暗殺教室*君に好きって言わせたい   作:らふ

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Act.3

 

 

「うわ、A組からD組まではグリーン車だぜ」

 

「E組だけ普通車。いつもの感じね。それになんだか、階段、騒がしいね」

 

中村さんが呟いて、階段の方から何やら騒ぎがあるのに気づく。

 

なんだろ

 

「ね〜比企谷くん、私と一緒に座らない?四人席にしてさー♪」

 

「あ、私も私も。」

 

それから次から次へと私も、私もと名乗りが出て、傍にいた男子生徒が恨めしそうに睨んでいた。

 

すると、騒ぎの中心が見えてきて……

 

「…………隼人……どうにかしろ」

 

騒ぎの中心は、まさかの彼だった。そういうのは嫌いそうなのに、嫌な顔をしていない。

 

「あ、あはは、人数が多いから皆でジャンケンして決めようか」

 

「…………はぁ。ほんとお前そういうの好きな?だから、女子から白王子なんて呼ばれんだよ」

 

「何言ってるんだ?君が白王子だろ?それとも、白馬の王子様かな?」

 

「うるせぇ」

 

彼が言って、ハブてたように目を背けた。…………なんだ、友達いるじゃん。

 

それにあんなに女子から慕われて……

 

「はー、あれが噂の黒王子。なんでも、2人で読モやってるとか。敷居高いね〜」

 

中村さんが私の肩に手を置いて言った。それが、私に言ってるのだと気づいて、何か反応しなきゃと言葉を選んだ。

 

「比企谷っていうんだ……」

 

「へ?なになに、速水さん、黒王子狙ってんの?」

 

へ?そんなわけ……

 

ない、と呟こうとして、頭にポンと、手を置かれた。誰だろう、なんて確認するまでもなくて

 

彼だ。彼の手だ。ゴツゴツしてて、陶磁器を思わせるように白く、あったかい。

 

「お互い楽しもうな、修学旅行」

 

それだけ言うと、彼は隼人?と呼ばれた金髪の少年とグリーン車の先頭車両に乗り込んで行った。

 

相変わらず、彼はあったかい。喋るだけでポカポカする。

 

でも、

 

「す、凄いね、速水さん。黒王子と知り合いなの??!」

 

「多分、彼にとって、知り合いですらないと思う……」

 

昨日、たまたま会っただけだし、彼は私の事をなんとも思ってないだろう。

 

「それ、彼に言われたの?やっぱA組って嫌味だよね…」

 

「ううん、違うの。まだ会ったばかりだし、私は彼と友達になれるよう頑張りたいから…ってわっ、そ、そうじゃなくて……ええと……」

 

焦って口早に言ってしまった。ちょっと熱くなったかもしれない。

 

「………ふーん、ま、頑張りなよ~彼、ライバル多いからね〜」

 

「?」

 

なんの事だろう。彼には友達は沢山いるだろうけど、私みたいに友達になりたいなんて思ってる子はもう既になってるはず……

 

「気づいてない?!そんな顔する速水さんは初めて見たわ。これから楽しみかも♪」

 

「中村さん?なんのこと??」

 

中村さんは楽しげに車両へ入っていった。そして、彼の入った車両を見つめて、見えなくなった背中を追った。

 

黒王子だとか、読モだとか。彼に寄っていく人達を見て、彼の背中がずっと遠くなった気がした。

 

私はそれでも、彼と友達になりたい。私の初めての友達は、彼がいい。

 

だから、この修学旅行はチャンスなんだ。

 

°・.¢*・.

 

「んぅ…………」

 

「は、速水さん?」

 

なのに、なんで比企谷君と1度も会わないんだろう。ここは、偶然にも再会する流れでしょうが……

 

既に夕方を過ぎて、昨日彼に会った時間に重なった。もう、お風呂も入ったし、明日の自由行動に賭けるしか………

 

うがあぁあああ!!!

 

「ん〜〜!!」

 

「はぁ、比企谷君に会いたいの?」

 

「??!そんなわけ、ないし」

 

そんな……顔に出てた?!ご、誤魔化さなきゃ

 

「へぇー、その割には随分とご機嫌斜めだね〜どしたの?速水さん♪」

 

「…………中村さん、うざい」

 

中村さんがやけにくっついてくる。暑苦しいし、喋りずらい……でも、なんだか拒めない。

 

「ふふーん♪そんな反応するなら、比企谷君について教えてあげないよ?私、彼のこと話に聞く程度なら知ってるんだけどな〜」

 

ちら、と、悪戯げに聞いてくる。ムカつく……けど、彼について知りたいのも本心だ。それに、彼女は巫山戯てるけど私の為に言ってくれてるんだと思う。

 

「……ごめん。教えて?」

 

「しょーがないなー。」

 

やっぱり、ムカつく。

 

「先ず、彼の人気は、どこから来るのか……それは、毎回学年第1位の成績を保ってるからなんだよね。」

 

「学年1位?」

 

「テストは毎回全教科満点。品行方正で、担任、理事長共に信頼が厚い秀麗。サッカー部所属で、全国大会優勝経験あり。」

 

「う……」

 

何処の本の主人公?流石にやりすぎじゃ……

 

「更に男女問わず生徒への面倒見も良くて、1つ欠点をあげるなら、口が悪いことくらい」

 

「う…ぅっ」

 

「文系科目第3位の葉山隼人君と並べて、黒王子、白王子と呼ばれてる学年1のイケメン。彼に罵られたいって生徒も多いよ~♪」

 

「ののし?ん??」

 

今、中村さんなんて言った?ののしら………やめとこう。

 

「A組生徒だからね。多分……」

 

「?」

 

中村さんはちょっとためて、にたぁと笑った。

 

「ここ、このホテルに泊まってるよ。じゃ、頑張って〜♪」

 

「え??えっ?!中村さんっ!?」

 

中村さんはパンフを渡して、宿に戻って行った。

 

宿を追い出された……このまま戻ってもいいんだけど……もう一度、彼にお礼を言いたいのもあるし

 

よし、行こう!

 

大した距離じゃないし、ホテルに着いたらきっと彼に会える。疑いもせず歩を進めて、

 

夜の街に少しドキドキしながら彼のいるホテルへ向かった。

 

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