黄金のライオンとの戦いを終えて三人は水の都"エタール"にやって来た。エタールは国の1/3が陸地、残りは全て川に囲まれた水上都市だった。イメージとしては街の道路がそのまま水路になっている感じである。
三人は通行船にのってエタールの都市エタテナーラを目指した。
「まるでお伽の国だな」シャズナは少し嬉しそうに言った
ユースは「やはりお前も女の子なんだなぁ」
「巫女様に女の子は無かろう」サーガが言った。
「うるさい️感想を述べただけじゃ!」少し照れたふうにシャズナは言った。
「それにしてもこの舟は込み合うのう。」すると前方から三人が乗った舟の3倍ほど大きくきらびやかな舟が迫ってきた。
「おい、ありゃ、きっと王族の舟だぞ。」サーガが言うと
「エタール国の第三王女ラシフィラ様のお通りである!皆のもの舟を端に寄せよ️」甲冑を纏った侍衛が大声で叫んだ。
船頭達は慌てて船を端に寄せた。シャズナ達の乗った舟も端に寄せると王族船が真横を通り過ぎた。
ラシフィラ王女は透き通るような白い肌と金色の髪を持った美少女だった。
「おい、ラシフィラ様って来月、隣の国の王子と結婚するんだよな。」「何でも隣の国の王子って超イケメンらしいぜ」
「じゃあお似合いカップルでこの国も安泰だな」
口々に船頭や乗船客達はラシフィラ王女の噂を話し合った。
その晩は首都エタテナーラの宿に泊まった。
3人が部屋で寛いでいると、ガタガタガタガタっと階段をかけ上がる音がした。
「サーガ、何か音がしたな?」ユースが剣を取り、身構えた。
サーガとシャズナもドアに注意を向けた。
すると、ドンドンドン!
外からドアを大きく叩く音がした。
サーガとユースは剣を手に取り臨戦体制をとりドアを開けた。
「助けてくれ️兵士に追われておるのだ️!」
ドアからなだれ込んできたのは、昼間に見た第三王女ラシフィラだった。「あなたはラシフィラ王女?」
ユースはとりあえずラシフィラ王女と思われる人物を部屋に招た。
ラシフィラはシャズナを見て安心したのか、素直に従った。
3人はラシフィラ王女の話を聞いたのだった。
「要するに、結婚が嫌だから城から逃げたしたと言う事じゃな。」
シャズナはソファに座りながらラシフィラに聞いた。
「それで兵士に追われて、捕まりそうになったから近くの宿に逃げ込んで、たまたまこのドアを叩いたと。」ユースがシャズナのことばを継いだ。
「まあ、そんなところじゃ」ラシフィラは長い髪をもてあそびながら不遜な態度で答えた。
すると再びガタガタガタガタと階段を駆け上がる音がした。
ラシフィラは勝手にベットの下に潜り込み「頼んだぞ!」と3人に後を託した。
シャズナ達の部屋のドアがドンドンドン!と激しく叩かれた。
ユースがドアを開けると、部屋に兵士がなだれこんできた。
「お前たち!ここに第三王女のラシフィラ様が来られなかったか?」
兵士は部屋の中を見渡した。
「はい、先ほどから私たち三人だけです。」ユースが答えると
「ならば、それらしきお方を見かけたら、直ちに連絡するように!」と言い残して慌てて兵士たちは引き上げて行った。
その夜、シャズナと王女で別に部屋を取った。
翌朝、三人はエタテナーラの街を見物する予定でいたがラシフィラを連れたままでは目立ち過ぎるので、市場に平民が着る服を購入しに行った。「なんじゃ、この服は。ペラペラで軽いのう。」
確かに王宮で着る服は布が幾重にも折り重なっており、特に王女の着る服とでは重さが全く異なるはずである。
しかしラシフィラは気に入ったのか鏡を見ながらポーズをとったりしている。
街に出た四人は通行船に乗り込み首都エタテナーラの街を散策した。
「美しい街じゃのう。」ラシフィラは言った。
「確かに。しかし姫様はこのエタテナーラの街は見慣れているのでは?」ユースは不思議そうに聞いた。
「私はお城から殆ど出ることが無いのだ。だから、昨日の外出はめったに来ぬチャンスだったのじゃ。」
「成る程、姫様は姫様で苦労があるのだな。」
すると、前方から騒がしい物音がした。
なんと、数人の男達が斬りあいをしていたのだ。
四人は騒ぎに巻き込まれないように、ソーッと通りすぎようとしたが、サーガを見た一人が「獸人め!汚らわしい。」と言ったため、サーガが乱闘に加わったのだ。
自然、シャズナとラシフィラを残してユースも乱闘に加わるはめになってしまった。それに乗じて怪しげな男たちがシャズナとラシフィラに近づいて来た。「何をするのじゃ!ムゴムゴムゴ」
そのゴタゴタに紛れてラシフィラとシャズナは先程の怪しげな男たちに頭から布をかけられ連れ去られた。
騒ぎを聞きつけた警察隊の"ピー!ピー!"と、笛の鳴る音に「ヤベ!逃げろー」と乱闘騒ぎの男達は一目散に逃げ出した。
後にはユースとサーガが2人残されただけであった。