-サーガの自由行動-
「ユースの奴も気が利くじゃねえか。」サーガは夕方までの自由行動を酒を飲んで過ごそうと決めていた。
「さてと、この時間から開いている酒場を探すとしようか。」サーガはマルシェの中に酒が飲めそうな屋台があったことを思い出した。早速来た道を戻り屋台の椅子に腰を落ち着けた。
「親父、酒をくれ!」
テントの中にテーブルと椅子を並べただけの屋台だが、10人ほどは収容できそうな広さだった。
奥には即席の厨房が設えていた。
「へい!ラッシャイ!」厨房の奥から中年の小太りの男が威勢の良い声で返事をした
「お待ち!」どん!とサーガの前に置かれたのは人の頭程の大きなグラスだった。
「お客さん。この辺りの人じゃあないね。獸人族はここいらじゃあ見ないからな。何処から来たんだい?」
店の親父は獸人族が珍しいのかサーガにあれこれと話しかけた。サーガもセロケッティアの情報を仕入れるために親父の話に付き合ったのだ。親父の話ではセロケッティアの壁の中は憲兵や警察が常に巡回しているため安全なのだが壁の外は盗賊が旅人達を襲って悪さをしているらしいのだ。
中でもギリアノ団という盗賊団があるのだがセロケッティア警察や憲兵も手をこまねいているらしい。
「まあ、この街にいる限りは安全ですがね、壁の外は無法地帯ですわ。お客さは強そうだが、多勢に無勢ですからね。街を出るときは商人の隊列の後ろについて行くか、いっそのこと商人の用心棒として街を出ることを進めますぜ。」と店の親父は忠告した。
巨大グラスを5杯ほど空けると約束の刻限が近づいてきた。サーガは未だ飲み足らなかったが、晩飯の時に飲めば良いと思い直して店を後にした。
-シャズナの自由行動-
シャズナは町の外れにあるが木の生い茂った杜に来ていた。杜には小さな社が建てられており供物等が備えられていた。シャズナは久しぶりに精霊達ともに時を過ごすことにしたのだ。
シャズナが目を閉じると辺りに静けさが増し木漏れ日の光が空気をキラキラと照らした始めた。
1時間も目を閉じているとそよそよと風が起こり始めた。風は次第に強くなりシャズナの周りを背丈ほどの小さな竜巻がいくつも起こり始めた。シャズナが目をゆっくり開けると同時に風が凪いだ。
シャズナの目の前には美しい黄金色の長い髪をした杜の精霊が現れたのだ。
精霊は言葉を発することなくその手をシャズナの頬に触れると、シャズナの中に英気が満ちてきた。そのまま精霊達に身を預けて
時を過ごした。
そのような時を過ごした後、辺りにガサガサと枝葉が擦れる音がし。シャズナは意識を現実にもどした。目の前に女鹿が現れたのだった。シャズナは杜の出口まで鹿の背に乗った。充分に杜で鋭気を養ったシャズナは約束の刻限が近づいているので宿に向けて帰路についた。