【悲報】私、加茂憲倫。女子に転生してしまったので一族繁栄目指す(完) 作:藍沢カナリヤ
ーーーー呪術高専京都校・2年教室ーーーー
「探し物?」
「探し者……いや、探し人と言った方がいいか」
私の言葉を聞き間違えた幸吉に、そう言い直した。
『天与呪縛』で得た呪力はすべて使い果たした幸吉ではあるが、長年呪力を使ってきたこともあり、呪力自体や術式は使えるようである。また、彼の術式『傀儡操術』は、偵察や探し物に向いているため、そんなことを持ち出したのだ。
「いいが、前ほどの術式範囲はないぞ」
「それは分かっているさ。だが、私だけでは探しきれなくてな」
頼まれてくれるか?
そう訊ねると、幸吉は勿論だと快諾してくれた。ありがたいことだ。
「それで? 誰を探せばいいんだ?」
幸吉の問いに、私は答える。
「幸吉に頼みたいのはーー」
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数日後。
私の元へひとつの任務が入った。同行者は幸吉と憲紀、というよりも憲紀の任務に私たちが着いていくという方が正しいか。男3人ぶらり旅という奴だな。
「いや、お前は女だろ」
ふむ、そうだった。
「私語は慎め、2人とも」
少々、気が抜けていたのを憲紀に指摘される。
確かに今回の任務は気が抜けない。なんせ相手はーー
「相手は一級相当の呪詛師。心してかからなくては……死ぬのは私たちだぞ」
「……すまないな、憲紀」
呪詛師の拘束とその人物が持つという呪具の押収。それが私たちの任務である。
霞と幸吉の一件があって、触れてはいなかったが、幸吉から呪術高専側へ渡された情報で、特級呪術師・夏油傑が生きていることが判明した。その結果、夏油傑の術式『呪霊操術』への対応策のひとつとして、今回押収を予定している呪具の回収に至ったという訳だ。
「去年の12月24日に起こった『百鬼夜行』を繰り返す訳にはいかない」
「あぁ。俺がここにいることで、奴の狙いーー五条悟の封印は恐らく防げた。あとは本人を捕えればいい」
幸吉曰く、夏油という男の目的は五条悟の封印。その彼と組んでいる特級呪霊は『真人』と呼ばれていた奴以外にもいるらしいが、どれも五条悟が祓除できるとのことだった。ならば、あとは幸吉の言う通りにその男自身を捕まえるだけだろう。
「しかし、よく知っていたな、鶫。『呪霊操術』を無効化できる呪具など」
「……まぁ、昔、その呪具の噂を聞いたことがあってな」
憲紀の言葉にそう返す。
昔といっても前世の話だが。
ともかく、幸吉は今回の任務では私と憲紀との連絡役だし、憲紀にもあまり危険を犯させたくない。この任務は私が頑張らなくてはな。
そんなことを決意しながら、私は2人とともに歩を進めた。
……………………
歩くこと10分。例の呪詛師がいるという廃病院に着く。幸吉が『傀儡操術』でその男の姿を確認したのだから、ここにいるのは間違いないはずなのだが……。
「気配がないな」
建物内に入っていないからか?
ふと憲紀と幸吉の方を見ると、彼らも首を横に振った。つまり、憲紀たちも呪力感知できていないということだ。
「………………気づかれたか?」
「2時間前までは確かにいたはずだ。俺の『傀儡』にも気づいた素振りはなかった」
なら、なんだ? 罠か?
「ここにいても仕方がないか」
そう言って、2人に目線を配るとそれぞれ頷いてくれる。そのまま歩を進め、私たちはその病院にーー
「あ、パパ!」
足を踏み入れた途端に、『それ』は現れた。
長い黒髪を後ろでひとつに縛り、灰色のワンピースを着た少女。こんな場所に少女がいる? いや、明らかにおかしいのは分かっている。
おかしいのだ。そもそも、
「なんだ、その気配はっ!?」
「鶫!」
「前だっ!!」
一瞬だったはずだ。2人に声をかけられ、はたと気づく。
いつの間にか目の前に『それ』はいて、私の顔を覗き込んでいた。『それ』が近づいたことに私が気づけなかった。私の集中力が欠けていたのはあるだろうが、それでも速い。
「っ」
「なんだ、その気配はって…………もう、酷いなぁ」
少し拗ねたような顔。
頬を膨らませながら、『それ』は言う。
「あたしを作ったのはパパでしょ」
パパ? 私のことを言っているのか?
本当に何をーー
「探してたんだよ、パパ」
「お前……一体なんなんだ……」
「あっ、そっか。お兄ちゃんが言ってたけど、あたしがこの姿になったの最近だったんだ!」
じゃあ、改めて自己紹介するね。
そう言うと、灰色のワンピースの端を少しつまんで『それ』はお辞儀をして、その名を名乗った。
「あたしは『
「『
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『焼相』ちゃん
見た目は10歳前後で、長い黒髪を後ろでひとつに縛ってます。
ちなみに、目にハイライトは入ってません。