明久episode1
3年とのお化け屋敷対決が終わって
2ヶ月くらい経っただろうか。
ーよく晴れた空
風が窓の隙間から吹いていて少し寒い。
グランドには紅葉が散らばっている。
僕らの住む街にも秋がやってきた。
「今日の授業は終わりだ。
お前ら、遊んでないでさっさと帰れよ」
鉄人こと西村先生の声が教室中に響く。
今日は補習がなく、いつもよりも学校が
早く終わった気がする。
「おい、明久」
帰り支度をしていると、僕の悪友の雄二が
話しかけてきた。
「今週の金曜誕生日だよな?」
「そうだっけ?」
「…おいおい。
まさか『忘れてた』とか言うなよ?」
「わ、忘れるわけないよ」
そんなバカな。
「で、急にどうしたのさ?」
「誕生日に一人で寂しいんじゃないかと
思ってな。
しょうがないから祝ってやる」
他人の事に興味を示さないコイツが、
珍しい事を言ってるということは…
「ねえ、雄二」
「なんだ、嫌とは言わせないぞ」
妙な威圧感を漂わせる雄二。
「貴様、何を企んでやがる?」
「俺達友達だろ?
それ以上の理由はいらないと思うぞ」
何故か歯切れが悪い。
コイツは自分に利益がないと、
余程の事がない限り、とことん無気力なのに。
「本音は?」
「お袋が昨日、結婚式場の雑誌を
鼻歌しながら見てたのを発見した。
ババアは俺に式は何処で挙げるの?と
聞いてきやがった」
ほう?それで?
「一応ババアから雑誌を取り上げたが
まだ隠し持ってる可能性がある。
で、翔子は未だに婚約届けを持ってやがる」
霧島さんは婚姻届を弁護士に
預けてるって言ってたっけ?
「…なあ、どうしたらいい?」
そんな泣きそうな目で見ないで。
…気持ち悪いよ。
「俺は自由になりたい。助けてくれ」
…僕は無力だ。
「まあ、事情はわかったよ。
でも、それと僕の誕生日とどういう関係?」
「お前の誕生日会があると知れば
姫路と島田は来るだろう?」
「ん?そうかな?」
「まあ、余程の事がない限りは、な。」
「ん?それで?」
「お前に地獄を見せてやる」
え?何?どういうこと?
お祝いじゃなかったの?
「何で、急にそうなるのさ!?」
「俺はお前の自由な生活が憎い。
だから島田と姫路にキスしたって
お前の姉にぶちまけてやる」
コイツ最低だ。
しかも若干事実が捻じ曲げられてる。
「それだけは勘弁して!」
「落ち着け、明久。1割は冗談だ」
「あと9割は本気なの!?」
全然冗談じゃないよね!?
「とりあえずみんなを誘う。話はそれからだ」
「やることは確定なんだね」
突っ込みどころが多すぎて何処から
突っ込んだらいいかわかんないよ。
「ちなみに…」
「ちなみに?」
「断ったらブチ殺す」
…おかしい。
これは脅迫じゃないだろうか。
全然祝うつもりないだろ。
更新遅めです。
が、出来るだけ早く書いて行きたいと
思っています。
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