ヒト>ウマ>ヒト 作:ゼン◯ロブロイ
わりぃ、ありゃ嘘になっちまった。
無事100連でお迎え出来たワンダーアキュートさんを愛でております。
あと微妙にタイトル詐欺だと思われる前に言っておく、レース描写なんて出来ねぇ!
だからバッサリカットだ!
桐生院は胃薬が増え、チームは大暴れし、殿下は…
夏合宿は楽しかったなぁ~、花火もお祭りも良い思い出になったし。 海の家? のラーメンを食べられなかったのは残念だったけど、食事に余り拘りのないゴーラン姉さ…ゴーランが真顔で止めてきたから仕方ないかなぁ…。
美味しくないならそれはそれで思い出になると思うんだけど…。 眉根を寄せながら「殿下がコレを食された場合の被害を想定した結果、御止めせねばならないと判断しました」なーんて、脅かし過ぎじゃないかしら?
気づいたらゴールドシップさんが店主さん? 多分? を砂浜に首まで埋めて「浜茶屋黄金」って達筆な看板を打ち付けてお友達? だと思うけど…集まってきた方達と営業してたのは不思議ね?
独特な眼つきの方やマスクの方、小柄で元気な方に青いメンコの筋肉質な先輩、他にも多数集まっていたけど…共通点、無いわよね? 何かのクラブなのかしら?
暫くしたら気づいた桐生院トレーナーが埋められた店主さん? を埋まった肩を掴んで引っこ抜いたら青い顔をしながら快く許してたのは…狙ってないにしても、人間離れした身体能力よねぇ。
夏のレースは合宿に参加する人達の方が多いし、G1も無い事から昔はあんまり人気が無かったらしいけど、ここ数年で劇的に変わったのって…どう考えても、先輩達の活躍よね?
ある先輩はスプリント戦線を蹂躙、ある先輩は毎週出走して夏合宿終わるまで連闘、ある先輩は芝ダート障害に出走して制覇…。 流石にこれは飛びぬけて特殊な例だけど、大いに夏のレースを盛り上げる結果になり、現在のレース人気に拍車をかけたのは間違いないかな。
ただ、今年もOP競争の中山障害ステークスの翌日に芝の新潟記念に出走した方が居たのは驚きというか…ねぇ?
あの保険医の先生が着任してから頑健になった子がチラホラ出始めてたけど、その中でもとびっきりよね。 観客席からもざわめきが出てたもの。
流石に新潟記念が終わったらターフでぐったりしてたから、相当きつかったと思うけど…一体、何が彼女をそうまでさせたのかしら?
チームの皆は合宿に参加してたけど、特撮同好会の会員が出走してた筈だし…今度聞いてみよ~っと♪ フフッ、どんな答えが聞けるのかしら。
後は、合宿最終日前夜の野良レース。
最終日は軽いトレーニングと打ち上げだけだから、なんて言い始めて地元の方達に連絡を取って、あれよあれよという間に段取りが整い参加する事になったので、SPの皆さんはあまり良い顔をしなかったのは少し心苦しかったけど…。
コホン…公道レースの方はゴールドシップさん達が意気揚々と乗り込んでハチャメチャにしてたらしいけど…。 流石にゴーラン姉さ…達が撮影した映像だけだと解からないところも多くて、実際に聞いてみた方が早いかしら?
私とライスさん、スズカさん、ホクトベガさん、ショウセイはウッドチップが敷き詰められた遊歩道でのレースだったけど、右に左にとそれなりの間隔で曲がらないといけないのは初めてだったから、とても愉しかったのは収穫ね!
何より、マッチレース形式だというのに駆け引きの場面の連続というのは…トレーニングとしても一考の余地があるのでは? シャカールにも相談してみようかしら。
砂浜の方は割と大騒ぎというか、静かにしてたのに熱気が凄かったのは…間違いなく、マルゼンスキーさんが走ったから、よね?
流石にハンデとして保険医の先生を背負って参加してたけど、それがすんなり通るだけの実力あってこそ。 ミークさん達も一緒に走ったそうだから、私達みたいなマッチレース形式じゃなかったのは…まぁ、少なからずレースの世界を目指してるならこんなチャンス逃せないもの。
世界有数の、上澄みの上澄み、頂点とも言われた今を走る伝説その人とレース形式で走れるなら、どんな結果であっても糧になる。 いいえ、糧に出来る子が上がってくるのでしょうね。
結果としては全レースでトレセン側が勝利…とはいえ、かなり僅差まで詰められたレースもありました。 かくいう私も首差勝利だったから…彼女達が上がってきたら、手強いライバルになりそう♪
終わってから桐生院トレーナーが駆けつけて、おなかを抑えて蹲っちゃったけど…尊い無駄な犠牲? って奴よね? 確かゴールドシップさんが犠牲にした沖野トレーナーにそう言ってたし。
合宿が終わり、トレセン学園に戻った私を迎えたのはお姉さまの抱擁だったのは意味が分からなかったけど、とても嬉しかった!
でも、エアグルーヴさんを見つけて駆け出そうとして思いとどまったのは物凄く意外、というか異常? だと思ったんだけど…、お姉さまの「我が友」さんにしっかり釘を刺されてたって親衛隊の子が教えてくれて余計にびっくり!
だってお姉さまって我が道を行くの体現者みたいな所があるから。 例え親友でも言葉だけで止められるとか信じられない。
まぁ、親衛隊の子達が言うには「恩人」同士で、仮とはいえお姉さまの婚約者という事になってるらしいから…可笑しくはない、のかな?
お父様が直々に決めたらしいけど、私が一切知らされてなかった関係なのが…ううん、これは放置したら良くないケースかな? 詳しい事はお姉さまが話してくれないからわからない、お姉さまが話さない事をお父様もお母様も話すとは思えない。
んー…。 頭では追求するべき、って判断が出てるのに、胸の奥は「自分を磨いて待ってなさい」って言ってる気がするし…。 とりあえず直近の模擬レースに出て気持ちをスッキリさせよっと!
Suíomh様、ね。 聞いたことも無い名前の筈なんだけどなぁ。
フフッ、何でかしらね? 笑顔になるのが止められないのは。 愉しみだなぁ。
ウーマードコア開発室の苦労人
うぅ、胃が…胃がツライ。
室長が相変わらず自由過ぎてツライです。
サトノなんて名家の出なのに何であんなにフリーダムなんだよ!
畜生! 顔も性格もスタイルも学歴もパーフェクトな人物だって紹介されたのに行動だけがぶっ飛んでてそれで帳消しだよ!
あぁもぅ、アーケードは今のところは上手く言ってるけど…VRウマレーターなる完全新規筐体…かなりお高い据え置き機になるそうだけど、それ用の開発と並行してこれまでのプラットフォームで旧作シリーズの新作出していいよって言われたから…!
仕事が…仕事が増え続ける…! わかってる! やれって言われた仕事以外が多いのはわかってるんだよ! でもだからってやりたかったことやっていいよって言われたらやるだろ!?
ふぅ…いかんいかん、落ち着こう。
現在のアーケード版、ウマコアFはまぁまぁ好評だな。 アセンを弄る為のベースを無料アプリで解放したのは成功だったな。 チュートリアルクリア後に一通りのパーツを選べるようにしといてよかったよ、ほんと。
現状二回目のアプデが終わってコロッセオモードと訓練モードに続いて依頼モードが解放済み、と。 コロッセオでは対人で、勝利者がパーツ報酬とゲーム内通貨、敗者は通貨のみ。 訓練モードは通貨のみだが対人戦は無し。
依頼モードが対人の可能性あり、ってのがな。 荒れなきゃいいんだけど…無理か。
全てのモードでFFが適用されるからコロッセオなんかは味方で入ったのに背中から撃たれるとか…うん、まぁ、シカタナイネ。
恐ろしい事にすべてのモードの隠し要素は僕にすら明かされてない。 アイツら頭おかしすぎるし、なんでそれにOK出してんだよ室長!
さらに恐ろしいのはNPCという事にされてる傭兵に中の人が居るって事かな。 機体名「神斬」とか隠す気ねぇだろ!? どんなコネで引っ張ってきやがった室長ォ!
チュートリアル担当NPCなんか、もろ主任なのに「チーフ」を自称しつつ一切隠す気がない奴もさぁ…! しかも次回追加予定傭兵NPCの機体名、「聖光」って…!
百歩譲ってシンザンさんがゲームするのはまぁ、わからんではない。 でもセントライトさんは結構な御歳ですよね???
恐ろしい事に、プレイ動画のデータが寄越されたんで拝見したんですよ? なんで御二人してハイエンドノーマル単騎でAFと殴り合えてるの??? 意味わかんない…。
運動性重視の中量二脚に使い捨てブースターにオーバードウェポン擬きの鉈? で近接の鬼な神斬。 軽量二脚でヒット&アウェイを目的とした速度と加速重視の機体にKIKU擬きを両腕に装備して予備の杭まで持つ聖光…うん、意味わかんねぇ。
確かにまだ解放してないパーツもあるし、武器はカスタム済みだけど…プレイヤーにも再現出来るアセンなのは確かだ。 絶対真似出来ないと思うが。
というかテストプレイでなんでAFとやらせてるというかデータ作ってんだよアイツら締め切りギリギリまでなんかやってると思ったらまたいらんことを…!
( ゚д゚)ハッ!
いかんいかん、落ち着こう。
しかし、この開発室も随分人が増えたなぁ。 室長も最近は週の半分くらいはこっちで仕事してくれるようになったし。 修羅場の時、僕が半月家に帰れなかったのは関係ないだろうけどもさ。
でもイラン仕事持ってくるのも室長なんで微妙なラインだな。 いや、気遣いは物凄くありがたいんだけども。 というか、あの人キャラ変わり過ぎて面白いまであるからな。
普段の外を飛び回ってる時は童顔も相まって10代にしか見えないのは…うん。 月一で補導されて僕が迎えに行くのはどうにかならないものか。
デスクワーク中は眼鏡かけて静かに作業してるから、20代の出来る子みたいに見えるのは罠じゃないかなと思うんだ。 ただでさえ見た目は良いし真剣な顔になるとやや吊り気味になる眼がね、美人は得だよねぇ。
かと思えば気を抜いてる時はたれ眼気味になって「ほにゃっ」とした感じが全身からにじみ出るからなぁ。 仕事中はやや若いというか、幼い感じまである服装を好む割に、オフだとジャージとか甚平とか着てるらしいのが。 その割にここに来る時はスーツ着てたりするし。
室長席は個室になってるのもあって、着替えとかも置いてるんだよね。 偶に着替え手伝わさせられるし。 男として見られてませんねクォレハ。
とりあえずチームのスケジュール管理は問題なし、今後のアップデートも広報ちゃんと打ってるし…。
目下の問題はウマコアFの大型アプデ告知生放送だな。 何で室長と僕でやる事になってんのさ。 いや、カンペとか用意してくれるって話だから何とかなると思うけど。
…室長が、おとなしく椅子に座っててくれるかなぁ。 最悪おやつでも食べさせておけば何とかなる、か?
いや、何とかしなくちゃな。 幸い一月近い時間がある、今から餌付けすれば座ってるくらいは出来るようになる筈…!
頑張れ僕! やってやれ僕! 躾けるんだ、室長を…アイリさんを!
ありふれた結果・誰かの結末
私の最初で最後の望み、有馬記念への出走が終わった。 おわって、しまった。
14番人気からの出走で3着、十分な成果。 そういっていい終わりだ。
お客さんは口々に言う、「よく頑張った」「凄かった」「かっこよかったよ」、本当に?
きっと、本心から言ってくれている言葉なんだろう。 でも、まだ、私には現実感が無かった。
私は、トレーナーが付いていなかったが、現ミモザトレーナーである黒沼トレーナーにしつこく、本当にしつこくアドバイスを貰いに行き、距離延長を目指し続けていた。
「短距離、伸ばしてもマイルまでがお前の適正距離だろう」なんてド直球に言われた私は、それでも諦めなかった。
トレーナーがチームを立ち上げても、私はアドバイスを貰うに留めていた。 意地、というよりは意固地になっていたのかもしれない。
ミホノブルボンさんが怪我から復帰し、バクちゃんがスプリント戦線から退いて、本格的な距離延長を始めた頃。 私はチームに合流した。
バクちゃんから「何故お互いに気にしているのに気にしていないフリをしているのですか? お互い真正面からバクシンすれば問題なぞ解決しますとも!」と言われて送り出されてきたトレーナーは、酷くばつが悪そうだった。
それからチームでトレーニングを積み、私はいくつかのレースで勝利出来た。 幸運もあったとはいえ、重賞を複数勝利出来たのだから大したものだと思う。 あぁ、私がではなく、トレーナーが、ですが。
夏の合宿を終え、有馬記念に出られるかもしれないがどうするかと問われた私は…。
「何を呆けている。 ファンに応え、ライブを終えるまでがレースだ。」
少し硬い、けれども気遣いも感じられる声音のトレーナーの言葉に現実感が届けられる。
「結果は残念でしたが他の子も早かった! 貴女の見事なバクシンは、しかとこの学級委員長が見届けましたとも!」
「良いレースでした、胸が熱くなる…貴女の走り。」
トレーナーの両隣を固めるブルボンさんとバクちゃんの言葉に、どくりどくりと跳ねまわる心臓に気づき、つま先から頭の先までぶるり、と震えがはしる。
あぁ、私はこんなにも振り絞って走ったんだ。 自覚してしまえば汗だくで呼吸も荒いじゃないか、でも、良い。
バチィ! と肉を打つ音が歓声の中でも確かに響く。 ちょっと、気合を入れ過ぎたかも? あっ、ちょっとふらつく。 でも、これも良い。
笑顔で応援してくれたみんなに応え、ターフを後にする私に歓声が降り注ぐ。 私だけへのものじゃあない、けど私にも向けられたものだから。
無事にライブを終えた私が控室に戻ると、チームの皆が居た。
口々に感想を、称賛を浴びせてくれたのは嬉しいし、少しくすぐったい気持ちになったけど…。 私は苦笑いを浮かべながら皆を手で制する。
走る前から決めていた、それこそ中央に来る前からぼんやりとでも考えていたそれを、トレーナーに伝えるために。
私は、今回の有馬記念で引退します。
なんで、どうして、まだやれる、一緒に走ろう、チームの皆がそういってくれる中で、トレーナーは俯き気味に私に目を合わせて問う。
「決めていたんだな。」
はい。
「チームはどうする。」
一応、サポート科への転科を考えてるので残りたいと思ってます。
「そうか、明日から忙しくなる。 今日は休め。」
…わかりました。 今日までの御指導ありがとうございました。 明日からもよろしくお願いします。
まぁ、そういう訳だから…。 えっと、これからもよろしく?
何となく、居心地の悪いようなばつが悪いような気持でそういうと、チームの皆にもみくちゃにされた。 って、今胸揉んでるの誰!? ちょっ、あっアーーーーーーツ!?
人気も熱気も嵐が過ぎ去ったように消えたターフ。
いや、まだ残ってるのかもしれないけど、わからないだけかもしれない。
撤収がほぼ終わり、後は警備の方がチェックをして施錠をする。 だから今この時だけは私しかいないかもしれないターフ。
もう、戻ってくることはない場所。
「一つ、忘れ物をした。 俺は忘れ物を探すから、その間位は何も見えんし聞こえん。 …吐き出すくらいは、しておけ。」
やだなぁ、顔に似合わずカッコいい事するじゃないですかトレーナー。
それじゃ、お言葉に甘えてお借りしますね、背中だけですけど。
あー、アハハハハ…うん。 ありがとうございました、黒沼トレーナー。
色々スッキリしたんで、大丈夫です。
「…お前が何を考え、どう思っているかは関係ない。 お前は俺の自慢だ、ブリッジコンプ。」
…ばーか。 既婚者の癖に思春期の美少女にそんな事簡単に言っちゃダメなんですからね?
でも、その、うん。 ありがとうございます。
こういうのも、引退式って言っちゃっていいんですかね?
「知らん、お前がそう思うならそれでいい。 心の区切りとはそういうものだ。」
ですか。 まぁ、うん。
明日からもよろしくです、トレーナー。
次は…多分掲示板?
ただ、仕事がクソみたいに忙しいのでわかんねぇ
次の掲示板は…
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競走馬じゃろ
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ウマ娘さね
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トレセン学園やな
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ジョッキー回ですぞ