ヒト>ウマ>ヒト 作:ゼン◯ロブロイ
恥ずかしながら戻ってまいりました
ラモーヌ実装されたら次かな
短いけど許して…?
廃棄調査記録
今回は日記というか…少々違うモノになるので曜日記載も無しだ。
読み返す事も無いだろう。 調べた事を書きなぐるだけとも言うな。 考えるだけで文字が刻まれるので書きなぐるという言い方も少々違う気もするが…まぁ、良い。
先日、女好き達とまた麻雀をしたんだが、その際に気になる事があったのが事の発端だ。
何時もの様に女好きが無謀な打ち筋で通らばを狙い撃ちにされていた時に、カオリさんが軽食を差し入れに来てくれたんだが…。
私はワンダーパヒュームと言う名前を思い出せなかった。
帰宅してカルテの整理をした時に思い出せなかった事実に気が付いたのがスタート地点だったのだが…これは今までに無かったことだ。
より正確に言うならば、カオリさんとワンダーパヒュームが=で繋がらなかった、と言うべきか。
引っ掛かりを覚えた私は軽く調べたのだが、知人連中は違和感無く認識が切り分けられていたのが確認出来た時点で、「異世界案件」だと認識した。
私というある意味で例外的な存在であっても影響を受ける。 しかも、認識の上では彼らの方が当たり前なのだ。
そして調べた結果は、中々に残酷なモノだった。
ウマ娘の受け継いだ魂、ウマソウル。 その内包する因果や補強する祈り・願い・思い出…。
そういったモノの影響というのは色濃く出る事もある。 例えば怪我、例えば出走レース、例えば目標、例えば気性。
そして、元になった魂の最後の記憶、死因。
勿論、死亡するとは限らないし、それを塗り替えるような結果もある。
一例としてはマルゼンスキーがそうではないかと考えている。 というか間違いなく彼女は違う未来を刻んでいると言える。
私の競走馬時代の記憶だが、ライスシャワーが凱旋門賞を制覇した時、「日本競馬界の悲願、凱旋門賞初制覇!」と叫んでいた周りの人間たちの声は覚えているのだが、それはつまり、マルゼンスキーは凱旋門賞に出走しなかった、或いは出来なかったのではないかと考える根拠である。
此方の彼女はあちらのトレセンに所属した状態とはいえ、凱旋門賞制覇を成し遂げたのだ。 これは、ライスシャワーが初制覇するという未来とは違っている。
まぁ、当時は平凡な競走馬でしか無かった私が知りえた情報だけでは根拠としては弱いかもしれんがね。
ナチュラルに競走馬のマルゼンスキーが出走したなら凱旋門賞を制覇していたと考えている理由?
ウマ娘のマルゼンスキーを見ていれば、走っていれば勝っていたと信じられるからだが、何も可笑しくは無いだろう。
話を戻して、運命を塗り替える、踏み越える者達は居るが…大多数は、そうではないのだろうとも思う。
結果が決まっている等と言うつもりは無いのだが、高い実力を発揮するウマ娘はより強く結びついている…或いは同調している、とでも言うべきか。
此方のライスやスズカ、スペシャルウィーク等を見た上で…前世の彼らと比較すると、そう思えてくる。
同じように名前を受け継いでいるのに、前世の面影が少ない、或いは殆ど無い者達も目にする機会があったからこそ、比較できてしまった。
これまでは発揮できる能力の上限が違う程度の認識だったのだが、どうにもそれだけではないのだろう。
カオリさんの件で調べた結果だが、競争中に故障したウマ娘の大半は、驚くほど世間から忘れられている。 今年の皐月賞で競争中に故障したマキノプリテンダー、彼女も人々の認識から消えて行っているようだ。
記録として名前は残っているのだが、思い出されない存在へと滑り落ちるように変化しているようだ。 探偵に依頼したら、直ぐに調べ上げてくれたが…深く聞かないでくれたのはありがたい話だ。
ワンダーパヒュームという競争ウマ娘の名前は記録に残っている。 仮にもG1制覇したのだから、当然ともいえる。
だが、カオリさんがそうだとは世間は認識出来ない…。 ウマソウルの内包する因果を強く引き出してしまった結果、因果の存在しない…つまりは、死後の時間での認識に影響が出ているのではないかと考える。
この推測…いや、妄想の例外は少ないが存在する。
私が治療して死を逃れたキャンペンガールさんもそうだし、治療を受けて強靭になったマルゼンスキーもそうだろう。 後は過去の偉大なウマ娘達もそうだ。
ウマソウルの因果を塗り替えるなり乗り越えるなりした結果がある場合と、世界に自身を刻み込むような実績を上げた者…この場合の実績は競争成績に限らないと思われるが。
こういった者達は世間からの認識に変化はない。 私の考え過ぎで認識の変化が存在しないなら良いのだが、ここは異世界なのだ。
まぁ、私の主観からしたら、なのだが。 結局のところ、この世界の三女神の力が及ばない範囲があるのか、或いは逆に力が及ぶからなのかは不明だが…。
逆説的に、ウマソウル側から存在を補強されているのがウマ娘なのかもしれない、とも考えたが、流石にそれは無いだろうと結論した。 もしそうであるならば、人々から忘れられていく競走馬の魂を継いだ者達は全滅しているだろうからだ。
現代までウマ娘が種族として命脈を保っているのは、運命というレールだけではない何かが介在しているからだ、とも考えられる。 ま、妄想の域を出ない考えでしかないな。
話をカオリさんに戻すと、彼女の場合は少々特殊というか…ワンダーパヒュームという名前ではなく、あだ名・愛称のカオリという名前の浸透具合もあってすり替わるように定着したのではないかと推測した。
トレセン学園でも通称というか、カオリと呼ばれる事が元々多かったらしいが、故障後からはカオリとしか呼ばれなくなったのではないだろうか? 私の眼ではそういうのは判別出来ないので確証はないのだが。
カオリさん自身の認識がどうなっているのかを確認することで妙な影響が出る可能性もあるので確認は出来ないが、現在の状況から考えるに…。
世界から滑り落ちるように認識されなくなってしまったウマ娘が、実際に居なくなったのか…或いはウマ娘としての名前で認識されなくなったのかは現時点では不明だ。
ま、これについては調べようがない。 知っていたなら兎も角、そうでないなら私でも認識は出来ないだろうし、な。
結局判明したのは、表舞台から降りたウマ娘は結構な割合で「行方不明」。 より確かな言い方をすれば、誰も気にしなくなるというところか。
結果として「そういえば見なくなった」程度の認識というか、関心に落ち着いたのだろう。 認識から外れ、無関心になられると考えると地獄としか言いようがない。
一世を風靡したような名ウマ娘や、偉大な蹄跡を刻んだ者は基本的に問題なく過ごしていた。 こういった調査に関しては流石だな、あのコンビは。
本当に、こんな事を調べたのは自己満足と好奇心でしかないな。 救いも無ければ根本的な対策も思いつかん。 怪我なら私や馬鹿弟子が居ればある程度対応出来ると思うが、それだけでは足りないのだろう。
これ以上は考えても暗い考えに偏りそうだから打ち切るべきか。 資料はシュレッダーに掛けた後燃やしたから問題は無いだろう。
今後、私は誰かを忘れ去るのかもしれない。
抗う事も出来ない事かもしれない。
だとしても、諦める理由にはならない…精々悪足掻きするさ。 気づけたんだ、何かしら掴めると信じるしかあるまいよ。
調査報告書
「殿下、此方が今期の報告書になります」
トレーニングを終え、クールダウンをしていた私のもとに親衛隊が書類を届けに来る。
機嫌が上向くのを自覚しつつありがとうと一言伝えると、美しさを感じさせる一礼をして退室していく。 うんうん、視界の外で違和感なく、尚且つ不自然さを感じさせずに私の首からタオルを取って極々自然に私の汗を拭き取り、更にはテーブルにスポーツドリンクまで用意した上でか。
大変宜しい。 世界を飛び回っている私に付き従ってくれているだけでもありがたい存在だが、実に有能なのは嬉しい限りだ。
見眼麗しく有能でありながら私に忠実、尚且つ諫言を躊躇わぬくらいには盲目的でもない。 こんな者達を従える事が出来ている幸運を感謝せねばなるまい、我が友に。
ま、それはそれとして…報告書の厚みから察するに、相変わらず色々とやらかしているようだな我が友は。 彼は泳ぎ続けねば死ぬ魚の同類か何かか? 出会いからして常識外れだったからなぁ。
程よい温度に調整されたドリンクで喉を潤しながらつらつらと考えたが、彼との出会いから私は随分と自由というものを楽しんでいる。
お互いに恩人と言える間柄なのが、少し可笑しくなって口角を上げながら髪を纏めていたヘアゴムを外し、熱を逃がすようにぶるりと頭を振る。
思えば、髪を伸ばし始めたのも彼が褒めたのが切欠だったか、なんて考えながらテーブルに腰かけて報告書に目を落とす。 …お父様達に見られればはしたないと怒られそうだが、これも今の私なのだから仕方ないな。 いや、案外苦笑いだけで済ませてくれるかもしれないか?
調査内容に書き出されている彼の所業に「相変わらずだな」と苦笑いがこみ上げる。 相も変わらず医者モドキを自任する拗らせぶりも、お人よしぶりも健在のようで安心した。
かつて一緒に世界を飛び回っていた頃と変わっていない事に安堵を覚える私は、存外乙女の感性を持っていたのかもしれないな?
ま、当時の関係者や患者に度々呼び出されていたとか私は聞いてないんだがなぁ? 特に勇者殿は露骨にちょっかいをかけ始めたようだね…一度、くぎを刺しに行くべきかな?
まったく、近くまで来ていたなら寄って行けば良いものを…いやまぁ、私も転々としていたから知らなかったのだと思う。 多分。 …避けられてるとかは、無い、筈。
ふむふむ…え゛っ…んんっ、思わず声が出てしまったが、子持ちになったと思われる、ねぇ?
保護した子供か…なんだ…まぁ、そうだろうとも。 そんな相手はまだ居ない筈なのだからな!
我が友の近況を読み進める私は、誰にも見せてはいないが百面相を披露していただろう。 いや本当に、我が友は騒動がないと呼吸が出来なくなるのか?
記憶喪失の子供の保護に、また名家の娘をひっかけ、元患者の一人でもある「史上最強」と急接近、弟子の住み込みも許している…これは同棲というヤツなのでは?
我が麗しのプリンセスも彼とニアミスしているようだし、再会も近いかな? ま、当人同士は憶えてない筈だから再会とは言わないかな? 彼を拾った当時に、離宮の庭園に迷い込んできたプリンセスと彼が一緒にお昼寝していたのは…私と他数名しかしらない事だし、ね。
寝ぼけたのか、我が麗しのプリンセスが彼の首をモグモグしてたのは驚いたなぁ…。 うん、本当に。
彼を慕うモノが多い事を喜ぶべきかどうか、少々考えてしまうね。 私の親衛隊も私個人と彼に忠誠を誓った集団だから考えても仕方ない気もするが。
一歩間違えれば狂信者になっていたかもしれないのを纏めて面倒を見ているのだから、彼は私を褒めても良いと思う。 まぁ、気づきもしないだろう確信もあるのが何とも…。
頃合いかな? 私も親衛隊の子達も会うのに良いタイミングだろうし…行くか、日本。
私と彼は友人同士ではあるし、婚姻にも現時点で興味はないのだが…ま、子を成すなら彼以外は考えられん。 ついでに頼んでみるか。
トレーニングルームを出て指を鳴らすと、音も無く集合してくる親衛隊達には感心するが、どうやっているのやら…。 ま、良い。
では諸君、行こうか。 淑女らしくな。
とある開発チームの記録
あぁ、胃が痛い。
会社の吸収合併からの選抜チーム逝き、更には開発室長補佐と開発チームリーダー兼任とかヒドス。 環境や福利厚生はめん玉飛び出るくらい向上してるけど、給料も上がってるけど、使う時間あるかなぁ…?
愚痴から入ったが仕方ないと思わないか? 金も人員もかなり自由にしていいけど期限はキッチリ切られてる仕事とか…いやまぁ、割と余裕のある締め切りだけどさぁ。
室長は主に人員のスカウトやら交渉関係の一切を取り仕切って飛び回ってるとか意味わからん。 いや、使える技術やらが確定情報で上がってきたり、欲しいと上申した人員が即座に補充されてくるのもありがたいけどね?
おかげさまで補佐の筈の僕が事実上の現場トップやらされてるとか、ちょっと…。 各チームは進捗管理と渉外を担当するマネージャーが専属でついてるからマシとはいえ、最終的に一旦僕が確認しなくちゃいけないのはなんでかなぁ。
因みに僕のチームは完全新機軸の筐体とソフトの開発である。 いや、元々担当してたウーマードコアの完全新作を予算無制限で作れるから飛びついた僕が悪いんだろうけどさ。
恐ろしい事に、ノリノリで書き上げたであろう設定資料の棚が届いた。
束、ではなく。 もう一度言おう、棚で届いた。 ちょっと意味わかんねぇ。
開発チーム全員で回し読みした結果、三日程費やしたが有意義な時間だったと思う。 少なくとも仕事の役に立つのだから有意義だろう。
というかだ、小さいとはいえ、5段カラーボックスにみっちり詰まった資料の9割は明示しないとか好き勝手し過ぎじゃなかろうか? いいぞもっとやれ、僕らはそれをベースにゲームを作るのが仕事なんだ。
VR筐体の技術が他の部署から流れてきた。 現時点でまだ改善しているとは言うが…十二分に遊べるじゃないか、ヨシ、使おう。
室長が引っ張ってきた話だが、VR筐体は技術開発部の全面協力を受けられるとの事。 恐ろしい事に、ウーマードコアに合わせたカスタマイズをするのではなく…ウーマードコアの為だけに専用設計として図面を起こしているそうだ。
ひゃぁ! たまんねぇぜ!
まぁ、この筐体に使う技術と運用データがセットで手に入るなら技術開発部としては完全にペイ出来るとの判断なのだそうだが。
元々ウチを合併した国際企業サマは軍事や医療の分野にも強かったらしく、そちらの技術もバンバン民生に流しているそうだ。 まぁ、法との相談ありきだが。
おかげさまで雛型ともいえる試作型はハイペースで組みあがった。 いやほんと意味不明なペースだ。 軍事用HMD技術をガッツリ使ってゲーム機作るとは思わなかったが、楽しいからヨシ! 胃薬の量は考えないものとする。
筐体はハイペースに制作されているものの、求める仕様との違いをどうするかで皆頭を抱えている。 なんだか縋る様な目で僕を見てる奴が増えてきた気がするが、こっちみんな。
ゲーム自体は歴代ソフトの延長戦に近いので、動作確認用のモンだけ早々に提出して作業に戻っていた辺り、良い空気吸ってんなアイツら。
問題は、歴代シリーズのような操作だけならば、レバー・ペダル・スイッチだけで完結してもいいんだが…折角なら拘りたい。 というのも、設定資料にコックピットまわりまでキッチリ図解で入れてあったからだ。
そして、頭を抱えていた僕らを救ったのはまたしても室長だった。 筐体に余裕があるのだから全部載せしちゃえばいいじゃないか、という無茶ぶりである。 あれ、救い…?
改良に改良を加えて魔改造の域に届いたんじゃなかろうか、な筐体の完成。 完成…?
恐ろしい事にモードの設定でオート、セミオート、マニュアルと分けて扱えるようにしてあるとかなぁ…マニュアルをカスタムするとフルマニュアルとかいう狂気の沙汰まで出来るとか意味わからん。
因みにフルマニュアルだとFCSの制御すら切って操縦する関係でロックオン機能が一切使用できなくなるというデメリットがある。 メリット? リミッターの完全解除が可能なだけかな。
動作確認用のソフトで対戦してみたが…クッソ楽しい! んだが、フルマニュアルは集中力持たないな。 テストプレイではセミオートが一番安定してた辺りは狙い通りだが。
筐体はほぼ完成したのだが、これでもかと技術をブッコんである。 まず、ムービングシートとコントロールレバー、ペダルが基本で…他の細々としたゲーム内の機体システムに対応したスイッチ群等が内壁からせり出してくる。
正面にはメインモニター・サブモニター・レーダーパネルにコンディションモニターが犇めいているという、SFや特撮が好きな層も釣れそうな出来栄えだ。
肝心かなめのソフトは一応のマスターアップ済み、なんだが…。 技術開発部から流れてきたAI関係の技術でハッスルした変態技術者共が色々弄ってくれてなぁ…。
流石に初期可動でぶち込めんだろ、という判断の元アップデートで追加しようと説得して一応の決着、稼働予定日に間に合わせた。 やっと、解放される…!
解放されませんでした!
継続してアップデート関係の責任者に任命されましたよ! 変態技術者共を抑えられるからってさ!
はぁ…まぁ、給料上がったし、良いんですけどね。 なんだかんだ、一番最初にプレイ出来るのは嬉しいですし。
でもね? 過去作のパイロットのAIと機体再現してぶっこもうとするなよなぁ…最終的にはアップデートで告知して出すって事で決着だけど。
いや、世界設定が地球から廃棄された存在がまとめて投げ込まれた惑星で、定期的に間引きされてるとかいう修羅の国だから出せるっちゃ出せるけどさぁ…。
あと室長、コラボしようとするな、座ってろ。 いや、アンタの仕事は理解してるけど流石にゲッターは混ぜたらアカンて…。 え? コジマがアリなんだからセーフ? 駄目だよ!
CEOが直々に顔出して「金は出すから好きにやりなさい」とか言ったせいだよなぁ、これ。 はぁ、また胃薬が増えそうだ。
今後の感想返信は基本的にしないと思います(多分
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