古明地さとりのΨ難   作:きのこ狩り

10 / 19
明けましておめでとうございます!
そして久しぶりの投稿です!

二週間半以上音沙汰無しにして申し訳ありませんでした
大晦日の用事が忙しく、執筆する際何度も書き直す事が増え、この通り期間が空いてしまいました

追記
あまりにもあんまりだった為、急遽書き直しを行いました!


Ψ人と妖怪の出会い編
第9Χ 上位、Ψ強テレパシー


と、言うわけで私の地獄の学校生活二日目です。

あの隙間妖怪に彼の事を調べるように言われました。

 

にしても昨日、彼の心の声が聞こえないように感じたような…まぁ、疲れてましたし能力が機能しなかったのでしょう。そうに違いない。

 

「さとり様!いってらっしゃいませ!それとお気を付けて!」

(いってらっしゃい)

(いってらっしゃいさとり様)

 

私のペットの一人である今は人型の火車のお燐と数匹のペット達。

あぁ、行きたく無いなぁ…昨日の『高度宇宙虫歯菌』共の気持ちが少しだけ理解出来た所で、この家に張られた結界を抜けます。

ふむ、確かに昨日よりは負担は無いですね…

 

 

そうして歩いているうちに学校に辿り着きました。昨日の悲惨な出来事を隙間妖怪に相談した所、境界を調節?してもらい楽にはなりました。周りの人間達の声は普通に煩いですが…

 

(あぁまさか登校中でお姿を拝めるだなんて!)(このお姿を拝むだけの為に学校に通っているのだ!)

 

…ナンジャコリャ

 

何故か男共が溜まりに溜まっています。いや溜まってはいますが、人が通れるくらいの道を空けて男共が群れています。しかも男共から聞こえてくる『声』があまりにもうるさ過ぎる…これじゃあ初日とあまり変わらない…

 

出来るだけ近付かないように正門を通ります。

 

「あ、古明地さんおはよー!」

 

む、夢原さん。現地民A的立ち位置の信頼できる人間が近付いて来ました。丁度いい、この男集りはなんなのか聞きますか。

 

「おはようございます、夢原さん。あの人集りは一体…?」

「あれ?気にしなくて大丈夫よ。心美が学校に来るとこうなっちゃうの。あ、心美は私の友達で…」

 

…成る程

照橋心美。そのあまりの美しさに、彼女に相対した男はもれなく挙動不審状態に陥る。街を歩けば芸能人のごとき人だかりができて、石油王や大富豪にすら求婚させるほど。学力や歌唱力もかなり優秀、人当たりも良く、心優しいという完全無欠のマドンナであると…

 

よ〜く分かりました。つまりは外見は完璧で中身がギトギトな存在だと言う事ですね。

そう私なりに性格捻じ曲がった『正しい』認識をした瞬間…

 

「来たぞ!」「照橋さんのお通りだ!」

 

その声に反応して正門を向きます。すると…光に包まれた青髪の美少女が…いや…えぇ…

 

そして周りからは謎の奇声が聞こえます

「おっふ照橋さん」「おっふおはようございます」「おっふ」(おっふ)「おっふ」「おっふ」(おっふ)(おっふ)「おっふ」(おっふ)(おっふ)「おっふ」(おっふ)「おっふ」「おっふ」

 

それ以降耳からも心からも聞こえる男達の声は「おっふ」だけとなりました。

 

「まぁ心美は本当に綺麗だもんねー。私も最初は友達になるまで近付きにくい感じだったし…あれ?古明地さん?」

 

ーー

《すぐ近くの女子トイレ》

 

「うっぷ…」

 

まぁ、そんな絶妙なバランスで同じ単語?を耳にすると酔いますね。音に酔うならぬ、おっふに酔う。『読心酔い』の上位種…

 

『おっふ酔い』…発症!

 

「絶対あの人間には近づいちゃいけない…!!」

 

男達に埋め尽くされて中身を見れませんでしたが、あの美少女…確かに外見は圧倒されてしまいましたが、照橋心美に近づくべきでは無いと、誓うことにしました。

 

 

 

(数十分後)

 

まぁ、私がやる事は『お友達』を増やす事じゃありません。私の後ろにいる彼…斉木楠雄についてを調べる事です。それにしても外見はかなり奇抜ですね。目がチカチカするピンク髪に、謎のアンテナはっ付けてどう見てもおもちゃにしか見えないメガネ…

 

…ん?今ブーメランだと思いましたか?分かってますよ、私の髪の色と『目』も奇抜に入るのは自覚してますから。自覚した上で奇抜だと言ってます。

 

まぁ、あんな奇抜な格好してて誰も言わないのですから、私程度の奇抜で反応しないのは普通なのでしょう。…普通ってなんでしょうか

 

それはそれとして、昨日は余裕が無かったので出来ませんでしたが、今日なら…何をって?心の中を読むんですよ。さて、彼の頭の中は…

 

(やれやれ、今日の母が作ったコーヒーゼリーは最高だった。明日も食べたいものだ。)

おや?意外と普通な事考えてますね。

 

(やれやれ、今日のお昼は売店のコーヒーゼリーを買うと決めているんだ。早く午前の授業が終わって欲しいものだ)

いや気が早過ぎませんか?まだ授業始まってもいませんが…

 

(今日はたしかコンビニで新発売の生クリームとチョコムースが三層に重なったコーヒーゼリーが売られている筈だ。やれやれ、あいつらとは極力帰らないようにしなければな。最低でも3個は食したい。買い占めなければならないな。そこらの子供に買われる訳にはいかない…)

いや子供ですか!?ていうか貴方コーヒーゼリーの事しか考えていませんよ!?

 

(今日は頼んでおいた材料を母さんが買ってくれる筈だ。そしてそれをゼリーメーカーアルティメットハイパー(アニメ199Χ『Ψテク戦士100円マン!』参照)で調理すれば…フフ、僕だけの絶品コーヒーゼリーの完成だ!)

 

もういいわこのコーヒーゼリー男!!

 

『ギョロッ…』

 

ーーー

 

ふむ…やはりテレパシーが通じないというのは不便だな。今でも最も厄介な力だと思ってはいるが、普段できていた事が出来ないというのは中々の違和感だ…それと心の中を読まれてるかもしれないというのは、こう言ってはなんだが、中々の不快感だ。

 

今僕の心の表面は、コーヒーゼリーの事で埋め尽くされている。昨日は奴に僕の正体を伝えるつもりでいたが、あれは嘘だ。まぁ途中まではそのつもりではあったが、本当にそれで良いのかと寝ながら考えた。結果、この方法を思い付いた。その名も『思考隠れの術』。

テレパシーを使う相手に対して、敢えて読ませる身代わりの思考を貼り付け、本当の思考を隠す技だ。今古明地が読んでいるのは、コーヒーゼリーに埋められた思考の身代わりだ。前回を読めば分かるが、恐らく奴は僕より強力なテレパシーを持つ。故に僕の考えている事も分かるかも知れない。その為の身代わりだ。

これで奴は僕を、スイーツ好きのただの学生にしか思えないだろうが、その通りだし良しとするか。

フフ、これを破らない限り、僕の正体を知る事は出来ないぞ。

 

「おう相棒!」

「おい斉木!」

 

燃海ドウか。この偽り(とも言えない)の思考を前に出しながらこいつの相手をするのは疲れるが、やるしかないか。

 

ーー

 

…マジですか

本で読んだ14歳ごろの男性の子供に現れる病気でなければ、彼は私と同じ力を持つ事になります。この世界では読心をテレパシーと呼ぶのですね。

にしても、表層意識を別のもので埋めて、本当の表層意識を隠すとは…素人の読心使いなら騙されてますよ。

まぁ私が驚いたのは他にも。それは、私が『心を読む程度の能力』を使う事を見抜いた事です。調査の為とはいえ上手く隠したと思ったのですが…

もう少し観察した方が良いですね。下手に接触すると警戒されてしまいますし、私は彼の心を読めますがどうやら彼は私の心を読めないようですので、慌てなくても良いでしょう。それと、勝った…!やはり私の能力は素晴らしい…

 

よし、まずは彼の交友関係ですね。

 

「おう相棒!」

燃堂力…説明が難し過ぎる見た目なので読者に任せます。そしてこれを言ってはいけないと思いますがこの人間は不良かただの馬鹿のいずれかですね…いや、多分ただの馬鹿ですね。不良っぽい事とか考えてないですし…というより何も考えてないですねこの人間。まるでお空みた…いえ、お空は記憶力がちょっと良く無いだけです。何も考えていないからとそれだけでお空と一緒にするのはおかしいです。それにお空は可愛いです。あんな馬鹿みたいな見た目の人間なんぞと…

「お?どうしたんだ?コーヒーゼリーめっちゃ食いたそうな顔してどうかしたのか?」

((なんで分かるの?怖い怖い))

つい彼と全く同じ事考えてしまいました。もしかしてこの人間、勘がめちゃくちゃ鋭いのですか?後で調べよう。ついでになんで彼が相棒と呼ばれてるのか

 

「おい斉木」

海藤瞬…彼は…

「お前、今度行われる新学期の確認テストの勉強しているのか?」

おや?意外と普通な…

「フッ、悪いな斉木。俺は完璧だぜ!まぁ勉強なんぞしなくても俺の漆黒のブレインがあれば_」

(腐ってそうな脳みそだな)

全く同感です。

成る程、病気に罹ってるのはこちらでしたか。因みに素は…

(今度こそ50位から抜けないと…)

おのれ、枷さえなければ本音暴露して楽しんでいたものを…

 

まぁそれは置いといて、成る程、気弱な本性をこの病で補ってる感じなのですね。虐めがいがありそう…

 

…まぁ、中々癖の強い人間と交流しているようで。少なくとも話しかけられる感じじゃないですね。

 

「おい中村どうしたんだよその虫籠」

「うわっなんだその蝶…いや蛾だろ!?スゲー気持ち悪い!」

「へへ、うちの前にめっちゃくちゃいたからな。ちょっと捕まえて持って来たんだ」

「いやちょっとかそれ!?30くらいいないか!?」

 

私の隣の席で何してんですかこの人間達は…

黄色と黒の蛾。蛾自体はそこまで大きくはないものの、籠が大きいのでアホみたいな数がいます。数が多いと籠の中とはいえもの凄い光景です。

率直に言ってかなり気持ち悪い

 

こういうのって大体虫籠が壊れたりして大ごとになるのがお約束で…あれ?彼の思考が…

 

「斉木?どうしt…斉木大丈夫か!?おい斉木が気絶してるぞ!」

「うおーー!!相棒ーー!お!しっかりしろ!死んだのか!」

「いや気絶してんだよ!まぁよく分からんがまずは保健室にっておい燃堂揺らすな!!余計に飛ぶだろ!!」

 

お馬鹿そうな人間は気絶してる彼を意識どころか首が飛びそうな程揺さぶる一方海道さんは必死にツッコミ役をこなしています。もしかしたら我が家のツッコミ役(お燐)の代役に良いのでは?…って、そんな事よりいきなり気絶?…確かにさっきまであった『コーヒーゼリー』とか無くなりましたけど…

 

(やめろ馬鹿野郎!!)

「ブフォ!!」

あ、戻った…それにしてももの凄い右ストレート

 

「何すんだ相棒!せっかく助けてやったってのによ!」

(首の骨が外れるほど揺さぶった挙句人工呼吸という名の窒息をやろうとする奴をどうみたら助けてるように見えるんだ)

ごもっとも。楽にさせてやるの方がまだ見えます

 

(いやしかし驚いたな…もう少しで超能力が暴発する所だった。咄嗟に意識を切ったが、次は防げるかどうか…その前に、まずあの虫籠をどうするかだ)

 

いや意識を切ったとかどういう力ですか。というか、超能力って何ですか?…そういえば外の世界から来た変な人間も言っていたような…

それと、先ほどの気絶はあの蛾を見た事らしいですね。成る程、彼は虫が苦手と…

 

「お前どうしたんだ?というか大丈夫なのか?一応保健室に…」

(まぁそうだな。まずはこの教室から出た方が良いだろう)

海道さんとは普通に仲がいいのでしょうか。というより、このままだと話す前に彼が行ってしまいますね…まぁ良いか。別に話すタイミングは他にも

 

「うわやべ!一匹逃げた!」

あ、逃げて来た蛾が彼の目の前に…

(……………!!!!???)

 

次の瞬間、二つのことが起こりました

一つは、(バァァン!!)と見事に虫籠が爆発してしまい、大量の蛾が大脱走しました。

二つは、このクラスは大量の蛾が蔓延る地獄のような空間と化し、人間達の阿鼻叫喚が発生しました。

…まぁ、確かにこうなりますよね。あと暴発ってそういう事ですか

 

籠を爆発した彼は頭が真っ白になってますし、そもそも籠を持ってきたナカムラという人間は…

「…どうしよう…どうしよう…!」

ダメですねこれは…

「なんの騒ぎだこれは!!」

「みんな落ち着いて!いや無理だね!怪我しないようにするんだ!」

担任の井口先生とたしか生活指導担当の松崎先生。まぁこんな大ごとになると来ますよね…

「皆さん落ち着いてくださいこの蛾はキオビエダシャクというシャクガ科の仲間であり主にイヌマキを食い荒らす害虫ですが人体には特に害はありませんただ確かにこの通り大量に見ると中々凄惨な光景ですね。私が小学生三年生の頃校内で巨大な蛾の死骸をみてオシッコを漏らした時のような…」

何悠長に解説してんですかこいつは…

「お前ら!蛾如きにビビるな!!照橋さんを御守りするんだ!」

「そうだ!照橋さんに一匹たりとも近づけさせるな!」

「いや待てよく見ろ!照橋さんの周りにだけ蛾が飛んでいないぞ!むしろ避けてる!」

大半のこのクラスにいる男どもはなんか騒いでます…

全く…仕方がないので手を貸しましょう

ここで彼に借りを作るというのもアリですね

多分気付くと思いますし

 

ーー

「みんな!落ち着くんだ!まずは廊下側の窓とドアを閉めろ!そして校舎側の窓を開けるんだ!」

「クソがこっちくんじゃねぇ!!」

「お!?なんだこいつら!なんで俺っちの顔に止まんだよ!?」

「燃堂やめろこっち来んな!!お前の顔仮面被ってるみたいだぞ!?」

 

一周回って落ち着いて来たな…

僕は今、過去最大の窮地に立たされている。あのナカムラとかいう奴が持ってきた籠を破壊してしまった。そのおかげでこの有様だ。何処を見ても虫虫虫…そして今僕はどんな心境でいるのかといえば、爆弾を作動させるレーダーを身体中が覆い、一歩も動けない状態だ。もし動かそうものなら、爆弾が起動して爆発する様に、この部屋自体が大惨事となる。心を無にしているとはいえ、この惨状で耐えているのが不思議なくらいだ。

 

知っている人は多いだろうが、僕は虫が大嫌いだ。見た目が酷いというのもあるが、最大の理由はテレパシーを読めないのである。あの何を考えているか分からない生物が大嫌いなのだ。念力ですら触りたくない。

どうする…今なら誰も見ていない。瞬間移動で家に帰るか。いや、もし虫が一匹でも巻き込まれて僕の部屋にまで着いてきたら最悪だ。どうすれば良い…

「おい相棒!」

邪魔をするな燃堂!いまお前に構ってる余裕なんて

「おい見ろよ相棒!あいつら窓の外から逃げてくぞ!」

…なんだって?

 

"その光景は、斉木さえ困惑に値するものだった。クラス中に跋扈していたキオビエダシャクは、一箇所に集まった後吸い込まれるように窓の外から出て行ったのである"

 

…なんだこれは。こんな事があり得るのか?

 

「虫がみんな出て行くぞ!」

「しかもズレることなく真っ直ぐだ!」

「この蛾頭が良いのか!?」

いや、これは間違いない。テレパシーで命令されているか、念力で動かしているかだ。

しかし、わかっているとは思うが僕ではない。

もしこれが烏などであれば僕も同じ事が出来るが、テレパシーの通じない虫では不可能だ。一体誰が…

 

そして僕は、虫が離れた事で動かせるようになった体でふと横を向いた。そこには、謎の目玉のアクセサリーを蛾の大群に向けている女…古明地さとりの姿があった…

 

…何なんだ、この女




楠雄とさとり様が出会う為に、楠雄がこれをやれば注目する事はないかを考えた結果、虫という案が浮かびました
多少強引になりましたが…(鎖鎌やニトログリセリンが普通に出て来るから害虫の入った虫籠も出るんじゃね?って事で)

何度目になりますが、「ここおかしいのでは?」の箇所が有れば、報告お願いします。久しぶりの投稿なので
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。