最高記録:ジャンプⅢ(12.2m)
「・・・さて、やるか。」
フィールドにてフレンジーボアの前に立つ俺。辺りはすでに暗くなっているが、トールバーナまではそう離れてないので心配ないだろう。
この一週間、俺はジャンプを試しては突き飛ばされ、試しては突き飛ばされを繰り返し、どうすればジャンプが成功するか模索していた。が、何か決定的なものが欠けている気がしてならない。それを今回のジャンプ研究で見つけられればいいのだが・・・。
「いくぞ・・・!」
脚に力を溜め込み、解放の時を待つ。そうそう、一週間前は殆ど筋力に振っていたが、敏捷にも幾らか振ってみたのだ。その結果、ジャンプをする際のモーションが早くなり、溜め込んだ力をムダなく利用できた。わかりやすく説明するなら水とバケツだ。幾ら筋力という名の水があってもバケツの量によっては漏れて分散してしまう。よって、その水を一切のムダなく使用するには敏捷という名のバケツをデカくするしかない。
パッと見は足を伸ばすだけの至ってシンプルなことだが、この動作が0.1秒にも満たないほど早く、正確にできれば結果は全く違うものになるだろう。
「・・・セェアッ!!」
ダンッ!!
跳んだ。今までとは違った感覚。こうして考える余裕はなかった。大雑多な数値よりよっぽど実感の湧く上達ぶりだ。だがそれも一瞬。俺はすぐさま槍を構え・・・
ザス
「ブモォォ!」
「!」
バッ!
空中で思考が働いていた分、着地しても思考は比較的働いていた。反撃の突進を喰らう前に横に跳ぶことで躱す。なるほど、当然ながらこれはソードスキルではない。となると、後隙は消そうと思えば幾らでも消せるというわけか。だが、そんなことよりももっと重大な事実を発見してしまった。
「ただ跳んでどうする・・・?攻撃するまでがジャンプだろう・・・!」
そう、ジャンプとは高度を活かした攻防一体の神業なのだ。俺が今まで追求してきたものにはその高さを活かす攻撃方法は存在しなかった。なるほど、毎回反撃を喰らうわけだ。それに—。
「やけに耐久力が減ってるのもそのせいか。しっかり決めなければ負担がかかるのも当然か・・・。」
キリトとクラインによって手に入れることができた槍。俺にとっては大事なモノなので、街の鍛冶屋NPCに依頼して何度か強化をすることで長く使えるようにしてきたが・・・。この調子では将来出費に悩まされるであろう。
「よし、今度からジャンプ開拓に使う槍はできるだけ安物にしよう。・・・収穫はあったことだし、そろそろ帰るか。」
こうして確かな上達の代わりに多くの問題点を抱えた俺は、キリトが確保してくれた宿に向かった。ちなみにフレンジーボアは槍のソードスキル『シャフト』でしっかりと狩った。
「戻ったぞ・・・なんだ、アルゴもいるのか。」
「よ、ハイウインド。良いところに来たナ。実はオマエにもある話が来ててナ。」
部屋に入ると、そこにはキリトやアスナだけでなく、情報屋『鼠のアルゴ』がいた。ただ、ある話だと?キリトやアスナの顔を見る限り似たようなことを聞かれたのだろうか・・・。
「明日の攻略パーティの一つに欠員が出たらしくてナ。それでハイウインドにその穴を埋めてほしいってことなんだが・・・。」
「「!?」」
キリト達の反応を見る限り、二人とは違う話を持ちかけられたようだ。だが、勧誘だと?
「・・・何故俺なんだ?むしろ今日のことで敬遠されていると思うのだが・・・。」
「前からオマエがソロでmobを倒しているってのは色んなプレイヤーに見られているからナ?オマエとキー坊、今はアスナもいるけど、まさかパーティ組んでるとは思ってなかったんダロ。」
確かに別行動は取っていたが、なるほど。そう解釈されても仕方がないな。
「一応コルもこれだけ出すみたいだが、どうする?」
ふむ・・・序盤でこれだけの所持金提供は破格だ。それに6人でモンスターを狩るなら経験値の効率も段違いだろう。だが—。
「キリト、アスナ。俺はどうするか決めたが、念のためお前達の意見も聞きたい。」
「・・・合理的に考えるなら、そのパーティに参加するべきだ。」
「キリトくん!?」
「アスナ、元々ハイウインドにはある目的があるんだ。そのためにも経験値がいるってな。それに、アイツみたいに行動力のあるヤツはより組織立ったところに入る方がいい。」
「・・・ハイウインド、その目的ってそんなに大事なものなの?」
「そうだ、俺にとってはこのSAOをクリアすることよりも重要なものだ。」
「そう・・・、なら私も止めはしないわ。どこへなりとも行きなさい。」
「わかった。アルゴ、先程の話だが
「わかった。その連中には上手いこといってやるヨ。」
「気遣い感謝する。」
「じゃあナ。ボス戦頑張れヨ!」
そういってアルゴは部屋をあとにし、俺も改めてキリト達の方へ向いた。・・・何故固まってるんだ?
「・・・・・・えっと、ハイウインドさん?今、完全に行く流れではありませんでしたか?」
「何を言う。どうするか決めたと言ったじゃないか。まさか、迷惑だったか・・・?」
「い、いえ、そうは思ってないけど、経験値が必要なんじゃ・・・?」
「どうせモンスターの数には限りがあるんだ。だったらより効率良く倒していけば3人も6人も変わらないだろう。それに、今更他のヤツらと連携を取れるほど器用ではないのでな。まぁ、これからもよろしく頼む。」
「あ、あぁ、こちらこそ。
でもお前、基本別行動だったよな?俺はともかく、アスナの動き知らないだろ。」
「・・・アスナ、すまない。朝一で確認させてくれ。」
「ハァ、いいわよ別に。」
一応言っておくと、この作品はギャグ8:シリアス2の割り合いで書いているつもりです。逆にこんなバカやってる主人公がいる時点でギャグじゃないわけがない()
次回、初のフロアボス戦。未だ問題点の多いジャンプ(仮)だが、活躍の場はあるのだろうか・・・!
ホロウ・フラグメントに登場したキャラを出すか(リーファやシノンなどはそれぞれALO、GGO編にて登場予定)
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出す!
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出さない
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シノンやリーファも出して!
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それ以外の作品からも出せ