暗殺教室*君に好きって言わせたい   作:らふ

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Act2

 

 

5月。殺せんせーの暗殺教室が始まって1ヶ月もの月日が経った。赤羽くんが停学明けで登校してきたり、ビッチ先生が英語の教科担任になったり、中間テストで敗北したり色々あって、明日は修学旅行になっている。

 

私の学年順位は76位。苦手の物理で70点以上取れたのは1年生以来かもしれない。それから、殺せんせーのいる教室は、やっぱり楽しい。日々を勉強てと期待で覆われていた生活とは大違い。

 

分厚い修学旅行のしおりを眺めながら帰路につく。一緒に帰る友達は居ないけど、寂しさは明日への期待で埋まっている。

 

私達の班は、木村、岡島、千葉、菅谷、不破、中村、私の7人班。

 

私達の修学旅行は、暗殺旅行だけど、いつになく楽しみだ。

 

段々と日が暮れるのが遅くなってきている、5月下旬。既に夕刻は過ぎて街明かりが眩しく光る。

 

駅について、鞄から定期を取り出そうとした。 でも、いくら探しても定期がなくて、そういえば教室に置き忘れてたような……と、思い当たった。

 

不味い……今日は、財布持ってきてないんだよね。

 

とりあえず、学校に戻ろう。そうして、歩き出した時後ろから声をかけられた。

 

「ねーねー、彼女ー、何処行く気?」

 

見るからに遊び回ってそうなチャラい服装の青年に声をかけられた。最悪。このままやり過ごそう……面倒なことになったら、その時は…

 

「もしかして、財布でも忘れた?ならさー、俺が金貸してあげるよ?」

 

「え?…」

 

それは、助かる。失礼だけど、優しそうな人に見えなかったから。不躾だったかもしれない。

 

「…………俺とイ・イ・コ・トしてくれるならね♪」

 

そう言って手を引いてくる。気持ち悪いから触らないで

 

やっぱり、最悪だ。一瞬でも優しい人だと思った自分が馬鹿馬鹿しい。このまま声を出してもいいけど、注目を浴びたくない。

 

すると、また、後ろから声をかけられて、今度こそ殴ってやろうかと思い、振り返った。

 

「これ、俺の連れなんで。…………叫ぶなよ」

 

最後の方は、私にだけ聞こえる囁き声で。突然の事に、肩がビクついた。

 

「え?ちょっ、…」

 

いきなり引っ張られたので、今度こそ叫び声をあげそうになる。口を抑えられて、身動きできない。それに、体制が……

 

「ちぇー、男いんなら先言えよ」

 

「わかったなら去れ。」

 

はいはい、分かってますよーと投げやりになって、チャラそうな男は去っていった。

 

ありがとう。…………なんて言うわけないでしょ?

 

「は・な・せ!!」

 

「おっと、あれ?もしかしてあの男について行く予定だった?」

 

彼が、後ろに飛び退いてその動きから運動神経いいんだろうなって思った。

 

でも、そんなことどうでもよかった。彼の顔を見た時、"あの時"の人だって気づいたから。

 

「あ、あ、あの時の……さっきのことは一応お礼言っておくね。」

 

私から出てきた反応は、割と素直だった。自分でもちょっと恥ずかしい。

 

彼はあのチャラそうな男の様に見えない。まだ、名前も知らない彼をどうしてか信頼していた。

 

「ん………こいよ」

 

一瞬意味が分からなくて固まる。だっていきなり手を差し出されたから。

 

数秒経って、手を繋げという意味だと気づいて彼の手を握った。

 

自分でも驚く程に自然に手を繋いで、親以外の人と手を繋ぐのは初めてなのに、安心して

 

きっとこの人はあったかいんだろうなって思った。

 

「…………でも、私、財布忘れてお金もってない」

 

やっぱり、離そう。恥ずかしいし、何より視線が痛い。女性からは睨まれて、男性からは彼がが睨まれてる。

 

「貸してやる。ここから、E組まで取りに行ったらもっと不味い」

 

確かに、彼の言う通りだ。時間も遅いし、何より暗くなった山に迷うかもしれない。

 

あれ??

 

「私が、E組だって……」

 

「あぁ、E組の速水凛香だろ。覚えてる」

 

ぶっきらぼうに返す彼の表情に変化は見えない。まるで、覚えてるのが当然と言った風に

 

柄にもなく嬉しいと思ってしまった。きっと忘れてると思ったから。

 

販売機で、彼が切符を買って改札口まで行くと、足を止めた。

 

「私の事、覚えてくれてた。さっきの男性も追い払ってくれた。私はそれに恩を感じてて、貴方と友達になりたい。これでも、まだ他人?」

 

彼に他人だと言われたのが、未だ胸に突き刺さっているのか、私は不満気に言ってやった。

 

「…………他人だ。俺にとって、他人と思えない人間は、一人しかいなかった。」

 

また、あの時の辛そうな表情になって、私はそれが気に入らなくて

 

それだけ言った彼は、私の手を離し、切符を渡して人混みに消えた。何故か千葉県のとある都市までの切符を渡された私は、ぼんやりとしながら、まぁいいか路線は同じだしと割り切ってホームに入る。

 

その後、彼の背中を探したけど見つからなくて、諦めた頃には電車がやってきた。そして、今度あった時は絶対友達になろうと覚悟して、私の手を見つめた。

 

まだ、彼の手の温もりが冷めないな。

 

 

 

 

 

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