それいけ!ファンゴ君 シーズンF   作:JUBIA

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第25歩~第27歩

<<第25歩>>

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 右側歩行をするなと言われると、あえて右側を歩きたくなるのが世の常だ。

 イケメンキリンの忠告もよそに、ボクは右側を歩いてやった。

 

 途中で、岩壁が途切れている所がある。

 あぁ、ここから落ちたら危ないということか?

 ボクは下を覗きこんでみた。

 (かすみ)がかってて、よく見えない。

 高所恐怖症だから底が見えると怖いけど、逆に底が見えないと、それほど恐怖ではない。

 ボクは、ギリギリまで首を伸ばして下を覗こうとした。

 すると、足元の岩場が崩れ、あろうことかボクは下へ落っこちてしまった。

 

 イテテテテっ。

 内臓が口から出るかと思った!

 ちゃんと補強汁っ。

 ブルブルと身震いをし、どうやって戻ろうかと上を見たけど、そこには頼りないツタがあるだけだ。

 悔しいが、これはイケメンの言う通りだった。

 ほかに通れる道がないか探そうと、後ろに振り返ってみる。

 

 ががががっでーむっ!!

 そこには、緑色の角と赤い爪を持つ狐のようなモンスターが、鋭い牙を剥き出しにしていた。

 逃げ場はほかにない。

 これは絶体絶命だっ!!

 

 と、その時、ガクブルしているボクの目の前に、上から次々と4人のハンター達が降ってきた。

 おまいら、ナイスタイミングっ!

 

 ハンター達は凄腕らしい腕前で、その緑の狐をやっつけた。

 うむ、ご苦労っ!!

 

 途中、緑の狐が怒って白くなった時はもうダメかと思ったが、このハンター達はなかなかどうしてやるもんだなっ。

 ハンター達は、緑の狐から戦利品を剥ぎ終えると、帰る身支度をし始めている。

 

 ……あっ、ボクも連れてってくだしゃいっ。

 いつも糞ハンターとか言っているが、今はコイツらしか頼みの綱はない。

 ボクは4人の中でも、選ばれし綺麗なお姉さんのそばに駆け寄り、その足元にスリスリした。

 ハンター達が何やら話し合っていたが、どうやらこのボクを抱えて上まで登ってくれることになったようだ。

 

 が、いかにも力自慢のような大男が近付いてくると、このボクを抱きかかえようとした。

 

 おまえはダメだっ!

 ボクは、このお姉さんがいいんだっ!!

 

 ボクは、ワザと怖がるフリをしてお姉さんの後ろに隠れた。

 大男は、頭をポリポリと掻きながら、苦笑いをしている。

 アカデミー主演男優賞もひれ伏すボクの演技によって、お姉さんがボクをそっと小脇へ抱えてくれた。

 大男はボクを羨ましそうに見ている。

 

 けっ、ザマァww

 カス野郎に用はないんだよっ、bk。

 お姉さんは、ボクを抱えたまま、力強くツタを登り始めた。

 

 あ、あのぉ、脇っ腹に何やらプニプニと柔らかなモノが当たるんですが……。

 ボクは天にも昇るような気持ちだった。

 おねぃさん、ボカァは幸せ者です。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

 

 

<<第26歩>>

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 綺麗なお姉さんに助けてもらったボクは、ペコリとお礼をし、そびえ立つ塔へと挑戦することにした。

 

 中に入ってみると、限りなく続く螺旋(らせん)階段。

 これを全部登るのかっ?!

 ため息が出るけど、やっとの思いで登り終えた。

 

 すると、どこからともなく緑の(こけ)で覆われた巨大タコのような物体がフワフワと吹き抜けの所から現れた。

 なんだコイツ?

 なんかイっちゃってる目してるけど、大丈夫か?

 

 そう思っていると、ソイツは突然グルングルンと回りだした。

 回る勢いで、苔タコの触手がボクの頭上をかすめ飛んでいく。

 

 危ないじゃまいかっ?!

 そんなに凶暴そうな面構えでもないし、ボクは無視して階段を登り始めた。

 すると苔タコも、ボクに並行する形で一緒になって浮上してくる。

 

 マネすんなっ、糞タコg。

 ボクは苔タコと競争するように、階段を登っていく。

 苔タコは、一旦動きを止め、ヒレを天井に向けて上げたかと思うと、なんと口から大雷光虫を吐出してきた。

 

 ちょっ、おまっ!!

 一体、何匹の大雷光虫を体の中で飼ってんだよっ?!

 よく内臓がビリビリしないな。

 

 吐出された大雷光虫がボクに向かって飛んでくる。

 来るなっ、糞虫っ。

 食っちまうぞ!!

 

 ボクが大雷光虫を追い払っていると、苔タコはボクの行く手を(はば)むように、ヒレをビタンっと目の前に叩きつけてきた。

 そして、ピタリと動きを止めた。

 

 そこまでしてボクの邪魔をしたいのか?!

 ボクは進路を(さえぎ)るそのヒレに向かって、超絶猪突タッコゥを決めた。

 すると、その衝撃で苔タコは、ズサーっと下へ勢いよく落ちていった。

 ふんっ、ザマァwww

 二度と上がってくんな、この糞タコgっ。

 

 苔タコを振り切って階段を登りきると、小部屋のような所に出たので、一息ついでにその辺に生えている古代豆を食べた。

 豆、うましっ♪

 

 充分な休息を取ってこの小部屋を抜けると、また螺旋階段が目の前に現れた。

 げげっ、また階段登りかよっ。

 ボクの大腿筋(だいたいきん)は、そろそろ限界に近づいている。

 

 すると、すっかり追い抜いたと思っていた苔タコが、また懲りずにやってきた。

 おまえ、ストーカーか?

 暇なヤツだなっ。

 ボクは苔タコをヌルーし、限界の大腿筋を振り絞って階段を勢いよく登った。

 さすがの苔タコもボクには追い付いてこられないようだ。

 

 階段の先には、また小部屋のような場所がある。

 またちょっと休憩するか。

 ボクは何か美味しいものでもないかと辺りを探してみる。

 おいぃっ、何もないじゃまいかっ?!

 

 仕方なく、少しだけ生えていた薬草で我慢する。

 そろそろ、頂上なんじゃないか?

 頂上には何があるんだろう、ボクはwktkな思いでいっぱいだった。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

 

 

 

 

<<第27歩>>

 

 ボクは、偉大なドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。

 

 苔タコとの競争に勝ったボクは、意気揚々と頂上へ向かった。

 が、そこにいたモノは、ボクが期待するモノとは大きくかけ離れていた。

 

 青い色のライオンキング、いや、雌だからライオンクイーンか、いやゴロが悪いな。

 高貴な雰囲気をかもし出す、まさにお妃様のようなライオンだ。

 イケメンの野郎、何もないだなんて嘘つきやがって、くっそー!!

 

「い、いやーっ、まいったなーっ、道に迷っちゃったかなーっ」

 

 ボクは苦笑いを浮かべながら、お妃の出方をうかがってみる。

 ライオンキング同様、腹を空かせてさえいなければ、ボクのことなんて気にしないハズだ。

 

 グルルルルル……。

 

「あ、あははは……、この前ご主人とお会いしましてですねー……」

 

 グルルルルル……。

 

 や、やばす、コイツ、話が通じないっ?!

 

「失礼しましたーっ」

 

 ボクは、来た道を戻ろうと急いで振り返った。

 ところが、来たはずの道は、いつの間にか大きく真っ黒な岩でふさがれている。

 

 えっ?

 いつっ?

 誰がっ?

 何のためにっ?

 なぜっ?

 whーyっ?

 

 これじゃ、ここから出られないじゃまいかっ?!

 あわわわっ、この状況は非常にマズいぞ!

 お妃と二人っきりって、ライオンキングに誤解されるじゃないかっ?!

 いやっ、お妃に食われるのが先かっ?

 ボクは、生涯かつてないほどにオロオロした。

 

 どーしよー、どーしよー……えーっと……。

 チラっとお妃の方を見てみる。

 

 グルルルルル……。

 

 で、ですよねー……。

 すると、お妃が急に声を荒げてこちらへ向かって来ようとした。

 もうダメら~っ。

 ボクは目をつぶって、小さな体をより小さく縮ませた。

 

 ガッ!!

 何か硬い物が金属にぶつかるような衝撃音がした。

 えっ?

 おそるおそる薄目を開けてみる。

 

 すると、ボクの目の前には、あの綺麗なお姉さんと一緒にいた大男が、大きな剣を盾代わりに、お妃の攻撃を防いでいた。

 お、お兄さん……。

 ボクはこの時、大男が素晴らしく頼もしく、そして輝いて見えた。

 

 って、どこから来たんだ?

 ボクはすぐさま後ろを振り返った。

 出入口は、相変わらずあの黒い大きな岩でふさがれたままだ。

 この大男はマジシャンかっ?

 

 あれ?

 あのお姉さんは?

 辺りを見渡すと、大男一人しかいない。

 ……ちっ。

 

 ボクは隅っこで小さく丸まりながら、大男とお妃の戦いを見守ることにした。

 大男は、一人ながらも果敢(かかん)に戦い、傷一つなく、見事お妃をやっつけた。

 

 やるな、おまえ。

 大男は、お妃から戦利品を剥ぎ取り終わると、帰り支度をしている。

 

 ……あっ、ボクも連れてってくだしゃいっ。

 ボクは仕方なく、大男の足元にスリスリをした。

 くっそー、なんであのお姉さんじゃないんだよぉ。

 鎧がゴツゴツしてて、痛いんだよっ、ksmっ。

 ボクは悲しくも、大男に抱えられながら無事に頂上を脱出した。

 

 ボクの飽くなき道の冒険譚は、まだまだ続く。

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