【悲報】私、加茂憲倫。女子に転生してしまったので一族繁栄目指す(完)   作:藍沢カナリヤ

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あけましておめでとうございます。
番外編です。本編も作っております。少々、お待ちください。


番外編 じゅじゅさんぽ
じゅじゅさんぽ はじめてのおでかけ


ーーーー京都校寮内・鶫の部屋ーーーー

 

 

「むぅ」

 

 

あたしは1人、パパのベッドの上でほっぺをふくらませていた。

あたしがパパと出会ってから、1日が経った。ホントならパパと一緒に楽しい生活をおくってたはずなのに……。

 

 

「パパ、帰ってこない……」

 

 

パパは加茂家ってところに行ったまま、まだ帰ってきてない。

 

 

「つまんな~い!」

 

 

ベッドの上でバタバタしても、パパはいないから構ってくれる人もいない。しばらくバタバタしていると、ちょっと疲れちゃった。

パパからはここで待ってろって言われたけど……。

 

 

「……ちょっとくらい外に出てもいいよね……?」

 

 

ベッドから飛び降りて、扉の方へいく。扉をそーっと開けて、周りをみるとだれもいないっぽい。

…………よし!

 

 

ーーピョンッーー

 

 

えいっと部屋から飛び出す。きょろきょろ左右を見渡して、だれもいないことももう一回確認して。

……って、あれ? どっちに行けば出口だっけ?

いちおうここに来たときに見てたはずなんだけど、パパと会えたのがうれしくて、しょーじき覚えてなかった。

 

 

「……パパの呪力はわかりにくいからなぁ」

 

 

呪力がほとんどないから呪力では追えないよね。じゃあ、あとは違う誰かの呪力をたどればいいのかな?

 

 

「えっと……パパ以外であたしが知ってるのは……」

 

 

糸目の人とちょんまげの人。あとは『脹相』お兄ちゃんたち。

あたしがすぐにわかるのは、お兄ちゃんたちの呪力だけど、近くにはたぶんいない。

あとはパパのおともだちみたいな人たちだけど……えっと……。

 

 

「……いた」

 

 

2つの呪力は思ったよりもずっと近くにいた。

1人はその場所からは動かないけど、呪力がすごく揺れてる。もう1人は下のほうでうろうろしてる。そこはいろんな人が出入りしてる場所なのか、いろんな呪力がこびりついてる感じがした。きっとそこがこの建物の出入り口だ。

 

 

「場所はわかった! あとは見つからずにここを出るだけ!!」

 

「がんばるぞぉ! おーっ!!」

 

 

なんだか楽しくなっちゃって、あたしは大声をあげてた。

……あ、あぶないあぶない。

抜け出したのバレたらダメなんだった。

目立つことはしないように気をつけなきゃ……。

 

パパが住んでるその建物から、こっそり脱出成功したあたしは歩き出す。

そう。

パパのいるところに!!

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「こ、ここが……こんびに!!」

 

 

現代のことはいろいろと知ってる。元の肉体の持ち主の知識みたいなのは、なんとなく覚えてるから。

でも、実際に行ったことはなかった。楽しそうでステキな場所だなっておもってたけどね。

だから、うん。

 

 

「しかたないしかたない」

 

 

そう言いながら、こんびにの自動扉をくぐる。すると、中にはいろんな商品が置いてあって……キラキラだ!

レジの前にある揚げ物がたくさん入ってるケース。いろんな種類の飲み物。パンもいっぱい。

その中でもお菓子が並んでるケース、そこにあるクリームがたくさんはさまったお菓子が目に入った。

 

 

「これ、は!?」

 

 

いったいなんだろう?

あたしの記憶……いや、元々の肉体の持ち主の記憶にもないものだ。見れば『新商品』のシールがはってあった。なるほど、しらないわけだ!

 

 

「…………えっと、たしか……」

 

 

ポケットの中をごそごそと漁ってみる。買い物にはお金が必要。あたしはえらいから、パパの言いつけを守って、人にめいわくはかけない!

 

 

「えっと……198円だから……」

 

 

あやふやではあるけど、コインに数字はかいてあるからなんとかわかる。銀色のコインを2枚で足りる、よね?

 

 

「……よしっ」

 

 

これから、あたしは人生……呪霊生?はじめての買い物をする。

ドキドキする。あたまではわかってる。でも、やったことないこと。このドキドキはパパに会ったときのドキドキと似てるかもしれない。

……それはいいすぎかな?

とにかく、気合をいれなきゃ!

あたしは深呼吸を何回かしてから、そのお菓子をもって、レジにならぶ。ちょうど前の人がおわったみたいで、すぐあたしの番がきた。

よしっ!!

 

 

 

「これ、くださいっ!!」

 

 

 

あたしはそのクリームたっぷりのお菓子をレジに叩きつけた。

 

 

ーーべしゃっーー

 

「あっ……」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「人間、やさしい……」

 

 

あたしがレジに叩きつけたせいで、ぐちゃぐちゃになっちゃったお菓子といまにも泣きそうだったあたしをみて、レジにいた人間はあたらしいのと交換してくれた。

「だいじょうぶだよ、あたらしいのと変えてあげるからね」

そういってあたまを撫でてくれた女の子の顔はぜったいに忘れない。このごおんはどこかで返そう。

そんなことを思いながら、あたしはお菓子を片手に歩いていた。

それにしても……。

 

 

「おいしいなぁ♪」

 

 

とってもおいしいお菓子だった。

今度、パパにも教えてあげよ!

 

 

「~~~~♪」

 

「ん?」

 

 

なんだっけ? なにか忘れてる……?

あっ!

 

 

「そうだ! パパをさがしにきたんだった!」

 

 

あわてて食べてたお菓子を口につめて、あたしは走り出す。

まっててね、パパ! すぐいくから!

 

 

ーーーー交番ーーーー

 

 

「お名前言えるかなー?」

 

「ぐすんっ……ぐすっ……しょーそー」

 

「しょうそうちゃん……? えぇと、素敵なお名前ね」

 

「うんっ」

 

「しょうそうちゃん、自分のお家わかる……?」

 

「……うん」

 

「ちょっと待ってね……今、この赤い点の場所ね。しょうそうちゃんのお家はどこ?」

 

「…………たぶん、ここ」

 

「高専……? ここにお家の人がいるの?」

 

「ちょんまげの人」

 

「????」

 

「その人しか知らないもん……」

 

「えっと、じゃあ、電話してみるからちょっと待っててね」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

そのあと、迎えに来たちょんまげの人に怒られた。

別に怖くはなかったけど、パパに言いつけるっていわれたから泣いてあやまった。

いちおう、だまっててくれるって。

 

ちょんまげの人、悪い人じゃないかもしれない。

 

 

ーーーーーーーー




誰とは言わないがいちゃつく話はまたあとで。
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