転生男の娘は道化の海賊を王にする   作:マルメロ

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全盛期の力

 

 

 大型バレットが崩壊した。いくらシキとバレットの能力によりマリンフォードが魔改造、拡張されているとはいえあの巨体は島のどこからでも視認できた。故に驚く、あの巨人族よりも遥かに大きい化け物を一瞬の内に崩壊させた怪物の存在に。

 

 

「……!!」

 

「ダグラス・バレットが……!!?」

 

 

 雑兵だけでなく名のある将校クラス以上の海兵、五皇の幹部達も同じように驚いた。どれだけの強者であっても、あの巨体を相手にするのには骨が折れるだろう。

 

 

『おお……! 流石は元ロジャー海賊団! いや、現五皇と言った方が正しいか……!』

 

『お宅の切り札は大丈夫なのかね?』

 

「ハハ……心配いらねェよ、バレットはあれくらいでくたばる男じゃねェ」

 

 

 マリンフォードの地下、海兵でさえ知らない秘密の空間でこの戦争の首謀者の一人であるブエナ・フェスタがモニターに映る裏社会の大物達に生配信を行っていた。今回の計画にさしあたって、やはり必要なのは途方もない予算、それを一部彼らに負担してもらっていたのだ。しかし裏社会の者達にしてみれば端金……それで邪魔な政府や五皇を消すことが出来るかもしれない、もし無理だとしてもエンターテインメントとして楽しめる。どちらに転んでも彼らには関係なかった。だがフェスタは違う、バレットが勝ち残る前提の計画のため、彼が負ければ全てが狂ってしまう。しかしフェスタは未だ余裕だった、それはバレットの強さを信頼しているから。たとえ能力を破られようが、それでも最後に勝つのはバレットだと確信しているからだ。

 

 

「それよりも……この戦争でおれ達が勝った時は……わかってるな?」

 

『ああ、あんた達へ莫大な支援金を送らせてもらおう。理想の世界実現のため、精々頑張ってくれたまえよ』

 

「よろしく頼むぜ……! この戦いが終わったその先……そこがおれ達の到達点だ」

 

 

 フェスタはモニターに向かって不敵な笑みを浮かべる。この戦いは言わば通過点に過ぎない、五皇を倒し、海軍を滅ぼした先にこそ彼らの望む理想の世界があるのだ。

 

 

(もっとも……てめェらも用済みになりゃァ消すがな……!)

 

 

 心の中で一人ほくそ笑む。裏社会の大物達、確かに資金源としては使えるが用が済めば邪魔なだけだ。いずれ消してやると、フェスタは企んでいた。

 

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

「カハハハハ……! なるほど、悪魔の実の覚醒か……!」

 

 

 覚醒したバギーの能力によって合体していた大量の無機物、そしてカタパルト号を破壊され生身を晒すこととなったバレット。しかしその顔には笑みが浮かんでいた。確かに自身のガシャガシャの実の能力とバギーの覚醒したバラバラの能力は相性が悪い。だがバレットの強さは能力だけではなく鍛え上げられた覇気、そして肉体。生身になろうがこれは変わらず、焦る様なことは何一つとしてないのだ。

 

 

「だが……! 能力の相性だけで勝敗が決まることはない! 鍛え上げた肉体! 覇気! てめェじゃおれを倒すための強さが足りねェ!」

 

「……言いてェことはそれだけか?」

 

「あ?」

 

「覇気だの強さだの……そんなもんはおれ様を倒せる理由にはならねェよ……バレット!」

 

「……!?」

 

 

 バレットはその時、得体の知れない寒気を感じた。バギーから発せられる覇王色の覇気、それを感じ取りどこか身震いするような感覚を覚えたのだ。こんなことはロジャーと出会った時以来……まさかこの赤っ鼻が? と警戒と驚きの感情を強める。

 

 

「そうか……ならどっちが強いか! 殴り合いといこうじゃねェか!」

 

 

 バレットが両腕に覇気を込めてバギーに殴り掛かる。地面を蹴り、超スピードで向かってくるバレットの動きがバギーには見えていた。故に自身に拳が直撃する寸前に、両手に覇王色の覇気を溜めてバレットに放出した。

 

 

神封(しんぷう)!!!」

 

「……!? なにィ……!!」

 

 

 バギーの覇王色の覇気がバレットの身体を覆い、動きを止めてしまった。赤黒いオーラに包まれたバレットは冷や汗を流し身体を動かそうと抵抗するが、指先すらビクともしない。

 

 

(なんなんだ……コイツの覇王色は!? 覚醒だけじゃねェ……! 覇気まで強まっていやがる……!)

 

「おめェには付き合ってられねェよ、戦闘マニアが」

 

「……!?」

 

 

 動けないバレットにバギーは躊躇なくアッパーで殴りつける。さすがのバレットも無抵抗のまま殴られ、血を吐き吹き飛んでいった。そのまま岩場にめり込むほど叩きつけられる。

 

 

「舐めるな……! 赤っ鼻ァァ!!」

 

 

 しかしバレットの闘志はなくならない。身体中に力を込め、バギーの覇王色の拘束を強引に解除した。そして再び勢いよくバギー目掛けて殴り掛かる。

 

 

「チッ……!」

 

 

 それにバギーも拳で応戦する。覇王色を纏う者同士に激突、通常ならば天を割り、大地を裂く程の衝撃になるはずだが、ここでバレットはある異変に気づいた。

 

 

「……!? なんだ……覇気が……!?」

 

 

 纏えない──そう思った瞬間にはバギーの覇王色を纏った拳がバレットの顔面に届いていた。今度は軽いダメージでは済まない、口から大量の血を吐き、バレットは地面へと叩きつけられた。

 

 

(どういうことだ……覇王色も武装色も纏えねェ……! そういやさっきから奴の気配も感じられなかった……! まさか……!?)

 

「おれァバカみてェな殴り合いが嫌いだ。だからどんな手ェ使っても勝つんだよ」

 

「……ッッ!!」

 

 

 バギーごときに見下されていることにバレットは怒りを爆発させる。自分は世界最強を取りにここに来たはずだ、こんなピエロごときに苦戦するなどありえない。

 

 

「……!! カハハ……カハハハハ!! 相手の覇気を封じる覇王色か!! いいだろう、認めてやる!! てめェはおれの敵に相応しい!!」

 

 

 しかしバレットはすぐさま怒りを沈め、高笑いした。確かにバギーを舐めていた、そしてそれは間違いだと認め敵として、殺す相手の一人にバギーを加えた。世界最強を目指すなら、必ず殺さなければならない強敵だと。

 

 

「始めようか!! 世界最強を決める、本物の海賊同士の戦いを!!」

 

「へ、んなもんてめェで勝手にやってろ!! おれァお前から永久指針(エターナルポーズ)をいただくだけだ!!」

 

 

 バレットとバギーの拳が再び交差する。ラフテルへの道標を賭けた戦いは、更に激しさを増していった。

 

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 バギーとバレットの戦闘地点からそこそこ距離のある場所、ここは秋島の気候を確認できる地域だ。シキとバレットの能力で生み出されためちゃくちゃな気候のマリンフォードの中でも、ここはまだ穏やかだった。しかしその穏やかさも、ある二人の戦いでかき消されることになる。その二人は宙を舞い、刃をぶつけ天を割っている。

 

 

「ハ〜ハハハ!! いい加減くたばりな、ミズキ!!」

 

「そっちこそ……! そろそろ隠居しときなよリンリン!!」

 

 

 ミズキの愛刀、ヴァルプルギス。そしてビッグ・マムのナポレオンが激突する。互いに世界最強クラスの実力者同士、戦いに巻き込まれ周りにいた海兵や海賊は衝撃波や撒き散らされる覇気で全滅していた。

 

 

「ビタ〜〜死光羅(ショコラ)!!!」

 

「──!! 威国!!!」

 

 

 ミズキの短剣から繰り出されるエネルギーの光を、ビッグ・マムがナポレオンで切り裂いた。バラバラになったエネルギー弾が地面に着弾し爆発、周囲の地形を変えてしまう。

 

 

「長々やってても埒が明かないし……とっとと死んでもらうよ!!」

 

「……!!?」

 

 

 時間を止め、ミズキはビッグ・マムに急接近する。彼女が気づいた瞬間にはすでにミズキが懐まで潜り込んでおり、短剣を彼女の腹に突き立てていた。

 

 

紋舞乱(モンブラン)波動(ヴィレ)!!!」

 

「……ぐォォォ……!!」

 

 

 体内からの強力な衝撃波はビッグ・マムといえど少なくないダメージを受ける。しかしこの技は経験済みだ、痛みに悶えながらもビッグ・マムはミズキの身体を右手でガッチリと掴んだ。

 

 

「……!?」

 

「同じ手が何度も通用すると思ってんじゃねェよ、青二才が!!」

 

 

 右手でミズキを拘束したまま、ビッグ・マムは左手でプロメテウスを掴んだ。そして容赦なく、ミズキ目掛けて燃え盛る太陽を振り下ろす。

 

 

天上の火(ヘブンリーフォイアー)!!!」

 

「ッッ……!!」

 

 

 強力な炎を受け、地面に叩きつけられるミズキ。しかし咄嗟に受身を取ると再びビッグ・マムへと突進。ダメージ覚悟で反撃を試みた。

 

 

「……!!」

 

 

 覇王色を纏った拳でビッグ・マムを殴りつける。そのまま上に吹き飛ぶ彼女の更に上の高度まで飛翔した後、かかと落としで今度は激しく地面へと叩きつけた。

 

 

「ハ〜ハハハ!! 確かに腕を上げてる、それは認めてやるよミズキ!! だがその程度じゃおれは倒せねェ!! 年季が違うんだ小僧ォ!!」

 

「年取ってればいいってもんじゃないでしょ!! もう伸び代ないんだから潔く隠居しなよババア!!」

 

 

 ビッグ・マムとミズキ、両者の実力は拮抗していた。純粋な身体能力はビッグ・マムが上だが、能力で全ステータスを底上げできるミズキも総合値では引けを取らない。覇気に関しても武装色はビッグ・マム、見聞色はミズキが精度で勝っており覇王色は互角。決着をつけるならどちらか一方が一皮剥ける、そのような状況が必要だった。

 

 

「ぐァ……!!? なんだこりゃァ!?」

 

「あそこだ!! ビッグ・マムと“宵魔女”の戦いの影響がここまで!!?」

 

 

 彼らが武器をぶつけ合う度、能力が衝突する度に地上には多大な影響を及ぼしていた。戦いが長引けば長引く程、被害は大きくなるだろう。しかし両者共そんなことは気にしていなかった。この程度死ぬ輩は例外なく雑魚だろうし、自分の部下達もやられるとは微塵も思っていないからだ。

 

 

「……!!?」

 

「おい、ありゃあ一体……」

 

「ああ?」

 

 その時だ、海軍本部の要塞。その頂点に降り立つ男がいた。それに気づいた者達は戦いを一時中断し、ミズキとビッグ・マムもそれを見て疑問符を浮かべた。

 

 

「……頃合か」

 

「あれは……レッドフィールド?」

 

 

 ミズキが思わずその人物の名を口にする。今まで目立った動きをせず、戦場を傍観、ないし自らの身を守る程度に留めていた男が動き出したのだ。

 

 

「聞け!! この戦場で命を削りあう全ての者達よ!! 我が名はパトリック・レッドフィールド!! この戦でニューゲートを、ロジャーを超え!! 海賊の王になる者だ!!」

 

「レッドフィールド……!!? かつてロジャーや白ひげとたった一人でやりあったって海賊か……!!」

 

「馬鹿か、確かに奴は強かったが歴史に名を残す程じゃなかった。今やただの老兵だ」

 

 

 彼の声に多くの海賊や海兵が耳を傾けざるを得なかった。何せこの戦場でもトップクラスの実力者であろう男だ。しかし彼を知る一部の者は老いた彼へそこまでの脅威を感じていない、それはレッドフィールド自身もわかっていた。

 

 

「今この時、世界の中心は間違いなくこのマリンフォードであろう!! 多くの者はこの戦いこそが歴史上最も大きい戦いだと考えているはず……しかし、我に言わせればまだまだ生温い!! そうであろう!? ニューゲート、シキ、センゴク、ガープ!!」

 

「……」

 

「レッドフィールドの野郎……何をするつもりだ?」

 

「ジハハハハ……面白そうだ、聞いてやろうじゃねェか」

 

 

 名指しされた四人はそれぞれが違う反応を見せた。センゴクは彼の演説にに言葉を紡ぐことはなく、白ひげはレッドフィールドの実力を知っているためか彼が何らかのアクションを起こすのを警戒し、そしてシキは彼の言葉に興味を持った。

 

 

「あの頃の……全盛期の貴様らならばこの程度の戦場を苦にすることはなかったはずだ……! それは我も同じこと……老いとはそれ程、厳しく……そして虚しいものなのだ……!」

 

 

 レッドフィールドの言うことには全員が心当たりがある。センゴクが全盛期の頃の実力を有していれば、エースを易々と奪われることはなかっただろう。逆に白ひげが全盛期ならばエース奪還はもっとスムーズだったはずだ。少なくとも、後方で構えるのではなく自ら前線に乗り込み敵を蹴散らしていたはず。シキもそうだ、余裕そうに見せているが地上に降りないのはそこにいる数多の猛者達を一度に相手する実力を失っているから。その他にもガープ、レイリー、ギャバン。老いにより力を失い、思うような戦いを出来ずにいる者は多かった。

 

 

「だが我はこの老いを克服する手段を身につけた。バットバットの実、モデルヴァンパイア……今こそ、その真価を見せてやろう……!」

 

「……!? 奴の姿が……!?」

 

「コウモリ……?」

 

「いや違う! ありゃあ……ヴァンパイアだ……!!」

 

 

 レッドフィールドの姿が変わっていく。耳は尖り、歯は凶暴な牙へと変化した。一見コウモリのように見えるが、そうでは無い。伝説で語り継がれる怪人、ヴァンパイアだ。

 

 

「覚醒した我の能力、とくと味わうがいい!!」

 

「……なんだ? レッドフィールドの身体から光が」

 

 

 レッドフィールドの身体から光の球体が無数に現れた。それらはゆっくりと地上へ落ちていくと、とある特徴を持った人物達のみに狙いを定め、その体内へと入り込んでいく。

 

 

「お……親父……!?」

 

「その姿は……!?」

 

 

 周りの船員達が白ひげの変化に驚いた。老いてかつての若々しく、逞しい男の姿を失っていた白ひげはレッドフィールドの能力によって若かりし日の姿を取り戻したのだ。そしてその変化は白ひげだけでなく、他にも及んでいた。

 

 

「なんだこりゃァ!?」

 

「ん〜? 一体どうなってんだい?」

 

「……!? おいレイリー、お前……若返ってるぞ!!」

 

「どうやら……我々全員そうらしいな」

 

 

 シキやビッグ・マム、レイリーやギャバンなど名だたる老兵達は一様に全盛期の姿へと変貌している。しかも見た目だけではない、彼らは全員内から湧き出る力を実感していた。

 

 

「ん〜? レッドフィールドの野郎、余計なマネを……まぁいいさ、これでお前は終わりだ……ミズキィィ!!」

 

「……ッッ!!?」

 

 

 ビッグ・マムのナポレオンと打ち合っていたミズキは突然力を増した彼女の一撃に吹き飛ばされてしまった。これまでとは違い、かなりのダメージを負ってしまっている。ビッグ・マムもまた、若返りかつての力を取り戻したのだ。

 

 

「ゲホッッ……! 怪物ババアなりに衰えてたってことね」

 

「ハ〜ハハハ!! 覚悟しな、小僧!!」

 

 

 美しい見た目に似つかわしくない体格にナポレオン、ヘラ、プロメテウスを従えてビッグ・マムは倒れるミズキの前に降り立つ。怪物ビッグ・マムとはいえ歳により肉体的には多少衰えていた。しかし能力や覇気の練度は若い頃よりも強くなっており、結果的に変わらぬ強さを保っていたのだ。つまり今ミズキの前にいるのは、全盛期の肉体と超練度の能力、覇気を兼ね備えた最強のビッグ・マムなのだ。

 

 

「それで……? もしかしてもう勝った気でいる? そうだとしたらボクを甘く見すぎだよ! 若返ろうがなんだろうが、お前の死に場所は変わらない!」

 

「上等だ……やってみろよ」

 

 

 再びミズキとビッグ・マ厶が衝突する。敵のパワーアップを認めつつ、しかし負ける気もサラサラない。相棒が覚醒した中、自分がやられていいはずがないと、ミズキは全力で怪物に向かっていく。

 

 

「ジハハハハ!! あの野郎、こんな隠し球を持っていやがったのか!! こりゃあいい、最高の気分だ!!」

 

 

 若返ったシキは自身の身の軽さに驚き、珍しく興奮を隠しきれないでいた。そんな彼を狙う斬撃が、シキの背後から襲いかかってくる。

 

 

「ああ!? ……てめぇ、赤髪か!」

 

「懐かしい姿だな……金獅子。お前の能力がある限り、この戦場からは誰も逃げられやしない。悪いが討ち取らせてもらうぞ!」

 

「ジハハハハ!! ロジャーの見習い小僧が、俺の力はよく知ってるはずだろう!?」

 

「ああ……理解している。だからこそ、ここで仕留めるまでだ!」

 

 

 取り戻した力を試すにはちょうどいい。シキは戦いを挑んできた五皇、赤髪のシャンクスとの戦闘を開始した。両者の覇王色がぶつかり合い、また新たな超戦闘が幕を開けたのだ。

 

 

「気分はどうだ? ニューゲートよ」

 

「……」

 

 

 そしてこの騒動の元凶、レッドフィールドは白ひげの元へと降り立った。両者共に最も力のあった若かりし頃の姿での対面だ。問いかけるレッドフィールドに白ひげは何も答えない。

 

 

「隙を見せたな、白ひげ!!」

 

「カイドウさんの元へその首を持っていかせてもらう!!」

 

「……! オヤジ!!」

 

 

 その時、白ひげの両サイドから二人の巨漢が彼に襲いかかってきた。一人は海軍本部中将、レッドキング。そしてもう一人は百獣海賊団の大看板、旱害のジャックだ。両者相当な実力者、しかし白ひげは眉一つ動かさない。

 

 

「……ぬぅ!!」

 

「な……!?」

 

「ガハッッ……!!?」

 

 

 レッドキングを拳一撃で沈めると、マンモスに変身し踏み潰そうとしてくるジャックの足を片手で受け止め、能力と覇気を込めた薙刀で吹き飛ばした。その力に周囲の人間は驚きを隠せない。

 

 

「大看板を一撃で……!!?」

 

「あれが全盛期の白ひげの力……!?」

 

 

 中将はともかく、懸賞金10億の怪物を一撃で仕留めてしまうその力に驚愕する。ロジャーと並び世界の覇権を争った実力は半端ではなかったのだ。

 

 

「力が湧き出てくるだろう? 身体を思い通りに動かせるはずだ、煩わしいことなどないもない」

 

「……」

 

「さぁニューゲート、あの頃のように海賊の王の座をかけて戦おう。どちらかが死ぬまでな」

 

 

 そんな白ひげを見てもレッドフィールドは平然としていた。それくらいはできて当たり前、むしろあんな相手に苦戦してもらっては困るという態度だ。

 

 

「こんな能力で……」

 

「……!」

 

「オレに情けをかけたつもりか、アホンダラァァ!!」

 

「な……!?」

 

 

 しかし白ひげは覇王色の覇気を放出し、レッドフィールドの能力を強制解除してしまった。これにはレッドフィールドも困惑し、白ひげを問いただす。

 

 

「ニューゲート、貴様……なんのつもりだ!?」

 

「ハナタレ野郎が……所詮オレ達はただの人間一人、いつかは老いて死ぬ運命だ。情けをかけられてまで抗おうとはオレァ思わねェ……!」

 

「……愚か者が、そうやってみすみす逃すのか……王の座を!!」

 

「オレはハナからそんなモンには興味ねェんだよ、レッドフィールド!!」

 

 

 老いた姿に戻ってもなお、力強い白ひげの言葉。それに答えるかのようにレッドフィールドも傘に覇気を込め、二人は衝突する。この頂上戦争、どのような結末を迎えるかは……神にもわからない。

 

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