火牙刀太陽(アポロ)とノインが神羅万象チョコの世界で成長していく話   作:不知火勇翔

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ソロモン王国の王子

 叫び声が聞こえて、ハッとした。

 目の前は火の海だった。いや、視界の全てが炎で包まれていた。

「…………なんだよ、此処」

 呆然とした。

 全身が痛かった。よく見れば傷だらけだ。

 訳が分からない。何なんだ。

「どうして、どうして」

「王子!!!っ、ギャアアア!!?」

 呼ぶ声がして振り向くと、中世の騎士鎧を着た男が駆け寄って来るが、すぐに火炎に包まれ、呻き声を上げながら消し炭になった。

「おじさん!!」

 俺が叫ぶが、悲鳴にかき消された。

「王子!!!助けて!!」「アポロ王子!!!」「王子様!!」「助けて!!」「助けてよ、助けてよ!!!」

 悲鳴が聞こえる。呼んでいる。炎の中から。

 アポロが自分のことだと分かるから、動かなければいけない気がした。

 いつの間にか握っていた赤い槍を強く握り締め、俺は火炎の中に特攻した。

「アアアァアアアアア!!!!」

 全身から火炎が湧き出して身を守ってくれる。

 よく分からないが、できていた。

 燃え盛る火炎の中に突っ込むと、変な人型の物体に出くわした。

 機械のような、黒い人骨。

 頭部はフリーザみたいな赤い丸があるだけで、目も口も鼻もなく、生物として生きているかも分からない存在だった。

 ただ存在していた。

「なんなんだよお前!!!」

 黒い人骨は答えない。

 代わりに首を掴んで火にさらしていた子供を、握力で握りつぶした。

 目の前で人の命が握り潰される光景に、俺の意識が一瞬飛ぶ。

 その一瞬で十分だったのか、予備動作まで終えた黒い人骨が一瞬で俺の目の前まで来ると俺を殴り飛ばしていた。

「なっ!?あ、がぁっ!?」

 奴は握り潰した命に何の感慨も持っていなかった。ただ次が来たからと用済みを捨てるように、命を放り投げていた。

 殴り飛ばされた俺が再び火炎からはじき出される。立ち上がるが、黒い人骨も迫ってきた。

 応戦するが、今も周囲からは名前を呼ぶ声がしている。早く助けに行かなければならない。なのに。

 黒い人骨が強い。恐ろしく強い。

 多分俺は『アポロ王子』なる人間に憑依したみたいだが、『アポロ王子』の身体が覚えている戦闘技術をフルに駆使してやっと戦えている状況だった。憑依前は何もしていなかったのを今更ながら悔やんだ。

「クソッ、クソッ!!!」

 段々と周囲からの悲鳴が聞こえなくなってきた。1人1人と力尽きているのだ。

 恐らくだが『アポロ王子』と数人がこの場にいて、ここに爆弾が投げられて『アポロ王子』は能力で爆弾を凌いだが他はモロに受けたのだろう。

 そしてこの火を撒いたのは、恐らくこの黒い人骨。

「いい加減、やられろ!!!」

 自分が更に負傷するのも気にせず人骨を何故か握っていた赤い槍で頭を叩き斬ると、人骨は停止した。

「よし!!今助けるぞ!」

 俺は振り返った。倒した人骨には興味が無かったから視線を離すために振り返ったのだが、そこで絶望を目にした。

 さっきみたいな人骨が、複数佇んでいたのだ。

 さっきの赤い頭の人骨が4、別系統なのか青色の奴が2、緑が1。

 赤色以外の3匹は、赤色よりも圧倒的にガタイがよく、強そうだった。

 立ち向かうか?いや、無理だ。いくら体が覚えていると言ったって、素人が戦える相手ではないように思えた。恐らくこの勘は当たっている。

「王子!!!お逃げ下さい!」

 火炎の奥から声の聞こえた。

「でも!」

「邪神群は無限にいます、ゴホッゴホッ!だから、お逃げ下さい!!!」

 邪神群、と言うのだろうか。この骸骨どもは。

 火炎を突っ切って男が飛び出してきた。

 この男も、中世の騎士鎧みたいなものを着ていた。

「ここはお任せ下さい!火の中にいる人も助けられるだけ助けて後を追います!!!」

「無理だ!!」

「お逃げ下さい!!」

「まだ皆…」

「もう手遅れです!!!!!」

 怒鳴りつけられ、俺は泣きそうになった。

「王族のアナタが死ねば、誰がこの邪神群を打ち倒すのですか!!!今は私を置いてでも、お逃げ下さい!!」

 剣を握っていない左手で突き飛ばされ、俺は走り出した。炎を全身に纏って火炎を突っ切り、俺はガムシャラに走った。

 途中で邪神群とかいう色とりどりの骸骨と出くわすが全て無視。

 逃げる。逃げる。どこかも分からない、宮殿のような場所を走り回る。

 ふと目の端に少女が倒れているが見えて、俺は足を止めた。そして駆け寄る。

 髪が水色の、まだ幼い少女だった。

 今の俺の背と同じくらいか。

 とにかく連れて逃げ出さないと。

「君、起きて!!!早く逃げるよ!!!」

 揺すって無理矢理起こすと、少女は目をパチパチとまばたかせて、炎に包まれた世界を見回した。

「……ここは?」

「俺だって知らないよ!!!」

 

 

 

 

そこで、『異界の門』が開いた。

 

 

 

光はただただ破壊の限りを尽くす邪神群と、国家『オリンポス』の最後の生き残りをついでにと包み込んだ。

 

 

こうして邪神群は、新たな標的となる世界に足を踏み入れることとなる。

 

 

 

★こうして後の『灼炎王アポロ』と『月華星天ノイン』は、新たな世界へと旅立ったらしいゾ!

 

 




原作を知っている人に釈明。
ノインですが、元々はソロモン王国打倒のために…という設定です。
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