ゾブル帝国に備えて秘密結社を創立しました 作:カゲミツ愛好家
あれから60年が経った。儂はあの日の事を1日足りたて忘れた事はない。
『だがそれも今日までだ』
その言葉からは老人とは思えない行動力と力強さを含んでいた。
自由の国《ホタエナ》
世界最大の資本と人口を持つ資本主義の国ホタエナ。金さえ有れば何でも手に入り、金さえ有れば誰でも平和な生活を手にすることが出来る。そんな国ホタエナでは他に類を見ない巨万の富を築いた者がいた。
彼の名はゲルト、頭はハゲているが顎にはもしゃもしゃの白い髭、ガタイがデカく、いかにも厳格で、誰もが羨む大富豪な老人である。
そんな彼は所謂、前世持ちと言われる人間だ。前世とは言っても同じ世界ではなく、この世界が漫画やアニメとして描かれた世界が彼の前世なのだ。
“ゾブル帝国たまもや侵略!我が国ホタエナ関与せず“
聳え立つビル群の中、一際目立つビル『ツクル兵器株式会社』(略してTWLC)の会長オフィスでゲルトは新聞を読みながらコーヒーを飲みながら
『ついに来たか…研究所にアレの用意をさせねばな』
と1人呟く。そして思い出す、あの悲惨な幼少期を。
俺は転生した。パブロニア共和国と言う国に生まれたらしい。平凡な家庭だが、不自由なく、小学生になるまでトントン拍子だった。
『ゲルト!暗くなったら帰るのよ!』
青白の髪の妙齢の女性だ。彼女は俺の母親である。
『わかった!』
と元気よく返す。思考は年齢や周りに引っ張られるのかそこには、もはや中身がオッサンだとは思えない11歳の少年ゲルトがいた。今からこの世界での初めての友達アリサの家に遊びに行くのだ。彼女とは幼馴染で6歳からの付き合いだ。最初は学校で孤立していたので前世の父性からか心配になり、話したりしていく内に仲良くなった。
コン コン コン
『こんちは!』
家のドアを叩き元気よく挨拶をする。しばらくするとドアから金髪の大人の女性がドアを開け、こちらを見て言う。
『あら、ゲルトちゃん!こんにちは。』
家内に向き、アリサを呼ぶ。
『アリサ、ゲルトちゃんが来たわよ!』
アリサは奥からピョコと顔を覗かせ、ゲルトを認知するとたちまち走って近づいてくる。そして、
『こんちは、何して遊ぼうか』
とはにかみながら頬を赤らめて言うのだ。
ある日の朝、突然の爆発音で飛び起きた。父が俺の部屋に入り、
『逃げるぞ!』
と今までに見た事も無い険相で言い放ち、俺の手を引っ張った。リビングでは母が忙しなく日用品をバックに詰めていた。唐突過ぎて何が何だか分からなかったが外の景色を窓から覗くと眠気は全て消し飛んだ。外は真っ赤で家は半壊な物から元が何の建物か分からない物まで溢れており、地面に伏して居る人…いや死体がそこらじゅうに見えた。
外に連れ出されるとそこらから悲鳴や銃声が聞こえる。母が家からで出来て馬車に荷物を詰めると、
『これで最後よ』
『よし、すぐ出発だ』
俺は何も言う余裕もなく、ただ成されるがまま馬車に乗せられ…
バーン!
家に砲撃が着弾し、吹き飛ばされた。もう少し家から出るのが遅れていれば木端微塵だっただろう。
『いけ、いけ!』
両親も馬車に乗り込み、父が馬に鞭を叩く。砲撃の音で怯えていたが、良く調教されているのか、はたまた父の鞭により勇気づけられたのか、恐怖を掻き消す様に走り出した。
街の様子は阿鼻叫喚だった。砲撃により建物の下敷きになった者、燃えて真っ黒になり横たわる者、元が何か分からなくなった者、まさしく地獄だ。少し冷静になり、顔を青ざめる。’そうだ、アリサはどうなった?’この光景に唖然としていたがふと思い出し、手綱を持つ父に言う。
『アリサ、アリサの家に行って!』
すると父は驚いた顔をしたが、すぐに
『そうか、男だもんな』
と笑って答えた。
家に着くと家の半分が吹き飛んでおり、最悪の予感が頭の中を反芻する。俺はそれを確かめる為に家に入った。ドクドクと胸がなり、リビングを開ける。そこに映るのは体半分が消し飛んだ人と子供を守る様に抱え込んだまま背面を焼かれた人がいた。すると後者からすすり泣く声が聞こえ、腕の中を覗き込むとアリサがいた。
『アリサ!』
そう叫ぶとくしゃくしゃになった顔をコチラに向け、
『ゲルト君…!』
彼女は驚き、抱きついてきた。それは彼女が出せるだけの精一杯の力で抱きついた。そしてより一層強く泣き始めた。
『見つかったのか!ならすぐに行くぞ!』
他の部屋を見ていたであろう父が来て言う、そして俺は彼女の手を引き、外に出ると
近くから銃声が鳴ると共に父が倒れる。
『ヒャッハー、女が2人いるぜぇ!』
銃を構える男達が数5人いた、
『手をあげろ。動くなよー、動いたらやっちゃうよ?』
母は見たくないものを見ない様に目を伏せながら手を挙げる。
俺とアリサも手を挙げ、どうにかならないのかと目の前が真っ白になりそうながらも考えていた。すると兵士達は近づき目で陵辱する、そして母の服を破る。1人の兵士がアリサに手を伸ばした時、
『まて、子供は融合に使う、そこの女だけにしとけ。』
と兵士の中の1人が言うと
『ち、しょうがねぇ』そして、
『まぁ、こっちが有るからなぁー』
とにやけた。そしてアリサは拘束されて母は4人の兵士に囲まれている。
『次はお前の坊主の番だ』
1人の兵士に手と足に枷を付けられそうになった時、
『ウオォー!』
父がレンガでその兵士を殴った。そして銃を奪い、
『ゲルトお前だけでも逃げろ!』
と言いがむしゃらに銃を撃つ。
それを聞き俺は走り出した。
がむしゃらに走った。銃声が鳴り止んだが、振り向かずに走った。
そこからはもう覚えていない。気が付けばホタエナの孤児院にいた。
話を聞くと避難市民に倒れている何処を拾われたらしく、ホタエナに難民として受け入れてもらえたようだ。
けれども彼への傷は深く簡単には癒えない。だが、自分の心を奮い立たせた。仇と同じ境遇の人間を作らない為にも。
うーん書くの難しい…