自称凡人が参戦する血界戦線!   作:『 』を応援するテト

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自称凡人、ライブラと会合する…

超常現象、魑魅魍魎、魔道科学など異界の存在が跋扈する元ニューヨーク「ヘルサレムズ・ロット」

そんな異界の片隅に自称凡人の往生堂の客卿「鍾離」は飛ばされてしまった。ヘルサレムズロットで出会った「秘密結社ライブラ」の面々に自身の現状と契約を持ちかけるのであった…。

 

ライブラのオフィス内にて…

 

スティーブン「それで?あんたが言うには、突如発生した時空間術式によってヘルサレムズロットに飛ばされて来たと…」

鍾離「ああそうだ。俺は璃月で往生堂と呼ばれる葬儀屋で客卿をしている。仕事を終え帰路についていたところこの世界に飛ばされてしまったんだ。」

クラウス「ふむ……異世界からの来訪者か……俄かに信じ難いが、そうでなければ説明できない部分も多いな……。」

ザップ「へえ〜!その話って本当なのかよ?」

鍾離「ああ、嘘ではないぞ。」

レオ「でもどうしてヘルサレムズロットに……」

鍾離「その事だが、先程討伐した魔人だったか?その存在から俺を飛ばしたのと同じ術式を感じたんだ。」

スティーブン「術式を感知できるのか?!だがそうならあんたをここに飛ばしたのは堕落王フェムトになるな…また面々な事を。」

レオ「それなら魔人を鍾離さんが倒したなら自然と帰れてるんじゃ?」

クラウス「だが鍾離殿は自分の世界に帰還できていない…。」

ザップ「つか魔人をどうやって倒したんだよ!フェムトの野郎は簡単に倒せるような怪物を寄越したりはしないだろ?」

 

鍾離視点

 

(ふむ、元素の説明や神の目について話をしなければならないか…)

鍾離「それは俺の力で魔人を石化させたんだ。」

一同「「「!?︎」」」

レオナルド「ちょっ、ちょっと待ってください!僕は気絶してて直接見てないけどザップさんが言っていた隕石ってまさか!?」

鍾離「あぁ、俺の岩元素によるものだ。」

スティーブン「それはアンタの世界の技術か何かか?」

鍾離「それについてはテイワットの事と元素についての説明をしなければならない。」

 

鍾離はテイワット大陸の成り立ち、元素と神の目の説明をした…

 

クラウス「7人の神が統治する幻想大陸…そして願いが強い人間に与えられる神の目か…」

スティーブン「別の次元から来た来訪者…ただでさえ最近忙しいにってのに更に厄ネタが湧いてくるか…」

スティーブンはげっそりとした顔していた…。

(少年から彼がただ召喚された人間じゃなく強大な存在だって報告されてるからなぁ…目を離す訳にはいかない…)

スティーブン「魔人を召喚したのは堕落王フェムトというヘルサレムズロット稀代の怪人だ…おそらくアンタは魔人を召喚する術式に巻き込まれた可能性が高い…。」

鍾離「やはりそうなるか……」

クラウス「ならば我々ライブラが鍾離殿を保護させて頂きたい!」

スティーブン「は?」

(あぁまたクラウスのお人好しか、だが好都合かな?)

スティーブン「クラウス。君の人の良さは美点だけど異次元の存在をここに置いておくのは危険だと思うがね?」

鍾離「本人を目の前にして言うのだな?」

スティーブン「ああ、その通りだよ。俺はアンタを信用してないからね。」

クラウス「しかしスティーブン……迷い込んで来てしまった彼を放置などできないだろう?!」

スティーブン「だからと言って、はい分かりました。とはならないよ。」

鍾離「ではどうしようと?」

スティーブン「アンタにはライブラの協力者になって貰う。代わりと言ってはなんだけと俺達はアンタを元の世界に戻す方法、衣食住の提供をしよう。こっちはアンタの見張りとかできて丁度良いからね。」

スティーブンは凍えるような笑顔で鍾離に契約を持ちかけた。

クラウス「スティーブン、それだとまるで君が彼に取り入ろうとしているように聞こえるのだが……」

スティーブン「何言ってんだお前。そんなわけないだろう。そんなことしたら俺にだけしか利益がないじゃないか。」

クラウス「そ、そうなのか……」

その巨躯に見合わないほどクラウスはオロオロしていた。

スティーブン「鍾離、アンタはどうする?」

鍾離はスティーブンからの提案に少し思案していた。

鍾離(こちらから労働力を対価に契約を持ちかけ用と思っていたが、このスティーブンという男はかなり頭がキレるようだ…)

(リーダーはクラウスという男だがこの組織の頭脳は確実に彼だ…断るという選択肢は無い。)

鍾離「いいだろう、こちらとしても願い出たい提案なのでな。

この契約に同意する。」

鍾離はスティーブンにそう言った。

 

スティーブン「なんだ、断らないのか?まあいいさ、それなら早速働いてもらうぞ。契約書とか後で用意するから。」

鍾離「ふむ、何をすればいい?」

スティーブンは先程から話を聞くだけだったレオナルドとザップを見渡し、そして口を開いた。

 

スティーブン「レオ、ザップ。君達二人に今から任務を与える。」

その言葉に二人は顔を引きつらせる。

スティーブン「鍾離の監視を頼んだよ。」

「えぇー!!」

二人の悲鳴じみた声が響き渡った。

スティーブン「あと、この男は見た目通りの人間じゃない。戦闘力も未知数だし、どんな隠し玉を持っているか分からない。気をつけてくれ。」

「「……はい。」」

スティーブン「じゃあ、3人で鍾離の生活用品の買い出しに出てくれ。」

「「はい!」」

 

こうして3人は買い物に出かけた。

三人で街を歩きながら会話をする。

レオナルド「あの、すみません。鍾離さんは先程葬儀屋で働いてるって言ってましたけどな神の目を持つ人達って皆隕石落としたりできるんですか?」

鍾離「先程少し話したが神の目は7つの元素うち1つを扱う事ができる、俺は岩の元素を扱う事ができるんだ。」「簡単に言えば、元素を消費して岩を生み出すことができる。」

「例えば、こんな風に。」

そういうと鍾離の周りに浮遊する岩が生まれた。

鍾離「こうやって岩を操れるわけだ。」

レオ「これは、すごいですね……」

鍾離「それと、俺の能力はこれだけではない。岩を操る他にも岩に力を込めることで岩の形を変えることもできる。」

ザップ「岩を、変える!?」

鍾離「そうだ、だがこの町中でしてしまうと迷惑になってしまうのでな。」

レオ「ですよね〜」

そうして歩いていると、前から歩いてきた人影がレオナルドにぶつかる。

異界人モブ「おわっ!おいぶつかっておいて挨拶無しか!?」

レオ「あぁ、すんませ……うひょぉおおおっ!!!」

その人物は上半身裸の男だった。

その体には刺青のような模様と明らかに機嫌が悪い顔があった。

その男に謝ろうとした瞬間、その男の体が宙を舞い、吹っ飛んでいく。

一瞬の出来事で、何が起こったのか分からなかった。

ただ一つ言えることは、目の前の男が、殴り飛ばされたということだ。

それは、その拳を放ったであろう人物によって。

その人物はザップであった。

突然のことにレオと鍾離は唖然呆然としていると、今度はザップが蹴りを繰り出した。

反応できず、モブはモロに食らってしまった。

再び吹き飛んだ先で気絶した。

レオ「えぇ?ちょ、ちょっと待った!!ザップさーん!!!」

慌てて、ザップを止める。

レオ「ストップ!ストッォプ!!」

必死で止めに入る。

だが、それでも止まらない。

そのまま、モブに向かって突っ込んで行く。

ザップ「丁度いいところに絡んで来たな、今月もう金がねぇから巻き上げようと思ってな!」

レオ「あんたは本当に人間のクズだな!」

鍾離「ふむ、なかなかにザップは野蛮なのだな…まるで宝盗団のようだ…。」

ザップがモブから金銭を巻き上げようと近づいた時!横合いからの衝撃で、ザップも弾き飛ばされる。

その方向にいたのは……様々な重火器を構えたチンピラ集団だった。

どうやら気づかぬうちに包囲されていたらしい。

そして、一斉にザップに攻撃が始まる。

鍾離「なんだあれは?」

レオ「いや、多分またザップさん怨みを持ってる方々からの報復だと思います…。」

鍾離「なるほど、確かに先程の奴らは見るからに悪そうな顔をしていた。」

レオ「なんでそんな冷静で居れるんですか!?」

鍾離「俺は争い事は好きじゃないからな。それに、お前は俺が守る。安心しろ。ザップに関しては見たところ派手に暴れているようだからな。」

レオ「ザップさんの心配なんてしてませんよ!それよりも、早く逃げましょう!巻き込まれちゃいますよ!!」

鍾離「だが、あの者達は放っておくと面倒になりそうだぞ。」

レオ「だからと言って、僕らまで怪我をすることはないでしょう。」

その時、上空から音速で飛行する生物が現れる。

他の生物に追われておりレオナルド達の方に突っ込んで来た。

レオ「げえ!!こっちに来る?!」

鍾離「本当に何でも起こるのだなこの街は。」

そう言って鍾離はレオナルドの前に出て元素スキルを発動した。

 鍾離「揺らぐことなし!」

前方に岩柱が発生し飛行生物が激突し沈黙した。

おぉ〜周りの住人達から歓声が上がった。

レオ「うわぁ、凄いっすね。」

鍾離「まあ、この程度なら造作もない。しかし、街の中でここまで力を振るっても大丈夫なのか。」

レオ「いえ、それは問題ないです。ここじゃなければもっと大惨事になってますから。」

鍾離「そういうものか。」

レオ「はい、ここは色んなものが混ざりすぎてて、ちょっとしたことで爆発したりしますんで。」

鍾離「なるほど、理解した。」

レオ「とりあえず、安全な場所まで移動しましょう。」

鍾離「分かった。」

そうしてザップを放置してレオナルド達は移動し始めた。

レオ「にしても、さっきの技すごいですね。あんな事も出来るんだ。」

鍾離「ああ、岩元素で発生させた物だ。時間が経てば消える。」

レオ「へぇー便利っすねぇ。」

移動していた2人だが裏路地から異業種が現れた。

 

鍾離「ふむ、どうやら敵襲らしい。」

目の前には見たことのない形をした生き物がいる。

鍾離は異業種を観察して

鍾離「人型をしているが、原型が留まってないな。」

レオ「あれはスティーブンさんから渡された資料にあった違法改造種?!」

異業種はレオナルド達を確認すると奇声を上げながら突進してきた。

鍾離「ふむ、では、この場はこの俺に任せろ。少年は隠れていろ。」 

鍾離は槍を出現させて異業種に対応した。

鍾離「ハアァッ!!」

鍾離の攻撃で異業種が吹き飛びビルに激突する。

衝撃でビルの窓ガラスが全て割れ、地面のアスファルトを砕き陥没させる。

レオ「ひぃ!なんて威力だよ!!!」

だが異業種は何事も無かったかの用に体を起こした。

鍾離「これで終わりとはいかないようだな。」

その言葉通り、再び立ち上がった異業種が再度突撃してくる。

鍾離「このまま攻撃しても埒があかないか…」

レオ「あの違法改造種はコアがあってそれを破壊しないと止まらないんです!僕がコアの場所を探します!」

そしてレオナルドはゴーグルをつけると神々の義眼を使用した。

レオ「見つけた!!左胸です。そこが弱点みたいです。」

鍾離「了解した。」

次の瞬間、一瞬で距離を詰めた鍾離の槍が異業種の心臓部を貫いた。

 

そのまま壁に叩きつけられた異業種はピクリとも動かず絶命した。鍾離「よし、終わったぞ。」

レオ「え……?」

あまりの手際の良さに驚きを隠せないレオナルドだった。

その後、何事もなくライブラの事務所に戻った。

 

自称凡人の鍾離のヘルサレムズロットでの生活は始まった…。

 

その頃ザップは…

ザップ「あいつら俺を置いてきやがってあの陰毛頭とイケメンづら絶対ぶちのめすからなぁ!!」

大量のチンピラの相手をしたままだった…。

 

 


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