【悲報】私、加茂憲倫。女子に転生してしまったので一族繁栄目指す(完) 作:藍沢カナリヤ
本編じゃねぇんだ。
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喫茶店。
私が最近はまっているもののひとつである。
珈琲や軽食を注文し、書店で買った文庫本を片手にしばらく過ごす。それは癒しの一時であり、最高の贅沢だ。
珈琲好きの憲紀に連れられて行ったのがきっかけではあったが、今はすっかり私の趣味になっていた。
さて。
私が今回行くのは、コ◯ダ珈琲店という店だ。
いんたーねっとで見つけた『ひとりで行くのに最高の店』だそうだ。教えてくれた◯ちゃんねらぁに感謝だな。
……………………
そんなこんなでやってきたコ◯ダ珈琲店。
全国的にある店舗らしく、レンガ造り風な外観も共通しているらしい。個人経営の店だと、少々ひとりで入るのに勇気のいる場所もあるが、ここは確かにひとりでも入りやすそうだ。
ーーぐぅぅーー
「腹の虫も鳴いている」
長い時間滞在するつもりだったから、朝は軽くにした。そのせいか腹も減っている。
「……よし」
ひとつ意気込み、いざ入店。
入った途端にふわっと香るのは、パンの焼ける匂い。
……とーすとか。それもありだな。
案内で来た店員に、ひとりであることを告げ、付き従う。そのまま、窓際の1人用の席に通された。水とお手拭きを置いてくれた店員に軽く礼を伝え、辺りを見回す。
清潔で明るい店内。客層は様々だが、家族や恋人など複数人で利用する者も多いようだ。
「案外、一人客は少ないな」
休日だからだろうか。まぁ、おかげで1人席は私とその2つ隣にいる白髪の初老の男性だけ。ふふっ、これならばゆっくりとできるな。
……さて、ともかくメニューだ。
目の前にある装丁された冊子に手を伸ばす。中を開くと、そこには数多くの品が写真付きで載っており、
「……ふむ、予想以上だな」
数が多い。
まず珈琲の時点でかなりの種類がある。定番のぶれんどやみるく珈琲。それから、ういんなー珈琲? これはなんだ……?
「炭酸飲料もあるのか……これは……うーむ」
悩むこと3分。結局、定番だろうということで、珈琲はぶれんどに決定する。
次は軽食だ。ふと見ると、もーにんぐーーつまりは、朝食もやっているようだった。しかも、飲み物を注文すればとーすと半切れがついているという。
「これも3種類あるのか」
ゆで卵に玉子ぺーすと、そして、小豆。
私の中ではゆで卵が第一候補。だが、パンに塗ることを考えれば、ぺーすともありだ。だが、どうだ、せっかくの洋食なのだ。甘い小豆で珈琲を飲むのもいい。
またも悩む。
いや、待て。ここはまず軽食を見てから決めればよいのではないか?
軽食が足りなそうであれば、ゆで卵。ある程度満足そうであれば、玉子ぺーすとか小豆にすればよい。
そう考えた私は、先ほどの珈琲のぺーじの後ろ、軽食のぺーじへ目を移した。
「………………」
いや、想定はしていた。珈琲の時点であの種類だ。軽食もそれなりにはあるだろうとは思っていた。
だが、それにしてもこれは……。
「多い、な」
玉子さんど、みっくすさんど、はむさんど、ぽてさらさんど。
それらのとーすと。
それから具材をパンで挟んだばーがーの種類も多い。その上、ピザやからあげらしき物もある。
「くっ」
悩む! これは悩むぞ!! これならば誰か連れてくればよかった!
くっ、どうする? 今から暇そうな新田を呼ぶか?
……いや、だが、今日は私はひとりで優雅な昼下がりを送りたい気分なのだ。
しかし、この現状! 私に決めきれるか……?
時間はない。これ以上いたずらに時間を浪費してしまうのはまずい。私の腹の虫も今にも暴れ出しそうだ。
「……やむを得ないか」
注文もせずに、だらだらと居座るのも店に悪い。ここは新田を呼ぶとするか。
そう思い、携帯を取り出したところで、ふと目に入った。私の座る机に置かれていた手作りの紙。そこに書いてあったのだ。
「……ふっ、勝ったな」
ーーピンポーーーンーー
勝利を確信した私は、机上の呼び出しボタンを押した。
……………………
待ち時間。
それは至福の時間だ。静かな店内で、昨日買った文庫本を手にその時間に浸る。
……最高だな。勿論、腹は減っている。だが、これも料理を上手くする調味料だと思えばなんということはない。
客席間の仕切りも高く、他の客の様子は見えない。それは向こうからもこちらが見えないということ。区切られた自分だけの空間になったような錯覚に浸りながら、私はその時を待った。
……………………
「お待たせしました」
待つこと3分。店員が私の頼んだ料理を運んできた。
……っと、まずは珈琲だったか。私としたことが恥ずかしい。食欲に負け、早とちりをしてしまったようだ。
ーーコトンーー
静かに置かれた珈琲カップから香る、深い香り。
ふむ、やはりぶれんどで正解だな。
「こちら、Cモーニングです」
おっと、どうやら飲み物と一緒に頼んだとーすとも同時に来たようだ。ありがたい、これでメインまでの繋ぎができる。
結局、私が頼んだのは小豆ぺーすとのCもーにんぐだ。元々は名古屋発祥の店ということもある。郷に入っては郷に従えともいうからな、どうせなら小倉とーすとを食べようと思ったのだ。
ーーコトーー
「おぉ」
私の目の前には、分厚いとーすと半切れと小豆ぺーすと。さらにとーすとにはバターを塗ってもらうようにお願いしてある。
ありがたい。思ったよりもしっかりしている。無料ということであまり期待はしていなかったのだが、嬉しい誤算だ。
店員が去ったのを確認して、早速とーすとに手をつける。
珈琲から飲むのが喫茶店の礼儀であるとは思うのだが、それを破ってしまうほどには腹が減っていた。
ーーさくっーー
焼いたパンにバターを塗っただけ。それなのに、なぜこうも旨いのだろうか。パンが分厚いのもいい。
さて、では、小豆ぺーすとを……。
ーーもちっーー
ーーじゅわっーー
「!」
旨い! その一言に尽きる。
正直、小豆とパンの組み合わせに少々不安はあったが、それを軽く吹き飛ばしてくれた。
小豆ぺーすとの控えめな甘味とバターの塩気。とーすとのサクサク感がその2つでもちっとした食感に変わっている。
「……これは、初めての味だ」
ぜひ今度寮でも試してみよう。そう心に近いながら食べ進め、
「ふぅ」
あっという間に食べ終えていた。
そして、珈琲を一口。
「ふぅぅぅ」
至福。ただただ至福だ。
腹の具合もいい感じだ。むしろ少し腹に入れたせいか、余計に腹が減ったようにも感じた。
「お待たせしました」
「!」
まるで、私が食べ終えるのを見計らったようなタイミングで、店員が次の料理を運んできた。
これが今回のメイン! 私が頼んだ、カツパンだ!!
ーーゴトンッーー
「…………ん?」
あれ? あれれ?
なんか……大きくないか?
「空いたお皿下げさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「あ、あぁ」
予想外の出来事に固まる私だったが、店員の一言でどうにか我に返ることができた。
店員を見送って、改めて目の前のカツパンと対峙する。
「……………………」
「……………………」
大きい。何度見ても大きい。
「っ、いや、待て」
ーーバッーー
再びメニューを開き、確認する。
…………うむ、うむ、やはりそうだ。やはりこのカツパン、恐らくだが写真よりも高さがある。そして、想像していたよりもパンがデカい。
喫茶店を巡ってきた私からすれば、料理が写真よりも少ないことはあっても多いことなどなかった。つまり、これは初めての経験であった。
「っ、まぁ、いい。ちょうど腹が減っていたのだ」
ーーガッーー
3つ切りになっているカツパンの1切れを掴み、口元へ。
……やはり大きい。だが!!
ーーがぶっーー
「!!!!」
旨い! 揚げたてのサクサクのカツに酸味の効いたソース。そこにシャキシャキのキャベツがいいアクセントになっている!
これはっ!! 手が止まらない!!
……………………
「く、苦しい……」
思っていた倍近い量のカツパンをどうにか平らげた私は、息を吐く。気のせいだろうが、吐息からソースの匂いがする。
まぁ、いい。ともかく食べた。食べ切った。
あとは少しだらだらとしつつ、食休みをすればーー
「お待たせしました」
「っ」
波状攻撃のように、それは現れた。
そう、食後のでざーと・シロ◯ワールである。
パイ生地にクリームが山のように盛られている。
「シロ◯ワールでございます」
「……あ、ありがとう」
初心者向けだと、書いてあっただろうっ!!
初心者に食べてほしい組み合わせは、カツパンにシロ◯ワールだと書いてあったじゃないかっ!!
ミニでよかった! 絶対ミニでよかった!
「………………よし」
心のなかでひとしきり騒いだ私は、携帯を取り出しーー
「もしもし。私だが、至急今から送る住所に来てくれ。できるだけ早くだ! 溶けてしまう」
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5分後。
汗だくの新田がコ◯ダ珈琲に現れた。
怒られた。
教訓。
コ◯ダ珈琲には友達と来るべし。
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悪ふざけです。
反省はしています。後悔はしていません。
ひとりコ◯ダは楽しい。ミックストースト旨いよね。
一応断っておくと、作者は別にコ◯ダの回し者ではありません。
こちらの話は後日、順番入れ換えます。
本編じゃなくて
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残念……
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かまへんよ
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コ◯ダ珈琲好き