トレーナーに、なっちゃってるんだなぁ~コレが! 作:ゾルタンカワイイヨ
ちょっとタマモクロスとナリタブライアンとミホノブルボン育ててたら遅くなり過ぎました!
「マジか、ホントか、何の冗談だッ!」
最初言う事なので基本的な身体機能を計る種目を一通り行わせた後の休憩時間。俺は1人、お手洗いと称してトイレにてこの胸の内に渦巻く身に覚えの無い感情に堪えがたい思いをしていた。
「何で失敗作である俺がッ。あんなあんなぁッ!!」
拳を握り、鏡へ叩きつけてしまい拳が痛い。ってか、頭じゃ何とも思ってないのに体が勝手に反応してちゅらいよ。例えるならそう、ナラティブガンダムに搭載されたNTDによってサイコジャックされたセカンドネオジオングのように、エグザムシステム暴走により支配されたBD1のように。俺の意志など関係無く、俺の体は悔しさに涙を流していた。あ、出血してる。後で手当てしとかないと。
「何で、何で俺が……ガンダムなんかを────」
いやぁーそれにしても数年後ぐらいにはこんな風にネームド、つまりは元ネタのあるアプリにも出て来たウマ娘を担当するだろうと思ってたけど……初っ端とか聞いてねぇ。……ってか二人の事を指してガンダムとか言うの辞めなせぇ。確かに二人はそれぐらい強いだろうけどよ。
「────すぅーはぁー、落ち着け俺」
相手はシンボリルドルフとマルゼンスキー、言っちゃえば未来の皇帝にターフの怪物だ。
そんでもって今回俺が請け負った二人の状態はその幼少期であり、その卵どころかピヨコにもなってない子供時代だ。つまりは基礎を教える俺がミスると後の二人が史実道理の勝ち組と成りえず、俺と同じ負け組になっちまう。
「俺的には嬉しい事だが、俺如き失敗作の嫉妬で確実視されてる勝ち組への未来に行ける才能を消すのは惜しい。だが、あの二人を担当するとなると正気でいられる気がしねぇ、どうしたものか……ッチ、時間か」
俺の平凡脳では答え何て出るはず無く、チャイムが鳴って休憩時間の終了を告げる。ってかこの割ってしまった鏡どうしよう。後でたづなさんに相談しよう。
「因果なものだな、失敗作が未来の成功作を育てる事になるだなんて……ま、さっぱりとした気持ちで頑張りますか」
……あと弁償代、あんまり高くないと良いなぁ。
俺はそう思いながら生徒の待つ校庭へ急いだ。
※※※
「ゾルタンせんせぇ」
「何だマルゼンスキー」
「これから私の走りを見て欲しいんだけど……」
「今は他のピヨコを見てて忙しいんだ。後にしろよ、優等生」
「もぉ! 私ちゃんと一位になったじゃない!」
プンプンと怒るマルゼンスキーに手持ちのタオルを顔に投げつけてやりながら俺は4人の走るウマ娘を見ていた。
「ってか休んでろよマルゼンッ! 略してマル!」
「ま、マルぅぅぅぅぅぅ!?」
おぉースゲェ、ムンクの叫びみてぇ。ついでに俺特製のスポーツドリンクお供えしとこ。
「それにしても憎たらしいほど整ってるじゃないのぉ、なぁ」
馬場状態は良、天気も雲一つ無く晴れでベストなコンデション。
彼女達の走り出しを見るに出遅れが1人でたようだが手元のデータを見るに彼女の走り方は差しまたは追いだから問題なさそうだ。
「さぁそのまま第三コーナー、気張っていけぇッ!」
そんでもってその一人が我らが皇帝、シンボリルドルフ。彼女は俺の予想道理天才のようでデータ上では先行差しってな感じで出てるけれど、まるで逃げウマの如く三馬身以上の差をつけてトップを突っ走る。だけどなぁ……アレは余りにも速い、速過ぎる。この校庭のラストの直線は加速しずらいはずの上り坂だ。なのにその道を後続で追い付いて来たウマ娘達を突き放すかのように加速し続けるだなんて……流石は皇帝、幼少期でさえもその片鱗を見せるのか。
「37番、つまりはシンボリルドルフが堂々の一位。やぁーおめでとうおめでとう」
「はぁ、はぁ、はぁ」
やっぱり休憩前に念入りに準備運動してたとは言え、初っ端からの3600は皇帝だろうと相当キツイかったかぁ。汗だらだらで呼吸がかなり乱れてやがる。あぁーいいねぇその顔、その表情。綺麗で整った素晴らしい造形美が疲労とは言え、歪むだなんて最高……でもねぇな。アレだ、ゾルタンロールプレイし過ぎて思考がゾルタンしてた。あぶっねぇ。
「ほらほら、とりあえずは休め」
「あ、ありがとう」
うん~、ドリンクを飲む姿まで絵になるだなんて嫉妬すら起きねぇぜ。ってか、ウマ娘ってどうしてどいつもこいつも造形美に優れてるんだか……俺も整形とかしようかな? そしてらちったぁコンプレックスも消える、かも?
「まぁいいいか、さぁーって38、39、40。39はラスト粘ったから免除するとして38と40ッ! お前達は明らかに最初から手を抜いてたよなぁ? 良い度胸じゃぁーねぇか、さぁ! もう一周頑張ってこいッ! 鬼畜だって? これは罰でもあるんだよなぁー、コレが!」
俺に指示を促され、38と40はすたこらサッサともう一周ターフを走りに行った。ハァー、それにしてもウマ娘ってどいつもこいつも良い子ちゃんだよなぁ。アイツらみたいにサボったりはする癖に指示道理にもう一周走りに行くんだから。良い子ちゃん過ぎるぜ、まったく。
だけどその中にはそれが極まった奴もいる訳で……ハァ、何で指示してない筈の39まで走ってんだか。アレか他の子が走るから自分もとか考えたのか? 意味が分からないぜ。
「ハァー……あんまり生真面目にやってると馬鹿見ちゃうよ……特にお前達の肉体構造的に見てなぁ────ってシンボリルドルフ、略してシンボル、何お前も走ろうとしてんだ?」
俺が目を離した隙に校庭を走り出しそうだったシンボル。何となくビビっと来た俺は咄嗟に彼女の肩を掴んだ。こちらを振り向いた彼女の顔には困惑の文字が浮かんでいた……え、何なのコイツ。
「え? 私も走っちゃダメなの?」
「いや、いやいやいやいやお前はさっき走ったばかっりだろ。逆に何で走って良いと考えだ?」
ナニコレ。初期の皇帝は走るのスキーだったの? そんな疑問が湧いたがシンボルが無言で指を指して指し示す先、そこを見た途端にそんな疑問もどうでも良くなった。
「私も走るわよぉぉぉぉぉぉ────―…………」
マルが、マルゼンスキーが先に走っていた38番達を追い抜かして勝手に走っていたためだ。なぁーんでお前も走ってるんですかね?
「……マルの内申点ゴッソリ減点だな」
そんな感じで俺の初日がすぎて行った‥‥‥‥ん? 雑過ぎるって? 良いんだよ、本当にこれぐらいしかなかったんだから。だらだらと俺が施すトレーニングの内容を語っていてもつまんねぇだろ?
んで。
その日からビックリ仰天、時は飛んでその日から3年ほどが経過。二人は俺の手を離れて東条ハナトレーナー……通称おハナさんにスカウトされてチームリギルへ所属し大会なんかに出始めると俺の記憶通りに、化けた。マルはレースに勝ち過ぎた結果ターフの怪物と呼ばれ始めG1レースの幾つかに出禁にされるわ、シンボルは無敗の皇帝として君臨したが……ある意味俺達のせいで秋天で負けて無敗伝説に幕を閉じたりとマジでいっぱいあった。んで、俺はその3年の内に嫉妬混じりで色々な未来が約束されている勝者であるウマ娘を担当した結果……何故か優秀なトレーナーだかに選ばれちゃったんだよなぁ~コレが。いや、ホントわかんない。何で失敗作としての嫉妬が優秀な才能を秘めたウマ娘を見出す目とか何とかに周辺に勘違いされてんだ? 訳が分かんねぇ。更にわかんねぇのはその後に再び俺はたづなさんと共に理事長の元へ行ってそこで言い渡された言葉だ────
「願望ッ! ゾルタン、君はトレーナーに成れッ!」
な? 意味が分かんねぇだろ? ってな訳で俺が過ごすゾルタン生活、これから波乱とかトラブルとか色々と巻き込まれそうだがこれからも頑張っちゃうんだよなぁ~コレが。
次回へ続く。
久しぶりだからちょっぴり書きにくかったZe。
ゾルタンってやっぱり可愛いよね!