、こちらで何かを口にするというのは見たことが無かったのでな。 試してみるのも面白いかもしれんが、さて…?
仕返しなのか、昼食に用意されていたサンドイッチを食べさせるのを要求されたんだが、食べ方が…なんかこう、アレだ、ヤバい? 生命力的なモンを吸われてなかったら危険だったと思うくらいの…こう、エロい? 食べ方だった。
私の慌てる顔を見て満足したのか、そのまま帰っていったが…ヤバい。 次に「彼女」が来た時に普通に接することが出来るか自信がないぞ。
この後どうしたかって? 結局悶々としてカルテの整理なんか出来た訳ないだろ!
帰ってきた我が家の三人娘に怪しまれたが…まぁ、うん。 セーフだから。
土曜日
はい、昨夜はショウセイとマルゼンスキーは帰宅したので添い寝回避したサイトです。 ちゃんと一人で寝たんです。 寝たんです。
何故か添い寝してる奴がいましてね…馬鹿弟子なんですが。 畜生、柔らかいしあったかいしなんかいい匂いするし、おまけに寝てる馬鹿弟子はただの美女だからタチが悪い。
「彼女」に吸われてなかったらヤバかったぞ…と書くのも二度目か。 あれ、もしかして私結構「彼女」に救われてるのではないだろうか?
つらつらと意図して思考を明後日に放り投げる私の隣には、気持ちよさそうに寝ている馬鹿弟子が居る現実は変わらないわけで…。 どうしたものか…?
視線を感じてドアに目を向けたら、隙間からマルゼンスキーとショウセイがこっちを覗きこんでいる…。 眼があった二人はそのまま部屋に入ってくると、馬鹿弟子の足を掴んで引きずっていった…。
鈍い音と悲鳴が聞こえたが、聞こえなかったことにしよう、そうしよう。
その後は頭を抱える馬鹿弟子と少々ご機嫌斜めといった風情のショウセイ、困ったような苦笑いを浮かべたマルゼンスキーに囲まれて朝食を取る。
多分あれは、馬鹿弟子の行動をずるいと感じて不機嫌になっているのを見て、落としどころをどうするか考えてるんだろうなぁ…。 あれ、馬鹿弟子の方が年上なのに保護者ポジション…いや、よそう。 これ以上考えるのは危険だな。
朝食を終え、三人を見送り…ちょっとした勘で、手早く診察道具等を纏めた鞄を用意する。 こう、このまま今日を終えて明日を迎えるとGAMEOVERとか言われながら捕まりそうな気がするんだ。
北と南、どちらへ行くか…往診の予定も無いし、今回はスマホの電源もちゃんと入ってる。 書置きヨシ。 折角だ、久しぶりに挨拶に行くか…。
…ここに来るのも久しぶり、か…恩人の墓に無沙汰で申し訳ない。 あの時貴方に救われなければ、私もどうなっていたかわからない。 長々と語らう程の付き合いがあったわけではないが、貴方の好物だと聞いて用意してきた。
流石に羆を仕留めるのは骨が折れたが…。 掌だけで申し訳ないが、一番うまいらしいから供えておくよ。
やぁ、お待たせして申し訳ない、ティナさん、キャンペンガールさん。
しかし、今でも不思議に思うよ。 遭難しかけた私を偶然見つけてくれた人があなた方の知人だった。 そしてキャンペンガールさんには治療が必要だった。
この縁を繋いでくれた彼が、我々を引き合わせて一月もしないで亡くなった事も含めて…不思議に感じるよ。
お、スペシャルウィークか…随分と大きくなったなぁ? 来年には中学生かぁ…あっという間だな、子供が育つのは。
む? 子ども扱いが過ぎると? ハハハ、まだまだ十割食い気なんだから子供でいなさい。 大人っていうのは、子供を構いたくて仕方ないのさ。
時にスペシャルウィーク、もう日が暮れるというのに森へ入るのは危ないのではないか?
何? 練習の成果を見せる? まぁ、そういう事なら…。
えっ、えっ? か、カポエイラ…? いや、違う…これヘブンズトルネード単独Verじゃねぇか! ダンスに合わせて落ち葉を砕いてる辺り無駄に練度が高いな…いや、無駄とは限らないのか…?
ダンスそのもののキレもいいし、動き自体に惹きつける…所謂華がある、というヤツか。 実態は破壊力を秘めたバイオレンスな代物ではあるが。
お、おう。 そうだな、動きも伸び伸びとしてたし、良いと思うぞ? でも間違っても人に当てないようにな? うんうん、スペシャルウィークが素直であんちゃん嬉しいよ。
おかしいなぁ、前回来た時にはレースに興味があったみたいだから関係資料置いてった筈なんだけどなぁ…。
あ、ティナさん。 スペシャルウィークのアレは…なるほど、キャンペンガールさんと二人してノリノリで覚えてたと…そうかぁ…そうかぁ……。
今日は連絡した通り一泊させてもらって、明日帰りますよ。 今夜は精々スペシャルウィークと遊び倒して過ごしますよ…。 うん、ちょっと心配になってきたんでね、うん。
日曜日
夜明け前だが、元気よく「あんちゃーん!」と飛び込んできたスペシャルウィークのボディプレスで目覚めたサイトです。
日課のランニングに付き合ってほしいらしい…いや、別に構わんが、私がスペシャルウィークについて行ける前提で話をしているのは何故なんだろうか。 多分本格化前だからついていけなくはないと思うが。
割とギリギリだったが、何とかついて行けたのであんちゃんの威厳は保たれた…筈、多分、おそらく。
しかし、ああも素直に懐かれると昔を思い出すなぁ、後ろをついてくるのはライスみたいだし、目を離すのが怖いところはスズカを思い出す。 ま、あの二人程じゃないかなぁ。
…こうも懐いてくれるスペシャルウィークを愛称で呼んでやらない自分が、酷く薄情な気がしてくる。
だが、仕方ないと思うんだよ。 だってキャンペンガールさんまで乗っかって愛称で呼ばせようとしてくるから…一律の扱いにするしかないんだ、すまないスペシャルウィーク…。
昨日仕留めて解体まで済ませておいた熊肉をお土産としていくらか包んで、残りは食べてもらおう。 幸いスペシャルウィークは健啖家の片鱗を見せているし、余るようなら近所(車で一時間以上かかる)に配るだろう。
折角なので簡単な健康診断を三人に受けてもらい、問題なく健康である事を確認して安心する。 今でこそはっちゃけたお…姉さんなキャンペンガールは、出会った時は死にかけていたのだ。 誰だって心配するだろう。
少々元気になりすぎてる気がしなくはないが、ティナさんには頑張って外付け良心回路を継続してもらおう。
因みに、我が家の三人娘からの連絡は昨夜届いていた。 チームの面々とお茶会をするから私の塒を貸してほしいというお願いに快諾した私だが、私が帰宅する頃にはお開きになっていることだろう。
馬鹿弟子とバカ者が合わさって事故が起きないことを祈りつつ、起床した三人娘からのメッセージに返信していく。
何となく、近いうちに何かがおこるんだろうなぁ、と思いつつも、そこからは目をそらしておこう。 主に心の平穏のために。
尚、お土産に狩った羆の肉を持って帰る旨を伝えたら、帰ったらOHANASHIだと怒られた。 解せぬ。
スペシャルウィークを構い倒して心をリフレッシュしつつ、お昼に熊鍋を堪能してから帰ることを伝えたら、駅まで送ってくれる事になった。
…軽トラは二人乗りなんだが? なんで全員で行く流れなんだ? 荷台に乗ればいい? いや、道路交通法というものがあってだな? あっ、いや、スペシャルウィークが見送りに来てくれるのは嬉しいんだよ? うん、うん。
女性に口で勝てると思ってはいけない(戒め)
舗装もされていない田舎道を安全運転で走る軽トラ、その荷台でスペシャルウィークを可愛がり倒しております。
舗装されてる所まで出れば、多少はスピードを上げるものの…やはり、安全運転。 流石に荷台に人を乗せてればそうだろうなぁ。 本来人を乗せて走行しちゃいかん訳だし。
が、ここで無駄に手回しの良いキャンペンガールさん…。 所管の警察署に許可貰ってやがった。 アクティブかつアグレッシブだなちくせう。
そんな事を考えていたら、撫でる手が止まっていたらしい。 不満そうなスペシャルウィークに謝ってから再び撫でる。
むふー、とご満悦なこの子を見ながら、将来変な奴に騙されないだろうかと心配になる。 穏やかな時間を楽しんでいると、目的地である駅に到着したようだ。
スペシャルウィークが私の膝から立ち上がると、「私、中央トレセン受験するから。受かったら遊びに行ってもいい?」と上目遣いで可愛らしく問いかけてくるではないか。
受験に対するモチベーションアップになるなら許可しないという選択肢は無い。 そもそも、可愛らしい妹分のおねだりを断るあんちゃんとかいませんよ。
笑顔で見送ってくれる三人に別れを告げ、電車に揺られながら思う。 今夜、寝れるのかな、と。 お説教怖い。
次は多分…膨らまなかったネタ詰め合わせかなぁ。
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