トレーナーに、なっちゃってるんだなぁ~コレが!   作:ゾルタンカワイイヨ

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プロローグ

 拝啓、俺のガンダム観光に猛反対していた親友よ。お元気ですか? 

 

 俺はいつも道理ガンプラ組み立てて「FOOOOO!! ガンプラバトルリアルでやってみてぇぇぇ!!!」っと騒いでいたら

 

 いつの間にか、知らないうちにウマ娘が闊歩する世界にて宇宙一の失敗作になってました……ってか。

 

「な、なっちゃったんだよぁ……コレが」

 

「どうしましたかゾルタンさん、そんな浮かない顔して」

 

「いや、ただウマ娘にこの顔が受け入れられるか不安でなぁ」

 

 みんな大好き(仮)なたづなさんを前に取り繕いながらも事の始まりを説明するには1ヶ月ほど前まで遡る事になる。

 

 

 

 様々な物語において目が覚めると知らない天井ってな展開はよくあるお決まりであるが、目が覚めると覚えのない知らない吊るされたパンツを目にする展開は中々ない展開だろ。うん、俺も目に入って正直目が点になったもん。

 

 凄い違和感が俺の体を走ったが、二日酔いか何かだと考え気にせずふら付く体をユラリユラリと揺らしながら洗面台で顔尾を洗い、クッソ邪魔な前髪を上げて鏡を見て一言。

 

「……?」

 

 

 誰だ? これは。

 

 何気なく鏡を見て映ったのはそれなりのイケメン。右目付近に何か斬られた跡のような傷跡があり右目が輝く赤くオッドアイである。

 おっかしいな、本来ならここに映るのは仕事疲れで死んだライオン並みに死んでる顔した冴えないオッサンのはずなのに……???? 

 理解が追い付かず混乱が深まるばかりであったがとりあず、ニュータイプバリにビビビっと来た俺は頭に浮かんだ一言を言ってみようと思おう。せぇーのッ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいこれって別の人間じゃないの!?」CV:梅〇 裕〇郎ッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅおおおおおあああああ──!!」

 

 

 

 完っ全にゾルタンさんじゃねぇですかやだぁぁぁぁ!!! 

 

「よりによってあの頭の中に小学5年生の外道かよ!」

 

 髪型こそ違うモノのその顔は俺の知るゾルタン────ゾルタン・アッカネンそのものだった。ガンダムNTという作品に出て来たまんまの悪役面そのもので髪が伸び、ボサボサって言う事を除けばそのまま悪役として売り出せるんじゃねぇのか? ってぐらい人相が悪い。

 

「あああああ────!! って驚いてる暇じゃねッ! 落ち着け失敗作、深呼吸だ、深呼吸……」

 

 すーはー、何故こうなったかゆっくりと思い出して行こう。俺の最後の記憶では確か仕事が帰りに家で動画を見ながらガンプラを作ってたはずだ。

 それでサフを吹く為にエアブラシを取りに行った所までは憶えている……それからどうなったんだっけ? 

 

「確か、エアブラシを仕舞っていたいたのは倉庫だったはずだ……そこで何かあったのか?」

 

 むむむむむむ、マリーダさんの秘めたる記憶の如く思い出せないぜ。

 自分ではなくゾルタン似の誰か、それにいつの間にか憑依しちまった事を何とか受け入れた俺は水で乾ききった喉を潤す為に飲みながらもこの人物に関する記録を探す。ってか家の中も家具の配置もパンツを除いて俺の元の家と同じって何か運命を感じるな……パンツ以外だが。

 そんでもって俺が何時も隠し事に使う収納箱に手を出すとそこからは一冊の日記と処方箋が……精神安定剤ってマジ? 

 

「オイオイオイ、俺ってばとんでもないもの発見しちまったんじゃねぇのか?」

 

 シャアが初めてガンダムを相手した時の驚きをトレースするような衝撃が俺に走る。コレは……ニュータイプの導き──―ではなく拒否反応か! 

 身体がその日記を拒むと言う事はそれほどの厄ネタ、ラプラスの箱並みの秘密が隠されているとでもいうのか! 俺は初めてガンダムに乗り込んだアムロの如くそのV作戦指令書──ではなく日記をごっくりと息を飲みながら開き、中身を読んだ。

 

「あー、コレはその……本当に俺は失敗作だったのか」

 

 一言で表すならゾルタンの心に抱えた叫びそのもの。

 

 簡単に説明するならばこの俺が成り代わってしまった人物はどうやらある高名な一族の長男坊だったらしい。幼少期から様々なあ高等教育と指導を受けて行き、自身の父親の如く目覚ましい活躍を見込まれていた────けれど彼はただの凡人だった。

 天才からと見込まれて教育されていたが彼自身は凡人、皆からの期待がやがてはプレッシャーとなり失敗する自分へ恨みつらみを募らせていったらしい。しかし、それでも彼は諦めなかった。凡人に天才を求めるならなってやろうかと奮闘し、努力していたらしくその爪痕が日記からは読み取れた。が、しかし彼の弟が本物の天才としての風格を表し始めると状況は一変、悪い方向へと変わった。兄は所詮天才を真似ようとした凡人、本物の天才には適うはずも無く弟と比べられる度に彼の根本的な意志が崩れていったようだ。こちらが10の努力で到達した地点には既に弟の姿はなく、既に40や50と行った先の景色の中走っている弟の姿を見て彼は家族を思う気持ちから恨むことも憎む事も出来ずに最終的には狂ってしまった。

 そして現在、そんな彼は心身的な疲れと仕事場から判断されて療養中の身らしく今から1ヶ月後に復帰予定との事。

 

 

「ハァ、俺の思った通りラプラスの箱だったのかよ……」

 

 天才になろうとした凡人って俺的に例えるなら、ニュータイプになろうと改造された強化人間って事じゃね? 益々ゾルタン要素が深まるじゃねぇですかヤダー。ってかオットアイの事とか右目の傷に一切触れてなかったな、一緒に見つけた身分証明書の写真的に考えてつい最近まで普通だったみたいだし……謎だな。

 

「ま、それは追々考えるとして────目先の問題はコイツをどうにかする事だよな」

 

 日記と一緒に見つかった見覚えのないバッチ。体はそれに対しても拒否反応を示している事から察するに何かしら彼に関係がある物だと分かるが……一体なんだ? 形的に弁護士が身に着けるバッチのようにも見えるが見た目変だしなぁ。

 何か手掛かりでも無いかと今度は何時もガンプラを保管していた方の押し入れを開けてみると何とビックリ大量の書物が出て来たじゃぁ~ありませんか! 

 

「医学書に歴史書、法律関係や金融関係に加えて全く関係無い報道関係や芸能関係までありやがる……一体どんな仕事をしてやがったんだコイツは?」

 

 本の山を取り出し一冊一冊チェックしていく。殆どの書物は余り読まれていないのか綺麗な物で反対に医学書やスポーツ、特に走る事に関する参考書や論文らしき物はヨレヨレで何度も読んでいた事が分かる。ふむぅ、インストラクターでもやっていたんだろうか? それとも医学療法士とか──

 

「あぁーも、やってられっかぁ! テレビ見よう、テレビ」

 

 頭でごちゃごちゃと考えても仕方ねぇ。ガンダムでも見て考えを纏めるか! 

 丁度時刻は昼、俺の記憶が確かならこの時間帯には必ずガンダムが放送されていたはずだ。あぁ、今日のガンダムは何のガンダムだったかなぁ~Vだったような気がするけど楽しみだなぁ。テレビの電源を入れて光が灯り映像が映し出される、そして音声が流れ始めた──―が、それは俺の予想と違ってあまりにも予想外のものだった。

 

 

 

 

有馬記念

 

 

 

 ファンファーレと共に大きなロゴが画面を埋め尽くし、始まりを告げる。

 

 

 

晴れ渡る空の元でこれより行われるは中山、2500芝。

貴方の夢、私の夢は叶うのか16人のウマ娘が栄光のセンターの座を賭けて勝負に挑みます。

 

 

 

 

 

 丁寧な説明と共に実況のハッキリとした声が響、選手達がこれより行う勝負の行方を予感させた。

 

 

 

 

 

 

ゲートイン完了、出走の準備が終えました

 

 

 

 

 全ての思いを乗せて色とりどりの衣装に身を包んだ彼女らはゲートの中でスタートの合図をまだかまだかと待機し、自然とその瞬間に静粛が訪れる。息を飲む興奮、重荷にも似たプレッシャーが会場を包み込む。そして────

 

今、スタートです! 

 

 

 ────―戦いの火蓋は斬って落とされた。飛び出した彼女らはターフを駆け、勝利へと突き進むのだった。

 

「オイオイオイ、マジかよ。ウマ娘って作品がちげぇーじゃねぇかッ!」

 

 そんでもってその様子をテレビで目の当たりした俺はビックリし過ぎて腰が抜けてたりする。

 

 

 有馬記念のテレビを流しっぱなしに俺は本棚と化している押し入れの本をひっぺ返した。するとどうだろう、まるで隠しているかの如く奥の方からウマ娘関係の資料がゴロゴロと……マジか。ウマ娘とか何となくでしかやってなかったゲームだからあんまり覚えてないんだけど。

 

「いやいやいや、まだそうだと決まった訳じゃない。運命ってのは決まってゾルタン()を裏切ってくれるはずだ、だから大丈夫なはず……」

 

 ぱらぱらーっとウマ娘に関する資料をめくってトレーナーの欄に目を通す。そしてこんな一文を発見した。

 

「えっと何々、トレーナーに任命された者は原則として専用のバッチを身に付けなければならない……か」

 

 バッチ、バッチ、ばっち……ま、まさかね。まだそうだと決まった訳じゃぁ────あ、コレあのバッチだわ。

 

「神よ、お前まで俺を見捨てるのかよォォォ!!」

 

 ってか今回見捨てて欲しかったよ! 確定じゃん! 俺ってばトレーナーじゃん! 

 ここで何で本来なら喜ぶ的事に足して絶望しているのか説明しよう! 

 

 トレーナっつうのはウマ娘と一心同体並みのサポートを施して担当の子を育て上げる職業だ……って言いたいがそれは真っ赤な嘘、本当は毎日ドッカーン! ってな訳どったんバッタン大騒ぎな毎日。ウマ娘の事になると早口になるおじさんも正直どん引く事が平然と起っちまう。誘拐(アレ)ポルタ―ガイスト(コレ)もそんでもってマーベラス(コイツ)も、普通じゃ考えらない事が起こっちまう。

 そんでもってそれを可能としちまうのがウマ娘特有の人間離れした身体能力だ。その力は中等部の生徒であろうと軽々と軽トラを持ち上げられるほどの怪力っぷりに加えて、最大時速70キロを叩き出せるその脚力も合わせ持ってるもんだからもう大変。もし人間である俺が襲われたとしたら成す術は無く床に伏せるほど強力だ。そんでもってトレーナーつうのはそんな暴れ馬を教育する指導員ってな訳で彼女達の夢を応援し、導く存在だ。そしてゾルタンである俺が一番向かなさそうな職業でもある。

 

 

「知識もねぇ、経験もねぇ、それどころか希望もねぇ俺に何をやれってんだ……」

 

 

 まぁ、希望は正直なんとっでもなるはずだ! ってな感じで用意できるけど知識は身に着ける事は出来ても経験は用意できない。さてマジでどうするか……覚悟決めるしかないか? 

 

「はぁ~……ここで決めちまうしかないんだなぁ、コレが」

 

 この世界で生きるにはコレしかない。ま、最悪ウマ娘の中で危険なのは一部しかないしそいつらに気を付けながら頑張れば何とかなるでしょう。

 俺はそう思いトレーナーに関する基本情報に目を通すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言おう、希望、知識は何とかなった。経験に関してはテレビ中継される映像を元に研究して何とかしたけれど、ゾルタンからは逃げれなかったよ。

 

「結論! これより君には選抜レース前のウマ娘達を見てもらうッ! それならストレスも少なく、今の君にはピッタリだ!」

 

「オイオイオイ」

 

 ────一番任せちゃいけない子達じゃないのッ! 

 

 

 

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