ライブラのオフィスにてメンバーが団欒中の時…
水をグラスに注いでいたクラウスにザップが襲いかかった。
ザップ「往生〜せいやああああああ旦那アァァ!」
襲い掛かってくるザップに対してクラウスはグラスを空中に離すと、ドムドムドム‼
ザップ「へぷっ!ぶぺっ!ぶんっ!」
目で追うのが困難な連続パンチを繰り出してザップを沈めて足に引っ掛けるとグラスを持ち直す。わずか一瞬の出来事であった…。
クラウス「飲むかね?レオナルド君。」
レオ「…………いえ…。」
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レオ「…なあんて事が以前はよくあったんですよ。」
鍾離「俺がライブラと契約してから2回程目撃したが、もっと頻繁にクラウス殿にザップは仕掛けていたのか…。………ふむ、公子殿が強敵を見て笑顔で果敢に挑んでいる光景が目に浮かんだな…。」
レオナルドは鍾離の何気ない1言が気になった。
レオ「その《公子殿》って鍾離さんの世界の知り合いですか?
笑顔で強敵に挑むって…。」
鍾離「あぁ、彼は俺の良き友人だ。氷神が治める極寒の国スネージナヤ、そのスネージナヤの外交組織「ファデュイ」に属していて、ファデュイの中で最も位の高い11人の執行官の一人だ。正確な名前は《公子タルタリヤ》と言う。」
鍾離「公子殿とは仕事の一環で知り合ってな、璃月に彼が派遣されてからよく共に食事に行くんだ。」
そんな鍾離の紹介を聞いたレオナルドだがなぜそこでザップの話に繋がるのががわからなかった。
レオ「そのタルタリヤさんは他所の国の外交官なんですよね?
それなのに何で強敵の話に…。」
鍾離「それは公子殿が強敵との闘争を目的としている戦闘狂だからだ。ファデュイに入ったのもいろんな強敵との出会いを求めてとのことだと本人から聞いた。」
レオ「……えっ?!」
鍾離「彼は水元素の神の目を持っていてな、テイワットの中でも随一の武人だ。俺にも食事を奢るから代わりに戦ってくれと偶に持ち掛けてくる…だからザップとクラウス殿のやり取りを見て少し連想してしまったんだ。」
レオ(鍾離さんの友人関係って一体…。)
鍾離はほんの少しだけ懐かしそうにタルタリヤについて話したが、
レオナルドは鍾離の友人関係が気になった…。
レオ「ま、まぁ今度ゆっくり鍾離さんの世界についてまた教えて下さい…。」
鍾離「あぁ、ザップの話だったな。クラウス殿に《仕掛け》なくなった事について。」
2人の話を聞いていたスティーブン達も会話に加わる。
スティーブン「確かにそうだな…あいつも大人になったか。」
チェイン「心折れて諦めたに1票!負け犬ならぬ負け猿…あっははおっかしい‼」
鍾離「特に変わった所ははなかったが…。」
レオ「でもちょっと寂しいかな〜なんて」
スティーブン「おっ、云うじゃない少年。」
レオ「あ、すいません。でも無茶をして人に迷惑をかけなくなったのはいい事すよね!」
そんな話をしていたメンバーだったが…レオナルドの携帯が鳴り響いた。
ピルルルルルル‼
ザップ「おおおおおおおおおおいいいいいいいいいい!旦那そこにいるか旦那ァァァ!」
携帯には武器に囲まれ泣き叫ぶザップが映っていた…。
ザップ「俺殺されちゃうよぉ〜!助けてくれってつたえてくれよぉ〜!ウアアアアアアアアアアァァァァァァ…」
メンバーの視線は名指しされたクラウスに集まっていた。
そしてクラウスは鍾離とレオナルドを連れてザップ救出に向かった。
レオ(行くんすか‼やっぱり!!!)
鍾離(明らかな罠だと思うが…。)
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とある地下の1室にて…。
ザップ「…………………。」
???「来るかね?騎士様は。」
ザップ「バッカヤロウ鉄板だ、旦那の実直さ舐めんじゃねえぞ。」
囲んでいた武器は降ろされておりやはり罠であった…。
ザップ「さあ娯楽に飢えたクズども!最凶ゲストとオマケの招聘はなった‼そのカリスマっぷり存分に味わいつくしやがれ!!!」
そんなクズ丸出しのザップを救出に向かったクラウス達…。
道中銃撃戦が発生していたがクラウスの要望により真ん中を突っ切
り巨大チェーンソーに襲われるも鍾離のシールドにより回避。
そんな乱戦真っ只中を通り過ぎると再びザップ救出に向かいだした…。
クラウス「急ぐのだ‼レオナルド君、鍾離殿‼ザップが危ない‼」
レオ「いや明らかに危なかったのは僕です‼僕らです‼」
鍾離「(ーー;)…………。」
そうしてクラウス達は指定された場所に辿り着いた。
ーーー閑散とした倉庫街。
鍾離「ここか?」
レオ「みたいですね…。一見倉庫街に見えますがそれは表の顔、
見てぐださいヤバい連中がウヨウヨしてますよっ!」
クラウスはそんな事お構いなしに見張りに話しかけようとする。
レオ「ってオイ‼」鍾離「流石にそれは…?!」
クラウスは見張りに名刺を差し出して話しかけた…
クラウス「…私こういう者でして。」
見張り「あ?」
クラウス「友人を探しているのですが…」
見張り「ていうか何だオメェ…。」
レオナルドは乱闘が起きるのではと思っていたのだが…
見張り「どうぞこちらへ。」クラウス「ありがとう。」
ズザザザザザ‼レオナルドは頭から滑り、鍾離は少し溜息を吐いた。(尚レオナルドはヘルメットをかぶっていたので無傷。)
クラウス「どうしたレオナルド君、そこで待っているかね?」
レオ「行きます。」
クラウス達は奥に通されエレベーターに乗り、地下深くまで降り始めた。そこでクラウス達の目に入ったのは…
観客「ワァァァァァァァ!!!」
オラァァァ!イケぇ!殺せぇ!殺し捲り倒せぇ‼オォォォ!!!
レオ「こ、これは…地下闘技場です、ざっくり言うと賭けをして殴り合うんです。」
レオナルドはクラウスと鍾離に地下闘技場について教えた。
クラウス「ふむふむ…」鍾離「なるほど…興味深いな。」
リングに目を向けると異界人同士が素手で殴り合っていた。
ゴッ!ギャ‼ゴン!
レオ(うわぁ体格も種族もお構い無しのデスマッチ形式かよ…!)
「えげつないと言うか、分かり易いと言うか…。」
クラウス「…ザップは何処だろう?」
鍾離「何処かに監禁されているのでは?」
相談する2人とは別にレオは少し考えた…
レオ(でもここって、すっごくあの人向きな場所っぽい…。)
ーーーリングを一望出来るVIPルーム。
???「来たようだな。」
ザップ「…………。本当にこれで俺の借金はチャラになんだろうな。」
???「まぁそれは今夜の売上とお前の心構え次第さ。」
奥の豪華なソファには葉巻を吸い側に2人の女性を侍らせる闘技場のオーナーが座っていた。
オーナー「極上のダンスを踊るんだな、ザップ・レンフロ。今宵自らの命を賭けて…。」
ザップ「……ッケ。どこのケツ穴からそんな気障なセリフがでんだよこのデブが…しょうがねぇーー任せろ!」
その時リング付近にいた3人の中クラウスにスポットライトの光が降り注いだ。
3人「「「?!」」」
MC「レディィィィィィィースエンジェントルメン!!!」
「ディスイズTHEライブラァァ‼クラァァァウスラインヘエェェルツァ!!!」オオオオオオオオオオオオオ!!!
そのまま観客にクラウスはリングに連れて行かれる。
MC「ようこそ特別ゲスト‼ようこそ‼ステゴロの楽園へ‼ここがエデンだ!!!」
盛り上がりを見せるMCにクラウスは断ろうと声をかけたが…。
クラウス「いやお仕事申し訳ないが私は仲間を探しに来ただけでね。」
MC「そうかいそうかい‼」
クラウス「ザップ・レンフロという男をご存じないだろうか?」MC「ルーーーールは2つだ‼」
クラウスの言葉をスルーするMCにクラウスは困っていた。
MC「その1《武器は使うな》その2《1対1で闘え》」
クラウス「………。」
MC「そういうことだよ、首尾よくいけばザップに会える。」
クラウス「…………っ!」
MC「おっと…‼おっとおっとおっとおっと、ここで暴れてどうする?居場所も知らないのに?やつの脳みそに弾丸がめり込む方が圧倒的に早いぞ。」
MC「悪いがエモノを検めさせてもらう、数少ないルールは正確に運営されなきゃならん。」
クラウスはナックルをリングに落とした。ガシャ!
MC「ほう…?銃じゃねえのか、相当腕に覚えがありそうだな。
けっこうけっこう…さあ!始めるか‼」
MCが対戦相手を準備させている最中、会場の観客達はライブラの話しでもちきりだった、クラウスの容姿についても話していたようだが異界側の住人達の方がよっぽど顔が怖いので普通と判断されていた…。
そして準備が整いリングに現れた人類種の男、MCが対戦者の名前を読み上げた。
MC「グレゴォォォル・マキシマァァァ!!!」
人類種同士の対戦組合せに観客達は更に盛り上がる上に、賭けが開催され集金を始めていた。
オッズマシン「さぁ、張った張った!オッズはグレゴール1.05、クラウスが3.0‼5分後に発券は終了するよ?急げ急げ‼」
試合開始間近だがなれない状況にクラウスが少し戸惑っていると対戦相手のグレゴールが話しかけてきた。
グレ「ヘイ‼戸惑ってるな?無理もない。でも集中してくれ、命取りだ。」
グレ「ひと目で分かるぜあんた相当『使う』だろ?………魅せてやろうじゃないの、クリーブショウの住人に。ここはそういう場所だ。」
クラウス「………承知した。」
グレゴールの言葉にクラウスは眼鏡を外し構えた。
リング外では鍾離とレオナルドが今回の件について話していた。
レオ「うわぁ何だ何だこの流れるようなカタにハメられ感‼」
鍾離「恐らくザップが裏で糸を引いているだろうな。そうでなくても何かしら必ず関わっている…。」
レオ「ですよね、とにかく僕達の居場所を抑えなきゃ…あ、スミマセン、ミスタ・クラウスに20ゼーロ!後でシラ切られるのも癪だからなぁ…。鍾離さんはどうします?」
レオナルドの質問に鍾離は懐を調べると……
鍾離「………財布を忘れたようだ。」
レオ「あ……そっすか。」
そうこうしている内にリングでは試合が始まろうとしていた。
観客「オオオオオオオオオオオオオ‼」
MC「READY・FIGHT‼」
観客大興奮の試合開始のゴングを待っていると、皆が見ている最中グレゴール選手が乱入してきた異界人選手に殴り飛ばされ…
ドッ!!!ギっ、ドシャ…
リングロープに跳ね返され中央に落下した…。
異界人選手「人類種同士でチョロチョロやってんじゃねぇお遊戯か‼テメェらは俺らにブッ壊されてりゃいいんだよ弱小種族が‼」
ーーVIPルーム
ザップ「…オイオイ…ジャグラノーズの野郎が調子こいてんぞ…。」
オーナー「まだだ‼まだゴングは鳴らすな‼速攻で発券をやり直せ‼」
ザップはこの状況に不安を感じていた…。
ザップ「まずいぜこりゃあ…。」
オーナー「あ?」
ザップは急ぎスタッフに声を掛ける。
ザップ「ドクターと蘇生斑の準備を、今すぐにだ‼」
オーナー「何を慌ててる、大丈夫だよザァァァップ‼」
オーナー「ジャグラノーズだって素人じゃねぇんだ、ちゃんと手加減はするさ。つっても?ギリ死なねぇ程度にはだが。」
ザップ「そりゃそうだろうよ、ああ見えてあいつはプロだかんな。でも……旦那は違うーーー」
ゴキャゴキャゴキャゴキャゴキャ!!!
ザップ「ド素人だ。」
ジャグラノーズ「あ、お、え…。」
ドシャ…。
観客全員が唖然とした顔をしていた…。
(゜д゜)《………………………………………。》
そしてクラウスは左胸を叩き構えを解くと…
観客「ワァァァァァァァァァァァッ!!」
一気に観客から歓声が湧き上がった。
オーナーも興奮しておりザップと肩を組むが対象的にザップの気分は下落していた。
オーナー「おいおいおいおいおいやるじゃねぇの‼お前のボス‼」
ザップ「あ~あ関節がみんな面白おかしい方向に曲がってら…。」
オーナー「甲殻の接合部だけ狙う精確さと合理性のわりにえらく真っ直ぐな拳、気に入ったぜ!!!」
ザップ「人類から順繰りに教化しようと思ってたのによ〜、あのバカが……。」
オーナー「見ろよゴミクズ共(観客)の顔を‼歓喜で座りションベンだ‼」
クラウスは勝負が終わったのでリングを降りようとしていると…
MC「フゥ、エキサイティングだな。あいつあれでも…うちの看板なんだがね。」
クラウス「それは申し訳ない事をした。ともあれ…ザップの所へ案内して頂こう。」
観客《!?》
その言葉に観客は…BOO!BOO!BOO!BOO!…
MC「駄目だよ旦那、アンタの拳はここにいるゴミクズ全員の心を奪っちまった。」
クラウスの拳は観客全員の心を魅了してしまっていた…。
また観客の熱狂を見て鍾離達もクラウスが簡単には引き下がれなくなった事に気づいていた。
レオ「ヤバイじゃん‼いよいよ泥沼じゃん‼ザップさん見つけたっておいそれと帰れないじゃん‼ミスタ・クラウスに40‼」
鍾離「これ程までの熱狂とは…!」
リングではクラウスが何とか下がろうとしていたが…
クラウス「これでは埒が明かない…!」
MC「だ〜い丈夫、闘えばいいのさ。連中が腹いっぱいになるまでな。しかし…」
観客達《オイオイオイオイ何揉めちゃってんの?!マジかよ?!
冗談じゃねぇ〜ぞ!ここからが本番だろうが?!次だ…‼次の対戦者を出しやがれ!早く…》
クッラウス!クッラウス‼クッラウス!!!
観客のクラウスコールの中リング側を離れてスタッフ用口までレオナルド達は移動しようとしていた所、レオナルドは人にぶつかった。
レオ「あ、すみません!って…あれ?」
グレ「悪いね少年達、ここから先は関係者だけだ。と言うか……
年齢的に少年は店自体がまだ早いぞ。ん?」
ぶつかったのは先程異界人選手に殴り飛ばされたグレゴールだった。
グレ「ん?君達は確か…ミスタ・クラウスと一緒にいた…。」
レオ「はい…エヘヘヘ…。」
鍾離「先程の怪我は大丈夫なのか?かなりの怪我だったが…。」
グレ「これか?ああ…まあね、腕の良い医者が居るのさ。」
レオ(どんなレベルだ…。)
鍾離(やはりこの世界の医療技術はテイワットでは考えられない程進んでいる…。元素を用いない科学の力…。《あの国》が未だ健在であったなら現代で更に進んでいた技術力だったのかもしれないな…。)
2人が怪我の具合と治療技術に驚いているとグレゴールが2人がザップの知り合いだと気付いた。
グレ「……?!って事は君達ザップの知り合いか!」
2人《⁉》
レオ「その口調…‼やっぱあの人一枚噛んでますね?!」
グレ「う…、や…、あーそうか、あーしまったスマンスマン。まぁ色々あるが心配には及ばないよミスタ・クラウスは十分に頑丈だし
、腕の良い医者も居るからな。」
レオ「……。…そうですか…。」
グレ「あら、納得するのね。」
観客達のあまりの熱狂ぶりに鍾離達は何故こんなにも盛り上がるのか気になりグレゴールに問いかけた。
鍾離「……俺にはここに集まっている観客達がわざわざここまで来て血を見ようとする理由が理解できない…。無用であるならば血を流す必要は無いと思うが…。」
ーーー
過去の魔神戦争での闘いでもモラクスが自分から闘いを挑みに行ったことは少なく、襲い掛かってくる魔神達や妖魔を相手にしても闘いを楽しいと思った事はなかった。何故なら魔神達との闘いは起こるだけで規模が大きくなる為にかつての彼にとって戦闘は民を護る為にあったのだから…。璃月を建国し守護する岩王帝君となり仙人達を率いて契約を交してからは更に大地に血を流す事は憚られた。
倒された魔神の恨み、怒りの血が魔物を狂わせ、更には仙人達をも蝕んだのだ…。神の座を降りてからの自称凡人の鍾離は闘いを楽しむ事をタルタリヤや旅人達と旅をする中で少しずつ学んではいるのだが…まだまだ凡人の考えを理解できてはいない。ーーー
レオ「鍾離さんの言うとおり、わざわざ見に来なくたってヘルサレムズ・ロットじゃ毎日何処かで物騒な事が起こってるのに。…違いますか?」
鍾離達の問いかけに対してグレゴールは…
グレ「いや全くだな。」
グレ「1歩出れば引き鉄1つで相手を致命傷にでき、ボタン一押しで何人も纏めて爆散されられる。世界はまこと効率のいい暴力のオンパレードだ。」
グレゴールの話の最中、リング内ではどんどん試合が進んで行く。
グレ「でも石斧で殴り合い、剣で斬り合い、銃で撃ち合い、魔術で呪いあい、ミサイルで狙いあう様になっても何故かひとつも進化できなくて居座る渇望がある…。」
グレ「素手、一対一、種族を越えてこの二つのルールに縋りつく大馬鹿ども。」
グレゴールの話を聞いていたレオナルドには何が言いたいのか理解できてきた。
グレ「そうだよ、血が見たいんじゃない。有史以前から男達には不治の病がかかってるのさ。」
クラウスの拳が対戦者の顎にクリーンヒットし観客達は更に盛り上がり、グレゴールは話を締めくくる。
グレ「《ステゴロ最強》という病気にな。」
ーーー再びVIPルーム内
観客達が沸き立つ中闘技場オーナーも大笑いしながら喜んでいた。
ゲハハハハハハ‼
オーナー「いやあ‼最高だぜぇェェェェェェェ‼こんなゴージャスな獣は見た事がねえ‼」
ザップは興奮しているオーナーにゴマすっていた。
ザップ「へっへっへ!お気に召して頂けやしたか先生‼」
オーナー「イナフだ‼今夜はよく踊ったぜザップ・レンフロ‼」
まだ試合が連続して続いている中ザップはクラウスが気に掛かった。ゴギィン‼バゴエン‼
ザップ(…ってか…ちょっと…やっぱそうか…?)
ザップ(案の定旦那…ノリノリになっちゃってますよね〜?!)
クラウスは連闘の中で試合を楽しみ始めていた…。
MC「勝負アリィィィィィィ‼」カンカンカンカン‼
観客達《ゴボウ抜きで現チャンプまで倒した‼前代未聞だ。スゲエよ〜‼スゲエよ〜‼もう完全にオケラだが俺ココに居れて良かった…‼》
その様子を見たザップはオーナーに話かけようとしたが…
ザップ「ふう…。…終わったか。想定外もあったけど中々イイ興業だったんじゃねぇの?さあて俺は出るぜ、金を用意してくれ。」
ザップが振り返った先にはオーナーは居なかった。
ザップ「って、ええ?!」
ザップがリングを見るとオーナーはリング内にいた!
MC「…オ…オーナー‼」
オーナーはクラウスに話かける。
オーナー「よく来てくれた戦士よ、まずは今宵の闘いぶりに賞賛と敬意を。いや震えたよそこそこの食材続きじゃ満たされないもんがあるのに気づかされちまった…。」
オーナー「こんなのは久々だぜ!今夜は腹いっぱいになりてぇ…俺にも食わして貰おうか極上のディナーを‼」
そのオーナーの言葉に観客は再び盛り上がった。
ウォォォォォォォォ‼
クラウス「いや私は…。」
MC「『いや私は』じゃねぇ受けろ!受けてくれ‼」
MCも興奮している様子でクラウスに試合を受ける様に言った。
MC「オーナーが挑戦したと言う事は…‼この闘技場の経営権を賭けた決闘なんだ‼」
MCの言葉が終わるとクラウスにオーナーが殴りかかった!
ドパッ‼ドンドンドンドン‼
MC「…か、開始…ッ‼」
MC「開始だアァァァァァ‼」
MCの開始のコールからクラウス達は更に激しく拳で殴り合っていく。
オーナー(思った通り…スピード、角度、パワー、タイミング、何をどう変えても完全に対応してくるわけか…。)
オーナー(防御一徹の左に常に最短距離を撃ち抜く構えの右…素手の人間の闘い方じゃない、盾と槍をで武装した重歩兵だ。素手の闘いにおいて蹴り掴み投げ極め無し、非合理にも程がある…。それでも打ち破れないシンプルで手の内が見えていてなお突き崩せぬ鍛錬とは…。)
オーナーはクラウスの戦闘スタイルを分析しながら拳の応酬を続けている…そんな一瞬にオーナーはクラウスを見てニヤリと笑う。
オーナー(いいねぇ正気を疑うよ、ますます…正面からかっ喰らいたくなるさ‼)
正面からクラウスに突っ込んたオーナーはクラウスの左腕を精確に狙い拳を放つ!それを見ていたザップは…
ザップ(捉えた。なんて対応力、集中力。空いたラグは一瞬だが十分…‼)
クラウスの顔面にオーナーの拳がヒットしてクラウスが一瞬ぐらつく。そのままオーナーは更にクラウスを殴り、クラウスも拳を繰り出していく。
ザップ「おお〜流石元エデン不倒チャンピオン『拳豪オズマルド』これはひょっとして、ひょっとするんじゃねえか?」
ザップの言葉にオーナーと一緒にいた女性はつまらなそうにザップに声を掛ける。
女性「…ふうん、それじゃまた彼の勝ちなのね…つまらないわ。」
ザップ「いやそれはねえよ。」
女性「え?」
ザップ「万が一にもな。」
女性「え?」
ザップ「旦那は不器用なんだ、集中してる時の1発1発を調整できない。だけど『こう』と決めたルールで自分を縛るのは得意。」
女性「…………。」
ザップ「俺がひょっとするつったのは…」
ザップ「『構え(フォーム)のスイッチ』のほうさ。」
クラウスはついに左の拳を振りかぶった。
オーナー(左ッ⁉なんてこった…こっちが本命か…‼)
クラウスの左拳はオーナーの顔面に突き刺さったが…
ズグボッ‼
クラウスの拳によりオーナーの男の顔は崩れ去り中から現れた細身の男に拳は当たっていた…。
ドシャ!ドチャドチャドチャ…。
???「き、きいたぁ〜ッ…!」ニタァ…。
辺り一面((((;゚Д゚)))))))
辺り一面は驚愕に静まりかえっていた…。
オーナー中から現れた男の姿にレオナルドの目は…
???「あれ?この空気…あ~あ一応死体を使ってるんだけどな〜しかも僕が殺したんじゃないやつ…。」
レオナルドは観客を掻き分けクラウスに注意を呼びかけるが…
???「こうでもしないと…僕ら《血界の眷属》は君達《下位存在》と遊べないのにね。」
???「お疲れ様、クラウス君。」
ブラッドブリードがクラウスに軽く触れるとクラウスの体はリングフェンスにかなりの勢いで吹っ飛んでいく!
ガシャン‼ギゴ、ガココゴ…
クラウスが突っ込んたフェンスが観客達に倒れてきたがギリギリで止まった。
観客『はぇぇ…危ねえ所だった…、ビビらせんなやもー、おい…みろ…‼』
観客達の視線の先にはもぬけの殻になったリングがあった…。
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レオ(一瞬で、それこそ瞬く間もなくほんの一瞬で暴威は去った。ブラッドブリード《血界の眷属》は作り変えらざれしもの。もし彼が皆と同じ様に『ステゴロ最強に心奪われた、ただの男』だとしたら…誰と拳を交わす事も出来ない程強化された自身の身をどう感じるのだろう…。残像の様に残る彼の笑みが何処か寂しそうに見えたのは僕の思い込みなんだろうか…。)
ーーーーーーーーーーーーーー
地下闘技場を後にライブラのオフィスに帰る道中にて。
ザップ「いや〜しかし助かったよ〜旦那〜。悪いヤツラも旦那の闘いぶりを見て恐れをなして逃げてったしさ〜良かった〜。」
ザップはクラウスにゴマをすっていた…。
クラウス「無事で何よりだザップ…‼一時は如何なる事かと…‼」
クラウスは目頭を抑えているがザップはほくそ笑んでいた…。
レオ(もう有り得ないよ〜‼騙されてる方にも腹立ってきた
よ〜‼)
鍾離は後ろから付いてきており見守る事にした様だ。
今度はレオナルドに向かってザップは舐めた変な顔を向けた。
レオ(…何すか‼何なんすかその目やるっつうんすか。)
レオ「僕もう超言いつけるし、人の口に戸は建てられないし…。」
ザップ「違うんだレオ、行きがかり上ややこしい事になったが実はちゃんとこうならねばならなかった理由がある!」
レオ「始まったよまた何かテッキトーでやっつけ極まりない弁舌が。」ザップ「聞けって‼いいか良く見ろ旦那は今満身創痍だ。強豪との14連戦+ブラッドブリード戦でゴッソリ削られてる。」
レオ「…はあ…そうっすね…アンタ死んだらいいのに。で…それが?」ザップ「バカヤロウ!行くなら今しかねえだろうが!」
レオ「はあぁ?」
ザップ「取り敢えずどんな形でも一回勝利の味を知っておかねぇと俺はこの先一生前に進めねぇんだよ〜‼」
ザップは先頭を歩くクラウスめがけて走り出した!
レオ「最低だ‼最低に糞尿ぶっかけてルーブルに飾って金取るくらい最低だ‼」
ザップ「往生せいや旦那ァァァ〜‼」
クラウスに襲い掛かって行ったザップだが…
ゴキッ‼「おぶ」ドグシャ‼「ばッ‼」ガッ‼「止めべ…ッ!」
バキャカーン!!!「がばらぼけかごろ‼」
レオ「うわ〜ウスラ寒くなる程いい気味じゃない…✦」
そんな光景を見守っている鍾離は…
鍾離(ヘルサレムズロット来てから改めて考えさせられるな。凡人から見るステゴロの魅力…公子殿も似たような感情で強者に挑んでいるのだろうか…?まだまだ俺も凡人として学ぶ事が多い様だ。この世界にいる間…学べる所は沢山学ばせて貰おうか。)
鍾離は一度見たものを忘れる事はない…。
ライブラとの契約は彼に凡人らしさを学ばせてくれているいい機会になっているようだった。